風のささやき

Shimbo氏中華鍋に女房とり。ジャーレンも孝行息子にね

 ここのところ、先日買った大きな中華鍋が大のお気に入りというShimbo氏。家に帰ると真っ先に中華鍋を取り出しては「よし、よし、いい子だ。寂しくなかったかい?」などと、甘い声で話しかけては、ニヤニヤ眺めているのだという。裏返しにしてみたり、頭に被ってみたりと、ひとしきり鍋と遊んだ後は、煙が出るほど鍋を空焼きし、最高級のごま油をいれて油を馴染ませる。七輪でサンマを焼くような煙がモウモウと立ったら火をとめてしばらく置く。それから、洗剤は使わずに洗ってまた空焼きするのだ。それがほぼ毎日の日課。「だいぶ油の乗りも良くなってきてさ、結構黒光りするんだよね、こいつったら」と満足しきりだ。

 そんなある日のこと。Shimbo氏がいつにもまして、ニコニコしながら、手に大きな荷物を抱えて帰ってきたのだという。それが何かと思えば、一つは中華用のお玉。よく中華料理の料理人が使っているあれだ。もう一つは、ジャーレン。薄手の中華鍋に小さな穴をいくつも開けたような形の、油通しなどに使う道具だ。その二つの道具を包みから出すと、今度は中華鍋を取り出したというShimbo氏。お玉を片手に鍋を降り始め、合間にジャーレンですくってみたりしている。どうも料理の予行演習のようだが、何の食材も入っていない鍋を鼻歌まじりに振る様は、ままごと遊びの子供のよう。最後に、華麗にお玉を振り上げるて「よし」の一声をあげたShimbo氏の目の前には、お得意の「麻婆豆腐」が確かに湯気を立てて存在していたらしい。それも最高に満足の行くできばえだった様子だ。

 「いいね、これ」と大粒の額の汗を満足げにぬぐうShimbo氏。それ以来、まわりの人には、「俺の中華鍋に最良の女房と孝行息子ができた」と自慢して回っているらしい。最良の女房はお玉、孝行息子はジャーレンのことだ。
 「これから、一生懸命に働いて、中華鍋にも家族を増やしてやらなければね」ともっと道具を買い揃えるつもりらしいShimbo氏。そろそろ芽を出し始めたハーブたちは「料理もしないのに道具ばかり揃えてもね」と批判的な見方をしているのだという。

今週のおまけ

Shimbo氏! 家族は多いほど楽しいわ!