串揚げは何処に? Shimbo氏、お気に入りを失う
その日、いつもの悪友と、K町に飲みに行ったというShimbo氏。友人と会うとまず最初に交わす「山」「川」のような言葉。それが「今日は何だ?」「焼き鳥、肉、串? 和、中華?」何を食べるかを取り決める秘密の言葉だ。その日は二人とも「串=串揚げ」を食べに行くということで話がまとまり、馴染みの店へと足を運んだ。すると、そのお店のあるべき場所は工事中。なんと閉店してしまったようだ。唖然として立ち尽くす友人とShimbo氏。Shimbo氏の手にはその日利用しようと思っていた割引券が握り締められていたのだという。 仕方なく、すごすごといつもの焼き鳥屋に行ったという二人。出てくるものはため息と、零れ落ちそうな涙。酒を飲むごとに、お悔やみの言葉が口をつく。 「あの味付け卵の串揚げうまかったよな」 「ほんと、俺は豚の角煮の串揚げの味も忘れられんよ」 「まったく惜しい店をなくしたもんだよ」 「客がいないことも多かったから、ちょっと危ないという予感はあったけどね」 「何とか手立てはなかったのかね」 「俺達が毎日行ってやればよかったのにね」 無言でうなづく二人。そうして、涙をこらえ、言葉を震わせながら友人を慰めるShimbo氏。 「大丈夫、今度は俺がうまい串揚げをカラリと揚げてやるから、泣くなよ、アミーゴ」 「お前こそ泣いてるぜShimbo氏、強がらなくていいぜ、へへ」 二人の話は梅雨でもないのに余りにも湿っぽく、周りにいる客が一人、二人と帰り始め、最後はお銚子を片手に酔いつぶれるShimbo氏と友人だけが残ったのだという。 もっともつい最近は、初めて行ったアメリカ東海岸料理の店が気に入り、お気に入りのお店も増えたというShimbo氏。新しいお気に入りができては、また一つなくなり、この世の生生流転を感じざるを得ないという。最後は友人と「俺達の好きな店を守って行こうと!」と大声を張り上げ、これから綿密なローテーションを組み、好きなお店を守るため、日夜のみ歩くとのことだ。
今回のおまけ

Shimbo氏! この素晴らしい目で見張ってやろうか?