風のささやき

Shimbo氏、スペイン情熱旅行!「~グラナダ編ー混乱のフラメンコ~」

  その日も朝6時30分にモーニングコールがなった。しかし、昨日の教訓を活かしたShimbo氏。6時には起きて、じっとモーニングコールを伝えるテレビの画面を眺めていたのだという。そうして昨日と同じように「Shimbo氏、おはよう!」のメッセージが流れると、落ち着き払った様子でテレビの画面を消し、程なく鳴った電話のベルに鳴る暇を与えずにきったのだという。「ふん、そんなこと予想してたから超余裕だね。驚きゃしないよ」と勝ち誇った顔。よほど昨日の出来事に悔しい気持ちを覚えていたらしい。モーニングコールの主旨をどこか取り違えているようだ。
出発時間があまりにも早かったせいか、生ハムの朝食は今日はお預け。生ハムを食わなきゃ一日が始まらないとガイドさんに猛烈な抗議をしたShimbo氏であったが、簡単に却下されたのだという。まだ外は真っ暗。ツアー客がバスに乗り込むと一路アトーチャ駅へ。「ああ、生ハムを食べなきゃ力が出ない!」といつまでもぶつぶつとつぶやくShimbo氏を乗せた列車は、一路コルドバへ向かった。

 数時間後についたコルドバは南国状態。やしの実が生えそろい、空は抜けるような青さ。その余りにも強い陽射しに、よろよろとしながら、メスキーナとユダヤ人街を見学したShimbo氏。メスキーナはもともと回教のモスクの中にキリスト教の寺院を立てたという所。「さあ、この映像がとれるのは世界でもここだけだから、写真をとって下さい」とガイドさんに言われ、カメラ片手に日本人観光客の典型となったShimbo氏がいた。

 お昼にはパエリヤでお腹を満たした後、一行はバスにのりグラナダへ。途中、バスの車窓から見えたのは、オリーブ、オリーブ、またオリーブ。丘や山の一面にオリーブの木が生えている風景だ。この場所が世界で一番オリーブの生産量が多いのだとか。オリーブ大好きのShimbo氏でも、この量ではちょっと消費できないねと、ちょっとうんざりしていたのだとか。

 途中のお土産やに入ると、なぞのスペイン人のおじさんが、「コレ、イッコ、サンユーロ、ニコ、ロクユーロ、サンコ、ハチユーロ、ヤスイ、ヤスイ」と独特の節回しで、オリーブ油やら、缶詰やらをバナナの叩き売り状態で売っていたとのこと。バスの中でガイドさんから「あそこのオリーブ油は、ほんとうにうまい!」とさんざん聞かされたShimbo氏らツアー一向。おじさんの言葉に、オリーブに群がったのも当然のことである。

 そうしてバスはグラナダへ到着。そこで解散となったのだが、Shimbo氏はオプションのフラメンコツアーに参加した。穴倉のようなところに入っていったのだが、そこでフラメンコが演じられるのだという。小さな踊り場を取り囲むように座っていると、フラメンコ衣装に身を包んだ女性の登場。これが激しい恋の始まりと「踊り子さ~ん」と、呼びかけたShimbo氏であったが、目にもとめてくれなかったらしい。ほどなくギターの演奏がはじまり、それに合わせてリズムをとるための手拍子。それが独特の拍子でとても真似できる代物ではないのだが、踊り子さんの注目を浴びようと、手を叩き始めたShimbo氏。するととたんに拍子がおかしくなり、観光客一同から憤怒の相で睨まれたという。踊り子さんからも「フン」と蔑んだ眼差しで一瞥される始末。Shimbo氏が肩身を狭くして、踊り子さんをうらめしげに眺めていたのは言うまでもない。

 その日の夜、12時頃にホテルに到着したというShimbo氏。「激しい恋の夢は潰えた」と、厳しいスペインでの現実に、涙で枕を濡らしていたのは言うまでもない。

今週のおまけ

ええ、いい恋を一杯したわ。 Shimbo氏? ものの数にも入らなくてよ!