Shimbo氏、日の丸を背負う。ダーツ日本代表はお任せ。
ここのところ、ダーツ凝っているというShimbo氏。ダーツとは、的を狙って針のついた矢を投げるあのゲームのこと。よく飲みに出かける場所にダーツとビリヤードができるお店ができたので、ここのところ二次会には、足繁くその店に通っているらしい。「ダーツの起源は500年以上も前に遡るんだぜ、一投一投に歴史の重みを感じるね」とまったくの素人の癖に、自分のことのように自慢気に話すShimbo氏。
最初に友人とその場所を訪れた際には、どう遊んでいいのかわからず、小リスのようにおどおどとした仕草で初心者ぶりをアピールしながらも、ニシキヘビのような抜け目のない瞳で、まわりの活動を観察していたのだという。まさに、師匠の技を目で盗もうとする弟子の様。職人気質のShimbo氏らしい行動だ。
そうこうしながら、三回も通うともうプロのような顔をして、お店の中を練り歩くShimbo氏。誰かれとなく肩を叩き「よう、今日は調子よさそうだね」とか「もうちょっとスナップを効かせてごらん」とか「おっと、今、白線を越えてしまったよ、次は注意してね!」などなど、場を白けさせるようなことばかりを言って回るのだという。それに腹を立てた女の子から「何、あのおやじうざい」と38秒程、後ろ姿を睨まれつづけていたShimbo氏であったが、当の本人はいいアドバイスを送ったと、鼻歌まじりの上機嫌になっていたのだという。「俺ほど、ダーツの発展に貢献している人間も少ないんじゃないかな」
そうして、そんなShimbo氏のプロぶりも、友人との対戦で極まれという感じだった。友人が話のはずみで「俺は、日の丸を背負っていたら負ける気がしない」と切り出したところ「ヨーシ、俺達はダーツオリンピック代表だ!」と返すShimbo氏。そこから、オリンピックダーツ男子団体準々決勝が始まった。準々決勝の相手はエジプト代表。
友人:「さあ、最初に投げるのはShimbo選手。」
Shimbo氏:自分自身で解説をつけながら。「少し、緊張しているみたいですね。さあ、独特のお腹を突き出したポーズから第一投目です」
友人:「おっとこれは、大きく外れた。どうした世界のShimbo!」
Shimbo氏:「これは、随分と肩に力が入っていたようですね。第二投目には期待したいところです。」
友人:手に汗を握りながら「さあ、日本中が応援しているぞ、頑張れShimbo!」
そんなアナウンスを受けながら、準決勝はカナダを、決勝はロシアを見事に逆転で下し、ガッツポーズをとったというShimbo氏と友人。「やっぱり、背中に感じるものがあると違う!」確かに日の丸を背負ってオリンピック代表になったShimbo氏たちのスコアは、通常の二倍は良かったという。
もっとも、そんな大声の解説を耳にしたまわりの人々は、半分凍った笑顔で、オリンピックという桧舞台で戦い続けるShimbo氏と友人を眺めていたという。
それ以来、すっかりご機嫌のShimbo氏。家に帰っても、フォークを矢に見立て、ハーブたちをターゲットに、投げつけているらしい。おかげで、ハーブたちの葉っぱはちぎれて、見るも無残な状態だそうだ。
腕に自身のある者は、Shimbo氏に挑戦してみるといい。日の丸を背負っていない時のShimbo氏ならば、きっと勝てるかも知れない。
※ちなみにダーツは残念ながらオリンピックの種目ではありません。
今週のおまけ
そんなに腕に自信があるなら、私のハートも打ち抜いて見せてよ