Shimbo氏、マーチンで亀裂。夜は見張りに忙しくね
先日新たに、マーチンのギターを購入したShimbo氏。従来から愛用のクラッシックギターとは異なる種類のギター(アコースティック)だ。もともとアコースティックギターは好きだったShimbo氏。いつかは一本というのが従来からの夢だったが、それが叶ったとのこと。もっともShimbo氏の中でのマーチンの役割は低く、クラッシックギターの代打、あるいはアリスのひき語り用といった程度のものだった。「マーチンは惜しいけれど、俺のジョーカーにはなれないね」とShimbo氏はニヒルに呟く。
そんな虐げられたマーチンであったが、温泉に入ってご機嫌の卵おじさんグループの宴の夜に、本格的なデビューを果たしたという。卵おじさんたちの硫黄臭い手から手へとたらいまわしにされ、ジャカジャカトかき鳴らされて、賞賛の声を浴びたのだという。「これは、メロウな音だ!」とか「響く!」とか「惚れた」とか。これがShimbo氏だったら、一生分の誉め言葉というぐらいに誉められたのだという。
マーチンを手にした卵おじさんたちの妄想は大きく膨らんでいったのだという。卵おじさんたち曰く、おじさんたちが夜な夜な徘徊する若者の町Kで、地べたに座り演奏しているヤングたちと「のど自慢合戦」をして、ヤングたちを心底ギャフンと言わせるのだという。「だいたい奴らは音楽の真髄を分かっていない」と息巻く卵おじさんたちは、「マーチンがあれば教えてやれる」と異様なまでに瞳を光り輝やかせていたのだという。まさに経済力に物を言わせ、若者達の可能性の芽を摘もうとする大人気ない行為だ。
そんなこんなで、マーチンを誉められ、すっかりと機嫌を良くしたShimbo氏であったが、ふと我に帰ると急に恐ろしく思えたのだという。気づくと友人たちがまるで何かに取り付かれたような目でマーチンに触れながら「これいい音だな、ほんとによ」「俺も欲しいぜ」と、よだれをたらしていたのだという。まるで絶世の美女を眺めるように。Shimbo氏が眠りについた後も、マーチンは卵おじさんたちの腕に弄ばれていたのだという。
次の夜からShimbo氏は、友人がマーチンを盗みに来るのではと夜も眠れなくなり、マーチンを傍らに置いて、ランランと目を光らせ見張っているのだという。ほんの小さな物音にもピクリと反応しながら。友人達の目はそれほどまでに異常に思えたのだという。すっかりと疑心暗鬼になり、「俺は超人間不信!」と宣言するShimbo氏を、「それは、お前がギターを見せびらかすからだろうと」と冷たくあしらうハーブたちであった。
今週のおまけ
監視の目は緩めないからね!