風のささやき

Shimbo氏、願えるだけ願う。笹の葉揺れる七夕の夜

 その日、Shimbo氏は少しウキウキとした足取りで、町を歩いていたという。それは七夕の日。Shimbo氏のポケットからはたくさんの短冊と色とりどりのサインペンとが顔をのぞかせていたという。そうして、短冊が飾れそうな笹飾りを見つけると、おもむろにその短冊を取り出し、達筆な字で願い事を書き込み、勝手に笹に結び付けて歩いていたのだという。Shimbo氏の家のまわりの笹飾りは、Shimbo氏の願いごとで一杯になっていたという。それでもまだ、願いごとが足りないと思ったShimbo氏。電車にのり、家からは少し離れた場所にまで、笹飾りを探しに行ったのだと言う。

「さあ、願うぞ、もう嫌ってほど願うぞ!」と超意気盛んなShimbo氏。手当たり次第に短冊を飾りつけるわ、あげくの果てには、小さな笹飾りを持った男の子をつかまえ「坊やいいものもっているね。それおじさんに見せてくれない。」と純真な幼子から、笹飾りを取り上げると、目にも止まらぬ早業で自分の願いをくくりつけたのだという。
自分の用事を済ますと「さあ、坊やもう行ってもいいぞ。大きくなれよ。」と、唖然としている幼子をさっさと追い払い、ニヤリとほくそ笑んでいたのだという。

 そんな、活動でまた、街中を短冊だらけにしたShimbo氏。それですっかりと満足したのか「さて、後は家宝は寝て待てだね。」と帰宅の途についたのだという。そうして、家に帰りハーブたちにそのことを話そうと、窓を開けると、ハーブたちにも短冊をくくりつける余裕があることを発見したのだという。そこで、余った短冊に願いを書き込み、さっそくハーブたちにぶら下げたところ、「こんな邪魔なもんブら下げんな」「太陽が浴びられないでしょう」など、一斉に大ブーイングがおきる始末。もちろんShimbo氏は知らん顔のまま、窓を閉めたとらしい。しかし、せっかくの七夕の夜も外は雨。星に願いをかけるという訳にはいかず、不機嫌な顔のShimbo氏だったという。

 ちなみにShimbo氏の願いごとは「三食昼寝つき」「酒池肉林」「美酒爛漫」などなど、お酒と食べ物に関することがほとんど。幼子の笹飾りに「三食昼寝つき」の短冊を見つけた親御さんは、子供のおませさんぶりに驚いていたに違いない。

今週のおまけ

願い事は勝ち取るものよ、Shimbo氏!