風のささやき

Shimbo氏花見に酔う。フランクフルトにはご用心。

先日の日曜に、友人に誘われて花見にでかけたShimbo氏。「日本人は花見をするために生まれてきたんだからね。俺が独裁者だったら、花見のシーズンは日本中を休みにするね!」と強い口調で語り、すっかり右翼モード。「花見、花見」とウキウキとしながら友人との待ち合わせを場所に向かった。

 電車から降り駅の改札に向かうと、Shimbo氏の目に飛び込んできたのは人、人、人。500%の乗客率の電車をさらに満員にしたような込み具合に、急に桜餅のように頬を赤らめ、怒りを顕わにするShimbo氏。「なげかわしい!なってない! 桜は俺のように花鳥風月をこよなく愛するものだけが見ることを許されているもんだ!」さっきまでは、日本人は皆、花見をすることが義務のごとく主張していたのに、何という身の変わりよう。
 もっともShimbo氏の気持ちも分からないではない。"O-hanami!"の文字が刺繍された桜色のスーツは花見のために新しく仕立てたもの。わざわざ、英国まで出向いて、最高級の職人に作らせたオーダーメードの逸品だ。「それでもまだまだ、足りないぐらいさ」とShimbo氏。Shimbo氏の友人は、花見を最高のコンディションで迎えられるようにと、2ヶ月前から山ごもりをして、熊や猪と戦っていたといういう。「生と死の狭間に身をおき、日本刀のように精神を研ぎ澄まないと、桜の真の美しさがわからないのさ」とShimbo氏友。

 まったくと言っていいほど、花見の精神がわかっていない若者たちをかきわけ、何とか無事に目的の公園にたどり着いたShimbo氏たち。たどり着くなり、「じゃあ、花見と言うことで一杯やりますか?」と早速酒盛りが始まったという。もっとも適当な場所が空いていなかったので、桜が見える茶屋に入り、生ビールを頼んだという。そうしてふと茶屋の外を見ると、いかにも合成着色料と魚肉をたっぷりと使ったフランクフルトが美味しそうに焼きあがっているところ。間髪を入れず「フランクフルト!」というShimbo氏の高らかな声が響いたのは言うまでもない。
 そのフランクフルト、一本250円で、飛ぶように売れていく。焼いても焼いてもお客はへらず、待ちきれない客同士が小競り合いを始めてしまうほど。そこでこそこそと話し出すShimbo氏たち。
「1本フランク250円だろう。それが、一日10000本売れたとしたら、250万円!? でもあの調子だったら、10万本は売り上げるだろうから2500万円!? 超ビックリ。」
「おいおい、このお店が終るころにもう一度ここに来て、売り上げのおこぼれをいただくのはどうだい?」
 とShimbo氏たちの目が光り、顔を見合わせ、ニヤリと笑いあう。その目つきは確かに、大金という獲物を狙うハイエナのようだったという。

 もっとも、その後飲みすぎですっかりと当初の目的は忘れたShimbo氏たち。"O-hanami!"スーツも酔っ払いこぼした赤ワインで汚れ、まだら模様になっていたという。
 家に帰ってくるなり、「まあ、おまえたちは緑なだけで、何の芸もないな」とハーブたちを馬鹿にして、怒りをかったShimbo氏。また、今年もShimbo氏とハーブたちの、戦いの幕が切って落とされたようだ。

今週のおまけ

フランクいらんかね!