風のささやき

Shimbo氏覇王の夢ついえる。高ければワインは良し。

 普段からワインが好きで飲む機会も多いというShimbo氏。「ぶどう酒のことなら俺に任せておけ」とことあるごとに豪語しているという。あの著名なT氏からはティスティングを教えくれとしつこく頼まれ、忙しいからと断っているのだという。「まあ、俺の舌は神からの贈り物といっても過言ではないね」と言うShimbo氏。

 そんなShimbo氏にいい知らせが届いた。友人がおもしろい店をみつけたのだという。何と300種類以上のワインをグラスで飲めるのだ。しかも一杯50mlから選べる。つまり、ボトルではとても手が出せない高いワインでもお手軽な値段で味わうことができるのだ。この話に目をつけないわけがないShimbo氏。早速友人に連れられてお店に向かった。

 恋する少女のように高鳴る胸を押さえながら店の中に入ったShimbo氏。そこは、たくさんのワインが並ぶ楽園だった。バーカウンターにとたどりつくとさっそく白ワインを頼み、それを一気に飲み干したShimbo氏。その時、今まで感じたことのないやる気を感じたのだと言う。「ここにあるワインを全部飲んでやる」という息ごみだだったらしい。その時の鼻息の荒さを「風速何十メートルあったのか計測不能だよ」と友人は語る。

 もっとももはや脳血栓のあるShimbo氏。意気込みはあっても体はついていかない。ほどなく酔ってしまい、最後に高いワインを飲んで帰ろうという話になった。頼んだワインはボトル売りでは1万円以上の高級品。「でも、ワインは値段じゃないから」などと軽口を叩きながら、そのワインを飲んだ瞬間「なんだこれは」と店じゅうに響く奇声を発したという。今まで飲んだどのワインよりもおいしかったのだという。Shimbo氏は悟った。「ワインは値段。」
 ワインを味わい尽くすには経済力が足りないことに気づいたのだというShimbo氏。そのときワインの覇王になる夢がもろくも崩れ去る音を確かに聞いたという。
 
「もう葡萄を育てるのもやめるよ」と、ワイン好きがこうじて、ハーブの変わりに葡萄を育てようと計画していたShimbo氏。その言葉を聞いて「高級ワインさんありがとう」と胸をなでおろすハーブたちであった。

今週のおまけ

ヨッ、いいぞ、姉ちゃん! 最高!