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鳴子川渓谷にかかり、83mの落差をもつ。滝の各所から温泉が流出 し、35〜38℃の温泉が直径40mに及ぶ滝壷に落ちている。平成2年「緑 の文明学会」などの主催による「日本の滝百選」に認定され滝に対 する関心も一層強まった。

この滝に関する文献は古くは、文明18年(1486)の「船岡新宮八幡 縁起」に「郷割り説話」の中に見られ、約500年前より人々に知られ ていた。文化元年(1804)の『豊後国志』の中でも田能村竹田により 「震動の瀑」として次のように読まれている。
「飯田郷田野村に在り玖珠川の源なり。九重・大船の水此に至り瀑 と為る。飛流八十尋。石に触れ砕散る。六月雪を飛ばす。動揺し懸 崖を直下す。その声数里に聞こゆ。傍の雑樹陰鬱たり。下の碧潭窈 冥(へきたんようめい)たり。近窺(きんき)す可らず。」

『九重町誌』上巻(編集・発行:九重町、平成7年2月1日発行)

九重連山を水源とする鳴子川は筌の口温泉の脇を通り、さらに 1km程下ったところで、突然大陥没した断崖絶壁にさしかかる。暗い 滝壷へ水煙を上げながら轟き落ちる様は、まさにダイナミックだ。 以前は滝壷まで降りて行くことができ、襲いかかるように落ち来る 滝を薄暗い河原から見上げることができたが、鎖場道が崩壊してか らは、途中の展望台からしか見ることができなくなったのは残念だ。 龍神にまつわる伝説があり、毎年11月3日に「滝開き」が催され、 地元による「龍神もち」がつかれている。このときだけは道をつけ、 川に臨時の橋を架けて滝壷まで降りることができるので、興味のある方は 九重町役場の商工観光課(TEL 09737-6-3150)に問い合わせてみるとよい。

震動の滝には飯田高原から豊後中村へ下っていく県道の、九酔渓 の入り口近くから途中まで車で入っていくことができる。道路の突 き当たりの駐車場に車を止めて、5〜6分原生林の中を歩いて降りる と展望台に到着する。行きはよいが、帰りはずっと上り坂となるた め、少し汗をかくだろう。駐車場まで帰り着いたら、無人野菜販売 所で素麺瓜(Spaghetti Squash)などを買ってみるのも楽しい。


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