食品機能論
第1回(4月11日)
食品の持つ機能。として、一次、二次、三次機能がある。
一次次機能が、栄養、二次次機能が嗜好、三次機能が生理機能である。最も研究されているものが、がん予防機能と循環器系疾病予防機能である。がん予防には、各種野菜が知られている。循環器系疾病の予防には、動脈硬化の予防が必須であり、そのためには、血液中のLDLコレステロールの酸化を抑制することである。食品中には、各種の抗酸化成分がある。ビタミンC,E,そしてポリフェノールである。
第2回(4月18日)
植物性食品の含まれる生理機能成分として重要なものがフラボノイドとポリフェノールである。前者は、化学構造の骨格から付けられた名称で、後者は、官能基からなずけられたものである。
ポリフェノールは抗酸化作用を持つ。とくに血液中のLDLの酸化を防ぐ。その結果、動脈硬化の予防となる。活性酸素の消去作用もあり、結果としてがん予防となる。
フラボノイドは、女性ホルモン様の作用があり、骨の形成にかかわり、骨そしょう症の改善になる。とくに大豆のイソフラボンが重要である。
第3回(4月25日)
炭水化物系の機能成分として重要なものは、オリゴ糖と食物繊維。
オリゴ糖は、単糖が複数(2〜8個くらい)結合したもの。生理機能は腸内の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やし、悪玉菌の増殖を抑えること。食物繊維は、人の消化酵素で消化されないものの総称。主要なものは植物の細胞壁の成分であるセルロース、リグニン、ヘミセルロース。これらは、不溶性(IDF)。植物の細胞内にあるペクチンは水溶性食物繊維(SDF)。IDFは主に発ガンの予防、SDFは主にコレステロールの低下作用がある。
たん白質系の機能成分として重要なものは、植物性たん白質と、ペプチド。植物性たん白質はコレステロール低下作用がある。ある種のペプチドは血圧安定作用がある。これは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)の活性を抑えるためである。
第10回(6月22日)
水産物の機能
魚の生理機能で大切なものは、脂肪酸である。脂肪酸には、飽和脂肪酸、1価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3種がある。飽和脂肪酸は動物の脂、1価不飽和は、植物の油、多価不飽和は魚油に含まれる。多価不飽和脂肪酸の中で、EPAと呼ばれるものは、血中コレステロール値を下げ、心臓疾患の予防になる。DHAは、脳を活性化し、記憶能力を向上する。
魚肉にはコラーゲンが豊富である。コラーゲンは、オキシプロリンを含み、生体内のコラーゲン合成の材料となる。
エビやカニの色は、アスタキサンチンでカロテノイド系の色素である。抗酸化力が強く、がん予防になる。
藻類は、緑藻を除いては、光合成をしないので、でんぷんではない海藻多糖類を蓄積する。これは、食物繊維として働く。
藻類には、ミネラルも多い。とくに、ヒジキには鉄、コンブにはヨウ素が多い。ヨウ素は、甲状腺ホルモンの分泌に欠かせない。ただ、摂り過ぎると甲状腺障害を起こす。
第11回(6月29日)
畜産物の機能
まず第1は、たんぱく質である。肉のたん白質は、アミノ酸組成に優れているのでアミノ酸価が高い。第2は、鉄である。肉の鉄は、ヘム鉄という有機鉄であるので、野菜に含まれる無機鉄よりも吸収がよい。肉から鉄を摂るとしたら、牛肉で200グラムを取れば、本当の必要量の2グラムをクリヤーできる。牛肉からは、ビタミンAが、豚肉からは、ビタミンB1を摂れる。
牛乳のカルシウムは吸収がよい。カゼインたんぱく質に結合しているからである。カルシウムが結合したペプチドをCPPという。MBPは、骨の形成に効果がある。破骨細胞の働きを抑え、骨芽細胞の働きを高める。ラクトフェリンは、ホエーたんぱく質の1種で、抗菌性と免疫活性増強作用がある。
卵の、卵白に含まれるリゾチームには抗菌性がある。
第12回(7月6日)
保健機能食品
食品の3次機能を形にしたものが、保健機能食品である。健康増進法の特別用途食品の1分野である特定保健用食品と、食品衛生法の食品の規格制定による栄養機能食品がある。前者は個別評価型であり、後者は規格基準型である。特定保健用食品で最も多いものは、お腹にやさしい食品で、主成分は、食物繊維と乳酸菌である。栄養機能食品に使用される成分は、ビタミンとミネラルである。下限値と上限値が決められている。健康食品は、伝承的に体に良いとされている食品で、現在は、効能を表示できない。2005年2月に、「その効果は確認されていません」という表現の表示を行うことで、条件付特定保健用食品として制度ができた。