食品学
教職(家庭)に必要な食品学の授業です
半期ものですから、授業では余り深くはできませんので、教職に就く人は、この授業を基になお、勉強してください
教職を取らない人は、一種の教養講座のつもりで気楽に聞いてください。最近、「あるある大事典」(フジTV)のような生活情報番組が流行りですが、その番組を見るような気持ちで聴講してもらえば楽しみながら最新の知識が身につきます。
授業時間は70分位ですが、残りの20分でノートの整理をしてください。
ノートは試験のときに提出してもらいます。ノート点は30点プラスマイナス10点です。つまり、ノートのできで試験の成績がワンランク、アップしたりダウンしたりします。
授業計画
1 食品とは
2 食品の栄養性−エネルギー
3 食品の栄養性−体をつくる
4 食品の栄養性−体の機能を調節する
5 食品の嗜好性−色と香り
6 食品の嗜好性−味
7 食品の安全性−食中毒と有害物質
8 食品の安全性ー汚染物と誘起性の毒
9 穀類
10 野菜
11 魚と肉
各回の予習・復習
第1回 (4月17日)
ガイダンス授業です
食品学で学ぶことを、食品の特性から説明します
食品に求められる要素は、栄養性、嗜好性、安全性の3つです。
その他に、経済性や、ファッション性、機能性なども必要です。
第2回 4月24日
食品の栄養性の第1は、エネルギー(熱量)源。人が必要なエネルギー所要量がある。年齢、性別、体の大きさ、運動量によって決まる。
男性より女性、年齢とともに所要量は減る。これを忘れると中年肥りになる。 20代の女性が、30台になると毎日50キロカロリーが過剰である。これを体重に換算すると、毎日9c増える。運動で、50キロカロリーを消費するのは至難である。25分の歩行で、50キロカロリーを消費できる。
第3回 5月1日
エネルギーとなる栄養素の第1は炭水化物である。食品には炭水化物としてでん粉と、糖が含まれる。でん粉は高分子であるので、体内で消化される必要がある。糖は、細胞のミトコンドリアで代謝されてエネルギーを発生する。その機構は、EMPとTCA回路と呼ばれる。EMPを経てピルビン酸ができ、これがTCA回路に入る。脂肪は、グリセリンと脂肪酸に消化されて、β酸化を経て、やはりピルビン酸を生成する。この反応は逆反応が可で、糖を多量に摂取すると、余ったピルビン酸から脂肪が合成される。これが肥満の原因である。
食品の栄養性の第2は、体を作る構成素としての役割。とくにたん白質は毎日55g摂取する必要がある。理由は、体のたん白質は、毎日壊れているので、新しく再生する必要がある。
たん白質を構成するアミノ酸には20種類あり、この構成パターンが栄養として重要。人の体を構成するアミノ酸のパターンと等しいパターンを持ったたん白質が最も栄養に優れている。食品を複数組み合わせることによって、パターンを改善して、栄養価を向上することができる。
第4回 5月8日
体の機能を調節する栄養素としては、ビタミンとミネラル(無機質)がある。ビタミンには水溶性のものと脂溶性のものがある。どちらも摂取基準量が定まっている。脂溶性のものはとくに摂り過ぎに注意が必要である。
ビタミンの名称 アルファベットの名称は、その効果で分類されたもの。正式名は化学名がある。例 ビタミンCとアスコルビン酸
ビタミンの作用機構 ビタミンは体内の細胞内での代謝に関与する。例えばB群は、糖のエネルギー代謝に関与する。したがってエネルギーを大量に発生するときはBが大量に必要となる。エネルギー源となるでん粉を多量にとって、B群のビタミンを取らないと、乳酸が溜まってむくみが出たり、脂肪が蓄積して肥満となる
ビタミンの効果 現在、欠乏症はほとんど無い。たん白質の欠乏症やエネルギーの欠乏症が無いのと同じ。
必要量異常に摂ることによって疾病の予防効果がある。Aはがんの予防、Cは老化防止の効果がある。
第5回 5月15日
ミネラルの必要量
最も重要なものはカルシウム。1日に600mg必要。ただし、リンを取りすぎるとカルシウムが排泄される。骨の形成には女性ホルモンも必要。閉経後に骨そしょう症になりやういのはそのため。大豆のイソフラボンは女性ホルモンの働きがあるの予防効果がある。
若い女性はとくに鉄を必要(12mg/日)
ミネラルは食事内容によって吸収率が変わる。有機鉄は吸収が良く、無機鉄は吸収が悪い。必要量にはこの吸収率は折り込み済みなので注意。
所要量=排泄量/吸収率
栄養素でない栄養に食物せんいがある。消化されない植物の細胞壁成分が主。不足すると腸がんになる。また、充分にとるとコレステロールを排出してくれる。食物繊維の種類によって生理効果は異なる。
第6回 5月22日
食品の嗜好性ー色ー
食品に含まれる色素には各種のものがある。植物性食品の緑色は葉緑素で、動物性食品の赤色はミオグロビンであるが、ともに化学構造は類似している。両者が進化の過程で同じ生物から分化した結果である。赤色色素のカロテノイドは、ビタミンA効果があるものが多い。しかし、トマトのリコピン、卵のルテインは効果がない。
アントシアニン色素は、花の色が代表で、水溶性色素である。フラボノイド色素は生理機能が最近、注目されている。
5月29日は、先生が農林水産省の会議に出席のため休講です
第7回 6月5日
食品の味
舌の上にある味らいによって味を感じる。味らいの種類により甘い、酸味、塩味、苦味の4基本味と旨味がある。辛味は舌全体で感じる痛味である。
甘味料は、砂糖が代表であるが、ダイエット向けに新しい甘味料が各種開発されている。でん粉を原料とするでん粉とと高度甘味料がある。でん粉糖はでん粉に酵素を働かせてつくる。でん粉糖をさらに加工した糖アルコールは、その性質から注目を浴びている。
旨味には、核酸系、アミノ酸系、有機酸系がある。旨味には相乗作用がある。
辛味は、無味のものが酵素を媒介として、酸化によって辛い味が出る。
第8回 6月12日
食品の安全性
食品に含まれる毒物には、自然由来のもの、汚染物、誘起性のものがある。
自然由来のものには、急性毒性のある毒きのこ、ふぐ毒、配糖体(アルカロイド)などがある。配糖体は、酵素によって分解して毒を発生するので予め加熱すれば可食である。慢性毒性には、栄養素の吸収を阻害するものが各種ある。穀類に含まれるフィチン酸はカルシウムの吸収を阻害する。野菜や茶に含まれる蓚酸は鉄の吸収を阻害する。
汚染物には、農薬、動物医薬、工場排出物、などがある。農薬や動物医薬は食品中の残留基準が定められている。実際、数%の食品は基準を超過する。工場排出物は、かって食品公害の原因であったが、現在は規制により起こらなくなった。
第9回 6月19日
食品の安全性(続)
食品には発がん性物質が含まれるが、問題はその量である。動物実験により発がんが起こる量を食べることはない。
意図しないで環境を汚染するものが問題となっている。典型はダイオキシンである。
ダイオキシンは、もともと除草剤として農薬として使用されていたものだが、ベトナム戦争で枯葉剤として使用された結果、毒性が強いことがわかり、使用禁止となった。今でも、環境中に放出されたものが、少しずつ食物に移行している。最大の汚染源は魚である。現在のダイオキシン生成源はごみの焼却炉である。
食中毒は、細菌によるものが主である。
食中毒菌によって、汚染する食品が異なり、対処法も異なる。食中毒を防ぐには、菌を殺菌することである。殺菌には加熱殺菌と非加熱殺菌がある。後者では、放射線による殺菌が注目されている。
第10回 7月3日
植物性食品
穀類(米、小麦)の特徴について。
米には、ジャポニカとインディカがある。日本の米は前者で、形は短粒種で、でんぷんのアミロースが少ない。
米は、精米して利用するが、胚芽やぬかに含まれる栄養が減少する。そこで、玄米や胚芽米がある。現在は精米技術が進んでいて、ほとんど糠は残っていないので、ほとんど研ぐ必要はない。また、糠を完全に除去した無洗米もある。
小麦は精白できないので粉にする。小麦粉にはたん白質含量によって強力粉、中力粉、薄力粉がある。パンには強力粉が必要だが、パンの網目構造にグルテンが必要だからである。めんは中力粉で作られる。
第11回 7月10日
動物性食品
肉の特徴について
肉には、和牛(黒毛和種)、国産牛(乳牛)、輸入牛がある。
肉の栄養はたん白質だが、牛肉には鉄が、豚肉にはビタミンBが、鶏肉にはビタミンAが多い。
魚の特徴について
日本は、年間900万トンという世界有数の漁獲量を誇るが、輸入も300万トンもある。その理由は、日本で獲れる魚は、イワシやサバといった飼料になるものが主で、マグロやエビといった生食するものは輸入に頼っている。
魚の栄養は、その油である。多価不飽和脂肪酸が多く、血圧制御作用がある。また、DHAは、脳の発達に欠かせない。EPAやDHAは脂肪の量に比例するので、青魚に多いが、マグロのトロにも多い。
試験は定期試験期間中に記述式で行います。また、同時にノートを採点しますので持参のこと。その場で採点して返します。ノートは30点プラスマイナス10点です。