食品加工学


第1回(4月14日)

食品を加工する目的について解説します

1 栄養性の向上
   でんぷんの糊化   水と熱によってでん粉の結晶が崩れて酵素の攻撃を受けやすくする。冷えると老化でん粉に変わる。糊化の状態で水を除くと、糊化のままで保存することができる。即席めんが例。
   たん白質の変性
2 安全性の向上
   殺菌    毒性物質の除去
3 嗜好性の向上
   色と香りの向上
 とくに1と3について解説
 色と香りの向上については、アミノ酸と糖との反応のメイラード反応について詳しく解説。アミノ酸と糖の反応の最終産物はメラノイジンという褐色色素。香りは、反応の途中段階で生成するカルボニル化合物が原因。アミノ酸の組成は、食品によってまちまちなので、香りもまちまちになる。色は、最終産物であるので、どの食品も褐色となる。

第2回 4月21日

食品の変敗要因。

 微生物の繁殖要因としては、水分、温度、pH、酸素の有無がある。
水分は、単なる水の含有量ではなく、自由水の割合(水分活性)が重要である。食塩や砂糖を加えて水分活性を下げるのは伝統的に行われてきた。味の無い水分活性低下剤として、水産練り製品に適したソルビトール、めんに適したプロピレングリコールがある。
 温度は、低温でも、高温でも繁殖する菌もあるので注意が必要。低温で繁殖する菌にはビブリオ、シュードモナスがある。高温で繁殖する菌にはバチラスがある。pHは低いpHでは、乳酸菌のみが繁殖。逆に乳酸菌を繁殖させてpHを下げる保存法が漬物や発酵乳。酸の種類によって殺菌効果は異なり、酢酸が最も強い。非電解質が効果が強い。酸素が無くてもはえる菌としてボツリヌス菌がある。
 微生物による劣化を腐敗と呼び、化学的劣化と酵素による劣化を変敗と呼ぶ。

第3回  4月28日

殺菌  食品加工は殺菌に始まり殺菌に終わる
殺菌は極めて重要
殺菌には加熱殺菌と非加熱(冷)殺菌がある
加熱による菌の死滅は確率的に起こる。いっぺんに全部の菌が死ぬのではない。必ず生き残る菌がある。9割の菌を殺せる量の殺菌程度を1Dという。殺菌ではDの12倍、12Dの殺菌を行う
菌の種類によってD値は異なる。一般殺菌(パスチュリぜーション)では、一般食中毒菌、缶詰などの完全殺菌(滅菌という)ではボツリヌス菌を指標菌とする。
非加熱殺菌には、薬剤の利用と電磁波(紫外線、放射線)の利用がある
放射線利用は食品照射と呼ばれる
日本ではジャガイモの発芽防止のみ許可されている。年間4万トンが北海道で放射線処理され、主に外食産業で利用される。

第8回 (6月9日)
 新加工技術
   物理的加工
     膜を利用した加工   精密ろ過 除菌に利用           
                   限外ろ過  りんご果汁の透明化
                   逆浸透   海水の淡水化
                   電気透析  脱塩
     エクストルージョンクッキング
                   大豆から植物たん白の製造
     超高圧利用      非加熱ジャム
     超臨界抽出      カフェインレスコーヒー
 化学的加工
     乳化剤の利用    天然のレシチンと合成のしょ糖脂肪酸エステル
 生物的加工
     酵素利用      でん粉からオリゴ糖
                  ぶどう糖から果糖

第9回 (6月16日)

 食品包装
 包装の目的は、衛生性の確保、ハンドリング、宣伝のためである。
 古くからある包装材は、木、金属、ガラスなどである。金属は缶詰に利用されるブリキがある。食品と接触する内面はコーティングされる。ガラスは重い、割れやすいなどの欠点があり、改良した軽量びんやプラスチックコーティングビンがある。
 包装材として利用が増加しているものはプラスチックである。とくに複数のフィルムを貼り合わせた積層フィルムの利用が多い。
 包装材には、食品衛生法による規格がある。材質の基準と、溶出物の基準がある。最近は、溶出物として内分泌攪乱物質が話題となっている。
 
第12回 7月 日(補講期間)
 食品の規格と表示