牛蒡流(ごぼうながし)




 和菓子は砂糖が一般に普及を始めた江戸中期頃に流行りだし、江戸後期にほぼ完成の域に達しました。
 「古今名物菓子図式」は宝暦十一年(1761年)に出版された菓子専門書として二番目に古いものです。
 上巻は京都の風雅亭主人下巻は京都の長谷川良隅による。
 練り物、干菓子、餅、飴など現在に続くものが多い。今回は奇をてらって牛蒡を使った料理を再現してみました。
 
 

 牛蒡の中をよくくり候てこの牛蒡乃間へ粉壱升尓し煎じ砂糖五合入れよく袮りて候て流し悪白尓中におし茶耳てい呂付け申候
一右牛蒡仕様随分/\婦と起ご者゛う越湯煮放し候て丸形尓天中をくり又煎じ砂糖尓天煎し候て其ご者゛うを遣申候
(たまには変体かな付きでどうぞ)

 意訳
 ごぼうの中心をくりぬいて、この穴の中に粉(何の粉かは書かれていない)1升を煮、砂糖五合を入れよく練ったものを詰める。茶で色を付ける。
 この牛蒡は、太目の牛蒡を湯で煮て丸い抜き形で芯を抜き、さらに砂糖を加えた湯で煮たものを使う。