中国、甘粛省、寧夏回族自治区、陝西省

黄土高原の石窟を訪ねて

(２０１０．５．１７〜５．２７）

今回は甘粛省、寧夏回族自治区、陝西省にある石窟をまわった。特に天水にある麦積山石窟、永靖県の炳霊寺石窟を見たかった。それと北魏代の仏像を比較して見たかった。羽田から北京便に乗り出発。北京で国内便に乗り換え西安へ。西安からはバスで１０日間かけて黄土高原を一回りすることになった。

甘粛省
　　麦積山石窟（天水）
　　大像山石窟（甘谷）
　　水簾洞石窟・拉梢寺石窟（武山）
　　炳霊寺石窟（永靖県）
寧夏回族自治区
　　須弥山石窟(固原）
甘粛省
　　王母宮石窟（徑川）
　　南石窟寺（徑川）
　　北石窟寺（慶陽）
陝西省
　　大仏寺（彬県）

甘粛省　平凉市徑川県

王母宮石窟

wangmugongshiku
２０１０．５．２３

徑川県

甘粛省が寧夏回族自治区と陜西省によって噛み切られようとするような境に徑川県がある。（徑の字はぎょうにんべんでなくさんずいが正しい。以下同じ）物事の清濁、善悪の区別を表す言葉である徑渭（ケイイ＝徑川、渭川）のひとつの徑川が流れ河西回廊へ続く街道筋に位置している。
徑川県は西王母の聖地でもある

西王母の聖地

道教の不老不死の女神として尊崇を集めている西王母の石像

王母宮石窟について
・北魏創建
・中心柱窟

�@王母宮石窟

徑川市街の西にあり目の前でｼ内川と徑川が合流している
建物は清代のもの

�A石窟内の尊像配置イメージ

間口12メートル、奥行き11メートル、高さ12メートルのホールと中心柱は周囲21メートル
尊像は多宝仏釈迦像、一仏ニ菩薩像、如来立像、象など

�B尊像のイメージ

仏像は龍門賓陽洞や次回アップする北石窟寺の尊像のような北魏様式である
ずんぐりした体躯
袈裟の紐を前で結び双領の大衣を纏い
微かな笑みを浮かべている
（スリランカから帰ってからカメラの調子が悪い）

午前中須弥山石窟を見てから昼固原に戻り午後1時過ぎに徑川にむけて固原を出発した。昨日トンネルで通過した紅軍大長征の難関の地、六盤山が車窓から遠くに見えた。再び甘粛省に入り平凉、白水、徑川と車は進み王母宮に到着したのは夕暮れになってしまった。移動の疲れが出たのか石窟のなか印象が記憶として残らなかった。�Aのメモが帰ってからの唯一の記憶の手掛かりとなった。
北魏様式の源流は北魏の都の平城（雲崗）、洛陽（龍門古陽、賓陽）であってこれが西方の徑川へと伝播したのであろうか。