中国、甘粛省、寧夏回族自治区、陝西省
黄土高原の石窟を訪ねて
huangtugaoyuandeshiku
(2010.5.17〜5.27)
今回は甘粛省、寧夏回族自治区、陝西省にある石窟をまわった。特に天水にある麦積山石窟、永靖県の炳霊寺石窟を見たかった。それと北魏代の仏像を比較して見たかった。羽田から北京便に乗り出発。北京で国内便に乗り換え西安へ。西安からはバスで10日間かけて黄土高原を一回りすることになった。
甘粛省
麦積山石窟(天水)
大像山石窟(甘谷)
水簾洞石窟・拉梢寺石窟(武山)
炳霊寺石窟(永靖県)
寧夏回族自治区
須弥山石窟(固原)
甘粛省
王母宮石窟(徑川)
南石窟寺(慶陽)
北石窟寺(徑川)
陝西省
大仏寺(彬県)
麦積山石窟
2010.5.18
麦積県の街並み
宝鶏から天水までは約173キロある。深い谷の道を行くことになるが、いまは高速道路が整備され昼過ぎには麦積山県に到着した。麦積山の街並みは真新しく5月の日の光を受けて眩しく感じた。
麦積山の街並み

麦積の街並みはまだ真新しい
大地震により東、西に分かれる
麦積山石窟は唐開元22年(734年)の大地震により崖が崩落し東崖と西崖にわかれた。東崖は涅槃窟、千仏廊、散花楼、上七仏閣などが、西崖は万仏堂、天堂堂などが主だったものである。
いよいよ石窟を見る
今日は地元のお祭にあたった。石窟は地元に開放されていてひとびとでごった返していた。(この写真の下は地元のひとびとでいっぱいなのです)
東崖

磨崖仏(三尊像)の右上に千仏が並ぶ千仏廊があり磨崖仏の頭上の七つの窟が散花楼である
見てまわった順にメモしました。
37窟 隋代 祈祷菩薩像
36窟
34窟
13窟 磨崖仏(三尊像)
19窟
9窟 中七仏閣
3窟 北周代 千仏廊 297体の仏像
4窟 北周代 散花楼 東崖の最上部 七大龕が並ぶ
5窟 隋代 牛児洞
136窟
135窟 北魏 天堂洞
191窟 インド人の姿をしたガルーダ像
祈祷菩薩

両腕を胸の前で合せていることから祈祷菩薩と呼ぶのであろうか?
両肩にかかるリボンのような裾が下がる
優しい菩薩の表情が印象的である

仏の視線は下向きで
石窟寺院に登れなくなったひとも
麓で拝むことができるありがたい三尊像
第9窟 中七仏閣
ここは壁画が描かれた窟龕が7つ並び、各々両側に菩薩を配した如来仏が真ん中に座している。
@頭巾を被った菩薩像

かっては煌びやかな彩色が施されていたのであろ
自然な衣文も美しい
腰を曲げないですっと立っているところがよい
A仏龕正面に座す如来像

堂々とした坐像
胸がひろくはだけるいるもの特徴的である
白ごうと両眼は無残にも抉り取られている
光背に描かれた児童の像がかわいらしい
Bいかめしい弟子

弟子の毅然たる態度が表情に出ている
C脇待菩薩像


絶壁に整列する千佛297体

第4窟 散花楼(上七仏閣) 北周時代
北周武帝保定年間(561年〜566年)秦州大都督李允信が亡父のため建てたといわれる窟である。精微な彩色塑像,壁画などが目をひく。
@如来坐像

A楼閣の両側に立つ仁王像

B菩薩像
一番気に入った菩薩像です。

C龕外の天井の格子の中に描かれた壁画。

仏伝図であろうか?それとも
人物の服装から供養に向う王様の隊列であろうか?
騎馬の絵がいきいきしている
第5窟 牛児堂 隋代
@三尊像

A弥勒菩薩像

特徴的なものとして衣文や紐の結び目に注目した
B仏坐像

紐でかけた袈裟の姿は現代でも見られる
第191窟
@如来像

A菩薩像

Bガルーダ

インド人の姿をしているガルダが台座を支えている
麦積山石窟は雲崗石窟と造営期と重なっているが、雲崗のようなものは見られない。中原と河西回廊との接点に位置する麦積は敦煌や炳霊寺などの流れを多くくんでいるようである。