Subject:
リフト
私はスキー初心者。会社の同僚に騙されて昨年から始めたものの、興味の差とでも言い換える事ができようか、同時期に始めた後輩の足元にも及ばないほど上達しなかった。
あぁ、また同僚が私を山の上に引っ張ってゆく・・。だいたいスキーなんて、何処へ行っても混んでるし、リフト乗り場なんて戦場と化しているし、
『温厚な私には向いていないんだよ!君達!!聞いているのかい?』
と叫ぶのは頭の中ばかり。温厚ではなくて、臆病なダケなんだよなぁ。はぁぁ。
あぁ、またクワッドとかいう4人乗りの拘束リフトがやってきた。聞こえてくるのは、むなしい機械音声の
『プーン・・オススミクダサイ』
『・・・・・』
『プーン・・オススミクダサイ』
『・・・・・』
あぁ、ちくしょう此処下が凍ってるじゃないかぁ。あ、皆に遅れをとってしまったぁ。急がなければ・・、あ、この野郎!横入りするんじゃないよ!順番が狂ったじゃないか!あぁ、皆とはぐれてしまった。でもま、上で一旦集まるだろし、この人里離れた山奥で、何処の誰ともわからないヤツに対して怒りを感じても始まらないじゃないか。ま、許してやるか、何といっても私は温厚さんだしな。
あ、このリフトは上級者専用だって??おいおい、引き返そうにも後ろにはズラリと人が並んでいるし、今更無理だよぉ。泣けてくるなぁこれは。。
『プーン・・オススミクダサイ』
『・・・・・』
『プーン・・オススミクダサイ』
『・・・・・』
あぁ、とうとう順番が回ってきた・・・とその次の瞬間、時空の歪みに身を投じたのかと疑いたくなるような音声が・・
『プーン・・オヒキトリクダサイ』
なにぃぃ!! あ、さっきの横入りのヤツ!わざわざ後ろ向いてまで笑ってやがるな!チキショー許せねぇ!とっ捕まえてとっちめてやる。(オマエにゃ無理だって!)
1994 の作品でした。。。