2012 夏
遠藤治

丹田に重さを預け卯波かな
枇杷をとる手頃な二階ありにけり
阿と吽の息をひそめる夕立かな
仇討の坂ひらひらと夏帽子
夜濯の中を見られてしまひけり
制服の白き修学旅行かな
天秤のやうな祭の笛吹けり
宿題のうつくしすぎる晩夏かな

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