食物と化学物質
化学物質それぞれの内分泌撹乱作用の有無については、今後の議論を待たなければならないものも多いため、とりあえず、その検討は他にまかせることとし、ここでは、食物(食品)等に含まれる「化学物質」についての話題を取り上げることとする。
缶入飲料などからビスフェノールA溶出
長崎大学有薗幸司助教授らは、コーヒー飲料で89.6〜127.1ppb、ウーロン茶で7.2〜8ppb、東京理科大学武田健教授らは、コーン缶詰で5〜30ppbなど、エポキシ樹脂を使用した缶入飲料・食品からのビスフェノールAの溶出を確認した。(98.12.12)
コーヒー用カップ(使い捨てタイプ)、乳酸菌飲料からスチレンモノマー等
環境ホルモン全国市民団体テーブルは、スチレン製容器からの化学物質溶出試験を行った。その結果は以下のとおり。
| コーヒー用カップ(μg/ml) |
| 溶媒 | スチレンモノマー | スチレンダイマー | スチレントリマー |
| 水 | 0.003 | 検出せず | 検出せず |
| 4%酢酸 | 0.002 | 検出せず | 検出せず |
| 20%エタノール | 0.002 | 検出せず | 検出せず |
| n−ヘプタン | 0.59 | 0.51 | 14 |
| 乳酸菌飲料(μg/ml) |
| 検体 | スチレンモノマー | スチレンダイマー | スチレントリマー |
| ヤクルト | 0.07 | 0.10 | 3.3 |
| セービング(ダイエー) | 0.04 | 0.064 | 2.2 |
| COOP(ユーコープ事業連合) | 0.23 | 0.40 | 6.3 |
| (n−ヘプタン、25度・1時間溶出) |
コーヒー用クリームからスチレンモノマー
日本子孫基金が(財)日本食品分析センターに検査を依頼して得られた結果によると、下記のとおり、コーヒー用クリーム(ポーション:1回分ずつ小型容器に入った製品)からスチレンモノマーが検出された。なお、ダイマー、トリマーはいずれも検出限界以下であった(検出限界10ppb)。
| 試料 | モノマー(単位ppb) |
| スジャータP褐色の恋人(東京めいらく) | 70 |
| スジャータ低脂肪(名古屋製酪) | 80 |
| ネッスル・クレマトップ | 170 |
| ネッスル・クレマトプ・スーパースリム | 130 |
| クリープ液状タイプ(森永乳業) | 160 |
| クリスティ(森永乳業) | 110 |
| メロディアン・ミニ | 70 |
| コーヒーフレッシュ(六甲牛乳) | 80 |
| キャプテンクック・コーヒーフレッシュ | 80 |
| セービング・コーヒーフレッシュ | 140 |
| クリーミングポーション(マイカル) | 190 |
| CO−OPコーヒーフレッシュ | 60 |
(第2回環境ホルモン全国市民団体テーブル(7/25)事務局報告資料から)
(【注】スチレンモノマーについてはエストロゲン様作用がないことが報告されている。)
Last update:July-28-98 / T.Takeda(武田尚志) / takeda@kt.rim.or.jp