<ザウバー>

 チーム代表はペーター・ザウバー、チーム監督にマックス・ウェルチ、チーフ・デザイナーにレオ・レス。
 WSCにメルセデス・ベンツのワークス・チームとして参戦。 93年メルセデスのマネーとエンジンで、F1にデビューした。
 スポンサーには、オーストリアの飲料メーカーレッド・ブルとマレーシア石油会社のペトロナス。 サイドポンツーンからリヤにかけてマシンの上面に、ブルーに上に薄く沢山の「PETRONAS」がかかれている。
 オーストラリアGPではフリー走行が始まる20分前に、ようやくリアの衝撃テストを通過した。 エンジン決定の遅れがここにも響いていた。
 ハンガリーGPでは燃料が認定済の物と成分が違った為に罰金を払った。 エンジン暖気用の特殊燃料が、フリー走行時に燃料タンクに残っていた為との事。
 オーストリアGP前にはフェラーリのシューマッハがC16をテストする事に。 フェラーリのテスト・ドライバーに戻ったラニーニが、ザウバーの足回りの良さをフェラーリに話した為に、 シューマッハがフェラーリの参考にする為にテストした。
 97年のコンストラクターズ・ポイントは、ほとんどをハーバートが得点した。 No.2ドライバーは交代が多かった為か、得点がほとんど出来なかった。

<C16>

 96年の発展型でオーソドックスにまとめてある。 C16の完成は、11月まで搭載エンジンが決まらず、大幅に遅れた。 2月始めにようやくシェイクダウンにこぎつけた。
 エンジンはペトロナスV10。 前年使用していたフォード・ワークス・エンジンがスチュワートに取られたが、 資金不足のフェラーリが96年型エンジンを供給し、 その資金と開発費をマレーシアの国営石油会社ペトロナスが出す事に落ち着いた。 フェラーリが他チームにエンジンを供給するのは、93年のスクーデリア・イタリア以来。 エンジンの開発はフェラーリから移籍した元ホンダの後藤治が担当する。 メンテナンスはマラネロ(フェラーリ)で行われた。
 モナコGPではフロントタイヤの内側に水平フィンを導入。 また、ディフレクターは上方に向かってマシン外側に開いてる。
 スペインGPではエアボックスをウイリアムズ風に、 インダクションポッド吸気口とヘッドレスを隔離した形に変更。
 イギリスGPではリヤホイールの前のウイングレットに変わり、二つにフィンがついた。 排気管は始めはサイドディフューザーの下面に出していたが、 オーストリアGPから上面に取り付けられた。
 ドライバビリティーはレースセッティングでは良いが、燃料の少ない予選セッティングでは悪かった。 燃料の少ない時は、アンダーステアが強く、リヤが簡単に跳ねてしまった。 シーズン終盤になっても、これらは根本的には改善されず、予選グリップが後方になっていった。

<ジョニー・ハーバート>

 33歳のイギリス国籍。89年ティレルからF1デビュー、90〜94年ロータス、 95年ベネトン、96年からザウバー。
 97年はロータス以来のNo.1ドライバーに。 陽気なイギリス人。フェラーリ・エンジンを得て、一人でコンストラクター7位を維持する。
オーストラリアGPでは予選6位に。 決勝ではスタートで3位にジャンプアップするが、直後にビルヌーヴ(ウイリアムズ)と接触しリタイアに。
 ブラジルGPではフリー走行で4位に入るが、予選ではブレーキングとバンプ越えでの挙動が悪化し13位に。 決勝では始めのスタートでアーバイン(フェラーリ)と接触し、2回目はスペアカーに乗り換えた。 結局7位でゴールする。
 アルゼンチンGPではバンプ越えでの挙動を改善し、予選8位に。 決勝では25周目以降は常に4番手以上を走行し、終盤は5位のハッキネン(マクラーレン)を押さえ4位でゴールする。
 サンマリノGPはF1参戦100戦目。 ここでもフリー走行でバンプ越えの挙動の問題が出たが、改善し予選7位に。 決勝ではスタートでジャンプアップし5位に、18周目には4位に上がるも、 一周後に電気系のトラブルでリタイアする。
 モナコGPでは木曜日のフリー走行でトップを記録、しかし予選日の午前中にマシンをクラッシュさせ、 予選は7位に。決勝では突然の雨にインターミディエイト・タイヤをチョイス。 スタート後2周目には5位に上がる、しかし10周目にクラッシュしてしまう。
 スペインGPでは予選10位に。決勝ではスタートでジャンアップし7位に浮上。 31周目には4位に上がる。終盤はクルサード(マクラーレン)とのバトルに、 最終ラップはサイド・バイ・サイドで争い、最後は前に出て5位に入賞する。
 カナダGPでもバンプ越えの挙動に苦しみ予選13位に。 決勝では順調に順位を上げて行き、26周目には5位に。 4位のフィジケラ(ベネトン)を追うが、タイヤ交換の際のピットアウト時にリミッターがオフになり、 ペナルティで10秒のピットストップ。それでも5位に入賞する。
 フランスGPではトラクション不足で予選14位に。 決勝では雨のセッティングで勝負に出るがなかなか雨が降らず、終盤に降ってきたが間に合わず。 周回が違うトップのシューマッハ(フェラーリ)を抜くパフォーマンスを見せるが、8位がやっと。
 地元イギリスGPでは予選9位に。 決勝はスタートで5位にジャンプ・アップ。36周目には4位まで上がるが、 ギヤボックスにトラブルが出てリタイアに。
 ドイツGPでは直線スピードが伸びず予選14位に。 決勝ではスタート直後に混乱があり9位にジャンプアップ、しかし、直線スピードが伸びず8周目には11位に後退。 次の周でデニーズ(アローズ)と接触しリタイア。
 ハンガリーGPでは予選10位に。 決勝ではスタートでベネトンの2台を抜いて8位に、その後はタイヤに無理せず着実に走り通すと、 3位でゴール。前年モナコGP以来の表彰台を獲得した。
 ベルギーGPでは雨のフリー走行では7位をマークするが、ドライの予選では11位に後退。 決勝は突然の雨の中、シューマッハと同じ、インターミディエイト・タイヤを選んだ。 スタート時には雨が止むが、コースが濡れていた為にセーフティカーによるスタートに。 が、セーフティカーの先導で3周する間にコースは乾き始めた。 レインタイヤを選んだマシンが、タイヤ交換の為にピットインする間に順位を4位まで上げる。  その後は4位争いとなり、フレンツェン(ウイリアムズ)に先行され5位でゴールする。
イタリアGPでは、予選日の午前にマシンをクラッシュさせてしまい予選12位がやっと。 決勝ではスタートで10位に、その後も10位あたりを走行する。 39周目にはシケインでR.シューマッハ(ジョーダン)に差された、  この時に行き場を失い高速でタイヤバリアへ。幸い怪我は無かったがリタイアに。
オーストリアGPでは予選12位に。 決勝ではタイヤを2セット目に交換後、すぐにブリスターが発生し、 後は8位でゴールするのがやっとだった。
 ルクセンブルクGPでは予選16位に。 決勝ではスタート直後の混乱もあり、9位にジャンプアップ。 終盤は6位のパニス(プロスト)を追いつめるが届かず、完走10台中の7位に。
 日本GPではいつものアンダーステアを克服し、予選8位に。 決勝ではスタートでホイールスピンを起こすが順位は変わらず。 レース中も8位前後と変わらず、アレジ(ベネトン)の1秒遅れで7位でゴール。
 最終戦ヨーロッパGPでは、予選でアンダーステアが直らず14位に。 決勝でも7位以内を走行する事は無く、8位で完走する。
 98年もザウバーに。

<ニコラ・ラリーニ>

 33歳のイタリア国籍。87年コローニからF1デビュー、88・89年オゼッラ、90年リジェ、 91年ランボルギーニ、92年フェラーリ、94年フェラーリ、97年ザウバーに。
 フェラーリのテスト・ドライバーで、エンジン供給と共にザウバーのドライバーに。 ここ数年はITCでアルファロメオのワークス・ドライバーだった。
 オーストラリアGPでは予選13位。 決勝ではスタート直後の混乱を上手く交わし、8位にジャンプ・アップ。 その後も8位をキープし、終盤6位に上がり復帰1戦目を入賞で飾る。
 ブラジルGPではフリー走行でクラッシュし、予選は19位がやっと。決勝は11位に。
 アルゼンチンGPでは予選14位に。 決勝ではスタート直後のアクシデントを避けてコース外へ、タイヤが汚れ順位を落とす。 ピットインでは燃料補給バルブのトラブルで30秒のタイムロス、 最後は11位走行中にマグネッセンと絡んでコースアウト。
 サンマリノGPでは予選12位に。 決勝ではスタート後バリッケロ(スチュワート)を追い、12周目に抜く。 41周目には7位に上がる、そのまま7位でゴール。
 モナコGP7年ぶりだが、今期最高の予選11位に。 決勝では1周目にスピンし最下位に。25周目に再びスピンしリタイアする。
 この後、ハーバートとの力の差が大きいとザウバーを解雇される。

<ジャンニ・モルビデッリ>

 29歳のイタリア国籍。90年ダラーラからF1デビュー、91・92年ミナルディ、 94・95年アローズ、97年ザウバーに。
 フェラーリのテスト・ドライバーで回顧されたラリーニに変わってドライブする。
スペインGPでは予選で13位に。 決勝ではスタートでクラッチの問題が出て、フライングしてしまう。 フライング・ペナルティで11周目にピットイン、最下位に落ちる。 その後は最後まで走りきって14位完走。
 カナダGPではバンプ越えの挙動に苦しみ予選18位に。 決勝では序盤は少しずつ順位を上げていくが、 終盤ブレーキ・トラブルで順位を下げ、どうにか10位で完走する。
 この後、マニクール(フランス)でのテスト中にクラッシュ、腕を骨折し休むことに。
復帰したハンガリーGPでは予選15位。 決勝ではスタート直後にマグネッセン(スチュワート)と接触、2台で最下位に転落する。 修復の為にピットインし復帰するが、8周目にエンジン・トラブルでリタイアに。
 ベルギーGPでは予選13位に。 決勝では雨のスタートで、路面が乾き始めるまでに順位を15位まで落としてしまう。 その後は順調に走るが、10位完走がやっと。
 地元イタリアGPではグリップ不足に悩み予選18位に。決勝でも変わらず12位完走がやっとだった。
 オーストリアGPでは予選13位に。決勝はハーバートに続く9位で完走。
 ルクセンブルクGPでは予選19位に。決勝では終盤にブレーキの問題が起こり、完走10台中の9位に。
 日本GPではハンドリングに問題があり、予選中にコースアウトしてタイヤバリアに突っ込んでしまう、 予選は18位に。このクラッシュで左手を傷めてしまい、決勝は出走しなかった。
 この怪我の為に、最終戦ヨーロッパGPは欠場した。

<ノルベルト・フォンタナ>

 22歳のアルゼンチン国籍。97年ザウバーからF1デビュー。
ザウバーのテスト・ドライバーだったが、  テスト中にクラッシュしたモルビデッリの代役でF1デビュー。
 フランスGPでは予選20位に。 決勝では一周目にサロ(ティレル)と接触、ノーズ交換でピットイン。41周目にスピンしリタイアに。
 イギリスGPでは予選で14位のタイムを出すが、車両検査のランプを無視し、 予選タイム取り消しで最後尾に。決勝では9位で完走する。
 ドイツGPでは予選18位に。 決勝ではスタート直後の混乱で14位にアップ、その後はサバイバルレースを生き残り9位完走。
 ハンガリーGPからはモルビデッリが復帰した。 最終戦ヨーロッパGPには、日本GPで怪我をしたモルビデッリの代役で出場した。 予選は18位に。決勝ではスタートでホイールスピンを起こしてしまい、最下位に。14位で完走する。


モデル
1/43ミニカー シネリウス社(ポルトガル) SAUBER-PETRONAS C16 JOHNNY HERBERT   
参考資料
・「AS+F」 オーストラリアGP号〜ヨーロッパGP号 三栄書房発行
・「F1グランプリ特集」 97年6月号〜12月号、98年2月号 ソニー・マガジンズ発行
・「F1 1997総集編AS+F」 三栄書房発行
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