ツキノワグマとの遭遇記録

 奥多摩山中で,ツキノワグマに遭遇した際の人とクマの挙動事例を掲載します。当HP情報コーナーに寄せられた情報です。目撃場所については,詳細部分は割愛してあります。

2002年

2002年-1

  1. 目撃日時: 2002年5月13日 15:00頃
  2. 気象条件: 小雨時々強い雨時々晴れ。視界はそう悪くない。
  3. 場所: 東京都奥多摩町日原川本流
  4. 距離: 10m
  5. 頭数: 1頭
  6. 大きさ: 70cm
  7. その時クマは何をしていたか: 対岸の岩壁の上のほうを見ていた。
  8. その時あなたは: 釣りをしていました。
  9. クマはあなたに気が付いたか: はい。
  10. あなたはどのような行動をとりましたか。クマはどのような行動をとりましたか: 下流から上流に向かっていたので、静かにそっと下流に戻りました。クマは,チラッとこちらを見てから,ゆっくり岩壁を登り始めました。
  11. 人数: 1人
  12. クマ避け対策: いいえ。
  13. その他気づいたことなど: いたのが小熊だったので,近くにいるであろう母熊に気づかれないよう気をつけました。また,この日原エリアでは何度か見かけているのですが,小グマを見たのは初めてでした。
  14. 性別: 男, 年齢: 38才
  15. 居住地: 東京都世田谷区

2002年-2

  1. 目撃日時: 2002年9月21日(土) 11:00
  2. 気象条件: 晴れ,残暑気味で少し蒸し暑い,無風。
  3. 場所:山梨県大月市奈良子周辺
  4. 距離: 20〜30m
  5. 頭数: 1頭
  6. 大きさ: 人間の大人くらいか?
  7. その時クマは何をしていたか?:クリの木の上で,クリを食べていた。
  8. その時あなたは?:登山道で立ち止まり,対岸の尾根の様子を見ていた。
  9. クマはあなたに気づいたか?: 不明。
  10. あなたはどのような行動をとりましたか? クマはどのような行動をとりましたか?: 【クマの様子】胸高直径20cmほどのクリの木の上で,しきりにクリの枝をたぐり寄せてはクリを食べていた。黒いおしりと背中を見せており,たまに横を向くときに長細い顔が見える程度。胸に白い月の輪が見えた気がするが,よく見ることは出来ず。大きさは人間の大人くらいか。ほとんど音もたてず静かで,最初に気づかなかったのも仕方がないと思えた。時々伸び上がって、両手で上の枝を手前に折り(この時,ボキボキという音)しばらく静かに何かしているという具合。両足の裏で木の幹を挟んで体を支えたり,片足をブラブラりとさせたり。見ている間にお腹の下に木の束が出来上がった。上部の枝はほぼすべて折取られてしまった。殆ど動きがない時もあり,うとうと寝ていたのかもしれない(確認はできず)。20分ほど観察を続け,こちらは場所を少し移動したり,音をたてたりしていたが,こちらを見るでもなく,気にする様子はない。【私の行動】私は,上記のように,急に見通しがよくなったため,北側の楢の木尾根の様子を見ようと,登山道から5,6歩雑木林が切り開かれた側に入り,木株の上に立ったりしてきょろきょろと見回しました。前方の木の上の方で音がしたようだったので、注視しましたが,木が少しゆれていましたが,特に変わったものも見えず,鳥だったのかとその時は判断した。そして,小キジなどをうち登山道に戻りかけた。その時,また木の上でガサガサと音がし,見ると黒い大きな塊が動いたのに気づいた。一瞬あせったが,クマは木の上であり,クリを食べている様子で落ち着いている。クマとの距離も十分であろう。クマとの間には立木,倒木が何本もあり,それほど緊張を強いる状況でもないようだと判断し,ザックから双眼鏡を取り出し,じっくり20分ほど観察。クリの実がなくなった後の行動に興味があったが,トラブルを興すリスクがあるので,まだ食べる実があるうちに観察を止めて退散。【付近の様子】クマが居る反対側はカラマツの植林地で、植林を増やすためなのか,あるいは防火帯なのか,尾根付近の木が10mくらいの幅で切られていることにより,周辺の見通しが良く,そのために見つけることが出来た。通常の雑木林では,木々に遮られ,見付けられなかったでしょう。
  11. 人数: 1人
  12. クマ避け対策: 特になし。とりあえず,太い棒を持って歩いた。
  13. その他気づいたことなど:尾根周辺は,雑木林に所々植林が混ざっている(下部はコナラにヒノキ、上部はミズナラにカラマツ)。木はほとんどが直径20cmほどで,まれに40cmくらい。クリの木が多いが,実を付けているものは少なく,5本に1本くらい。コナラ,ミズナラはなんとなく元気がないものが多く,部分的に枯葉と虫食い葉が目立つ所も。現場周辺の登山道付近に5箇所のクマフン。青いクリのイガが5〜20個ほど落ちている所が数ヶ所あり,特に多かった所のクリの木の幹に,はっきりした新しいクマのツメ跡。私が立ち去った5分後くらいに1人登山者が通ったが,クマがいたことに全く気づかなかったことを,後で本人に聞いて知った。
  14. 性別: 男, 年齢: 41才
  15. 居住地: 東京都内

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