東京都奥多摩山地でのツキノワグマの生息動態および生息環境の解析と評価を試み,ツキノワグマが将来的にも人々と共存していける管理案の模索と提言を行うことです.
調査の期間 :1992年より開始され,現在も継続中です.
対象の地域 :クマの生息域全部を対象としますが,特に奥多摩湖周辺の地域を調査研究の対象中心域に設定しています.広さはおよそ550平方キロとなります.
クマをトラップにより生け捕り捕獲し,体の計測,組織や血液の採取,また発信器の取り付けなどを行います.
写真:オス成獣(74kg 11.5才)の体計測を行っているところ.東京のツキノワグマは,東北や北陸のツキノワグマと比較して,体格が小型であることが考えられています
発信器を取り付けたクマが,どのような生活を行っているか,その行動追跡を行います.
写真:発信器を装着したツキノワグマの越冬穴を探索しているところ.指向性のアンテナを用いて,クマの居場所を特定していきます.
クマの秋の大切な食物であるドングリ類がどれくらい実っているのか,またそれは年によって変化するのかなどを調べます.
写真:コナラ,ミズナラ,クリの結実量を定量的に測定するための,シードトラップを設置しているところ.現在約250個が山中に設置されています.
クマがどのような食物を食べているのかについて,季節的な変化を,フンの内容物の分析結果から推定します.