Serge Gainsbourg

〜Gainsbourg Versions Femmes〜

 セルジュ・ゲンスブール……憧れの人ですね。「醜男」とか言われることもあるが、私には全てが格好よく見えます。容姿だって初期のスーツで決めて歌う姿や、ジタンを燻らす遠いまなざしも、晩年の無精髭だらけの中年姿ですら格好良く感じてしまうのですが、生涯において社会に背を向け粋がって下品な詞をはき続けた人生を「私は全てに成功したが、人生に失敗した」と言わしめるあたりがまた格好いいです。しかしこの人は表面上とは裏腹にナイーブで本心をさらけ出すことはなく自分を演出してきたようにも思いますが、彼の才能にはほんとに感服します。「作曲などいつでもできる、子どもの宿題みたいなもの」なんて格好良くうそぶいてみせるも、その仕事ぶりは素早く完璧を求めるものだったし、歌手、作詞・作曲家だけでなく俳優、映画監督、小説家とマルチな才能をも見せつけてくれました。そんな中でも一番憧れるのはやはりあの女性遍歴でしょうね。あれだけの美女達を虜にするのだからやはり女性から見ても魅力的な男だったのでしょう。作曲に関してはパクリ(主にクラシックからの引用が多い)の巨匠のようなことも言われますが、女性に自分の好みに合わせ魅力的に歌わせるプロデューサーとしの才能にも優れていたのだと思います。あれだけ下手な歌い手(わざと下手に歌わせている)を魅力的に聴かせる手腕は本当に凄いと思います。
 私はもともとフレンチポップスも好きで、ロリータ風舌足らずな声や歌が大好きだし、スキャトものなんかもたまらなく好きなので、もうセルジュ・ゲンスブールを歌う歌手はみんな好きになってしまいます。中でもやはりジェーン・バーキンは最高ですね。娘のシャルロットも超可愛くて大好きだし、ベベはもう永遠のアイドルだし、イザベル・アジャーニも昔から大ファンだったりします。曲に関しても初期の「プレヴェールに捧ぐ」や「唇によだれ」にジュリエット・グレコも歌った名曲「ラ・ジャヴァネーズ」はシャンソンのスタンダードになってるし、初期彼自身のジャズっぽいアレンジの楽曲もいいし、アルバム「ゲンスブール・パーカッション」でのエキゾチックなリズムと音響効果のお遊びは面白いし、中期はミッシェル・コロンビエと共同作業(主に「アンナ」や「バルドー・ショー」でアレンジやオーケストラを担当)を行っていたのも興味深いし、バーキンとの必殺の迷曲「ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ」(最初の録音はベベだったけど)やアルバム「くたばれキャベツ野郎!」はシュールな内容の傑作だし、後期のジャマイカでスライ&ロビーやジ・アイ・スリーズを起用して録音された「フライ・トゥ・ジャマイカ」なんかもカッコイイです。他にもフランス・ギャル「夢見るシャンソン人形」、アンナ・カリーナ「太陽の真下で」、ベベと歌う「ボニーとクライド」、フランソワーズ・アルディ「さよならを教えて」もいいし、バーキンはみんな好きだけど特に「虹の彼方」や「コア」は最高に美しい名曲です。イザベル・アジャーニのアルバムもいかにもセルジュらしい仕上がり、カトリーヌ・ドヌーブとのデュエットも素敵、バンブーには彼女との間に出来た子どもの為に「ルル」を歌わせ、晩年にはヴァネッサ・パラディに作詞と最後まで美女やロリータに囲まれていたが、91年3月2日、日頃の不摂生がたたってか静養中に心臓発作で他界した。享年62才 ゲンスブールよ永遠に……

1.Juliette Greco [Juliette Greco]/ 2.France Gall [France Gall]/ 3.Anna Karina [Anna]/ 4.Brigitte Bardot [Brigitte Bardot]/ 5.Francoise Hardy [The Best Of Francoise Hardy]/ 6.Mireille Darc [Compartiment 23]
7.Jane Birkin [Baby Alone In Babylone]/ 8.Charlotte Gainsbourg [Charlotte For Ever]/ 9.Isabelle Adjani[Pull Marien]/ 10.Catherne Denuve [Dieu Fumeur De Havanes]/ 11.Bambou [Made In China]/ 12.Vanessa Paradis [Variation Sur Le Meme T'aime] (1~4, 6~11 PHILIPS /5.epic/sony /12 FA Productions)

シャルロット・ゲンスブール20年ぶりの2nd アルバム「5:55」発売!!(06.11.25)

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