CARAVAN

 キャラヴァンはソフト・マシーンのメンバーが在籍していたワイルド・フラワーズの残されたメンバーで結成されたバンドで、パイ・ヘイスティングス(g,vo)、リチャード・コフラン(ds)、リチャード・シンクレア(b,vo)、従兄弟のデイヴ・シンクレア(key)の4人は1969年アルバム「CARAVAN」でデビューする。
 69年に発表されたデビューアルバムはワイルド・フラワーズの流れを汲むサイケ色の強いPOPなものですが、すででにキャラヴァン特有のサウンドを確立しつつあり、70年にセカンド「キャラヴァン登場」を、翌71年に『Nine Feet Underground』という代表的大作組曲を含む傑作「グレイとピンクの地」を発表する。しかしその後デイヴ・シンクレアが脱退してしまいます。代わってスティーブ・ミラーを加え、72年「ウォータールー・リリー」を出すが、今度はリチャード・シンクレアとスティーブが脱退。しかしデイヴ・シンクレアが戻りジョン・G・ペリーとヴィオラのジェフリー・リチャードソンを加え73年「夜ごと太る女のために」74年には40人のオーケストラとの共演「キャラヴァン&ニュー・シンフォニア」というライヴアルバムを発表。75年にはジョン・G・ペリーが抜けてマイク・ウェッジウッドを加え「ロッキン・コンチェルト」発表。しかしまたデイヴが抜けて、パイを中心にヤン・シェルハースを加え「聖ダンスタンス通りの盲犬」77年「ベター・バイ・ファー」を発表。80年にデイヴが再び戻って「ジ・アルバム」、82年にはリチャード・シンクレアも戻ってきて遂にオリジナルメンバーが揃い「バック・トゥ・フロント」を出すも、このアルバムを最後にシーンから姿を消してしまいます。
 しかし90年にテレビ放送用の為にオリジナルメンバーで再結成コンサートが行われ、95年ついにアルバム「ヘイスティングスの戦い」で再びシーンに戻ってきた。ベースにはジム・レヴァトン、ヴィオラのジェフリー・リチャードソンも加わり美しいメロディとPOPなサウンドは健在で、精力的にライヴ活動も行われこれからの活動にますます期待されるであろうと思っていた矢先、なんと驚くべき事にキャラヴァンは2002年、ついに初来日を果たしその夢にまで見たすばらしいライヴを日本のファンに体験させてくれました。さらにこの嬉しい体験は翌年にも叶い、最新作「The Unauthorised Breakfast Item」も発表され、ますますこれからの活動に期待してやまない。

CARAVAN「CARAVAN」

ファーストアルバム。すでにCARAVAN 特有のサウンドを確立しつつある良質なアルバム。1969年発表

[1969/96 HTD Records ]

CARAVAN「if i could do it all over again, i'd do it all over you」

70年発表の2nd、プログレ色が出始め、楽しいタイトル曲やライヴでの定番「For Richard」を含む名盤。
[1970 DERAM/DECCA]

CARAVAN「In the Land of Grey and Pink」

3rd A面には比較的POPな楽曲を配し、B面には大作「Nine Feet Underground」を収録。デイブのオルガンプレイも冴える初期の傑作!
[1971 DERAM/DECCA]

CARAVAN「Waterloo Lily」

4th スティーブ・ミラーの参加とリチャードの好みなのかジャズロック色が強いアルバム。パイとの音楽的志向の違いか?この後リチャードは脱退しハットフィールズへ。
[1972 DERAM/DECCA]

CARAVAN「Plump in the night」

5th リチャードは抜けたがデイヴが戻りJ・G・ペリー、J・リチャードソンと強力なメンバーが加わり次を予感させるシンフォニックなロック等も聞ける中期の傑作。
[1973 DERAM/DECCA]

CARAVAN「Plump in the night」

ジェフリー・リチャードソンの活躍等、最強のメンバーによる40人のオーケストラとの共演で白熱したプレイが聞けるライヴアルバム。
[1974 DERAM/DECCA]

CARAVAN「Cunning Stuns」

B面の緻密な組曲も一聴の価値が有るが、A面の小品がまたカラフルで、これ以後パイのポップなサウンドを中心とした作品作りへと移っていきます。
[1975 BTM/Repertoire]

CARAVAN「'Blind Dog at St.Dunstans'」

パイのポップサウンドを軸にライブバンドとして培われた実力が遺憾なく発揮された好作品。バラエティに富んだ楽曲の最後はしっとりとしたバラードと聴き応えあります。
[1976 BTM/HTD Records]

CARAVAN「BETTER BY FAR」

アリスタに移籍。M. ウェッジウッドに代わってデク・メセカーが加入し、トニー・ヴィスコンティがプロデュースした作品。パイのポップセンスが遺憾なく発揮されている。ラストの「ナイトメア」は名曲。
[1977 Arista]

CARAVAN「Live at the Fairfield Halls, 1974」

80年にフランスのみで発売されたライブが02年になって完全版としてCD化された。74年9月、ベースがM. ウェッジウッドに代わった直後のライブで、全盛期のすばらしい演奏が満喫できる。
[1980 Kingdom/2002 DECCA]

CARAVAN「THE ALBUM」

78年に一旦活動を停止してしまったキャラヴァンが再びデイヴ・シンクレアを向かえて録音したアルバム。内容は前作「Better By Far」の延長線上にあるポップでまとまりあるサウンドを聴かせてくれます。
[1980 Kingdom/Jimco]

CARAVAN「Back to Front」

前作でデイヴが戻り、ここでは遂にリチャードも加わりオリジナルメンバーが顔を揃えて、これぞキャラヴァン・サウンドといえる充実した内容の音が聞けます。
[1982 Kingdom/Jimco]

CARAVAN「Live 1990」

リチャードの呼び掛けで叶ったTV用再結成ライヴ!オリジナルメンバーが揃っての代表曲のオンパレード!リチャードの歌はいつ聴いてもいいですね。
[1993 CODE 90]

CARAVAN「COOL WATER」

77年に録音されながらお蔵入りになっていた楽曲を集めたアルバムですが、タイトル曲の美しいバラードをはじめバラエティー豊かな内容で侮れません。
[1994 HTD Records]

CARAVAN「The Battle of Hastings」

95年ついに本格的再結成。残念ながらリチャードは参加していないがパイのポップなサウンドが健在の秀作です。

[1995 HTD Records]

CARAVAN「All Over You」

流行のアンプラグドを意識したのか、アコースティックな響きを重視した初のオリジナル・カバー集で、彼ららしい牧歌的な内容が心地よい。
[1996 HTD Records]

CARAVAN「The Unauthorised Breakfast Item」

95年の再結成以来、精力的にライヴ活動をこなし往年のライヴ・バンドとしての実力が戻ってきたような聞き応えのあるアルバムに仕上がっています。
[2003 Eclectic Discs]

[ Richard Sinclair | Hatfield and the North ]

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