梯子付消防自動車

はしご車専用シャーシの登場


 

 30mや40mといったはしご車は車体が大きくなるために、走行時の最小回転半径が大きくなってしまうために小回りが効かなくなってしまう。たとえば、前2軸・後1軸の10t級シャーシの最小回転半径は約9m、前2軸・後2軸では約8.5mであり、かなり取り回し性が悪い。様々な災害事象に対応するためには、なるべく小回りが効いたほうが良いのは言うまでも無いことである。

 そのために登場したのが4輪ステアリング機構(4WS)である。操舵は、通常の2輪ステア、逆位相(カウンタ・ステア)、順位相(クラブ・ステア)と切り替えができ、逆位相の場合は同じ場所でまわるくらい小さく回ることができる。また順位相の場合には、カニのように斜方への平行移動が可能であり、対象建物への接近が容易になる。

 これまでに、4輪ステアリング機構付のはしご車専用シャーシが発売されている。まず、1985年にコマツから16t吊ラフテレーンクレーンシャーシであるLW160をベースにして発売された。逆位相とした場合に最小回転半径4.7mと驚異的な小回り性を実現した。その後、日産ディーゼル工業から1988年に同じくラフテレーンクレーンシャーシを改良したAZ30D型(最小回転半径5.0m)で発売となり、1992年にはAX450LN型(最小回転半径5.0m)としてマイナーチェンジされている。その後、1998年には、新規にはしご車専用に開発されたFJ550LN型(最小回転半径5.6m)が発売となり、2001年にはFJ552LN型としてマイナーチェンジされ現在に至っている。

LW1601型

AZ30D型

AX450LN型

FJ552LN型

FJ552LN型


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