様似・戦争の記録・序文

「様似・戦争の記録集」発刊にあたって

「様似・戦争を記録する会」 副会長 宮崎 富美

このたび、「様似・戦争の記録」第一集を発刊することになりました。「五十年目の鎮魂−幌満沖漁船撃 沈事件ー」から、順次シリーズとして様似町の戦争記録を発刊していく計画です。
戦後半世紀を経た今となっては、大変な作業で、「様似・戦争を記録する会」会員や、町民みなさまの熱 意の結集がなければ十分な展開は望めないと思いますので、積極的なご協力をお願いいたします。
戦後五十周年記念行事として、様似町でも澤地久枝氏の講演会、町立図書館特別講座「戦争の証言」など があり、本会の設立もまた、その機運に乗って実現したといえましょう。
えりも町にもこのような会が結成されており、厚賀沖の「大誠丸撃沈」については、門別町の佐々木保治 氏によってドキュメントビデオが制作されています。このような「点」の活動がやがて「線」として結ばれ 日高の戦争記録として次代に伝えられていくことを願っております。
親交のある坪谷京子先生から、先生が序文をしたためられた道内の教員たちによる戦争手記集「ハマナス のかげで」をいただきましたが、その際、「この本には様似の戦争が載っていないから聞き取りや写真の収 集などして是非お書きなさい。待っています」とお手紙が添えられていました。私の心の底には長い間、坪 谷先生のお言葉が宿題となってひっかっておりました。
あれから十余年が過ぎましたが、このたび、「様似・戦争を記録する会」のメンバーに加えられたのを機 に「様似・戦争の記録」のお手伝いをさせていただくつもりです。

目次にもどる