3.今出来る事を考えてみる

二代目になれるか なれないのか で考えた5つの項目を考えてみる


○現状の仕事をやりながら、新しい事に挑戦する
○環境を変える
○借金をしない
○短気にならない
○規定時間を尊守する






○現状の仕事をやりながら、新しい事に挑戦する

これは難しい。現状の仕事をやるのは当然として、新しい事に挑戦するいうのは大変です。
新しい事って漠然とあげたが、何をすればいいのかわからない。

挑戦・・・。

今、仕事において新しい試みを試しているのもがある。
量産で流れている製品なんだが、少し割りに合わない。
大体機械加工屋さんっていうのは、時間賃率がはっきりしている。
あるところは、5000円/H だったり 4000円だったり。
 

高いと見るか安いと見るかはお客さん次第となる訳だが。

私が思うに、5000円/Hでも安いと思う。
実際には我町工場は 3000円〜3500円/H かなり数があるもので毎月出るものは 2500円/Hである。
機械加工屋にしては安いと思う。

何故5000円/Hでも安い と書いたのか。

例えば、整備工場の平均単価は6000円位らしい。
2時間で終わる作業なら大概12000円位取られると思う。
バイク屋もしかり。

きちんとした整備工場ならいざ知れず、町の整備屋さん、またはバイク屋さんって高そうな機械ありますか?
snap-on等の工具類は高いかも知れないがせいぜい200万もあれば買えるでしょう。
油圧リフトも。

我町工場に比べれば、工場のサイズだって小さいかもしれない。

我町工場に入っている機械は、200万〜1千5百万 これが10台位ある。

工具だって、軽く1千万以上はある。

そう考えると機械加工屋さんの単価って安いでしょ。

安い単価で売上を出す為には、工夫しかない。
初めてやった仕事が時間1000円にしかならない時もある。それが、毎月出てくると3000円位になる。
これが、通常の町工場の挑戦。
加工時間短縮やら工程数を減らす。兎に角無駄をなくしていくのだ。

我町工場の現状からすれば、「挑戦」は営業だと考える。
新しい物を開発する資金力もないし、人材も乏しい。更に時間が無い。

私的に考えるならば、月1の新規顧客獲得への営業。
無理かもしれないが挑戦したい。
勿論お付き合いのある取引先にも。
「仕事を下さい」ではなく、なるべく多くの企業の方に我町工場の存在を知ってもらうことが重要だと思う。

営業経験は少ないが、以前から取引先との「会話」を重視してきた。

社長は、職人にありがちな「口下手」なので、新規のお客さんには 連絡を取る事も億劫がる人。
何故かな?こんなんで良く仕事が来るよ って思う。

兎に角、「新規取引先の開拓が我町工場には必要」

月に1社 取引先を増やせたらと思う。




○環境を変える

お世辞にも我町工場の環境は良くない。
良くないというより、悪くしていると言った方がいいかもしれない。

冷房暖房はあるし、町工場にしては明るい雰囲気もある。
でも、整理整頓が・・・。

掃除だけは私は気を使ってきた。
就業後は、必ず掃除をする。
これは、当然の事なのですが、社長はやりません。
頼んでもやりません。
それでも、良いと思い始めています。この前までムカツイテいましたが。
何故かと言うと、私や母がやれば済む事ですから。
本当は、社長が率先してやり始めると、社員も始めると思います。
しかし、働いている人間は家族だけです。
私が社長になっても続けていけばいい話ですから。

そこで、清掃しやすくする為には、レイアウトの変更が必要です。
早速考えました。
機械はとても重いし、地面との水平度セッティングがあるので、動かす事は出来ません。
しかし、棚や工具等の小物?は変更可能です。

何故、いまのような乱雑なレイアウトになったかと言いますと、
「使いやすさ」があげられます。

仕事中は個々の作業をしている訳です。
二人で一緒になってやる という作業は滅多にありません。

この「使いやすさ」が悪いのです。

単純に使いづらくすれば良いのです。

すぐ手の届く範囲には、物を置かないとか。

大手の工場を見回すと、それに気が付きます。
手の届く所には、本当に必要な物意外ありません。

必要な物は決められた場所に、必要な人が取りに行けば良いのです。
これを実践します。

自分しかわからない領域を全て減らします。
しかし、片付けは、多分私1人でやるでしょうからキチンとテプラ等を使い、表示しておく事も必要です。

良く考えてみると、常に必要な工具類はそれ程無い事に気が付きました。

綺麗でシンプルな工場は、動きやすく実に理にかなった町工場になるでしょう。

また、町工場にはありがちな「くわえ煙草」も改善しなければならないと思ってました。
社長と私は愛煙家なので、事あるごとに煙草を吸います。
機械のプログラムを組んだり、汎用機(旋盤やフライス)を使うときなどです。

頭を使う作業の時は、必ず煙草を吸っています。

一時期は、私も普通の技術系サラリーマンでした。
そこの工場では、煙草は吸っても良いが、場所が決められていました。
作業を中止してでも、吸いたい人は所定の場所で吸う。

その社長に尋ねたことがあります。
「何故、作業を中止してまで煙草を吸っても良いのですか?吸わない人にはただ休んでいるとしか見えないと思うんですが」

なんで、こんな質問をしたかというと、「若いくせに、煙草を吸いに行って」と、いう周りの目を気にしたためです。
会社の規則で決められてるんだから、問題は無いんだけど、目が気になる。
吸う人からは何も感じないんだけどね。

そこの社長は言いました
「吸う人が吸わないのを我慢すれば、作業効率が落ちるんだ。隠れて吸われるのが1番困る。
 ならば喫煙所を設けてそこで吸って貰う。所定の場所で吸っていればお客だって何も言わない
 それに、吸いたい奴だって、あそこに行けばお前と同じように回りの目が気になるだろ、そのうち少なくなるさ
 少なくなれば 喫煙所なんか無くってもいいだろ。徐々に追い詰めるんだよ」

である。

なるほど〜って思った。

こういうのが逆転の発想っていうんだな。

これを見習ってみたいと思います。
まずは喫煙所を設けるところを捜してっと。

我町工場の場合、周りの目は気にならないけど、お客さんが来るし。
「止めろ」って言われても、親父も私も止める気は無いし。
ちょっと以前の会社とは違うけど、所定の場所を決めるのは良いことだと思う。


さて、まずは実行しよう。






○借金をしない

町工場でも個人でも借金が無い事は良いことだと思う。

私は借金は無い。ローンも組まない。
以前はローンまみれだったが、懲りた。(月16万の経験あり全て車だよ・・・)
婿に入った家が、現金主義ということもあり、結婚前に買った車も結婚1年後には全て返済した。

借金が無くなると、私は気が楽になった。
毎月の支払いは、電話代とカードで入れているガソリン代のみで良いんだから。

これを町工場に当てはめるのは少し難しい。
とりあえず今は現金主義を通しているが、売上が下がればそれもつらい。

一時期は1億を越える借金があったようだが、今はここだけの話 3000万位。
家一件分と考えれば、少ないと思う。

だから私はビビッてはいない。

会社の経理はさっぱり私にはわからないし、実情を教えてくれる人もいない。
親である社長と母は、子供である私に話たがらない。

しかし、windows98を社長が使えるようになってきてから 少し違ってきた。

PCで納品書や請求書 購買品のデータベースを発行するようにアクセスで作った簡単なソフトを使うようになってから
実情が少しずつ見えてきた。

以前自分で作ったソフトなのだが、思ったよりも使いやすい

社長も納品書は、このソフトを使うようになったので、完全に売上は把握出来るようになった。

その他何年も前から、電話回線をISDNに変更し電話番号とFAX番号を同じ回線で使えるようにした。
基本使用料が1回線分なので少し安くなる。
FAXについては、金融会社からの融資の問い合わせが多すぎて通常のFAXでは紙がもったいなかった
ので、これもPCで受けるようにした。
ちょっとしたことだが、自分に出来るコストを削減。

経理については、私は勉強不足なので 色々覚えたいと思っています。
しかし、町工場に就職してからずっと「経理をやらして欲しい」と、お願いしても5年経った今でもやらせてくれません。
売上はわかっても支出がわからないと、利益がさっぱりです。
基本的に月給制なのですが給料にばらつきがあり過ぎます。

無理をせずに、母を説き伏せたいと思います。

借金をなくす為には、会社の状況を全て把握する事が大事ですから。
じっくり、ゆっくり私のペースに巻き込んでいこうと思います。





○短気にならない

私は、普段は全然怒らない人間です。
苛立ちを覚えても、心で殺す方だと思います。

しかし、仕事中は・・・。
自分でも不思議なんですが、ちょっとした事で凄く荒れます。
酷い時には、物を投げたり、機械を蹴ったり。
凄く悪い事だと判っているんですが、何故か「キレテ」しまうのです。

何故なのか、冷静になった時、いつも思います。
基本的に、作業中はいつも真剣勝負です。
製品を製作しているときは、時間を忘れます。量産にこぎつければ、普通に仕事が出来るんですが。
「試作」と呼ばれる、製品の最初の評価を下される物については、ミクロン代の誤差も許されない時があります。

私の信念は、「兎に角他社に負けないクオリティ」です。
他社よりも悪い物を作れば、即仕事は無くなります。

そんな信念が、邪魔をするのです。
私が真剣にやっている時、社長が煙草をすって携帯電話で楽しそうに誰かと話してるとか、
母と笑いながら二人で楽しそうにしてる、とか。
そういった時に、目が・・・お互いの目が合うと、ぶっ飛んじゃうのです。
「誰の為に、俺はやってるんだ!」って。

いつもそう。
必ず「お前達が、キチンとやっていれば、こんな苦労はしなくて済むんだ」って思うのです。
給料もマトモに払えない、経営者が何やってるんだ!って。

毎月、売上別に見ると、社長より私のほうがあります。
これは、私が頂いた仕事量が社長より多いので仕方ないのですが。
冷静になってみると、キレル原因は 少なからず私の傲慢なんです。

短気は損。良く言われる事ですが、とても難しい事だと私は思っています。
これから、我慢というか、少し大人になって冷静に物事を判断する事が出来るよう努力したいと思います。
自分に甘く、他人に厳しくでは上手くいくはずがありませんものね。

少しの我慢で日常生活が楽しくなるような気がします。
実際、グッとこらえて仕事してると、何故怒っていたのか馬鹿らしくなる時も多々ありますし。

男は我慢が必要みたいです。





○規定時間を尊守する

従業員がいなくなり、家族だけになってしまってから、「時間」に縛られる事が少なくなってきました。

納期だけは、お客様がある以上守らなければならないのは当たり前です。

しかし、納期に余裕がある物を加工していると、営業時間が曖昧になっています。
例えば、8時30分が始業時間ですが、大概8時位には出社して機会の暖気や段取りをしています。
これは全然準備時間なので問題ないのですが、たまに9時出社をしてしまいます。
自分がいけないのですが・・・。
「今日は暇だから9時で良いや〜」とか
大抵、9時に始めても18時や19時まで色々やってしまいます。

社長に至っては、お昼は12時から13時なのですが、昼ドラを見てから午後が始まります。
たかが30分なんですが、私と同様改善しなければならないと思ってます。

効率良く仕事をする為には、始業終業時間を出来るだけ守ろうと思います。
出来るだけと書いたのは、残業しなければならない時もあるからです。

17時30分が終業時間なのですが、この時間で終わると、アフター時間がとても有効に使えるはずですし、
時間があるということは、精神的負担も少なくなって更に効率がよくなる感じがします。

時間を守ると言う事は、社会人として当たり前の行為かもしれませんが、私はできていないのが現状です。
打破する為にも、守りたいと思います。


簡単ではありますが、今自分に出来そうな事を書いてみた。
書いただけでは、意味がないので実践します。
父や母は、いい顔をしないかもしれませんが、短気にならずいつも平常心で行えば判ってくれるはずです。
たった5項目ですが、私は確実に実践したいと思います。



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