第61回　桜花賞

◎テイエムオーシャン
○サクセスストレイン
▲フィールドサンデー
△ハッピーパス
△ビッグエリザベス
△リワードアンセル

牡馬に比べて、今年の牝馬クラシックはレベルは低く、メンバーはやや小粒で、テイエムオーシャンが 一枚上という印象は否めない。
そのテイエムオーシャンは、父ダンシングブレーヴに母リヴァーガール、母の父リヴリアという配合。祖母エルプスはマグニチュード産駒で85年の桜花賞馬。ダンシングブレーヴは母系の良さを生かすのが身上の種牡馬で、リヴリア×エルプスの持つスピード・スタミナが生きている。特にリヴリアとマグニチュードはNever Bend×Princequillo×Aureoleと血統構成が似ており、疑似クロスとして、これらの良質の血脈が生きている。祖母エルプスは一本調子の逃げ馬だったが、テイエムオーシャンは母系の血脈からタメが効き、好位差しのレースができる。
前走のように掛かり気味で先行しながらも横綱相撲で押し切る強さはあるが、問題は馬群に包まれるなど揉まれるようなレースになった時にどうなるか。

相手にはクイーンＣを勝ったサクセスストレイン。
父がCozzene産駒ティッカネンに母の父ノーアテンション、祖母の父ノーザンテーストで、３代母が凱旋門し賞馬サンサンという配合。Grey Sovereign〜NasrullahのスピードをNasrullahと相性の良いPrincequillo 5＊5×5がサポートしており、定番のツボを抑えた配合と言える。
クイーンＣからの直行、初輸送と不安要素は多いが、打倒テイエムオーシャンの一番手はやはりこの馬。

フィールドサンデーは、95年のエリザベス女王杯２着のブライトサンディーの全妹。
父サンデーサイレンスに母の父Alydar、祖母の父Robertoの配合。サンデーサイレンスに母の父Alydarは95年皐月賞馬イシノサンデーと同じ。母系はNasrullahクロスを持つが、素軽いスピードを持つタイプではなく、全体に米国血脈が強く馬力型。Bull Leaのスタミナが生き、ズブい印象を受けるが、流れが厳しくなれば浮上して来る一頭。

ハッピーパスは93年のマイルＣＳを勝ったシンコウラブリィの妹。
姉のシンコウラブリィ(父Caerleon)は、マイルＧ１を勝ったが、３歳秋は富士Ｓ〜ジャパンカップのローテンションを覆し、急遽、マイルＣＳに参戦（３歳時はダイタクヘリオスの２着）した経緯があり、陣営も当初はクラシックディスタンスを想定していた。父Caerleonはもちろんのこと、母系はそれを裏付けるだけの血統構成で、High Top、セントクレスピンとスタミナ血脈が並ぶ。
ハッピーパスは、父サンデーサイレンスだが、母の父ポッセから遡るHyeprionの底力を強調した配合。ポッセの父ForliはNureyevの母の父でもあり、トゥザヴィクトリー(母の父Nureyev)をかなりズブくさせた印象を受ける。大崩れしない堅実さが長所で、Ｇ１で好勝負できるだけの迫力はある血統構成。