第67回 東京優駿


東京2400m

Last Update:27.05.2000
確定予想

Derby Dandies

予想枠番馬番馬名性齢重量騎手調教師所属戦績
 11リワードフォコン牡457後藤浩輝田中清隆美浦北2-3-1-2
12エアシャカール牡457武 豊森 秀行栗 東3-2-0-1
  23オースミコンドル牡457武幸四郎白井寿昭栗 東1-3-0-3
24アグネスフライト牡457河内 洋長浜博之栗 東3-0-0-1
35カーネギーダイアン牡457藤田伸二松田博資栗 東3-0-0-2
36タニノソルクバーノ牡457岡部幸雄島崎 宏栗 東2-1-1-3
 47マイネルブラウ牡457横山典弘安藤正敏栗 東2-2-1-0
 48クリノキングオー牡457幸 英明谷 潔栗 東2-0-1-1
 59マイネルブライアン牡457北村宏司宮 徹栗 東3-0-0-1
  510ダイタクリーヴァ牡457高橋 亮橋口弘次郎栗 東4-2-0-0
 611マルカミラー牡457福永祐一瀬戸口勉栗 東2-2-0-6
612トーホーシデン牡457田中勝春田中清隆美浦北2-2-0-0
 713アタラクシア牡457四位洋文池江泰郎栗 東3-2-0-1
 714パープルエビス牡457石橋 守境 直行栗 東2-3-0-6
 715ジーティーボス牡457吉永 護吉永正人美浦南2-4-2-2
 816プラントタイヨオー牡457小野次郎川村禎彦栗 東3-2-2-2
817ジョウテンブレーヴ牡457蛯名正義相沢 郁美浦南2-1-0-3
 818マイネルコンドル牡457伊藤直人相沢 郁美浦南2-0-0-4


◎エアシャカール
○カーネギーダイアン
▲アグネスフライト
△トーホウシデン
△ジョウテンブレーヴ
△タニノソルクバーノ

まずは皐月賞馬エアシャカールから。
父はサンデーサイレンスで、母アイドリームドアドリームはブライアンズタイムと同じ牝系。母の父Well DecoratedはRaja Baba×Majestic Prince×Tuder Mistrelでスピード優位の配合だが、母の母Hidden TrailがHerbager系Gleaming×Ribotと連なりスタミナ・底力が補強されている。姉のエアデジャブーは98年のオークス2着馬。
エアシャカールは、母系にNorthern Dancerの血脈を持たず、かといってサンデーサイレンスの良さを生かす米国血脈で固めているわけでもない。母の母方にHerbager×Ribotが入る上に血統表中の8代から9代にかけてのクロスのかかり方が強烈なことから、軽快なスピードに富むというよりも重厚で鈍臭い印象を受ける。それは不器用なレース振りにも表れていると思うし、良い脚をしぶとく長く使えるのがこの馬の長所。現時点では前を捕まえ切れないことはあっても、後ろから差されることは考えにくい。その点で当初より皐月賞よりもダービー向きとみてきた。
ここまで年明けからほぼ陣営の思惑通りのステップを踏んできているのも強み。先週のオークスのようにスローペースでゴチャつく展開になるととりこぼず可能性もあるが、2冠有力。

次に皐月賞2着馬ダイタクリーヴァの取捨だが、例年、皐月賞を先行して連に絡んだような馬はダービーでも連対実績は確かに高い。過去にはインコースが有利だったコース設定もあったが、スタート直後とゴール前とで直線の坂を2回越えることになる中山の2000mを逃げて押し切ることのできる馬は相当に能力が高いと判断できる。
過去10年でも98年のセイウンスカイ(ダービー4着)という例外はあるが、アイネスフウジン、ミホノブルボン、ジェニュイン、サニーブライアンと皐月賞で逃げて連対した馬がダービーでも連対を果たしている。また先行した馬でもトウカイテイオー(皐月賞4角先頭)、ビワハヤヒデ(皐月賞4角2番手)、ナリタブライアン(皐月賞4角4番手)がダービーでも連対を果たしている。問題は皐月賞で終始4番手だったダイタクリーヴァをどう評価するかだが、2枠3番から押し出される形でスンナリ4番手で1コーナーを回ったことを考えると、過去の連対馬に比べると内容では劣るとみる。
血統からも母系のスピード血脈を強調してマイラー・タイプに出ているだけに2400mにも疑問が残る。今年のダービーは皐月賞馬vsトライアル組の図式で考える。

相手筆頭は青葉賞勝ちのカーネギーダイアン。
父カーネギーはSadler's Wells×Rivermanの配合で凱旋門賞馬。母テイブンエンジェルはMr.Prospector×Hail to Reasonの配合。
父カーネギーと父の母Detroitがともに凱旋門賞を制した父系には重々しいイメージを受けるが、Hail to Reason 5×3、Nasrullah 7*5×5*5から、母系のMr.Prospector×Hail to Reasonのスピードが優った印象を受ける。父系のスタミナを生かし切れていないが、Nasrullah血脈への結合は見事で、単なるスピード優位の中距離馬ではないと思う。
前走の青葉賞を快勝したように、2400mの距離はこなせる。ここに来て3歳時の怪我から復調してきたとみる。有力。

京都新聞杯を快勝したアグネスフライトは3代クラシック制覇の期待がかかる。
父はサンデーサイレンスだが、母アグネスフローラ(父ロイヤルスキー)は桜花賞馬、祖母アグネスレディー(父リマンド)はオークス馬。祖母、母、仔と3代に渡って同じ馬主、同じ厩舎、同じ騎手でクラシックに駒を進めることは希有な存在だろう。
母系にはBold Ruler、Tudor Minstrel、Menow、Intentが入り、皐月賞馬ジェニュインと共通項が多い。またRaja Baba、Tudor Minstrel、Teneraniと入る点では先述のエアシャカールと同じ。ただアグネスフライトは祖母アグネスレディーがHyperin、Lady Jurorといったクロスを持ち、エアシャカールに比べると遥かに切れる脚が使える。
ただ切れすぎるだけに脆さも同居している印象を受ける。未だ一戦級との対決はなくキャリアの浅さは否めず、初の東上など不安要素も多いのも確か。現時点では3番手評価。

あと魅力なのはプリンシパルSを勝ったトーホウシデン。父ブライアンズタイムに母の父Blushing GroomはGI4勝馬マヤノトップガンと同じ。マヤノプッガンは母の母方がVaguely Nogle×AlibhaiでHyperion血脈を固めてシンプルに欧州血脈を強調していたのに対し、トーホウシデンは母の母方がNijinsky×Sir Ivorで米国血脈が混在したことでシンプルさを欠ける印象を受ける。素軽さを欠けるもののスタミナには良さがあり、2400mという距離では面白い存在。
ジョウテンブレーヴは父ダンシングブレーヴは母系の影響を強調する種牡馬だけに母系のロイヤルスキー×トウショウボーイが府中の2400mでどう出るか。Menow、Mahmoudといった良質の中距離のスピードは生きている。
タニノソルクバーノは岡部の逃げ宣言が不気味。オークスで超スローの流れを作った鞍上だけに波乱の可能性は高い。


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