「世界自然遺産の島・屋久島の旅」 ** 平成10年11月5日修正

日時: 平成10年(1998)8月28日〜30日
参加者:竹川,岩瀬,水口,高野, 福地,山村,佐藤,小林,志知
縄文杉 雨の縄文杉前で記念撮影
左から福地,山村,志知,竹川,小林,佐藤,高野,水口,岩瀬
98年度の旅行会は、世界自然遺産に登録されている屋久島を、8月28日から30日までの3日間訪問した。
日本列島は前線が台風で刺激されて、各地で豪雨が続いていたが、屋久島は天気に恵まれ、行動中は2日目の縄文杉を見て下る途中に、屋久島名物の雨にみまわれた程度で済んだ。
縄文杉まで往復10時間歩く登山には2日目に全員でトライし、一人の落ちこぼれもなく縄文杉を見ることができた。縄文杉、大王杉をはじめとする巨木の森に、皆圧倒される。屋久杉だけでなく、ヒメシャラの大木や滝の流れ落ちる花崗岩の一枚岩など、島とは思えないスケールの大きな景観の連続であった。
久しぶりの長時間の山歩きの結果、縄文杉にもめぐり会え、自分の体力にも自信がもて、充実感いっぱいの旅となった。

8月28日(金)
羽田空港集合
 7:20頃、水口君が最後に到着(東北本線が那須地方の豪雨の影響で混乱しているが、始発は運行したため間に合ったとのこと)
鹿児島空港で前夜鹿児島入りしていた竹川君と合流、YS11機で屋久島へ。
11:40 屋久島空港 レンタカー(マツダ)3台受け取り。宮乃浦の屋久島観光センターで昼食
志戸子ガジュマルセンター 海岸沿いの林に点在するガジュマルや、林床のクワズイモ、リンゴツバキ(最後のキが説明板から落ちていてリンゴッパと読んだ人も)等を見る。
屋久島
白谷雲水峡 弥生杉、(オーストン)ヤマガラ、メジロ、急流で削られた花崗岩(鬼の素麺流し??)よく舗装された道を降りる途中、不老長寿の水とかが湧いているところでヤクシカが横切る。
ビールなどを仕入れ後、レムリアアイランドリゾートH.へ
 ノリノリこと松田賀江(童話作家&イラストレータ:故人)とMASAYA(作曲家)とその共鳴者がつくったリゾート施設。白い三角屋根のロッジが広い敷地内に点在する。
 施設内では禁酒禁煙との説明に皆びっくり。
 更に縄文杉を見るには朝5時には出発する必要があり、そのための朝昼食の弁当は4時半でも用意できるとの話に、またまたびっくり。
 とにかく、せっかく来たんだから翌日は行けるところまででも登ろうと、朝5時出発にそなえ早めの就寝。

8月29日(土)
5:00 弁当受取り、
5:20 出発。東京より西のこのあたりではまだ真っ暗。
   屋久杉ランドのほうへ向かう道を登っていくと6時頃になってようやく明るくなってくる。屋久杉ランドへの道と分かれ急な道を一気に下って、登山口である荒川ダムに6時過ぎに着く。すでに十数台の先客の車があり、駐車場は満杯に近い。
6:35 朝食&トイレを済ませ出発。
トロッコ道を歩き始めてすぐ川を渡る鉄橋とその先の短いトンネルを抜ける。安房川の右岸沿いに走るトロッコ道を進むと、後ろから汽笛が聞こえトロッコを引いた気動車が追い抜いて行った。山のい作業に向かうらしい人が何人か乗っていた。
アオゲラやカケスの声、関東では最近すっかり少なくなったサンショウクイがヒリリリと鳴きながら上空を飛ぶ。ヤマガラやメジロも多い。
7:20 長い鉄橋で川の左岸に渡ったところが、昭和45年まで小杉谷小中学校があった村落あと。最盛期は133世帯500人あまりが住んでいたと言うが、往事を想像できるのは広い校庭くらい。
大王杉 大王杉
(縄文杉に次いで大きな屋久杉)
8:00 昨日の白谷雲水峡からの道(想像していたより細く急な道)との合流点通過。 このあたりからトロッコ道もやや急となり、森も暗く深くなってトトロの森の雰囲気。かつて伐採されたのであろう、屋久杉の大きな切り株(多くはその上に後から芽生えた樹木が生い茂っている)が目につくようになる。
 3代杉 このあたりがトロッコ道の中間点か?
 トロッコ道をはずれ林の中の迂回道へ。迂回路が終わりトロッコ道へ戻ったところで、トロッコの橋が完全に流されていることを知り、迂回路の意味を納得。その上にも斜面の崩壊によりトロッコ道が破壊されている場所があり、ここまではトロッコは登ってこれないことが分かる。それにしても朝追い抜いていったトロッコはどこへいったのであろう?(帰りに、小杉谷の鉄橋の手前で、安房川の右岸を上って行ったことが分かる)
9:30 トロッコ道の終点。ここからいよいよ本格的な登り。岩や木の根の間を踏み、所々に設けられた木製の階段での急登。第一の目標地ウィルソン株を目指す。途中に翁杉がそびえ立つ。ヒメシャラの木が目立つが、このあたりのものは昨日の白谷雲水峡のものよりだいぶ細い。
ウィルソン株 (ウィルソン株の前で) 9:55-10:15 ウィルソン株。大きな切り株の4隅に寄生して、日光の杉並木なみの杉の大木が生えている。切り株の中には小さな社があり、更にその脇から清水がコンコンと湧いている。うまい水だ。
 ここでは先に歩いていた大勢の登山者が休んでいたが、その中に我々と同じホテルに泊まり、4:30に出発していった73歳の老婦人とその娘さんが居た。当初場合によってはウィルソン株で帰ろうと思っていた我が面々も、その元気さに励まされて縄文杉を目指すことに。
ヤクシカ  相変わらず歩きにくい急な道を出発。途中で道のすぐ脇に若いシカがいて、我々を全く無視するかのように5mくらいのところまでやってくる。翁杉を経て更に登る。
このあたりまで登ると屋久杉の巨木も多くなるが、ヒメシャラも昨日の白谷雲水峡で感心したものよりはるかに太く存在感のある巨木が次々と現れる。
11:15 大王杉到着。近くでサルが騒いでいる。スックと天を突くようにそびえる大王杉、今までの杉とは迫力が違う。ここで休んでいる内にウィルソン株で追い抜いた、老婦人のグープが追いついてきて、せかされるように出発。
 遠くでカラスバトであろう、ウーウーオーという陰気な声で鳴いている。
 まもなく2本の杉が水平にのびた枝で繋がった夫婦杉を通過。しかしこのあたり迄登ると、名前は付いていないが立派な屋久杉がそれこそ林立して、息をはずませながら見上げる我々を圧倒する。
 次第に霧が深くなり、縄文杉に到着する少し前から本格的な雨となる。
12:03 縄文杉到着。いままでの杉と違い盛り上がったつややかな木肌が印象的だが、雨と人のためゆっくり観察する余裕がない。根を守るために設けられた観察台の上は、先に登った人たちが急に降り出した雨の中で食事中のため、我々は少し先の名もない屋久杉の根元で食事とする。雨足をどんどん強くなり、スコールのような降り方となったが、食事中ほとんど濡れずに済んだ。食事の終わる頃、老婦人グループ到着。
12:35 雨具を着込み、縄文杉の前で記念撮影後、雨の中を下山。
 下りとはいえ、木の根に足をとられ、滑らないように気を使いながらの雨中の下山のため、登りに比べ、さほど所要時間は変わらない。夫婦杉、大王杉と雨の中を下る。
14:00 ウィルソン株到着。株の中の清水を飲み、ややほっとする。雨も小降りとなってきた。
14:30 トロッコ道へ出る。ここからは枕木の間隔に注意すればよいなだらかな下り。雨もほとんど上がる。
15:30 三代杉。竹川が「ここから1時間で下れば10時間を割ることができる。記録?に挑戦しよう」と歩き出す。
16:05 小杉谷小中学校跡通過。思ったよりここまでが遠く、記録?挑戦はあきらめ。
16:45 荒川ダム駐車場帰着
ホテルへ戻る途中、帰りの客を待つヤクザルの群が2群、道ばたで待っていてエサをくれそうな車が止まると、飛びついていた。やはりエサをやる人間がいるのであろう。
17:40 ホテル帰着
結局、縄文杉とじっくり対面しながら観察することは出来なかったが、落伍者もなく参加者9名全員が縄文杉まで登れ、ケガや具合の悪くなった人もでず、皆大いに満足。

8月30日(日)    レムリアアイランドリゾートホテル前で
朝から大雨。
8:30 朝食をとる頃から雨も小降りとなり、やがて晴れてくる。
10時出発予定だったが、ノリノリこと松田賀江の美術館を開けて見せてくれるというので、皆で見学。一本杉のような木の下に立つ、帽子をかぶり後ろを向いた女の子のイラストが多い。BGMには食堂と同様MASAYAの曲が流れている。
10:30頃出発 大川の滝へ 落差88mで花崗岩の岩の上を滑り落ち、水量も多く、日本の滝100選のひとつだというのもうなづける迫力。
レムリアIs.H.
照葉樹林として世界自然遺産の地域内になっている西部林道を途中まで行く。残念ながら明8/31正午まで、工事中で通行止めとのことで、途中までで引き返す。天気は晴れで、次第に蒸し暑くなる。
12:00-13:20 栗 海岸 青少年旅行村の看板をたよりに、海岸に出る。メヒルギ自生地というがわずかにそれらしい木が遠くの岸に見えるだけでマングローブ林とはいえない。むしろ海岸のタイドプールに泳ぐ海水魚を皆夢中になってのぞき込む。竹川一人、用意の水着と水中眼鏡着用で「水族館みたいに沢山魚が見える」と興奮している。
タイドプール 左:タイドプールに温泉気分でつかり、ご機嫌の竹川元幹事長
13:40-14:30 屋久島いわさきホテル 目の前に聳える岩山・モッチョム岳などを見上げながら、シーフードカレーなどの遅い昼食。
14:50-15:10 千尋(せんびろ)の滝見学
15:20-30  土産物屋
15:40   屋久島空港到着 搭乗手続き
16:20   屋久島空港出発JAC
17:00-18:30 夕食:鹿児島空港近くの
20:00 東京行きJAS搭乗(20分遅れ)
21:30 羽田空港到着・解散