佐渡 鳥見行

日時:2005年2月26日〜27日  記録:上野尚博

日時:平成17年(2005)2月26日(土)〜27日(日)
参加者
 東京より=小高・上野・井上・大場・高野・金田・真柳
 現地にて=近辻夫妻・関美沙子(2002年卒)
佐渡探鳥 参加者一同で
記念撮影
(宿の八幡館前で)
行動記録
2月26日(土)
 冬期のみ格安料金の佐渡ツアーがあることを知り7人で応募。
 2月26日早朝、先発の大場君を除く6人が上越新幹線「とき313号」で東京駅を出発。 それぞれ車中で朝食を取り、現地での行動予定を組んでくれた近辻君からの案内状や、1月にタイでバードウォッチングの旅をして来た小高・井上両氏の写真などを見ているうちに、列車は大清水トンネルに入る。 快晴の東京から一転してトンネルを出ると雪景色。 かなりの降雪で、今日・明日の佐渡の天候が心配になる。
 さすがに上越新幹線の雪対策は上々で、途中吹雪模様の所を通ったが定刻に新潟駅に到着。 駅からフェリー出発までの時間が少々厳しい予定だったが、幸いに前夜から新潟泊の大場君に先にフェリー乗り場へ行ってもらい、チケットの交換や乗船名簿を書く手間を省くことが出来、出船の10分前には乗船出来た。
 海上は曇りがちで時々雪の荒れ模様。 新潟港からウミネコが乗客からの餌をもらうために付いて来る。 最初は50羽以上いたが次第に少なくなりミツユビカモメが出る頃には10羽程度に減る。 佐渡に近づくとウミスズメが5羽から10羽ほどの群で飛ぶのが何度も見られるようになる。 遠いのと視界が良くないので種の見分けが付けにくいがどうやら他のウミスズメは居ないようであった。  12時、定刻に佐渡・両津港に到着。
 港には近辻夫妻と、去年の4月から新潟日報佐渡支局に勤務の関さんが出迎えてくれた。 関さんは同好会50周年の記念行事の時活躍された当時の幹事。 直ちに車2台に分乗して出発、加茂湖を望む「道の駅―芸能とトキの里」で昼食。 窓からマガモ・コガモ・カルガモ・ヒドリガモなどの淡水性のカモやスズガモ・ホシハジロなどの潜水性のカモが見える。
 昼食後はまず国仲平野に向かう。雪の舞う農道や土手上の道を進み、ここでの見ものは200羽ほどのマガンの群。 車で近寄るとさすがに警戒するが、それでも田に下りて落穂を食べている。 年によりハクガンが出たこともあるらしいが、今冬はマガンだけの様子。
 ここではチュウヒやミサゴも現れ、またマナヅルが1羽だけ越冬している。 九州へ渡る予定の個体が佐渡に紛れたものか、九州とは別の越冬地へ向かう群から離れてしまったのだろうか。 さらに、200羽以上のミヤマガラスの群が遠くに飛んでいた。 小鳥類は天候のせいかあまり出ず、アトリが目立った程度。
真鶴 マナヅル(国府川)
                                             国仲平野を流れる佐渡最大の河川、国府川やその支流にはあまりカモは多くは見られず、数種の淡水ガモの他にはカワアイサが泳いでいた程度だった。 矢張り、日中はカモの大多数は加茂湖に集まっているのだろうか。
 国仲平野を後にして真野湾を望む海岸に出る。 最初は防波堤の内側で波を避けているヒドリガモばかりだったが、栽培漁業センター前のポイントで探していたシノリガモのオスを発見。 近くにはクロガモのオスも居る。 さらに観察を続けると、オオハムが1羽意外に近い場所に浮いているのが観察できた。 航路での探鳥では比較的観察されるが、陸上からこのような近距離での観察は初めての経験。 もう少し天気が良ければ細部まではっきりと見られたことだろう。 少々惜しまれる。 
 雪がひどくなって来たので帰ろうとすると大場君がもうひと頑張りを主張。 そのお陰で、小降りになった時沖に浮かぶビロードキンクロ・ウミアイサ・ミミカイツブリを追加することが出来た。
 天候のせいもあってだいぶ暗くなって来たので今日はこれで切り上げ、今夜の宿「八幡館」にチェックイン。
 近辻夫妻・関さんも泊まり、10人で賑やかに食事会。 格安料金とは思えない量の食事が出て一同食べきれないほど。 食後は部屋に集まり2次会。 大場君が新潟で仕入れた日本酒と石川タニシから寄贈の焼酎で12時近くまで盛り上がった。
 必ずしも大学時代に知り合っていた者同士ではないのだが、鳥という共通の話題と、同好会という同じ地盤があるので全く違和感がないのが楽しい。
2月27日(日)
翌27日、早くも帰京の朝となる。 先ずは全員で記念写真を撮ってから出発。
 最初はもう一度国仲平野に出る。 土手に上る手前にノスリが下りていたが、これが非常に大きく見え、一瞬、その大きさから佐渡に来ているとの情報のあるオジロワシかと思ったほど。 野外での鳥の大きさは時により実物と違って見えることがあるがその好例だった。
 土手を進むと川の中州に昨日見たマナヅルが下りていた。 周囲の雪とマナヅルの色のコントラストが素晴らしい。 やがて優雅に飛び去って行ったが、デジタルカメラでは飛んでいる鳥にピントがなかなか合わない。 
 この場所の少し先では昨日は遠くて良く見られなかったミヤマガラスが地面に下りていた。 コクマルガラスも混じっているのではないかと一羽ずつチェックしたが、見つけられなかった。
真鶴 マガンの群れと、
ミヤマガラスの群れ。
 昨日は小鳥類がほとんど見られなかったが、まだ時々雪が降るものの昨日よりは天候が回復気味の今日はホオジロ・カシラダカ・タヒバリ・カワラヒワなどが良く見られるようになる。 先を行く近辻君運転の車が畑の中で停車すると、はるか先にチョウゲンボウがポールの先に止っていた。 運転しながらあれを見つけるとはなかなかの目である。
朱鷺 ケージに並んだ
トキたち。
そして今回の目的地の一つである「トキの森公園」を訪問。 近辻君の永年の努力が実り、今では50羽以上のトキが飼育されており、公園内のケージには多くのトキが見られる。 翼を広げると朱鷺色が浮かび上がり実に美しい。
 今の調子で繁殖を続けて行けば彼の夢であったトキを野生に戻す日も遠くはないのではないだろうか。 もちろんその前に環境の整備が行われねばならないが。 その時には是非また佐渡を訪れたいものである。