2004年8月29日 月を楽しむ会

夏休み最後の日曜日、遠くで打ち上がる花火を皆で見た後、いつもの様に路上を占拠し世間話で盛り上がっていると、しばらくして東の空から月が昇ってきた。

台風の影響で、千切れ雲が駆け足で通り過ぎて行く空でも、薄らと光のベールをまとった「ほぼ満月」の美しさは際立っていて、集いはいつの間にか「月を楽しむ会」に変わっていた。

ほぼ満月

けいこさんが用意してくれた「ゆず羊羹」を頬張り、口一杯に広がる淡いゆずの香と羊羹の甘さを楽しみながら、会長がセットした宮内光学の双眼鏡(Bs-77iB)で月を見た。
双眼鏡で見る月面は、コペルニクスとケブラーの光条が、少し暗い海の中に際立って浮き上がって見えていた。

この宮内光学の双眼鏡は優れもので、セミアポクロマートのシャープな像と、背景の夜空と星とのコントラストの高さが、月だけでなく星雲星団の観望等に威力を発揮する。

双眼鏡で月を見る1

双眼鏡で月を見る2

途中、えみさんが「わらびもち」の差し入れをしてくれたが、あっという間に、ひろこさんのお腹に収まった。
ちょっと物足りなかった私は、「次回は団子の差し入れを」と、それとなく(?)お願いした。
中秋の名月は、皆と団子を食べながら楽しみたいと思う。

ひろこの観望風景画


2004年8月12日 ペルセウス座流星群観望会、その2

昨夜に続き流星群を見るために皆が集まったが、23時頃になると雲が全天に広がってきて、昨夜の疲れも残っている人も多かったので、早々に観望会はお開きとなった。

あきらめきれない数名が残り観望を続けていると、24時頃には雲はすっかり無くなったが、透明度がいまいちだったので、さらに暗い場所を求めて移動した。

和歌川沿いの場所にシートを広げて寝転んで空を見上げた。
明るい流星が次々と流れ、中には流星痕を残すものも数個あった。

2時頃、五輪サッカーを見たかったので観望を終えた。
今年のペルセウス流星群は最高に楽しめたが、サッカーは最悪の試合だった。



2004年8月11日 ペルセウス座流星群観望会、その1

今年のペルセウス座流星群は、8月12日早朝にダストトレイルに入るとの予測があったので、いつもより一日早い11日23時から観望会を開くことになった。

11日は湿度が低く、夏にありがちなモヤがかかったような空でなく、観望に最適な、秋を思わせるような澄んだ快晴の空だった。(強力な晴れ女「えみ」さんが参加したからかな...)

23時頃に皆が参加して、にぎやかな観望会が始まった。
道路にクッションを敷き寝転んで空を見上げていると、速度の速いペルセウスの流星と他の散在流星が時々見える。

ペルセ観望風景
ペルセ観望風景2

1時を過ぎて明るい流星が増えてきた。
アンドロメダあたりから鷲座のアルタイルあたりまで、青く輝いて流れる大流星も見えた。
真夜中だったが、皆が大きな歓声を上げた。
それまで近所迷惑を考えて、出来るだけ小声で、出来るだけ物音を立てないようにしていたが、思わず声が出てしまった。

プレアデスとヒアデス

3時頃、細い月が上がってきたが観測への影響は少なかった。
しばらくして金星も上がってきて、明るい金星と月の競演は、ひときわ美しい情景だった。

月と金星

4時を過ぎて、薄らと東の空が明るくなってきた。
流星は、明け方に向けて確実にその数を増していたが、明け行く空に未練を残しながら観望会を終えた。

街灯の下での観望だったが、約30個の流星を見る事ができた。(最微光星は4等星位だった)

観望会の感想

「F家の皆さんの感想」

夏休み中でもあり、たっぷりの時間をかけて星空を見ることができて、とても楽しかったです。
参加した人が多く、皆と話をしながら見ていたので、夜の怖さも薄らぎました。

流星は、思いがけずやさしく音も無く流れるので、自分の見ている空を流れた時は、「ラッキー」「やったー」。
見ていなかった場所で流れた時は、「くやしーぃ」、今度こそ見てやるぞと欲が出ました。

流星の中には、とても明るく尾を引きながら流れるものも有り、貴重な体験ができました。
星を見ていると、時間が過ぎるのがとっても早く感じました。

朝方の涼しいに風に、すぐそこまで来ている秋を感じながら、だんだん明けて行く空をながめていると、大きな自然に抱かれている自分に気がつき、清々しい気持ちになりました。

「たつや副会長の感想」

数年前の獅子座流星群の大出現以来、私個人としてのまともな流星観測の機会は条件にも恵まれず、夜通し観測した事はほとんどと言って良いほどなかった。

しかしながら今回は、同好会員ほぼ総動員で、かつ満足のいく観測ができたことに喜びを覚えている。

観測中気まぐれに夜空を駆け抜け、それが痕跡となって空に焼き付いた流星も少なくない。
そのおかげでしばらくは私たちの目にも流星痕が焼き付いて、今後の観測に支障を来すのではないかと私は今になって危惧している。

「masakazu会長の感想」

私の育った種子島の夜は真っ暗でなく、空に輝く星の明かりで街や山のシルエットが浮かび上がっている。夏になると、満天の星空の中に絹の衣を流したような天の川が浮かび上がり、幾つもの流れ星が鋭い光を放って消えていく。

そんな種子島の美しい星空を、私の原風景(宝物)として思い出の奥深くにしまってある。

和歌山の市街地で見る星空は、それには遠く及ばないが、原風景に不足していたものを教えてくれた。

ひとりぼっちで眺めていた星空を、今は、仲間と一緒に眺めている。
薄明るい空の下でも、仲間と見る流れ星は、とても明るく輝いていた。


2004年8月10日 観測場所の下見

知り合いの人の畑の横に、観測に使えそうな空き地があるとの事で、皆で下見に出かけた。

某観測地にて

その場所の西側は、道路を越えるとすぐに和歌浦湾で、他の三方向は畑が広がり、かなり暗い場所だったが、残念ながら時々通る車のライトが観望の邪魔をする。

しかし、深夜なら車の通行量も減るだろうし、なによりも近場なので、この場所を第二番目の観測地に決定した。

沈むサソリ座