2004年7月16日 20時29分 大火球を見る

夕方から15cm反射望遠鏡を出し木星を見ていたが、いつものように地面の熱で立ち上ってくる空気の揺らぎのせいで高倍率では焦点が合わない。
仕方ないので、蠍座あたりの星団でも見ようと10cm屈折を出しているところに、たつやさんが現れた。
反射と屈折の見え方を比較をしようと、屈折望遠鏡も木星に向け、たつやさんと代わった。

私は、なにげなく南の空を見ていた。
その時、蠍座の尻尾のあたりから、ロケット花火のようなものが上がってきた。

あれ?違う。花火じゃない。
思わず大声で叫んだ。「たっちゃん、あれを見て!!」
信じられないくらいの大火球だった。
しばらく呆然と見ていた。
見えなくなって、鳥肌が立ってきた。
時刻を確認したところ、20時29分だった。
慌てて、日本火球ネットワークの掲示板に状況を書き込んだ。

火球は、蠍座の尾の上あたり(南南東、高度20から30度位)から流れ始め、人工衛星程度の速度(通常の流星より遅め)で、本体はオレンジに近い色で、火の粉状の長い尾(5から10度位)を引きながら天頂に向かって上がってきた。
明るさは、赤っぽい色のため、そんなに明るいとは思わなかったが、木星よりも確実に明るかった。
天頂を通過するときには、尾に横幅があり、ちょうどロケットのガスが吹き出しているようなふうに見えた。
その後、北斗の柄杓付近を通過し、大阪上空の雷雲の中に消えていった。(北北西、高度約45度で見えなくなる)

今まで、いくつもの流星(火球)を見てきたが、初めて見るタイプの火球だった。
もしかしたら人工衛星の落下によるものだったかも知れない。



2004年7月3日 小雑賀夜遊び軍団星例会

今日は空の状態が良さそうだったので、早めに望遠鏡を出して木星を撮影してみた。
やはり昼間の熱気が残ったアスファルト道路上での撮影ではピントすら合わず、ぼんやりとした赤道付近の模様が分かる程度の写りだった。

木星

夜も更けて、会員がホチボチ集まって来て、昨夜に続く観望会となった。
偶然通りかかったコルクママさんとお嬢さんが加わって、さらににぎやかになった。
皆で、携帯のカメラを望遠鏡の接眼部に押し付けて月の写真を撮ったが、写る位置を探すことが難しく、さらに月が明るすぎて露出オーバーになるので明るさの調整に苦労していた。

話に夢中になっていた頃、たつやさんの母が来て「小雑賀夜遊び軍団、また集まっているな」と一言。 一同、大受け。
あまりの語感の良さに、「小雑賀天文同好会」またの名を「小雑賀夜遊び軍団」と命名する事に決定した。



2004年7月2日 納涼満月観望会

夕方になり涼しい風が吹いてきたので、いつもの様に家の前に椅子を出して涼んでいたところ、たつや副会長がやってきて、氷を浮かべた麦茶をおいしそうに飲みながら「今夜は時間が空いたので観望会をやりましょう」とのこと。
何の予定も束縛もない気ままな我が同好会なので、誰かが言出せば即決定、20時半頃から観望会を開くことになった。

昨年の今頃、大接近中の火星を皆で見たことが同好会発足の原点で、その頃の機材は、8cmアクロマート経緯台と簡素な赤道儀に載った10cm反射だった。
同好会発足後、先月までに10cmアクロマート経緯台と赤道儀を2台購入し、さらに以前に自分で鏡を磨いて作った15cm反射鏡遠鏡を復活させたので、これらを並べて設置すると、以前と隔世の感がする。

機材1


機材2


機材3

特に連絡も取っていないのに、不思議と全会員が集まって来て、満月観望会が始まった。
低倍率で見る満月は、モヤの中に浮かんでいて黄色みが強く、それでいても、無数に散らばる小さなクレーターと、ティコやコペルニクスのクレーターから広がる光条が宝石のように明るく輝いて、とても美しかった。