最近では国内の大手楽器店やkeyboard magazine等でもKurzweil Synthの扱いがなく国内では他の海外KBDメーカや新興メーカと比べてもとてもマイナーなKBDメーカになってしまい存在そのものを知らない人もいるのではないかと思います。 Kurzweilを扱っている楽器業者もごく少数、Kurzweilの代理店も雑誌宣伝などは皆無で日本語マニュアルなどは期待できない状況。 まあHard KBD synth自体が昔のようにどこの楽器店にもおかれている状況でなく keyboard Magzineも季刊誌になってしまった現状ではありますが。
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VASTの歴史
K2000以降のKurzweil synthの系譜について考えてみます。 K2000からはVASTと呼ばれるKurzweil独自の Variable Architectureという可変構造を有しておりこれは Audio信号系においてOSC -- FILTER --AMPと言う決められたパターンでなくOSC -- AMP間にfilter以外のDSP blockを配置できる機能です。これはK2500/K2600までのKシリーズはもちろん以降のPC3、最新のFORETEやPC4はたまた製品的にはStage PIANOの名のついた他のシリーズやHOME向けのDigital PIANOまで継承されておりこれはひとえにはPC3時代のKBDは同じ音源 chipを内部的には使用していることからくる結果なのでしょう。
さらにK2500ではOPTIONでKDFXと呼ばれるKurzweilオリジナルのEffect ProcessorがこれもLISA chip *4 を使って実現されました。(1996) 1999年に登場したK2600からはKDFXが標準装備になりさらに K2600の newOS(Ver2)ではこの 3 layerの DSP blockをひとかたまり としてlayer共通で使用できるようになり Triple Modular Processing.... serial DSP chainが可能となっており、K2000にはできない機能でありよりModular synthに近づいた感がありました。 KDFXの登場とともにLISA chipを使ったKSP8というEffectorがK2600と同時期に登場しここで開発された多種のEffect AlgorithmがK2600以降の機種で利用されておりEffectに関してはこのKSP8がリファレンスになっています。 Kシリーズはここで打ち止めとなり(後にK2661が登場しますが)現在でもKシリーズと銘打った後継機種は出ていませんが1995年にPC88というMIDI boardの後継機種の系列が登場し、PC88 -- PC1 -- PC2と続きました。 これら(PC1以降)はK2600が登場したと同じ時期の2000年代初頭に登場しています。 PC88はHOMER+MARGE(*1)という主にPC用の Sound Cardなどの使用を前提としたChipを利用しています。 PC88は基本MIDI controllerなのですがおまけに音源を付加した形のKBDでした。
*1: HOMER+MARGEは以後MA1という音源 chipに統合された?ようでこのMA1 chipもPC用の音源などに使用されましたが LM用のKBDには採用されなかったようです。 PC1/PC2はPC88の後継機種として登場し音源 chipにMA2というおそらくMA1の機能強化versionが搭載されておりさらにLISA chipを加えることによりPC2ではKB3 modeや KDFXが搭載されています。 MA2はおそらくはVAST機能を簡略化したchipで従来のKシリーズでは複数のchipを使用していたものを音源とFXを1っの chipで実現したものなのでしょう。 MA2 chipを利用したコンパクトな音源ME1がこの時期発売され、またME1のKBD バージョンとしてKME61も発売されKME61はKurzweil LM KBD中最低価格な機種でした。
* SP6は2017年末の発売のようです。
PC3シリーズはその後PCM ROMの強化などの派生versionをいくつか出しますが2015年以降は停止した状態になっています。 2008年のMARA chip導入以降、synthsizerよりもStage PIANO系列の機種を主に発表する形になっておりSPシリーズ、ARTISTシリーズなどSTAGE PIANOといったシリーズが少々乱立気味に登場しましたが中身は MARAを使った物なので 表面上は Satge PIANOなのですが外部PC Editorを使うと VASTが EDITできるようになっていますがラインナップ上それぞれいくつかの制限を設けて差別化しているようです。 すなわちPC3が登場した2008年から2015年の間はMARAを使ったKBDであってPCM ROMの強化等を除けば新しい物は発表されていませんでしたが 2015年になると国産各社のGIGA byte単位の大容量PCMが普通になるj状況下 KurZweiも大容量PCM Dataが処理できるFlash Play機能を搭載したFORTEというFlag ship機を投入しますがこれは PC3の後継機種ではなくあくまでStage PIANOの最高機種という位置づけとなっています。 仕様としてはKurzweil初のカラー液晶、大容量PCM対応(16GbyteのPCM ROM)、 FXをPC3の倍の32機同時使用が可能というものですが VASTの仕様、KDFXの仕様、KB3Mode等はPC3と変わってはいませんが新 chipが投入されたということなのでしょうか?(*2)。 それから3年後の2018年になるとSP6というLOW costのStage PIANOが発売されます。これはFORTEと同様にGIGA byteの PCM dataが扱えるFLash Play機能搭載ということでPC3のMARA chipeより強化したもののようで MARAが1 chipで64 voiceなのに対して1chipで128Voiceが可能なLENA chipが搭載されておりFXも32基同時使用が可能とPC3の2倍に強化されています。
2019年初頭のNAMMでFORTEのver.4が発表されなんと6OPのFM音源がVASTの機能に追加されるというアナウンスが。 発表直前、4という数字を意識したkurzweilからのTwitterでのメッセージがありもしやPC3の後継機機種でPC4と思われるふしがありましたがPC4でなくFORTEのver.4。 PC3の後継機種はもう絶望的かと思われた直後、2019年4月メッセでPC4が発表され2019年11月末、約半年後に国内でもPC4が27万5000円で発売になりました。 海外では $2000マシンということです。 ちなみに1992年発売のK2000が$3000、K2600にいたっては$5000以上もしました。 また現行機種のFORTEが約$5000します。 Sweet water/KRAFT MUSIC等の海外の楽器屋のWebをのぞくとすでにPC3は記載されておらずFORTE/SP1/SP6/PC4のみあとはDigital PF、特にportable KBDがたくさん掲載されているという状況にちょっと愕然とします。 このような状況からして屈強なスチールの筐体はFrag shipのFORTEのみそれ以外はPC4もそうですが筐体がちょっと強度に不安をおぼえるプラスチック筐体になってしまうのでしょうか。 そういう流れもあってかPC4のSWなどはまるでporatable KBDのような安易な耐久性のないものが使われているように感じてしまいます。 今回、K2600以降のkurzweil synthの機能を調べるためにいくつかの機種のmanualを見ましたが機能の全部が網羅されていなくて抜けが結構ある印象でした。 たとえばDSP Functionについても各Functionの説明がないfunctionも多いというかPC3以降の機種についてはK2600以前の functionの説明は一切無しでK2600のmanualを見てくれとかかれていたり PC3で削除、追加になった functionの明記や説明がない、PC3以降はKDFXの種類の説明も無くこれもKSP8のmanualを読まなければならないなどその機種のmanulaを読むだけでは理解に至らないことがたくさんあります。 そんなこともあって今回K2600以降のKurzweil synthの基本構造を理解するためのPageをまとめてみました。 やはり機能を確認していくとKurzweil synthは他メーカーにないすごさを感じるのですがそれが世間(特に国内)では伝わっていないような気がします。 Kurzweilのsynthをある程度知っている自分でもPC3は持っていないのでKシリーズの知識だけではなにがなんだか始めはわかりませんでした。 このpageをまとめたので今はほぼ理解できるようになりましたがKurzweil Synthが初体験の人にとってはさらにとまどうだろうと思われます。 K2000の時代はmanualは優秀だったような気がしますのでmanualの不備が多い点も含めてこれもひとえに国産synthメーカーに比べてマンパワー不足が原因なのではと心配してしまいます。 K2000登場から今年(2020年)でVASTの歴史はほぼ30年になります。 30年前はSOFT synthが存在しない時代ですが現在ではそれの方が主流になってしまった感がありますがcustom chipを作り続けるKurzweilを含む他のhard synrthメーカーはがんばってもらいたいと切に願います。
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K2600以降の Kurzweil synthの音源部の特徴的な機能を上げてみます。
・KDFX (K2500/K2600/PC3/FORTE/PC4)
・DSP functionの refine(VA1OSC etc) (PC3/FORTE/PC4) * MARA chipを使用した 各Stage PFは PC3と基本機能は同じ。 |
KDFX(K2500/K2600/PC1/PC2/PC3/FORTE/PC4 etc)
K2500(option)/K2600で始めて採用されたKurzweilオリジナルのDigital EffectorはKDFXと呼ばれます。(K2000ではdigitechのFX) KDFXはLISA DSP LSIを4個用いて構成されておりこのKDFXは4っのFX Bus(A/B/C/D)と1っのAUX Bus(grobal FX)で構成され4っのFX busに対してはEQを持っています。 Effect Algorithmの規模によってProcessor Allocation Units (PAU)のサイズが違ってきます。FXに消費されるPAUは1から4の大きさでAlgorithmの規模が大きくなるほど消費量が増えます。 A/B/C/Dの4っのFX BUS全体で 4っのPAUを共有、またAUX Busには3っのPAUが割り当てられているようです。 たとえばAのBUSに4個分のPAUを使うFXを使用すると残りのB/C/DではFXを使えなくなるということです。 A/B/C/Dが各1個づつのPAUを消費するように割り当ててば4っのBUSでFXはそれぞれ使えまます。Aが3であるのなら残りの1PAUをほかのBUSで使えるわけです。 AUXは 3で固定ですので1から3までのPAUを使うFX algorithmが使えます。 Effectの主要parameterはMATRIX modulationが可能で主にMIDIのCCなどを割り当てることができますがFX専用の FXLFO、FXASR、FXFUNも搭載しています。 K2000のDigitech DSP256使用のFXで時代ではMIDI CCによるhard wired modulationが主でmatrix modulationは最大3個でしたがKDFXでは大幅に増えています。 FXの構成 K2600のKDFX
Algorithm
Algorithmをもとにしてparameterが設定されたpresetが作られそれぞれに名称がついています。 さらにこのpresetの中からをA/B/C/D BUSとAUX BUSに割り振ったいわばprogramに対するmultiのsetupに対応するものが STUDIOという名称でいくつかpresetされています。 この最終形としてのSTUDIOが K2000におけるEffect prersetと同じような感じで各programはこのFX用のSTUDIOという objectを選択するわけです。 すなわちK2000と同様音色progeram内には FX parameteを持たず対応する STUDIOを選択してFX send量とFX mod等だけをprogram側に持つ形となります。 K2600では以下のようなFX Algorithmを持っています。
K2600 Effect Type(Algorithm) ()内はPAU数
FX mod 18個の parameterに対してMatrix Modulationが可能だそうです。
これに対して後継機種であるPC3ではどのような構成になっているか。 まずは Effect algorithmはK2600より後に発売されたKSP8のalgorithm Noに準拠した形となっているのでPC3の Effect presetの名称から該当するalgorithm Noを調べて KSP8のmanualを見るとどのようなFXかがわかる。(PC3側のマニュアルにはalgorithmの詳細は書かれていない。) 1part(1ch)に対して1個のInsert FXと2個のAUX BUS(global FX)という構成に変更されています。 XGやGS音源のような形ですがFXは最大16個(1PAU時)使えるので最大16chに対してinsert FXが使用できる形で、2っのAUX BUSにFXを割り振っても1PAU使用のFXであれば最大14CHに対してInsert FXが使用可能です。 さらに最終段にMaster FXとしてCompとEQが追加されている。またFX chainという機能ではinsert/AUX FXの構成においてEffectorの直列接続ができる。(MAX8個)さらにFX modは Chain内で最大30個まで使用可能。 K2600時代ではLISA chip * 4のDSP powerで7PAUが使用できたがPC3ではFXはMARA chipにより16PAUまで使えるようになる。 さらにFORTEやSP6、PC4といった機種では32PAU分の容量がある。
insertFXはprogram固有の物ですがAUXFXはsystem全体で共有するものなのでMulti(Setup)やsong modeにおいては専用に定義したものが別に存在しそちらを優先的に上書きしたり program側の方を優先することもできます。 DSP FXの PAUはsystem全体で共有しているものなのでMulti(set up)やsong mopdeで複数 channelのprogramを同時に使用する場合 PAUが不足する自体が生じかねませんがその場合はVoice assignの優先のように特定の優先順位があるようです。
FOTRE/PC4 これは Kurzweilのsynthの1programにおいて通常modeとDrum modeの区別が無い仕様から drum programの各打楽器に対して別々のFXをかけたい場合を想定すれば出てくる柔軟な仕様のように思えます。
構成 PC3以降
1: algorithm KSP8のalgorithm(700個以上)から選択されたものを元にparameterを設定したpresetが用意されている(約500個)。 必要に応じてpresetを複数 chain(MAX 8個)したものが Effect chain。 K2600のSTUDIOに該当するものはなくprogram以外ではMULTI(setup)/SONGといったmodeにおいてはglobalFXたるAUX1/AUX2に対するsend量/FX chainをprogramで指定した物でなく新たに複数のprogramで共有する物を指定できるPageがある。
以下にFORTE/PC4のEDIT画面を示します(Manualより)
カーソル位置のFXのPAU数を表示(上図ではInsert FXの合計が9PAUで全体では12PAU使っている)
* InsertFX: FX chain / output:A/B
Insert FXは個々のProgram内での使用FXでありAUX FXのようにsendはしないのでここでWet/dryを指定することになるが FXの種類によって不可なものもありその場合FX modというparameterになっていてFX chain全体のModSというmodulationで行う。 すなわち個々のFXのBOX 内のWet/DryのparameterをEDITしないと値は変えられずそれを行うとWet/Dryの違いだけで新たなpresetができてしまい煩雑になるのでWet/Dry parameterは1 BOXのFX presetでEditせず、FX chain内のmatrix Modulation指定で行えばFX preset単体/FX chainのpresetを増やさずにすみ簡単に変更したければMods pageのmatrix modulationを使ってsliderやMIDI CCに割り当てておく必要がある。
・Insert FXの Enable Y/N (Y)
FORTE/PC4では外部 audio入力に対してもKDFXが使え(*1)当然 FX chainが可能なので複数のFXを同時利用することが可能で使用法はGlobal Mode EDIT画面でAUDIO FX=ONとして使用するFX chainを指定するだけ。 あとは必要に応じて input gainを指定する。 とても質素な設定というかAudio INに対しては input level meterのような物すらない。 かつてのK2XXXでは sampling optionをつければ Audio Input画面で メーターがついていたことを思い出すが.......
また外部入力に対してのFXはGlobal modeでの指定しかできず(*0)、Global mode内のparameterはいくつものパターンのpresetがあるのではなく Global modeではtempolaryの1っだけなのでFXを変えたい時はそのつどFX chainのpresetを選択する必要がある。 このため外部入力に対するFXのWet/Dryの調整などを特定操作子にmatrix modulatonで割り付けておかないとそのつどFX chainのparameterをいじらなくてはならず不便である。
*0:
FORTE/PC4でMIDI外部音源を鳴らしかつ出力を audio INにつないで FXを使いたい場合でかつFORTE/PC4の内蔵音源は鳴らしたくない場合(*1)(MIDI Controllerとしての使用)は上記のDISTINATIONをEditしLOCALをはずす。 MIDI 関係のParameterはFORTE/PC4ではそれ以前の機種(K2xxx、PC3)と異なりMIDI modeとしては存在していずGlobal Modeに含まれる。
Global Edit ModeにいればMain1 pageで 外部入力に対するFXchainを指定してそれをEDITすればWet/Dryの設定は変えられる。 Global modeにおけるMIDI outおよび内蔵音源に対するVelocity 指定はVelocity Mapの指定のみ、Multi modeにおけるMIDI outおよび内蔵音源に対するVelocity 指定はGlobal Modeで指定したVelocity Mapに加えてZoneごとにVelocity Scale/Offset/curveが追加されるので Modeによって Velocity感度は違ってくる。
上記のようにMulti mode内のAudio IN FXのpageでFX chainを変更すればMultimodeのvelocity設定も使えてかつAudio IN FXの設定も変更できりる。 program mode においては Global modeで指定した Audio iN FXのみしか使えないようだ。
単体Presetで使われているKDFX Algorithmsは以下の type。
非常に多種にわたるが、同じalgorithmでも parameterが少ないものは別algorithm扱いになっているような気もするが.....100程度のalgorithmがあり元となっているkSP8の方は標準で249。 基本的にこのalgoritは2000年ごろに出来上がった物で以後は変わっていないようだ。 FORTE/PC4ではいくつか増えているようであるがこの部分も documentが無い!
*: 500..600はPC3にないFX presetでありalgorithmは不明。 これらのpresetを元にInsert/AUX1/2のFX経路にFXを与える。 この際各Effectは複数個のFX chainが8PAU(16PAU)内でできる。 Effect Chainにはpresetの名所がつく。 KSR(Kurzweil String Resonance)を実現するためには600のstring resonaceのalgorithを選択しかつKEY mapでString ResonanceのSWをONにしないと効果が利用できない。 すなわちEffectとしてのString resonanceを制御することをKeyMapの制御時に指示するらしい。
1000以上のEffect chain preset
FORTE 1800程度の Effect chain prest 非常に多くのChain Presetを持っているが名称だけではBOXの構成や個々のalgorithmはわからず、構成比較表のようなものもないので最適なpresetを選ぶのは難儀。 逆に言うとこのChain presetを選ぶだけでも楽しめるということか。 それ以前に単体presetでも500以上はあるし基本となるalgorithmは約100個程度なのでまずはここから理解する必要がありそうです。
Kurzweilのsynthは国産synthと異なりEffect関連のparameterを基本、音色Programに持っていない形式で持っているのは Effectの指定(FX Chainの指定)とAUX1/AUX2に対するsend levelだけである。 すなわち独立したEffectorを共有する形が基本な発想というか。共有Effect的な使い方にしたくなければ新たにEffect programを生成してそれとリンクすればよい。したがってEffectorのparameterを一時的に操作(微調整)するためには他の共有programに対して不都合がおきないようにMatrix Modulationで指定することになる。 Effect parameterをLFO/ASRといった Modulatorで動的に動かす以外にSlider/MIDI CC NoでParameterの微調整をするために matrix Modulationを指定する。 これはK2000時代のDIGITECHのFXのころからMIDICCによって Hard Wired Modulationが可能であったことからの伝統である。
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Triple Mode(triple modular processing)
K2600 Ver2から導入された新機構です。 K2XXXシリーズは基本、最大3Layerで1programを構成する構造になっていますがTriple Modeは layer1の出力をLayer2、Layer3に接続したりlayer2の出力をLayer3に出力することが可能となっています。 これにより3layerの直列、並列接続が可能となり一体化できるため結果的に1layerでは不可能な複数の DSP Blockを使用したAudio信号系の構造が可能となりまさにModular synthをパッチングすることがAudio信号系でも可能になりました。(ただしどのような接続も可能なわけではない。) すなわち最終出力としてのLayer3においては5っのDSP Blockの最終段は従来どおりAMP+AMPEGという構成になりますが他のLayer1、Layer2に関しては5っ目のDSP BlockはAMPである必要がないためPITCHを除けば4Block使用可能となるわけで従来のAlgorithmでは可変Blockは3個であったのが4個使用できるということ。 またLayer1、2においてAMP blockは5番目におく必要はなく PITCH Blockの次に置いてもよいわけです、 このためTriple Modeを使用する場合は従来のAlgorithmとは異なる経路を持ったものが新たに搭載されておりこれにより他LayerからのOUT PUTを自分のLayerに入力できるようになります。 従来では 4pole LPFを1個使用してしまうと1Layerでは他の機能は使えませんでしたがTriple Modeでは他の機能を加えることもできますし、4Pole LPFの2段接続も可能となります。 Layer2に関してはPITCH blockが無いAlgorithmもあります。(その場合4block構成ですが)
Layer3は最終段にAMPが入る。 また PITCH blockはない。
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DSP functionの refine (PC3/FORTE/PC4)
幻のKurzweil製の virtual Analog Synth VA1をPC3上で実現するための OSCillator Functionの追加およびMOOG ladder VCFのシミュレート filterの追加がDSP functionに追加されており逆に従来のK2XXXXシリーズにあった non Linear系とAM系のfunctionが大幅に削除されています。 PC3の manualを見ても VA1関連の functionの追加は明記されていますがK2XXXシリーズのDSP functionとPC3以降の DSP functionの追加/削除に伴う違いがどこにも明記されていませんし、そもそもPC3以降のマニュアルにはDSP Functionの全種類の説明が一切ないなどK2XXXシリーズのDSP functionを知るものにとっても知らないものにとってもとても不親切なmanualになっていて残念です。 同様にPC3以降のmanualには KDFXの algorithmの詳細な説明はありません。 最終的にはKSP8のAlgorhthm Manualを見ればいいのですが本来 PC3以降の機種の manualにも明記しておくべき要素です。 どんどん機能が膨大化していく中でこのような根幹部分の説明がはしょられてしまうことは大変遺憾です。 以下にK2XXX時代びDSP functionとの違いを示します。 削除されたFunctionは横線で示します。追加されたものは*で また何の説明も manualに無いものを--で示しました。
削除されたFunction ..........16? 62 DSP function? またDSP functionは従来のK2XXXシリーズが5個のBlock(Pitch/AMP blockを含む)で構成されていたのに対してPC3以降では6Blockとなっておりそのうちの4Blockが可変構造 VAST部分です。 基本従来3bolckを消費ていたものが4blockの消費となっていますが一部のFunctionは同じblock数のものもありますので場合によってはより多くの機能Blockを1layerで構成することができるでしょう。
VA1機能を追加と言うことでは analog OSC.関係が充実しており、国産メーカーのようなSUPER SAW、TRIPLESAWが追加されておりDSP発振器については Anti-Aliaseされたものが増えましたがBlock数を必要とするため従来の対策なしのDSP Oscillatorも残しています。 さらにMOOGのLadder filterのシミュレーションもあります。 AM変調系はかろうじて残っていてXGAINのみとなってしまいましたが有用です。 いわゆるCross modulation系は無いように見えますが SAW+SHAPEによるKFMやFORTEやPC4では2OP のFMがあるのでよいのでしょう。
* 追加 Function詳細
1: 2OP FM音源(FORTE/PC4)
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Cascade Mode (PC3/FORTE/PC4 etc)
Triple Mode(triple modular processing)を拡張した形で32 Layerに対して同様のことが可能となっています。 ただしK2600のように Layer3にだけ必ずAMP blockが最後にある構造ではなく各LayerについてはAMP Blockが存在します。 Layerから別LayerへInputする場合はOUT PUT側のLayerはAMP Blockの前からの信号が出力されるようです。 すなわちOUT PUT側のLayerはAMP Blockの GAINをしぼればK2600のTriple modeと同様の動きになりGAINをしぼらなければそのLayerの信号もそのLayerで出力されます。 algorithmの1から28に対して PITCH(PCM)のかわりに外部Layerからの出力を選べるalgorithmが101から128に対応したりしています。 残りは129から138になっています。
algorithm 1..28 ..............28個
以下に manualに書いてある内容を列記してみます。
従来のtriple modeとの対比は書かれていませんが一応理解できる内容にはなっています。FORTE/PC4のmanulaにおいては解説がさらに簡略化されてしまっていてます。 機能が強化されればするほど解説のはしょりが大きくなっていく。 昔 MOOGの modular synthの manualには必要最小限の解説しかなかったそうですがPC3以降の manualはそれと同じように感じてしまいます。皮肉なことにこのcasecade mode、dynamic VASTという機能はまさに modula synthnの Module patchingと同等の機能なわけですが。
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DYNAMIC VAST (PC3/FORTE/PC4 etc)
defaultの66個?のalgorithmに対してさらに完全にユーザーカスタマイズできるalgorithm(DSP BLOCKの選択/結線)がDYNAIMC VASTです。可変DSP blockは4Blockで構成されており最小1Block、最大4blockで1機能となっているためBlockの切り分けでパターンが存在さらにそれの順番の決定要素があり8種類のDSP Blockの組み合わせが用意されています。 さらに各Blocに対してのIN/OUTの結線が指定できます。 manualにはこの部分の詳細が明記されていない(*1)というなんだか?な状況なのでmanualを見ているだけではよくわからないのが実情です。 AUDIO信号系が自由にPatchできるというhard 音源としては画期的な機能の説明がほとんど無いのではKurzweil synthのよさが伝わらないと思ってしまいます。
1: DSP Blockの組み合わせは上記の8個のいずれかとなります。 これに対して各DSP BolckについてINPUTとOUT PUTを結線することになります。 INPUT 各ModuleのINPUTはdefaultでは前段のOUT PUTですがそれ以前のModuleのOUTを選択することができそれに加えてPITCH(PCM)直、別LAYERのOUT PUT(EXT IN)も選択できます。
具体例として上記の4個のDSP blockの場合を考えます。 最終段のDSP BlockのINPUTははdefoultではDSP3のOUTにつながっています。 これをDSP2のOUTにつなぐと上記のようになりDSP3のOUTが浮きます。また inputを PITCH(PCM)や他のLayer(EXT IN)から選択することも可能。上記の例は4っ目のDSP unitについてだけのInputの配線ですが他の3っのDSP unitも同様に自由に独立して結線ができます。 各ModuleのINPUTは2入力にすることも可能でその場合のINPUTに対しての出力の選択は1 INPUT時と同様。 DSP Moduleに対するpatchingの自由度が大きい分、上記のようにOUTが浮いてしまう場合もあります。 なかなかパズル的な要素もあって難しいです。
Layerの最終出力は defaultでは最終DSP blockのOUTですがそれ以前のDSP BLOCKやPITCH(PCM)や他のLayerのOUTEXIT INの選択も可能です。 また 各moduleのOUTPUTも2outPUTにすることも可能でその場合のLayerの最終出力の選択も1 OUTPUT時と同様にできます。
以上がmanualに明記されている内容の全てですがDynamic VAST Editorの解説程度しかないのでこれだけではよさが伝わりません。 FORTE/PC4ではさらに解説がはしょられています。 まあ実際に実機のeditorやPC上のEDITORをいじってみれば意味が理解できるとは思われますが概念的なものの説明やAMP blockとの関連説明が不十分だと思われます。 せめてDYNAMIC VASTを使った典型的なprogram例のpathが実機にあればいいのですが。 この解説でわかるのは以下のような3っのparameterを持っていると言うことで上記の図で説明すれば容易にわかることがらですがAMP blockとの関連が少しわかりにくいです。
Parameter Range of Values
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DSP(FX) chain
(K2600/PC3/FORTE/PC4 etc)
insert、 AUXの Effectに対して、PAU数の許す限りFX unitを複数個、直列に接続できます。 並列にはできないようです。ただし1programあたりのPAU数の制限はあります。 K2600ではFXのリソースは7PAU、PC3では16PAU、FORTE/PC4では32PAUです。
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KB3 Mode
(K2500/K2600/PC2/PC3/FORTE/PC4 etc)
K2500から採用されたHammon ORGANの TONE Wheelをシミュレートする modeでこの音源はVASTとは別の構成を取った独立した機能(音源)..VASTのリソース(DSP)は使用するようですが。K2500は1995年発表なのでDSP ORGANとしてはかなり早い時期のものだと思われます。国産では最も早いROLAND VK7が1977年、KORG NEWCX3が2000年。 KB3モードでは、トーンホイールの下半分にDSPで生成された波形を使用し、トーンホイールの上半分にサンプルを使用します。 TONE Wheelページのパラメーターを使用して、使用するサンプルを指定できます。
以下にFORTE?PC4のEDIT画面を示します(Manualより)
・構成するTone Wheelの数を24から91の範囲で変えられる。 ”キーマップ150を選択すると、DSPで生成された波形が上部のトーンホイールに使用され、選択されたトーンホイールの数に関係なく、Forteの128ボイスは使用されません。 150以外のキーマップが使用される場合、KB3プログラムで使用されるForteボイスの数は、通常、選択したトーンホイールの数の半分です(場合によっては、さらに1ボイスを使用できます)。”.....だそうですがPC3ではそれは不可能なのでしょうか?。 Upper Tone WheelのKey Mapを指定できる機能からPCM波形はSIN以外も使えるということですがLower側はDSP発振によるSIN波固定のようです。
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Organの全体のPitchに対しての matrix modulation。
Organの全体の音量に対しての matrix modulation。
Double RotaryというFX chainではRotalyのalgorythm FXを4段使ってさらに他のFXとの組み合わせで16PAUを使う Effect patchがあります。個々のRotar FXでも4PAU程度は使っているのでかなり複雑なFXを搭載しています。 Big KB3 Effectという(8PAU)単体FX algorythmとしては最大級の物もあります。 ここらへんも機能を理解する為にはKSP8(330Page)やKDFX(180page)のマニュアルを参照する必要がありますがAudio In に対してKDFXがかけられる PC4等ではKSP8クラスというかそれ以上のEffectorが手に入るということを意味するのでparameterぐらいは理解したいものです。 PC4以降のKDFXは32PAUまで使えるのでちょっと使いすぎ的なDSP FX chainが多いです。K2600のKDFXが7PAUですから約5倍のリソースがあるからなのでしょう。まあMultiで使わなければ問題ないのですが。 Big KB3 Effect(8PAU)の例
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Flash Play
(FORTE/SP6/PC4)
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6OP FM音源+ (FORTE/PC4)
VASTのfunctionとして6OPのFM音源が使用できるようになりました。 この6OP FM音源に対しては4Voice分のVASTのDSP powerが必要になるようです。 この機能はVASTのfunctionの一部なのでFM音源部出力は最終的に通常のVAST programと同様AMP blockを通過します。 さらにAMPEG/EG2/EG3等のVASTのmodulatorをMODに使用することもできますし、Key MAPのPCM波形をFM OPERATORに使用することができたり、FX関連は通常のLayerと同じ構成が取れます。 FM音源部のoutputを別Layerとcascade modeで使用することも可能です。 OPERATOR波形はSINの他のTRIとSAWがOSCとして用意されていますが上述のように同一LayerのKEYMAP(PCM)でも可能ですし別Layerのoutputを任意のOPERATORに割り当てることも可能です。 各OPERATORのPitchとLevelに対して他のVAST functionのようにmatrixmodulationをかけることができます。 FM音源機能に対しては4LayerのVAST resourceを消費するので1program内でのFM音源 Layerは MAX8系列まで構成することが可能なようです。
FM MAIN Page
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PC3以降のVoice構造(VAST)
K2XXXシリーズとPC3シリーズ以降のVoice構造というかparameterは微妙に違うようなので調べてみました。 基本構造 1programは複数のLayerから構成されており共通の COMMON/Prog.FXを1っ持ちます。
PROGRAM
LAYER(Max 32)
5: LAYER Parameter ....parameter追加 8: Modulator(AMPEG/EG2/EG3/LFO1/LFO2/ASR1/ASR2/FUN1/2/3/4)
真ん中がSlider等の物理操作子、左が出力するparameterの種類(*1)、Defaultでは下記のMIDI CCが割り当てられている。右がprogramが選択された時の値。 *1: Parameterの項目につけられた名称はVirtual Parameterでこの項目に対してEDITするとEdit画面が現れ実際のMIDI CCなどのparameterとの対応付けができここでは自由な名前を指定できます。 上記の例ではPIANO LPFとなっていますが実際はID#12のMIDI CCの12が指定されおりこの場合対応するmatrix modulationのDistinationとしてのFilter Mod.に#12が指定されていて Sliderの 増減でFilterのFcが動くという具合です。ManulalにはこのEDIT画面の説明がありません。またこれらのcontrollerはカーブ等が細かく指定できるのがKurzweilの伝統かと思います。
PC4以降の9Slider、9Knobのcontroller 割り当て等
PC3についてはMIDI CCは固定のようですが、PC4以降の Slider / Knob / SWに対してはMIDI CC Noがあらかじめ設定されていますがKurzwerile独自のParameterも選択できより高機能になっているようです。 左のSouce Parameterとしては MIDI CC 、Kurzweil独自の物、合わせて181個。よってこれらをprogram内でmatrix modulationに使えばsliderの操作に対してprogram内の対応parameterが変化します。SouceとなるparameterのMIDI CC以外のKurzweile独自のControllerはMatrix modulationに対してではなく特定機能に対してのもののようで機能を理解しておけなければなりませんがManualには動作がそれほどくわしくは書かれていません。 目的が若干違う機能を同一で扱えるので使い方がわかるとちょうほうしますが始めは理解できませんでした やはりマニュアルの親切さに欠ける印象がここでもあってK2000などに初期の魅力的なマニュアルと較べてしまいます。Kurzweilのsynthは独特の発想が多いのでなおさらです。。KB3 mode時はSliderはDrawbarにSW等もorgan modeになるわけですがこの対応表がPC4のマニュアルにはありません。PC3のマニュアルにはちゃんと明記されているのに。PanelにはKB3 mode 時の割り当てがプリントされてはいますが。どのメーカーのsynthもparameterが膨大で全て明記すれば大変ではありますが、最近の国産機のマニュアルを参考にしてほしいものです。
MIDI CC 以外等のparameter
PC3ではK2XXXと同様にPCM波形の表示EDITができるがFORTER/PC4ではできないようです?。K2700/K2061/K2088では可能なので差別化しているのかversion upでできるようになるのか?。
VASTのLevel指定 Levelの設定箇所がとても多くありクリップしないようにかつあまり小音量にならないようにしなければならないでしょうか。最終出力には compressorもついていますがPC4では256VoiceもあるためかDACは32bit仕様となっています。(PC3/FORTEは24bit) 256Voice polyphonyということもあって program modeで使うには音量感が足らないと感じることもあるでしょう。 その意味も含めて最終出力段前にはcompressorとEQが付いています。 PC3においてはMultiband Compressor仕様で指定が細かくできますがPC4においてはシンプルでレベル指定のみとなっています。
OFF
Etc. 上記の Modulation sourceがPC3以降の仕様ですがk2000と比べるといくつかが削除されClock関係がいくらか追加されています。
K2000から削除: manualを見ても上記の modulation sourceについて何なのかほとんど明記されていません、 ではどうするかと言うと1991年発行のK2000のmanualに各sourceの解説がありますのでそれを参照しなければなりません。 上記の?で表示したsourceはPC3以降の追加部分のようですがどこにも説明がなくこまったものです。 他の所でも書きましたがmanualにはすべての機能、用語等の説明が完全に網羅されているわけではない。汎用な機能であればまだしもKurzweil独自の機能に対しての説明が無いのにはこまってしまいます。
Key MAP / Sampleは PC3とFORTE/PC4でどれほど違うのか?
PC3 Key MAP
1000..1005 ... FORTE artis StnPF(6段 velsample)......PC4/SP6も共通(Noは1006..1011)
1006..1011.....PC4 artis StnPF EQT(6段) Steinway PFに関してはarts Stn PFという6段velocityのKeymap(*1)とFORTEのGermanPFという8段velovityのKeymapがあるようです。(Forteは両方とも搭載)。 YAMAHA PFはPC4/SP6の4段velocityのKeyMapとFORTEの8段velocityのKeymapがあるようです。
PC4とSP6はKeyMap(おそらくSampleも)はほぼ同じような構成のようですが(*2)....
*1: おそらくオリジナルはArtisシリーズのPCM Dataか? *2: 1006..1011はartis StnPFのバリエーション?
1..42 ........42
PC3/A manual ....Key mapとSampleが表記
Key Mapを見るとFORTEはPC3Aの全ての波形(256Mbyte?)に加えて上記のSampleが追加された形でしょうか。すなわちPF関係以外はPC3AとあまりかわらないPCM dataを持っているのではないでしょうか。 またPC4に関してはKurzweilのsiteによるとGermanPF/JapanesePFに関して” These pianos are an optimized version of the ForteR Grand pianos, derived from the same quality content but using less samples.”とありますので少なくとも8段velocity sampleではなく6段velocity sampleかと思われます。EPFに関しても同様かと。 ここらへんが2Gと16Gの差を生んでいるのか?。
PC3......Triple Strike PFのみ
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PC3/Forte/PC4 の違いは? Kurzweilのsiteに書かれているのは以下のとおりです。 PC3系列KBDの仕様の違い -->* これを見るとFORTEとPC4の違いはPCM Dataの差と筐体等の違いだけのようにも思えますが実際の価格は$5000と$2000なので大きな差があります。 国内の販売価格でも約50万対27万と約倍、USAにおいてはFORTEの40%でPC4が買えます。 PCM容量の差は主にPIANO sampleに対する比重の違いなのでしょうか?。 よくわかりませんがPIANOにこだわらなければ差は小さいのでしょうか?。 PC4は少なくともUSAではお買い得のように思えます。 YAMAHAでもMONTAGEとMODXの価格差はかなりあって上のUSAの価格差ぐらいは確かにあるのですが。 USAではROLAND FA08が$1899、YAMAHA MODX8が$1999、PC4が$1999でPC4は08/8の対抗機種的要素が強い。 国内ではFA08が約17万ですが$1899は海外では19万程度の感覚。 MODX8は国内では約18.5万、 単純為替レートであればPC4は約22万となりこれなら間違いなく国内もお買い得ですが現実的な適正価格は消費税込みで本来であれば25万といったところでしょうか。 実際は27万5千円なので1割高というかFA08とは10万円の差ができてしまいちょっと同一価格帯の製品という感は国内ではなくなってしまいますので国内ではKurzweil FAN以外には注目度は低いのでしょうか。61Key versionがもし出れば22万程度かと想像されますが果たして61Keyは出るのか現状では期待薄。 FORTEの鍵盤はFatar TP/40Lと明記されていますがPC4は明記されていません。おそらくSP6と同じ鍵盤だと思われるのでMedeli のK6 actionだと思われます。
K2600の時代と違って基板はおそらく大変コンパクトなので作ろうと思えば音源Moduleは安価で作れそうな気もします。 NetにLENA chipを使ったSP6の内部写真を公開しているsiteがありその音源基板はとてもシンプルでした。現在では音源 moduleを作るという発想が各KBDメーカーから無くなってしまいました。
単純には使用Chipが違うのだと思います。 PC4はおそらくLENA、PC3はMARAです。 PC3ではBase ROMが64MbyteでさらにDIMM slotが2個あります。 ここには128MbyteのFlash MemoryやPCM ROMを取り付けられます。
PC3/FORTE.....MARA
Base ROM 64Mbyte という仕様らしいのでPCM ROM DataはMAX320Mbyte(ROMはMax256Mbyte)なのでしょう。となるとPC4の方が12倍強PCM ROMが大きいし、Flash 2Gを含めれば25倍程度、FORTEにいたっては60倍PCM ROMが大きいことになります。 PC3Kが128MbyteのFlashが取り付けられたversion、PC3Aが上記のGrandとKORE64がSlotに取り付けられたVersionのようでオリジナルのPC3はデフォルトでは64MbyteのPCM ROMのみということでしょうか。 PC3のFORTE/PC4に対する優位性はDigital out、breath controller inputがついていることGM対応などになるのでしょう。 Sample EditingはPC3はK2XXXシリーズと同様にFull EditができますがFORTE/PC4ではすべてのEDITはできないようです。 あとはKey velocity関連の設定ですが(*0)K2000/K2500/K2600/PC3/FORTE/PC4では異なっているようです。
すなわちいくつかの付加機能の追加、また発展性を残しているのでなにか新しい機能が追加される余地があるといった点でしょうか。PC3のversion upはまあ終了でしょうから。 PC4については本来であれば従来のPC3筐体/鍵盤を使ってそれ以外は液晶のカラー化を含めて今回のPC4の追加仕様を実現し価格はPC3と同じくらいであってもよいのではと個人的には思えますがそうなるとPC3A8が44万なので国内では17万の差というかなりの価格差が出てしまいお買い得感は無くなりますし海外ではYAMAHA MODX8クラスの価格帯からはずれてしまいまい競合できなくなってしまいますね。 FORTE SEはPC3に比べて低価格なので液晶がFORTEと同じカラー液晶になってFORTE SEの価格据え置きであれば一番満足できるような気もしますが。 FORTE SEとPC4の価格差が5.5万なので筐体と鍵盤、SWの差がこの位の価格差になるということでしょうか。 61鍵盤のsynthであれば筐体が多少ちゃちでもがまんできますが88鍵で筐体がちゃちなのはいかがなもんかと思ってしまうので61鍵typeがあれば価格もさらに下がるだろうし買いやすくなるのに残念です。
*1:
改めて国内でのPC3A8とFORTEの新品での価格を見ると50万と44万の違いです。どちらもかなり高いですが追加機能を考えれば両者の差はほぼ妥当。61鍵盤でも32万します。K2000は発売当時48万の定価で実売価格43万程度でしたが.....。 いまや vintageとなってしまったK2XXXシリーズとPC3は同じKurzweilでもKシリーズの方がPC3に比べればHiFiではありませんがFATというか芯がある?印象を受け今でも存在意義があるように思えます。K2500/K2600はRACKはともかくKBDは筐体がでかくて重すぎますので61KEYのK2661が中古で安価に購入できるのであればKDFX、Triple modeも使えるのでぜひほしい機材のひとつだと思います。 K2000もPC4のKDFXを通せば印象が違ってくるかも知れません。
* PC4 内部
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2021/09/09 rev0.25 FX間違い修正(Program FX)
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