K2600以降の Kurzweil Synthについて

最近では国内の大手楽器店やkeyboard magazine等でもKurzweil Synthの扱いがなく国内では他の海外KBDメーカや新興メーカと比べてもとてもマイナーなKBDメーカになってしまい存在そのものを知らない人もいるのではないかと思います。 

Kurzweilを扱っている楽器業者もごく少数、Kurzweilの代理店も雑誌宣伝などは皆無で日本語マニュアルなどは期待できない状況。 まあHard KBD synth自体が昔のようにどこの楽器店にもおかれている状況でなく keyboard Magzineも季刊誌になってしまった現状ではありますが。

思い起こせばK2000の登場時も日本語manualは本体発売の3年後にそれ以前のユーザーに対しては有料で1万円出せば購入できますという通常のsynthでは考えられない環境下でKurzweil製品は販売されていました(さらに言うと全部を日本語訳で網羅してはいませんでした。)。 K1000までは鈴木楽器が国内生産していたこともあって普通に日本語 manualもついていたのですがVAST登場以降不遇な環境が続きます。

現行機種は価格的には海外での販売価格の1.7から2割り増しといったところでしょうか。 K2000時代は3割り増し($3000が48万円)ですのでそれに比べればよくはなっています。


VASTの歴史


K2000以降のKurzweil synthの系譜について考えてみます。 K2000からはVASTと呼ばれるKurzweil独自の Variable Architectureという可変構造を有しておりこれは Audio信号系においてOSC -- FILTER --AMPと言う決められたパターンでなくOSC -- AMP間にfilter以外のDSP blockを配置できる機能です。これはK2500/K2600までのKシリーズはもちろん以降のPC3、最新のFORETEやPC4はたまた製品的にはStage PIANOの名のついた他のシリーズやHOME向けのDigital PIANOまで継承されておりこれはひとえにはPC3時代のKBDは同じ音源 chipを内部的には使用していることからくる結果なのでしょう。

K2000の登場は1991年末で、Kurzweil倒産のごたごたがなければもう少し早くに登場していたでしょうか。 となると開発はその数年前からと言うことになります。 1980年代中盤以降はどのメーカーでもDSPを用いた機器の研究、試作は試みていたとは思いますが1980年代末期にDSPによる可変構造を有する機能とPCM synthとの融合は先進性がありました。


K2000ではCALVIN/JANISといった音源 Chipは主にPCM処理のためにHOBBOSという Chipは上記のVASTを実現するためのDSPとして使われておりK2500からはそれに追加してLISAというchipが新たに導入されK2500ではこれを使ってKB3 modeと24band vocodeが導入されました。

さらにK2500ではOPTIONでKDFXと呼ばれるKurzweilオリジナルのEffect ProcessorがこれもLISA chip *4 を使って実現されました。(1996)

1999年に登場したK2600からはKDFXが標準装備になりさらに K2600の newOS(Ver2)ではこの 3 layerの DSP blockをひとかたまり としてlayer共通で使用できるようになり Triple Modular Processing.... serial DSP chainが可能となっており、K2000にはできない機能でありよりModular synthに近づいた感がありました。

KDFXの登場とともにLISA chipを使ったKSP8というEffectorがK2600と同時期に登場しここで開発された多種のEffect AlgorithmがK2600以降の機種で利用されておりEffectに関してはこのKSP8がリファレンスになっています。

Kシリーズはここで打ち止めとなり(後にK2661が登場しますが)現在でもKシリーズと銘打った後継機種は出ていませんが1995年にPC88というMIDI boardの後継機種の系列が登場し、PC88 -- PC1 -- PC2と続きました。 これら(PC1以降)はK2600が登場したと同じ時期の2000年代初頭に登場しています。

PC88はHOMER+MARGE(*1)という主にPC用の Sound Cardなどの使用を前提としたChipを利用しています。 PC88は基本MIDI controllerなのですがおまけに音源を付加した形のKBDでした。

*1:
MASS[ies](Multimedia Audio Sample playback System[Integrated effects& sampling])

HOMER+MARGEは以後MA1という音源 chipに統合された?ようでこのMA1 chipもPC用の音源などに使用されましたが LM用のKBDには採用されなかったようです。 PC1/PC2はPC88の後継機種として登場し音源 chipにMA2というおそらくMA1の機能強化versionが搭載されておりさらにLISA chipを加えることによりPC2ではKB3 modeや KDFXが搭載されています。

MA2はおそらくはVAST機能を簡略化したchipで従来のKシリーズでは複数のchipを使用していたものを音源とFXを1っの chipで実現したものなのでしょう。 MA2 chipを利用したコンパクトな音源ME1がこの時期発売され、またME1のKBD バージョンとしてKME61も発売されKME61はKurzweil LM KBD中最低価格な機種でした。

MA1 chip parameter

VAST部分はsimpleもなっていますが1chip構成でFXも内蔵。 VAST以外はK2000シリーズと類似の構成。


2008年になると従来のKシリーズとPCシリーズを統合したようなPC3が発売されます。 これは名称こそPCですが中身はKシリーズを機能強化したものになっており内部的な特徴としては新開発のMARA chipによってPCM音源+ VAST + KDFX + DSP Chain機能を 1chipに集約して Voice数も1 chipで 64voice出るようにしたものでした。


約30年に及ぶVASTの歴史

* SP6は2017年末の発売のようです。
* またFORTE SE (2015年末)がLENA chip搭載の初めての機種だそうです。


表面上の仕様としては VASTの機能の整理、追加(VA1)、KDFXの強化として16 機のPAUが使え、Cascade ModeというK2600の triple modeの強化版さらにはDynamic Vastと呼ばれるVASTの構成(アルゴリズム)を自分で構成できる機能が付加されました。 ただこの時代になってもKurzweil synthのPCM ROM sizeはPC3のデフォルト状態では64Mbyteと同時期の国産KBDとくらべると少容量といえるものでした。

PC3シリーズはその後PCM ROMの強化などの派生versionをいくつか出しますが2015年以降は停止した状態になっています。 2008年のMARA chip導入以降、synthsizerよりもStage PIANO系列の機種を主に発表する形になっておりSPシリーズ、ARTISTシリーズなどSTAGE PIANOといったシリーズが少々乱立気味に登場しましたが中身は MARAを使った物なので 表面上は Satge PIANOなのですが外部PC Editorを使うと VASTが EDITできるようになっていますがラインナップ上それぞれいくつかの制限を設けて差別化しているようです。

すなわちPC3が登場した2008年から2015年の間はMARAを使ったKBDであってPCM ROMの強化等を除けば新しい物は発表されていませんでしたが 2015年になると国産各社のGIGA byte単位の大容量PCMが普通になるj状況下 KurZweiも大容量PCM Dataが処理できるFlash Play機能を搭載したFORTEというFlag ship機を投入しますがこれは PC3の後継機種ではなくあくまでStage PIANOの最高機種という位置づけとなっています。

仕様としてはKurzweil初のカラー液晶、大容量PCM対応(16GbyteのPCM ROM)、 FXをPC3の倍の32機同時使用が可能というものですが VASTの仕様、KDFXの仕様、KB3Mode等はPC3と変わってはいませんが新 chipが投入されたということなのでしょうか?(*2)。

それから3年後の2018年になるとSP6というLOW costのStage PIANOが発売されます。これはFORTEと同様にGIGA byteの PCM dataが扱えるFLash Play機能搭載ということでPC3のMARA chipeより強化したもののようで MARAが1 chipで64 voiceなのに対して1chipで128Voiceが可能なLENA chipが搭載されておりFXも32基同時使用が可能とPC3の2倍に強化されています。

*2:
FORTEのmanualのSystem modeの項目を見るとMARA chipのcheck項目がいくつもあることからFORTEはMARAを使っているようです。 と言うことはFlash playに関わる部分(US PATENT 8263849)がPC3とは異なる要素なのでしょう。


FORTEのDiagnostic画面

LENAchipはNETで情報を探すと2016年?には登場しているようですが上記のようにFORTEには間に合わなかったのか2018年のSP6から採用されているようです。 NETの情報によるとMARA Chipの6倍の処理能力があるそうで対応できるPCM data(音源file)は128Gbyteまでだそうです。

* 訂正: LENA使用はForte SE(2015)の方がSP6より早い


K2000/K2500/K2600の時代は基板等のHardwareも非常に多くで構成されていましたがMA1/MA2/MARAを使った機種においては基本もかなりシンプルになっておりSP6にいたってはさらに主要基板が小型化されていてK2000時代と比べるとその差が顕著にわかります。 この2018年に及んでもPC3シリーズに変わる新たなPCシリーズは出ず、PC3は10年以上も前の現行機種となってしまいました。

2019年初頭のNAMMでFORTEのver.4が発表されなんと6OPのFM音源がVASTの機能に追加されるというアナウンスが。 発表直前、4という数字を意識したkurzweilからのTwitterでのメッセージがありもしやPC3の後継機機種でPC4と思われるふしがありましたがPC4でなくFORTEのver.4。 PC3の後継機種はもう絶望的かと思われた直後、2019年4月メッセでPC4が発表され2019年11月末、約半年後に国内でもPC4が27万5000円で発売になりました。 海外では $2000マシンということです。 ちなみに1992年発売のK2000が$3000、K2600にいたっては$5000以上もしました。 また現行機種のFORTEが約$5000します。

Sweet water/KRAFT MUSIC等の海外の楽器屋のWebをのぞくとすでにPC3は記載されておらずFORTE/SP1/SP6/PC4のみあとはDigital PF、特にportable KBDがたくさん掲載されているという状況にちょっと愕然とします。 このような状況からして屈強なスチールの筐体はFrag shipのFORTEのみそれ以外はPC4もそうですが筐体がちょっと強度に不安をおぼえるプラスチック筐体になってしまうのでしょうか。 そういう流れもあってかPC4のSWなどはまるでporatable KBDのような安易な耐久性のないものが使われているように感じてしまいます。

今回、K2600以降のkurzweil synthの機能を調べるためにいくつかの機種のmanualを見ましたが機能の全部が網羅されていなくて抜けが結構ある印象でした。 たとえばDSP Functionについても各Functionの説明がないfunctionも多いというかPC3以降の機種についてはK2600以前の functionの説明は一切無しでK2600のmanualを見てくれとかかれていたり PC3で削除、追加になった functionの明記や説明がない、PC3以降はKDFXの種類の説明も無くこれもKSP8のmanualを読まなければならないなどその機種のmanulaを読むだけでは理解に至らないことがたくさんあります。

そんなこともあって今回K2600以降のKurzweil synthの基本構造を理解するためのPageをまとめてみました。 やはり機能を確認していくとKurzweil synthは他メーカーにないすごさを感じるのですがそれが世間(特に国内)では伝わっていないような気がします。

Kurzweilのsynthをある程度知っている自分でもPC3は持っていないのでKシリーズの知識だけではなにがなんだか始めはわかりませんでした。 このpageをまとめたので今はほぼ理解できるようになりましたがKurzweil Synthが初体験の人にとってはさらにとまどうだろうと思われます。 K2000の時代はmanualは優秀だったような気がしますのでmanualの不備が多い点も含めてこれもひとえに国産synthメーカーに比べてマンパワー不足が原因なのではと心配してしまいます。

K2000登場から今年(2020年)でVASTの歴史はほぼ30年になります。 30年前はSOFT synthが存在しない時代ですが現在ではそれの方が主流になってしまった感がありますがcustom chipを作り続けるKurzweilを含む他のhard synrthメーカーはがんばってもらいたいと切に願います。

なぜKシリーズはK2600以降後継機種が出ずPCシリーズに統合されてしまったのか。PC3はKシリーズのversion upではあるけれども新な革新的な要素は無いといったところがKシリースを名乗れない原因なのか??。 現状ではKurzweilの主力機種はDIGITAL PIANOですが、 はたして今後Kと名のつくシリーズは出ることがあるのだろうか?。 Kurzweilの1号機の名前はK250であったことを思い出します。


K2600以降の Kurzweil synthの音源部の特徴的な機能を上げてみます。

・KDFX (K2500/K2600/PC3/FORTE/PC4)
・KB3 mode (K2500/K2600/PC3/FORTE/PC4)
・Triple Mode(triple modular processing) (K2600)

・DSP functionの refine(VA1OSC etc) (PC3/FORTE/PC4)
・Cascade Mode (PC3/FORTE/PC4)
・DYNAMIC VAST (PC3/FORTE/PC4)
・DSP(FX) chain (K2500/K2600/PC3/FORTE/PC4)
・Flash Play (FORTE/SP6/PC4)
・6OP FM音源(DX7互換+) (FORTE/PC4)

* MARA chipを使用した 各Stage PFは PC3と基本機能は同じ。


KDFX(K2500/K2600/PC1/PC2/PC3/FORTE/PC4 etc)


K2500(option)/K2600で始めて採用されたKurzweilオリジナルのDigital EffectorはKDFXと呼ばれます。(K2000ではdigitechのFX) KDFXはLISA DSP LSIを4個用いて構成されておりこのKDFXは4っのFX Bus(A/B/C/D)と1っのAUX Bus(grobal FX)で構成され4っのFX busに対してはEQを持っています。

Effect Algorithmの規模によってProcessor Allocation Units (PAU)のサイズが違ってきます。FXに消費されるPAUは1から4の大きさでAlgorithmの規模が大きくなるほど消費量が増えます。

A/B/C/Dの4っのFX BUS全体で 4っのPAUを共有、またAUX Busには3っのPAUが割り当てられているようです。 たとえばAのBUSに4個分のPAUを使うFXを使用すると残りのB/C/DではFXを使えなくなるということです。 A/B/C/Dが各1個づつのPAUを消費するように割り当ててば4っのBUSでFXはそれぞれ使えまます。Aが3であるのなら残りの1PAUをほかのBUSで使えるわけです。 AUXは 3で固定ですので1から3までのPAUを使うFX algorithmが使えます。

Effectの主要parameterはMATRIX modulationが可能で主にMIDIのCCなどを割り当てることができますがFX専用の FXLFO、FXASR、FXFUNも搭載しています。

K2000のDigitech DSP256使用のFXで時代ではMIDI CCによるhard wired modulationが主でmatrix modulationは最大3個でしたがKDFXでは大幅に増えています。

FXの構成

K2600のKDFX


Algorithm
Preset
Studio(preset)

Algorithmをもとにしてparameterが設定されたpresetが作られそれぞれに名称がついています。 さらにこのpresetの中からをA/B/C/D BUSとAUX BUSに割り振ったいわばprogramに対するmultiのsetupに対応するものが STUDIOという名称でいくつかpresetされています。

この最終形としてのSTUDIOが K2000におけるEffect prersetと同じような感じで各programはこのFX用のSTUDIOという objectを選択するわけです。 すなわちK2000と同様音色progeram内には FX parameteを持たず対応する STUDIOを選択してFX send量とFX mod等だけをprogram側に持つ形となります。

K2600では以下のようなFX Algorithmを持っています。 

K2600 Effect Type(Algorithm) ()内はPAU数
MiniVerb
* 1 MiniVerb(1)
* 2 Dual MiniVerb(2)
* 3 Gated MiniVerb(2)
Reverb
* 4 Classic Place(2)
* 5 Classic Verb(2)
* 6 TQ Place(3)
* 7 TQ Verb(3)
* 8 Diffuse Place(3)
* 9 Diffuse Verb(3)
* 10 OmniPlace(3)
* 11 OmniVerb(3)
* 12 Panaural Room(3)
* 13 Stereo Hall (3)
* 14 Grand Plate(3)
* 15 Finite Verb(3)
Delay
130 Complex Echo(1)
131 4-Tap Delay(1)
132 4-Tap Delay BPM(1)
133 8-Tap Delay(2)
134 8-Tap Delay BPM(2)
135 Spectral 4-Tap(2)
136 Spectral 6-Tap(3)
Chorus
150 Chorus 1(1)
151 Chorus 2(2)
152 Dual Chorus 1(1)
153 Dual Chorus 2(2)
Flanger
154 Flanger 1(1)
155 Flanger 2(2)
Phaser
156 LFO Phaser(1)
157 LFO Phaser Twin(1)
158 Manual Phaser(1)
159 Vibrato Phaser(1)
160 SingleLFO Phaser(1)
Combination
700 Chorus+Delay(1)
701 Chorus+4Tap(1)
703 Chor+Dly+Reverb(2)
706 Flange+Delay(1)
707 Flange+4Tap(1)
709 Flan+Dly+Reverb(2)
722 Pitcher+Chor+Dly(2)
723 Pitcher+Flan+Dly(2)
702 Chorus<>4Tap(2)
704 Chorus<>Reverb(2)
705 Chorus<>LasrDly(2)
708 Flange<>4Tap(2)
710 Flange<>Reverb(2)
711 Flange<>LasrDly(2)
712 Flange<>Pitcher(2)
713 Flange<>Shaper(2)
714 LasrDly<>Reverb(2)
715 Shaper<>Reverb(2)
714 Quantize+Flange(1)
715 Dual MovDelay(1)
716 Quad MovDelay (2)
720 MonoPitcher+Chor(2)
721 MonoPitcher+Flan (2)
Distortion
724 Mono Distortion(1)
725 MonoDistort + Cab(2)
726 MonoDistort + EQ(2)
728 StereoDistort+EQ(3)
727 PolyDistort + EQ(2)
Rotor
733 VibChor+Rotor 2(2)
737 VibChor+Rotor 4(4)
734 Distort + Rotary(2)
KB3 FX
735 KB3 FXBus(4)
736 KB3 AuxFX(3)
Filter
900 Env Follow Filt(2)
901 TrigEnvelopeFilt(2)
902 LFO Sweep Filter(2)
903 Resonant Filter(1)
904 Dual Res Filter(1)
EQ
905 EQ Morpher/(4)
906 Mono EQ Morphe(2)
907 Ring Modulator(1)
908 Pitcher(1)
909 Super Shaper(1)
910 3 Band Shaper(2)
LaserVerb
911 Mono LaserVerb(1)
912 LaserVerb Lite(2)
913 LaserVerb(3)
Comp
950 HardKnee Compress(1)
951 SoftKneeCompress(1)
952 Expander(1)
953 Compress w/SC EQ(2)
954 Compress/Expand(2)
955 Comp/Exp + EQ(3)
956 Compress 3 Band(4)
Gate
957 Gate(1)
958 Super Gate(2)
Enhancer
959 2 Band Enhancer(1)
960 3 Band Enhancer(2)
Tremolo
961 Tremolo(1)
962 Tremolo BPM(1)
963 AutoPanner(1)
964 Dual AutoPanner(2)
965 SRS(1)
966 Stereo Image(1)
967 Mono -> Stereo(1)
EQ
968 Graphic EQ(3)
969 Dual Graphic EQ(3)
970 5 Band EQ(3)
Etc.
998 FXMod Diagnostic(1)
999 Stereo Analyze(1)

FX mod

18個の parameterに対してMatrix Modulationが可能だそうです。


KDFX algorithmの詳細解説はK2500/K2600登場時にKDFX algorithm referrence (1998)という179pageのmanualがありましたが、それとは別に KSP8 algorithm referrence (2001) の330Page版も存在します。 page数は倍あるのでKSP8の方がalgorが増えているのでしょうか?。

こまったことにalgorithmは同じでも両者ではalgorithmのNoが違っているようで混乱してしまいます。PC3以降の機種はKSP8のalgorithm Noに対応しておりK2500/K2600は始めの方のreferrence Noに対応しています。

いまから20年前の1998年に当時KDFX algorithmのPDFを全page print outして眺めていました。実際PC3のFXはこれらのKDFX algorithmが使われており、FORTEや最新のPC4も同様にKSP8時代のものがベースになっています。



PC3以降の機種のKDFX


これに対して後継機種であるPC3ではどのような構成になっているか。

まずは Effect algorithmはK2600より後に発売されたKSP8のalgorithm Noに準拠した形となっているのでPC3の Effect presetの名称から該当するalgorithm Noを調べて KSP8のmanualを見るとどのようなFXかがわかる。(PC3側のマニュアルにはalgorithmの詳細は書かれていない。)

1part(1ch)に対して1個のInsert FXと2個のAUX BUS(global FX)という構成に変更されています。 XGやGS音源のような形ですがFXは最大16個(1PAU時)使えるので最大16chに対してinsert FXが使用できる形で、2っのAUX BUSにFXを割り振っても1PAU使用のFXであれば最大14CHに対してInsert FXが使用可能です。

さらに最終段にMaster FXとしてCompとEQが追加されている。またFX chainという機能ではinsert/AUX FXの構成においてEffectorの直列接続ができる。(MAX8個)さらにFX modは Chain内で最大30個まで使用可能。

K2600時代ではLISA chip * 4のDSP powerで7PAUが使用できたがPC3ではFXはMARA chipにより16PAUまで使えるようになる。 さらにFORTEやSP6、PC4といった機種では32PAU分の容量がある。

insertFXはprogram固有の物ですがAUXFXはsystem全体で共有するものなのでMulti(Setup)やsong modeにおいては専用に定義したものが別に存在しそちらを優先的に上書きしたり program側の方を優先することもできます。

DSP FXの PAUはsystem全体で共有しているものなのでMulti(set up)やsong mopdeで複数 channelのprogramを同時に使用する場合 PAUが不足する自体が生じかねませんがその場合はVoice assignの優先のように特定の優先順位があるようです。

FOTRE/PC4
PC3系列のsynthのおいては1program内でのLayer間ではInset FXおよびAUX1、AUX2の FX chainは共有ですが FORTEやPC4においてはAUX1、AUX2のFX chainは共通ですが Insert FXに関しては各Layerで別のものを使用することも可能という仕様に拡張されているようです。

これは Kurzweilのsynthの1programにおいて通常modeとDrum modeの区別が無い仕様から drum programの各打楽器に対して別々のFXをかけたい場合を想定すれば出てくる柔軟な仕様のように思えます。

上記の図のようにAUX1/2のFXはGM音源のReverb/Chrousのような存在で各CHのprogramからはFX send量を指定できる構造になっているためAUX1/2 OUTはWet 100%になっています。 すなわちAUX1/AUX2に対してFX chainを設定すると構成するFXのWet/Dry levelは強制的にWet100%になるようです。

なのでメーカーのpreset(*1)ではAUX1/2はreverbなどのglobal FXが配置されinset FXはprogram音色に固有の各FXがchainされている場合が多いようで同じFXをInsertとAUXに使用しても上記のようにAUXではWet100%に指定されますがInsertにするとFX内でWet/Dryを自由に設定できたりまたはWet/DryはFXmodという固定のparameterに強制されFX chain全体のModというMatrix modulationの項目で設定するようになったりします。

*1:
音色側のprogramと言う意味。 Kurzweil synthでは音色program側にはFXのparameterを持てず、FXは外部Effectorと言う概念なのでそこで持てるのはAUX1/2へのsend量とInsert/AUX FXに対するFX Chain presetの指定のみ。

さらにFXのpresetにおいてMatrix Modulationが指定されていれば外部からparameterをいじることはできる。 すなわちいったんFX presetができてしまえばそのparameterをいじることはできないし、いじりたければ別presetとして再登録が必要だが、Matrix modulaton指定があるparameterは一時的にeditできるということでこの要素を音色program側に用意すれば指定したFX presetのparameterをいじれる。



構成

PC3以降

1: algorithm
2: FX preset(単体)
3: FX chain(preset)

KSP8のalgorithm(700個以上)から選択されたものを元にparameterを設定したpresetが用意されている(約500個)。 必要に応じてpresetを複数 chain(MAX 8個)したものが Effect chain。

K2600のSTUDIOに該当するものはなくprogram以外ではMULTI(setup)/SONGといったmodeにおいてはglobalFXたるAUX1/AUX2に対するsend量/FX chainをprogramで指定した物でなく新たに複数のprogramで共有する物を指定できるPageがある。

以下にFORTE/PC4のEDIT画面を示します(Manualより)

Program時のFX: Insert/Aux1/Aux2 (FORTE/PC4画面)

カーソル位置のFXのPAU数を表示(上図ではInsert FXの合計が9PAUで全体では12PAU使っている)
Chainはpreset名で指定する。

* InsertFX: FX chain / output:A/B
* AUX1FX: FX chain / out put:A/B/ type:post/pri /mod
* AUX2FX: FX chain / out put:A/B/ type:post/pri /mod

AUX FXにおいてはWet/Dry量は各FX chain内の各BOX parameterに wet/Dryがあってもここでは指定できず100%Wetになっていて上記のprogram FXのpageのsend というparameterで指定、このProgram FX Pageの sendの所で指定する。さらにここでMatrix modulationを指定することも可能なのでこの Send 量は基本Matrix modulationになっているのでなんらのModulattion(MOD parameter)を指定しなければならない。通常 Sliderno9などにWet/Dryのparameterが指定されている。ここをMIDI CCの91と指定すればGM音源のReverb Sendと同じになる。 Matrix Modulationが必要でない場合はModulation parameterをONで指定すればSend量(%)のみでEffect量は指定できるがそのprogramに対しては外部からAUX Effect量は指定できなくなり固定値となる。

これに対してmatrix modulationで上記のようにSlider no9と指定しておけばprogram EditすることなくNo9のsliderで常に調整できる。

Insert FXは個々のProgram内での使用FXでありAUX FXのようにsendはしないのでここでWet/dryを指定することになるが FXの種類によって不可なものもありその場合FX modというparameterになっていてFX chain全体のModSというmodulationで行う。

すなわち個々のFXのBOX 内のWet/DryのparameterをEDITしないと値は変えられずそれを行うとWet/Dryの違いだけで新たなpresetができてしまい煩雑になるのでWet/Dry parameterは1 BOXのFX presetでEditせず、FX chain内のmatrix Modulation指定で行えばFX preset単体/FX chainのpresetを増やさずにすみ簡単に変更したければMods pageのmatrix modulationを使ってsliderやMIDI CCに割り当てておく必要がある。



Multi時のFX: Insert/Aux1/Aux2の FX chain

・Insert FXの Enable Y/N (Y)
・Multiを構成する複数の ChがAUXを共有するので
  代表(使用)して使用するAuX FXの presetがあるCHの指定
・AUX1 OverrideをYにうすればここで FX chainを設定可能
・Mod Overrideを Control sourceにすれば新たにcontrollerをここで指定できる



FX chainの構成/選択EDIT
FX chainはPC3では8個まで、FORTE/PC4では16個まで chain可能。



chain内の個々のFXのparameter EDIT
parameterはKSP8のmanualを見ると最大8pageまであるようだ?



chain全体で個々のFX(BOX)に対してMatrix Modulationを指定。
chain全体で最大30個までmatrix modulationが可能。



VASTとは別のFX専用のLFO/ASR/FUN。


上図のpreset parameter EDITのpageにおいてWet/Dryの指定がFXModとなっているのはここではEditできなくてMods Pageにおいて指定すると言うこと。 Box1のMatrixModulationのparameterとしてWet/Dryを指定してここで Defaultの値を指定、必要であれば Matrix Modeの SouceとMax値を指定する。

癖があってとてもわかりずらい(*1)。 manualには Fxmodで指定されるparameterは編集できないとあるが指定しなければDefaultはいくつなのか?。  特にWet/Dryのparameterなどはこのような作法を知らないとどこで指定されているかがわからずとまどうことになる。 上記のようにFXmod指定されているparameterはMods Pageで指定すればよい。

KDFXのすさまじさはFX Algorithmのほぼ全てのparameterに対してmatrixmodulationが可能だということ。 たとえば実用性は?ではあるが parameterのひとつのReverb Typeにいたっても Matrix Modulationが可能なのである。 凄まじいと言うか制約を設けていないだけのことではあるが。

*1:
FX chainの外側から Wet/Dryを指定する場合

Program modeを例にとると、AUX FXに指定されたFX chainを構成する個々のBOXのFXにおいてWet/DryのparameterはBOX内ではAUX(100%)、(つまり100% Wet)と設定されてEditできず、ルートの画面(上記のProgram時のFX画面)の AUX send Levelの指定のparameterで量を指定する。

Inset FXにおいてはFX chain中の個々のBOXのFXのWet/Dry指定はFXmodというこれもEDITできないparameter固定になっている場合がありMOD画面で値を指定する場合とFXによっては単純にBOX内で指定できる場合がある。

ここらへんの解説もmanualを見ても十分説明されていない。 FX chainのprestは本当に膨大な数があるのでユーザーは細かいことは考えずpresetを選択すればいいのかも知れませんが概念的な説明はもっとほしいところです。


FORTE/PC4をMulti Effectorとして使うには


Global modeのAudio in FX指定画面

FORTE/PC4では外部 audio入力に対してもKDFXが使え(*1)当然 FX chainが可能なので複数のFXを同時利用することが可能で使用法はGlobal Mode EDIT画面でAUDIO FX=ONとして使用するFX chainを指定するだけ。 あとは必要に応じて input gainを指定する。 とても質素な設定というかAudio INに対しては input level meterのような物すらない。 かつてのK2XXXでは sampling optionをつければ Audio Input画面で メーターがついていたことを思い出すが.......

最近のsynthでは内部音源に対してもLevel Meter等でのレベル表示できるのが普通になっているがUser/IFにおいてはKurzweilはやはり遅れているという印象をここでも持つ。


Audio inに対してのFXは Global modeで指定した物が Audio信号に対してかかり synthの音源とは独立している形になっている。 Global modeにおいては外部入力に対して FX のWet/Dryの指定parameterもない。 あくまでFX chain内の個々のFX BOXのparameterで指定するので現実的にはmatrix modulationのSourceを決めてそれでコントロールするようになる。 これは Audio InのFXに限らず、insert FXの Wet/Dryに関しても同様なようである。 すなわちAudio INの信号に対しては通常のprogram FXにおける insert FXのみが可能で AUX FXに対してのSendはない。

また外部入力に対してのFXはGlobal modeでの指定しかできず(*0)、Global mode内のparameterはいくつものパターンのpresetがあるのではなく Global modeではtempolaryの1っだけなのでFXを変えたい時はそのつどFX chainのpresetを選択する必要がある。 このため外部入力に対するFXのWet/Dryの調整などを特定操作子にmatrix modulatonで割り付けておかないとそのつどFX chainのparameterをいじらなくてはならず不便である。

*0:
Multi modeにおいてもAudio INの項で指定可能でした。(ModeをMulti specific effectにすることで)
ということはMulrtiのpreset分AUDIO INのFXのバリエーションは可能ということか。


* AUDIO IN FX画面


Insert/AUX1/AUX2という構成のFXでAUX1/AUX2はglobal FXなので通常AUX1はReverbであることが多く、AUX1の出力はWet100%でFXに対しての音源からのSend 量は基本slider9に割り当てられていしるし他のslider類もVASTのparamereter等に割り付けれれているのでバッテイングしない操作子かMIDI CCを外部入力のWet/Dry paramterに割り付ける必要がありそうだ。 おそらく他メーカーであれば外部入力に対するWet/Dryのparameterなどは外部入力のPageがあってそこで簡単に設定できるのでしょうがそのようなことも本体の構造をきちんと理解しておかないと容易にはできないというのがちょっと不便なような気はする。

膨大なmatrix modulationや自由度は高いのだがあらかじめメーカーが用意してくれている便利な機能は国産synthの比べて十分でないようい思える。 Kurzweilのsyntnの場合VASTのfunctionが違っても基本parameterは同じとか徹底した統一性を持っているよさもあるが上記のようにちょっと融通の利かない面もある。


*1:
K2600にはsampling optionを追加すると外部入力に対してKDFXを使えるというLIVE Modeという機能がありました。 Livemodeでは外部入力に対してVASTが使えますがFORTE/PC4には残念ながらその機能はないようです。 Hard的には対応できそうな感じもしますのでVerupしだいかとも?......。


MIDI controller + Multi Effector としてのFORTE/PC4の使用

FORTE/PC4でMIDI外部音源を鳴らしかつ出力を audio INにつないで FXを使いたい場合でかつFORTE/PC4の内蔵音源は鳴らしたくない場合(*1)(MIDI Controllerとしての使用)は上記のDISTINATIONをEditしLOCALをはずす。 MIDI 関係のParameterはFORTE/PC4ではそれ以前の機種(K2xxx、PC3)と異なりMIDI modeとしては存在していずGlobal Modeに含まれる。


Global Edit ModeにいればMain1 pageで 外部入力に対するFXchainを指定してそれをEDITすればWet/Dryの設定は変えられる。 Global modeにおけるMIDI outおよび内蔵音源に対するVelocity 指定はVelocity Mapの指定のみ、Multi modeにおけるMIDI outおよび内蔵音源に対するVelocity 指定はGlobal Modeで指定したVelocity Mapに加えてZoneごとにVelocity Scale/Offset/curveが追加されるので Modeによって Velocity感度は違ってくる。

global modeで設定したvelocity感度はglobal modeにいてもprogram modeにいてもprogram modeの音色/MIDI outに反映されるがMulti modeにおける velocity offset等の設定はmulti modeでのみ有効なのでMulti mode内で外部入力に対するFXのWet/Dry設定をちょっと変更しようとする場合、上記のようにGlobal modeに戻ってFX chain内のparameterを変えようとするとvelocity 感度は global modeの設定のみであるしprogram modeに戻ってしまう。

上記のようにMulti mode内のAudio IN FXのpageでFX chainを変更すればMultimodeのvelocity設定も使えてかつAudio IN FXの設定も変更できりる。 program mode においては Global modeで指定した Audio iN FXのみしか使えないようだ。


FORTE/PC4ではA/D入力がありFlash MemoryもあるのでHard的にはSamplingができてもよさそうであるがPCと言う名称である為か?Samplingはできない仕様になっているが今後の可能性はいかに?。 Kurzweilお得意の長期間の version Upはあるのか?。



単体Presetで使われているKDFX Algorithmsは以下の type。


1: KDFX Algorithms KSP8のAlgorithmsから抜粋

MiniVerbs
1:MiniVerb(1)
3:Gated MiniVerb(2)
Reverbs
4:Classic Place(2)
5:Classic Verb(2)
6:TQ Place(3)
7:TQ Verb(3)
8:Diffuse Place(3)
9:Diffuse Verb(3)
10:OmniPlace(3)
11:OmniVerb(3)
12:Panaural Room(3)
14:Grand Plate(3)
15:Finite Verb(3)
Combination Reverbs
50:Reverb+Compress(2)
51:Reverb<>Compress(3)
Vocal Combination Algorithms
53:Gate+Cmp[EQ]+Rvb(4)
More Reverbs
100:LaserVerb(3)
101:LaserVerb Lite(2)
102:Mono LaserVerb(1)
103:Revrse LaserVerb(4)
104:Gated LaserVerb(3)
Delays
150:4-Tap Delay BPM(1)
151:4-Tap Delay(1)
152:8-Tap Delay BPM(2)
154:Spectral 4-Tap(2)
156:Complex Echo(1)
170:Degen Regen BPM(4)
171:Degen Regen(4)
172:Switch Loops(2)
173:3 Band Delay(2)
174:Gated Delay(2)
190:Moving Delay(1)
191:Dual MovDelay(1)
192:Dual MvDly+MvDly(2)
Choruses
200:Chorus 1(1)
201:Chorus 2(2)
202:Dual Chorus 1(1)
Flangers
225:Flanger 1(1)
Phasers
250:LFO Phaser(1)
251:LFO Phaser Twin(1)
253:SingleLFO Phaser(1)
254:VibratoPhaser(1)
255:Manual Phaser(1)
256:Allpass Phaser 3(3)
Comb Filters
258:Barberpole Comb(4)
Tremolo Effects
270:Tremolo BPM(1)
271:Tremolo(1)
Panners and Stereo-Image Effects
275:AutoPanner(1)
276:Dual AutoPanner(2)
280:Stereo Image(1)
281:Mono -> Stereo(1)
282:DynamicStereoize(2)
Rotary Effects
290:VibChor+Rotor 2(2)
291:Distort + Rotary(2)
292:VC+Dist+HiLoRotr(2)
293:VC+Dist+1Rotor 2(2)
295:Rotor 1(1)
296:VC+Dist+Rotor 4(4)
298:Big KB3 Effect(8)
Distortion
303:PolyDistort + EQ(2)
305:Subtle Distort(1)
306:Super Shaper(1)
307:3 Band Shaper(2)
308:Quantize+Alias(19
Guitar Combination Algorithms
310:Gate+TubeAmp(3)
317:TubeAmp<>MD>Chor(3)
318:TubeAmp<>MD>Flan(3)
319:PolyAmp<>MD>Chor(3)
320:PolyAmp<>MD>Flan(3)
329:
Compressors and Expanders
330:HardKneeCompress(1)
331:SoftKneeCompress(1)
332:Compress w/SC EQ(2)
335:Band Compress(3)
336:3 Band Compress(4)
340:Expander(1)
341:Compress/Expand(2)
342:Comp/Exp + EQ(3)
Gates
343:Gate(1)
344:Gate w/SC EQ(1)(2)
347:Dual SKCompress(2)
348:Dual Comprs SCEQ(3)
349:Dual 3 Band Comp(8)
EQs
350:3 Band EQ(1)
351:5 Band EQ(3)
352:Graphic EQ(3)
353:Dual Graphic EQ(3)
354:Dual 5 Band EQ(3)
Miscellaneous Filters
360:Env Follow Filt(2)
362:LFO Sweep Filter(2)
363:Resonant Filter(1)
364:Dual Res Filter(1)
365:EQ Morpher(4)
Enhancers, Suppressors, and Modulators
370:2 Band Enhancer(1)
371:3 Band Enhancer(2)
372:HF Stimulate 1(1)
380:Ring Modulator(1)
381:Pitcher(1)
382:Poly Pitcher(2)
383:Pitcher+MiniVerb(2)
385:Frequency Offset(2)
386:MutualFreqOffset(2)
387:WackedPitchLFO<(3)BR> 390:Chaos!(2)
Combination Algorithms
400:Chorus+Delay(1)
401:Chorus+4Tap(1)
403:Chor+Dly+Reverb(2)
409:Pitcher+Chor+Dly(2)
411:MonoPitcher+Chor(2)
450:Flange+Delay(1)
451:Flange+4Tap(1)
453:Flan+Dly+Reverb(2)
461:MonoPitcher+Flan(2)
Configurable Combination Algorithms
105:LasrDly<>Reverb(2)
321:Flange<>Shaper(2)
322:Shaper<>Reverb(2)
384:Flange<>Pitcher(2)
402:Chorus<>4Tap(2)
404:Chorus<>Reverb(2)
405:Chorus<>LasrDly(2)
452:Flange<>4Tap(2)
454:Flange<>Reverb(2)
455:Flange<>LasrDly(2)
More Combination Algorithms
406:St Chorus+Delay(1)
456:St Flange+Delay(1)
String Resonance
000:?(4)

非常に多種にわたるが、同じalgorithmでも parameterが少ないものは別algorithm扱いになっているような気もするが.....100程度のalgorithmがあり元となっているkSP8の方は標準で249。 基本的にこのalgoritは2000年ごろに出来上がった物で以後は変わっていないようだ。 FORTE/PC4ではいくつか増えているようであるがこの部分も documentが無い!


2: Preset(PC3) FX 1個の単体


Effect type 分類(FX chainの構成要素)

typeNo(個数)algorithm (KSP-8)
Reverbs
Booth1 (1)4
Ambience2..14(13)1/4/5/6/7/8/10
Room15..39(25)1/4/5/6/7/9/12/14
Chambre40..49(10)1/4//7/11
Hall50..89(40)1/4/5//7/9/11/12/404
Plate90..99(10)5/7/9/11
XL100..104(5)5/7/10/11/12
Revers105..107(3)15
Gated108..109(2)3
W/Comprs110..119(10)50/51/53
Unusual120..134(15)6/9/10/15/102/383/104
Laserverb135..143(9)100/101/102/104
Rvb w /Dly144..149(6)9/11/105/403
Delay150..199(50) 09/105/150/151/152/154/156/170/171/172
/173/174/190/191/192/
Chorus200..224(25) >190/200/201/202/387/400/402/403/406
Flanger225..249(25) 225/450/456/452/456
Phaser 250..269(20) 250/251/253/254/255/258/385
Trem/Panner/Spatial
Trem270(1) 270
Panner271(1) 270
Spatial272..278(9) 270/271/275/276/280/281/282
Rotary280..299(20) 290/291/292/293/294/295/296/298
Distortion300..329(30) 303/305/306/307/308/310/317/318//320/322
Dynamics330..349(20) 330/331/332/335/336/340/341/342/343/344
/347/348/349
EQ/Filter350..399(20) 103/256/350/351/352/353/354/360/362/363
/364/365/370/371/372/380/381/382/385/387/
386/390/411/409/461
Chorus/Combi
Chorus400(1) 400
Combi401..449(50) 317/400/401/402/403/404/405/
Flange/Combi
Flange450(1) 450
Combi451..495 225/318/319/321/384/450/451/452/453/
454/455/456
FORTE/PC4500* Gate + TTubeAmp3(3)
501* Mono Dist + Eq(2)
502* TTubeAmp(2)
580* VibChrus CabT(4)
600* String resonance(4)
496個?のFX preset

*: 500..600はPC3にないFX presetでありalgorithmは不明。

これらのpresetを元にInsert/AUX1/2のFX経路にFXを与える。 この際各Effectは複数個のFX chainが8PAU(16PAU)内でできる。 Effect Chainにはpresetの名所がつく。

KSR(Kurzweil String Resonance)を実現するためには600のstring resonaceのalgorithを選択しかつKEY mapでString ResonanceのSWをONにしないと効果が利用できない。 すなわちEffectとしてのString resonanceを制御することをKeyMapの制御時に指示するらしい。


Key mapにstring Resoananceの項目が(FORTE/PC4)。


3: Effect chain preset(PC3)
1..1008 (PC3)
2000..2001(PC3)
3200..3782(PC3)
* 歯抜けあり

1000以上のEffect chain preset

FORTE
1..1021
2050..2560
3200..3494
4001..4353
5000..5134
6025..6921
7000..7013
*歯抜けあり

1800程度の Effect chain prest

非常に多くのChain Presetを持っているが名称だけではBOXの構成や個々のalgorithmはわからず、構成比較表のようなものもないので最適なpresetを選ぶのは難儀。 逆に言うとこのChain presetを選ぶだけでも楽しめるということか。  それ以前に単体presetでも500以上はあるし基本となるalgorithmは約100個程度なのでまずはここから理解する必要がありそうです。


FX MOD
1 Effect chainに付き30個までのmatrix modulationが可能。

Kurzweilのsynthは国産synthと異なりEffect関連のparameterを基本、音色Programに持っていない形式で持っているのは Effectの指定(FX Chainの指定)とAUX1/AUX2に対するsend levelだけである。 したがってEffectorはsyntnとは別のUNITとして存在するのでEffectorのparameterを操作(微調整)するためには必然的にMatrix Modulationで指定することになる。

すなわちEffect parameterをLFO/ASRといった Modulatorで動的に動かす以外にSlider/MIDI CC NoでParameterの微調整をするために matrix Modulationを指定する。 これはK2000時代のDIGITECHのFXのころからMIDICCによって Hard Wired Modulationが可能であったことからの伝統である。


FX chainのpreset nameからchainを構成するFXのalgorithmを知るにはどうすればいいのか?。


FX chainの nameからは何のEffectかはわからないのでFX chain EDITORで構成FXを見る。

各FXにはFXの種類(大分類)とpreset nameが書かれているのでpreset nameと使用algorithmの対応表(*1)を見るとKSP8の該当するalgorithmがわかるのでKSP8のKDFX ref.を参照すればFXの機能、parameterがわかる。

KSP8 DOC

*1:
対応表はPC3のmanualにしかなくFORTE/PC4には掲載されていないようだが同じらしい。非常に不親切にも思えるがFX chainのpreset数は膨大なのでユーザーは中身をわからなくてもpresetを適当に選んでくださいという発想のようにも見えるが......名前だけでは機能がわからないので自分でprogramを作ったりFXを変更する場合は、上記のようにFX chainからるalgorithまでさかのぼって機能、parameterを理解する必要がある。


Triple Mode(triple modular processing)


K2600 Ver2から導入された新機構です。 K2XXXシリーズは基本、最大3Layerで1programを構成する構造になっていますがTriple Modeは layer1の出力をLayer2、Layer3に接続したりlayer2の出力をLayer3に出力することが可能となっています。 これにより3layerの直列、並列接続が可能となり一体化できるため結果的に1layerでは不可能な複数の DSP Blockを使用したAudio信号系の構造が可能となりまさにModular synthをパッチングすることがAudio信号系でも可能になりました。(ただしどのような接続も可能なわけではない。)

すなわち最終出力としてのLayer3においては5っのDSP Blockの最終段は従来どおりAMP+AMPEGという構成になりますが他のLayer1、Layer2に関しては5っ目のDSP BlockはAMPである必要がないためPITCHを除けば4Block使用可能となるわけで従来のAlgorithmでは可変Blockは3個であったのが4個使用できるということ。 またLayer1、2においてAMP blockは5番目におく必要はなく PITCH Blockの次に置いてもよいわけです、

このためTriple Modeを使用する場合は従来のAlgorithmとは異なる経路を持ったものが新たに搭載されておりこれにより他LayerからのOUT PUTを自分のLayerに入力できるようになります。

従来では 4pole LPFを1個使用してしまうと1Layerでは他の機能は使えませんでしたがTriple Modeでは他の機能を加えることもできますし、4Pole LPFの2段接続も可能となります。 Layer2に関してはPITCH blockが無いAlgorithmもあります。(その場合4block構成ですが)

Layer3は最終段にAMPが入る。 また PITCH blockはない。
Layer3は最大外部入力が4個あるAlgorithmがある、(1、2。4)
Layer2は最大外部入力が2個あるAlgorithmがある、(1、2)
Layer1、Layer2はPitch Blockを含む。
Triple Mode使用時PITCH(PCM)は2個まで使えそれを以降の共通経路に通過させることが可能。
Layer1のPITCH(PCM)は最大11のDSP block(Layer3のAMPを含まず)を通過可能。



DSP functionの refine (PC3/FORTE/PC4)


幻のKurzweil製の virtual Analog Synth VA1をPC3上で実現するための OSCillator Functionの追加およびMOOG ladder VCFのシミュレート filterの追加がDSP functionに追加されており逆に従来のK2XXXXシリーズにあった non lenar系とAM系のfunctionが大幅に削除されています。

PC3の manualを見ても VA1関連の functionの追加は明記されていますがK2XXXシリーズのDSP functionとPC3以降の DSP functionの追加/削除に伴う違いがどこにも明記されていませんし、そもそもPC3以降のマニュアルにはDSP Functionの全種類の説明が一切ないなどK2XXXシリーズのDSP functionを知るものにとっても知らないものにとってもとても不親切なmanualになっていて残念です。

同様にPC3以降のmanualには KDFXの algorithmの詳細な説明はありません。 最終的にはKSP8のAlgorhthm Manualを見ればいいのですが本来 PC3以降の機種の manualにも明記しておくべき要素です。

どんどん機能が膨大化していく中でこのような根幹部分の説明がはしょられてしまうことは大変遺憾です。 以下にK2XXX時代びDSP functionとの違いを示します。

削除されたFunctionは横線で示します。追加されたものは*で また何の説明も manualに無いものを--で示しました。

削除されたFunction ..........16?
追加された Function .........27?
説明無し.................... 10?

62 DSP function?

またDSP functionは従来のK2XXXシリーズが5個のBlock(Pitch/AMP blockを含む)で構成されていたのに対してPC3以降では6Blockとなっておりそのうちの4Blockが可変構造 VAST部分です。

基本従来3bolckを消費ていたものが4blockの消費となっていますが一部のFunctionは同じblock数のものもありますので場合によってはより多くの機能Blockを1layerで構成することができるでしょう。


K2XXXシリーズとPC3以降のDSP FUNCTIONの違い一覧

 ・Filter   LPF 1pole[1]/2pole[1]/2pole reso[2] /4pole reso[3][4]
 HPF 1pole[1]/2pole[1]/4pole reso[3][4]
 APF 1pole[1]/2pole[2]/
 NF 2pole[2]/ double NF[3]
 BPF 2pole[2]/ double BPF[3]
 ・Equalizer   Parametric Equalizer[3]
 ParaMID[2]
 Para Bass[2]
 Para Treble[2]
 Steep resonance Bass[3]
 ・Pitch/Amplitude/Pan Position  PITCH[1] 予約されている機能
 AMP[1]  予約されている機能
 AMP U AMP L[2] ...(2input)
 BAL AMP[2] ... (2nput)
 GAIN[1]
 PANNER[2] ... (2output)
 ・Mixer  +AMP[1].... (2input)
 +GAIN[1]....(2input)
 Crossfade[1]...(2input)
 ・Mixer With Non-linear Input    X AMP [1]
  X GAIN [1] ...(2input)
  ! AMP [1]
  Amplitude Modulation [1]
 ・Wave forms   SIN [1](KVA OSCへ)
  LOW FREQ SIN [1]
  SAW [1](KVA OSCへ)
  LOW FREQ SAW [1]
  SQUARE [1](KVA OSCへ)
  LOW FREQ SQUARE [1]
 ・Added Waveform    SIN+ [1] (KVA OSCへ)
  SAW+ [1] (KVA OSCへ)
  NOISE+ [1] (KVA OSCへ)
 ・Non-linear Function    High Frequency Stimulator [3][4]
  Distortion [1]
  Shaper [1]
  Double Shaper
  Two Parameter Shaper [1]
  Wrap [1]
  Lowpass filter With Clipping [1]
  Pulse Width Modulation [1]
 ・Waveforms With Non-linear Input    SAW+DST [1]
  SAW+SHAPE [1]
  Shape mod OSC [2]
  X Shape mod OSC [2]....(2input)
  + Shape mod OSC [2]....(2input)
  AMP Modulated OSC [2]....(2input)

 ・Synchronizing(Hard sync)function [2]
 ・New Function KVA OSCILLATOR
 SIN [1](従来から)
 SAW [1](従来から)
 SQUARE [1](従来から)
 SIN+ [1](従来から)
 SAW+ [1] (従来から)
 NOISE+ [1](従来から)
 *TRI [1]
 *NOISE [1]
 *SHARED SAW[2]
 *PWM[2]
 *LPNoiz[1] Anti-Aliased
 *SIN[2] Anti-Aliased
 *SIN+[2] Anti-Aliased
 *SAW[2] Anti-Aliased
 *SQUARE[2] Anti-Aliased
 *RESO NOIZ[2] Anti-Aliased
 *PWM[3] Anti-Aliased
 *SYNC SAW[4] Anti-Aliased
 *SUPR SAW[4] Anti-Aliased
 *TRIPLE SAW[4] Anti-Aliased
 *SYNC SQUARE[8]M/S Anti-Aliased
 *SYNC SAW[4] Anti-Aliased
説明なし
 *MIX[1]-- (2input)
 *MIX-[1]--(2input)
 *TREBLE[1]--
 *QUANTIZ[2]--
 *LOW SHELF[2]--
 *HIGH SHELF[2]--
 *APF3pole[3]--
 *4Pole MoogLPF[4]--
 *FM OPERATOR[2]-- ...(FORTE/PC4)
 *FM OPERATOR SAW[2]-- ....(FORTE/PC4)
 *FM OPERATOR TRI[2]-- ...(FORTE/PC4)

PC3以降のManulaにはDSP functionの詳細の説明がK2XXXシリーズのように無いことやPC3で新たに追加された機能がKVA OSCILLATOR以外は書かれていないのがとても疑問に思います。 上記の表の説明無しの項目ですが11個あります。

とにかくmanualが不備で機能やparameterの説明すらないFunctioがいくつもあるのには困ったものです。 たとえば "すべてのVASTオシレーターの新しいOscillator Key Sync設定。オシレーターの波形は、ノートが演奏されるたびに位相をリセットしたり、フリーランニングモードで動作したりすることができます(アナログシンセサウンドをエミュレートするのに便利です)。”と言う文面がFORTEのVer4のNoteには書かれており、FORTEのVer4 Manualには反映されていますがPC4のManulaには明記なしといった感じです。

VA1機能を追加と言うことでは analog OSC.関係が充実しており、国産メーカーのようなSUPER SAW、TRIPLESAWが追加されておりDSP発振器については Anti-Aliaseされたものが増えましたがBlock数を必要とするため従来の対策なしのDSP Oscillatorも残しています。 さらにMOOGのLadder filterのシミュレーションもあります。

AM変調系はかろうじて残っていてXGAINのみとなってしまいましたが有用です。 いわゆるCross modulation系は無いように見えますが SAW+SHAPEによるKFMやFORTEやPC4では2OP のFMがあるのでよいのでしょう。



* 追加 Function詳細

1: 2OP FM音源(FORTE/PC4)
VASTの新algorithmのDX7互換の6OP FM音源を起動しなくとも2OPであればFM OPERATORという functionを使えばFM音源が使用できます。 従来であればKFMと呼ばれるSAW+SHAPEなどを使って2OP FMが実現できましたが堂々とFM OPERATORというfunctionができました。functionによってOPERATOR波形に SIN/TRI/SAWが選べます。




Cascade Mode (PC3/FORTE/PC4 etc)


Triple Mode(triple modular processing)を拡張した形で32 Layerに対して同様のことが可能となっています。 ただしK2600のように Layer3にだけ必ずAMP blockが最後にある構造ではなく各LayerについてはAMP Blockが存在します。

Layerから別LayerへInputする場合はOUT PUT側のLayerはAMP Blockの前からの信号が出力されるようです。 すなわちOUT PUT側のLayerはAMP Blockの GAINをしぼればK2600のTriple modeと同様の動きになりGAINをしぼらなければそのLayerの信号もそのLayerで出力されます。

algorithmの1から28に対して PITCH(PCM)のかわりに外部Layerからの出力を選べるalgorithmが101から128に対応したりしています。 残りは129から138になっています。


algorithm 1..28 ..............28個
algorithm 101..128.........28個 (Cascade IN)
algorithm 129..138.........10個.....(Cascade in=4) PC4(129..148)
------------------------------------------------------------------------
Default Preset  Total .....66個(PC4=76個)


* 参考:

以下に manualに書いてある内容を列記してみます。
”カスケードモードは、PC3Kの特に強力な機能であり、以前は達成できなかった複雑さの独自のアルゴリズムを作成できます。 次の3つの図は、PC3Kの新しいカスケードモードを使用して設定されたプログラムの信号経路を示しています。

すべてのレイヤーのALG(アルゴリズム)ページで、Alt入力パラメーターを使用すると、現在のレイヤーのDSPを通過する他のレイヤーを選択できます。レイヤー1がレイヤー2から3に移行するように設定できます(上記を参照)。レイヤー1と2の音量を下げると、本当のカスケードが聞こえます。これは、各アルゴリズムが次のアルゴリズムにつながる大きなチェーンのようであり、聞こえるのはレイヤー3の出力です。 3つのレイヤーすべてのボリュームを上げることもできますが、 これにより、3つのレイヤーすべての信号がミックスされます。同じプログラムで、レイヤー4を5に、6を13に、25を実行することもできます。 32層のいずれも、他の層に入ることができます。

カスケードモードアルゴリズム(K2600のトリプルモードによく似ています)は、ID 101から始まります。上記の図で、アルゴリズム101がアルゴリズム1と非常によく似ていることに注意してください。各カスケードモードアルゴリズムは、同じID番号から100を引いた、非カスケードに相当します。

例えば、アルゴリズム105は、アルゴリズム5のカスケードモードバージョンです。Algページで[Alt Input]パラメーターを使用して、カスケードレイヤーを実行するレイヤーを選択します。 最終カスケードレイヤーからの出力のみを聞きたい場合は、ソースレイヤーのアンプボリュームを下げてください。”

従来のtriple modeとの対比は書かれていませんが一応理解できる内容にはなっています。FORTE/PC4のmanulaにおいては解説がさらに簡略化されてしまっていてます。 機能が強化されればするほど解説のはしょりが大きくなっていく。

昔 MOOGの modular synthの manualには必要最小限の解説しかなかったそうですがPC3以降の manualはそれと同じように感じてしまいます。皮肉なことにこのcasecade mode、dynamic VASTという機能はまさに modula synthnの Module patchingと同等の機能なわけですが。


DYNAMIC VAST (PC3/FORTE/PC4 etc)


defaultの66個?のalgorithmに対してさらに完全にユーザーカスタマイズできるalgorithm(DSP BLOCKの選択/結線)がDYNAIMC VASTです。可変DSP blockは4Blockで構成されており最小1Block、最大4blockで1機能となっているためBlockの切り分けでパターンが存在さらにそれの順番の決定要素があり8種類のDSP Blockの組み合わせが用意されています。 さらに各Blocに対してのIN/OUTの結線が指定できます。

manualにはこの部分の詳細が明記されていない(*1)というなんだか?な状況なのでmanualを見ているだけではよくわからないのが実情です。 AUDIO信号系が自由にPatchできるというhard 音源としては画期的な機能の説明がほとんど無いのではKurzweil synthのよさが伝わらないと思ってしまいます。


DSP Blockの組み合わせ

1:
2:
3:
4:
5:
6:
7:
8:
* 右端欄外にAMP、左端欄外にPITCH module、左端上の線は別のLayerのOUT

DSP Blockの組み合わせは上記の8個のいずれかとなります。 これに対して各DSP BolckについてINPUTとOUT PUTを結線することになります。

INPUT

各ModuleのINPUTはdefaultでは前段のOUT PUTですがそれ以前のModuleのOUTを選択することができそれに加えてPITCH(PCM)直、別LAYERのOUT PUT(EXT IN)も選択できます。





* 1input時の結線例

具体例として上記の4個のDSP blockの場合を考えます。 最終段のDSP BlockのINPUTははdefoultではDSP3のOUTにつながっています。 これをDSP2のOUTにつなぐと上記のようになりDSP3のOUTが浮きます。また inputを PITCH(PCM)や他のLayer(EXT IN)から選択することも可能。上記の例は4っ目のDSP unitについてだけのInputの配線ですが他の3っのDSP unitも同様に自由に独立して結線ができます。

各ModuleのINPUTは2入力にすることも可能でその場合のINPUTに対しての出力の選択は1 INPUT時と同様。

DSP Moduleに対するpatchingの自由度が大きい分、上記のようにOUTが浮いてしまう場合もあります。 なかなかパズル的な要素もあって難しいです。


* 2input時の結線例


OUT PUT




* 1output時の結線例

Layerの最終出力は defaultでは最終DSP blockのOUTですがそれ以前のDSP BLOCKやPITCH(PCM)や他のLayerのOUTEXIT INの選択も可能です。 また 各moduleのOUTPUTも2outPUTにすることも可能でその場合のLayerの最終出力の選択も1 OUTPUT時と同様にできます。


* 2output時の結線例


*1:
わずか1pageほどの解説しかありません 以下のmanualの内容を示します。

”ダイナミックVASTエディターは、アルゴリズムの配線を編集できるPC3Kのもう1つの特に強力な機能です。ダイナミックVASTを使用すると、 文字通り何千もの配線スキームが可能です。カスケードモードをダイナミックVASTと組み合わせて使用すると、独自の複雑なアルゴリズムを作成できるため、プログラムのサウンドと動作をほぼ無限に制御できます。

ダイナミックVASTエディターに入るには、ALGソフトボタンを押してALG(アルゴリズム)ページを選択します。 Algorithm パラメーターを強調表示し、アルゴリズムを選択して、編集ボタンを押します。このアクションにより、選択したアルゴリズムの配線を編集できる[アルゴリズムの編集(EditAlg)]ページが呼び出されます。

選択可能な機能に加えて、各機能ブロックには3つの編集可能なパラメーターがあります。入力数、出力数、ブロックサイズ(出力モードパラメーターは、全体としてアルゴリズムの編集可能なパラメーターです)。最初にEditAlgページに入ると、パラメータフィールドにカーソルがあり、アルゴリズムの最初のブロックが強調表示されます。編集するブロックを選択するには、パラメーターフィールドが強調表示されなくなるまでカーソルをディスプレイの下に移動します。

次に、<および>ボタンを使用して、編集するブロックを強調表示します。 ^ボタンを押してカーソルをパラメーターフィールドに戻し、編集するパラメーターを選択します。[出力モード]パラメーターは、アルゴリズムからの出力の数を決定します。出力モードを標準に設定すると、?アルゴリズムには1つの出力があります。出力モードをSep. L / Rに設定すると、アルゴリズムには2つの出力があり、各出力は個別のステレオチャネルに送信されます。

信号パスを編集するには、ブロックの入力またはアルゴリズム全体の出力を選択します。アルファホイールまたは-および+ボタンでスクロールすると、選択した信号パスのすべての可能な構成を確認できます。”

以上がmanualに明記されている内容の全てですがDynamic VAST Editorの解説程度しかないのでこれだけではよさが伝わりません。 FORTE/PC4ではさらに解説がはしょられています。 まあ実際に実機のeditorやPC上のEDITORをいじってみれば意味が理解できるとは思われますが概念的なものの説明やAMP blockとの関連説明が不十分だと思われます。 せめてDYNAMIC VASTを使った典型的なprogram例のpathが実機にあればいいのですが。

この解説でわかるのは以下のような3っのparameterを持っていると言うことで上記の図で説明すれば容易にわかることがらですがAMP blockとの関連が少しわかりにくいです。

Parameter     Range of Values
Inputs       1, 2
Outputs       1, 2
Number of Blocks 1 to 4
Output Mode    Normal,  Sep. L/R 

要はDSP blockの長さを1から4の範囲で選択できそのblock(module)に対して最大2っのINPUTとOUT PUTを持つことができその範囲でanalog modular synthのように patchingができる syntthと言うことですが1LAYERは4blockで構成されているという制約とLayerからのinputは各layerの最終段からの出力のみであると言う制約やPITCH BLOCKをどう扱うかとか4blockを無駄なく使うpatching等を考慮するというパズルがあるわけです。

analog modular synthのように出たとこ勝負でpatchingするというよりはpatchingのイメージを頭の中か紙にでも描いてそれを実現するために実機やEDITORでpatchingをするというイメージでしょうか。 また同様な機能を実現するために強力なKDFXとVAST functionのすみ分けも考慮する必要があるでしょう。

cascade modeとDYNAMIC VASTを併用する際に32のLAYERまで使えることはかなりのメリットであり、かりに32LAYER使ってもPC4は256voiceですから8音polyまで可ということにはなります。

これらの発想は20年以上前のK2600から始まったわけですが20年後の現在ではPoly数がK2600の48からPC4の256voiceに増強(5倍)、chain数も3Layerから32layer(10倍)にUpしているわけです。 さらにはDSP functionの追加、6OP FM音源のVAST layerでの使用が可能(FORTE/PC4)と言った部分もあります。従来から退化?している部分はAM変調部分でしょうか。




FORTEのDynamic VAST edit画面



DSP(FX) chain (K2600/PC3/FORTE/PC4 etc)


insert、 AUXの Effectに対して、PAU数の許す限りFX unitを複数個、直列に接続できます。 並列にはできないようです。ただし1programあたりのPAU数の制限はあります。

K2600ではFXのリソースは7PAU、PC3では16PAU、FORTE/PC4では32PAUです。 



KB3 Mode (K2500/K2600/PC2/PC3/FORTE/PC4 etc)


K2500から採用されたHammon ORGANの TONE Wheelをシミュレートする modeでこの音源はVASTとは別の構成を取った独立した機能(音源)..VASTのリソース(DSP)は使用するようですが。

KB3モードでは、トーンホイールの下半分にDSPで生成された波形を使用し、トーンホイールの上半分にサンプルを使用します。 TONE Wheelページのパラメーターを使用して、使用するサンプルを指定できます。

以下にFORTE?PC4のEDIT画面を示します(Manualより)

Drawbar/SWなどの操作子の割り振り。
外部controller等でKB3を動かす場合はMIDI CCに割り振ればよい。



VASTの common Pageと同様な役割のparameterの指定。
KB3 mode特有な要素はLeakageの指定など



通常のDrawbar以外のインターバル間隔も設定可能


・構成するTone Wheelの数を24から91の範囲で変えられる。
・Upper Wheelの Key MAPを変更できる。
・ドローバーごとに各キーの相対的な振幅を示したMapを選択できる
・各トーンホイールのボリュームレベルを設定したいくつかのMapを持っている。

”キーマップ150を選択すると、DSPで生成された波形が上部のトーンホイールに使用され、選択されたトーンホイールの数に関係なく、Forteの128ボイスは使用されません。 150以外のキーマップが使用される場合、KB3プログラムで使用されるForteボイスの数は、通常、選択したトーンホイールの数の半分です(場合によっては、さらに1ボイスを使用できます)。”.....だそうですがPC3ではそれは不可能なのでしょうか?。

Upper Tone WheelのKey Mapを指定できる機能からPCM波形はSIN以外も使えるということですがLower側はDSP発振によるSIN波固定のようです。

*:
Upper WheelにPCM波形を指定できるということはユーザーが用意したPCM波形をTone Wheelに使用することも可能と言うことなのでしょう。


Organの全体のPitchに対しての matrix modulation。
ここでもmatrix modulationが使えるのでVASTのmodulation sourceと同様の物が使える。
すなわちAMP ENV、ENV2、ASRなども使えるという徹底ぶり。


Organの全体の音量に対しての matrix modulation。
上記 pitchと同様。 ここらへんもKurzweilらしさが出ています。



KB3 mode専用のPEQ



細かい設定が可能



ここでも細かい設定が可能


全体にとても凝っているparameter郡(100以上)かと思われます。 まずはHammond ORGANの構造を理解しないといけないです。 KB3 modeと組み合わせるレスリーシミュレータはKDFX側にいくつか用意されています。 これも設定parameterが豊富です。

Double RotaryというFX chainではRotalyのalgorythm FXを4段使ってさらに他のFXとの組み合わせで16PAUを使う Effect patchがあります。個々のRotar FXでも4PAU程度は使っているのでかなり複雑なFXを搭載しています。 Big KB3 Effectという(8PAU)単体FX algorythmとしては最大級の物もあります。

Big KB3 Effect(8PAU)の例

(53 parameter)
Page1
In/Out
Out Gain
VibChInOut
Dist Drive
Vib/Chor
DistWarmth
Roto InOut
Page2
Speed
Brake
Lo Mode
Lo Gain /Hi Gain
Lo Xover /Hi Xover
Lo HP /Hi LP
Page3
Lo Size /Hi Size
Lo Trem /Hi Trem
Lo Beam W /Hi Beam W
Page4
Lo Slow /Hi Slow
Lo Fast /Hi Fast
LoSlow>Fst /HiSlow>Fst
LoFst>Slow /HiFst>Slow
LoAccelCrv /HiAccelCrv
LoSpinDir /HiSpinDir
Page5
LoResonate /HiResonate
Lo Res Dly /Hi Res Dly
LoResXcurs /HiResXcurs
ResH/LPhs
Page6
LoMicA Pos /LoMicB Pos
LoMicA Lvl /LoMicB Lvl
LoMicA Pan /LoMicB Pan
HiMicA Pos /HiMicB Pos
HiMicA Lvl /HiMicB Lvl
HiMicA Pan /HiMicB Pan



Flash Play (FORTE/SP6/PC4)




6OP FM音源+ (FORTE/PC4)


VASTのfunctionとして6OPのFM音源が使用できるようになりました。 この6OP FM音源に対しては4Voice分のVASTのDSP powerが必要になるようです。 この機能はVASTのfunctionの一部なのでFM音源部出力は最終的に通常のVAST programと同様AMP blockを通過します。

さらにAMPEG/EG2/EG3等のVASTのmodulatorをMODに使用することもできますし、Key MAPのPCM波形をFM OPERATORに使用することができたり、FX関連は通常のLayerと同じ構成が取れます。

FM音源部のoutputを別Layerとcascade modeで使用することも可能です。 OPERATOR波形はSINの他のTRIとSAWがOSCとして用意されていますが上述のように同一LayerのKEYMAP(PCM)でも可能ですし別Layerのoutputを任意のOPERATORに割り当てることも可能です。

各OPERATORのPitchとLevelに対して他のVAST functionのようにmatrixmodulationをかけることができます。 FM音源機能に対しては4LayerのVAST resourceを消費するので1program内でのFM音源 Layerは MAX8系列まで構成することが可能なようです。

FM MAIN Page
FM Operator Page
FM Layer Page
FM Amp + Output Page
FM Alt Input Page


algorythm等basicなFM音源 parameter画面。


各Operatorに対する詳細指定
Operatora個々に対する波形の選択、Pitch/AMPに対するmatrixmodulaton等。


FM音源全体に対するmodulation指定。


FM音源の出力に対して他のVAST algorythmと同様 OutPUT sectionがある。


OperatorにPCMや他layerを使う場合の指定。


単にDX7のシミュレートのみならずVASTのfunctionとして多機能です。




PC3以降のVoice構造(VAST)


K2XXXシリーズとPC3シリーズ以降のVoice構造というかparameterは微妙に違うようなので調べてみました。

基本構造

1programは複数のLayerから構成されており共通の COMMON/Prog.FXを1っ持ちます。

PROGRAM
0: COMMON .......parameterが大幅に追加されています。
0:Prog. FX(insert/Aux1/2).......programの共通FX
0:複数のLayer

LAYER(Max 32)
1: KEY MAP ......parameter追加
2: PITCH
3: DSP Function * 4 .....3から4に変更/Output Vol 追加
4: AMP

5: LAYER Parameter ....parameter追加
6: LAYER OUTPUT...... AMPに加えて新たに追加(PAN/OUTPUTVOL/Crossfade関連)
7: LAYER FX ......... Insert/AUX1/2 send & FX type

8: Modulator(AMPEG/EG2/EG3/LFO1/LFO2/ASR1/ASR2/FUN1/2/3/4)


追加 parameter(PC3以前の機種との相違)


COMMON
* OutPutGain
* OutPutPan
* OutPanMode..........FIXed/MIDI
* Demosong ............DemoSongList

Prog. FX
* InsertFX
  FX chain
  output/A/B
* AUX1FX
  out put /A/B
  type
  post/pri
  mod
* AUX2FX
  out put /A/B
  type
  post/pri
  mod


KEYMAP
* AltCtrl
* AltMethod

DSP Control Parameter (F1/F2/F3/F4)

Layer OUTPUT
* DrumRemap
* ExclusiveZoneMap
* Level
* (Out Pan)
* (Out Pan Mode)
* (Out Gain)

LYR FXページのLayer FX ModeパラメーターがLayer-Specific FXに設定されている場合、 Out Pan、Out Pan Mode、Out Gainパラメータが出力ページに表示されます。

LAYER

LAYER FX(FORTE/PC4)
* Layer FXmode(Use Prog.FX/Layer-Specifuic FX/Use anotherLayer FX)
* (From Layer)
* Output(A/B)
* (Insert Chain)
* (AUX1Send)
* (Post/Pre)
* (Type)
* (Mod)
* (AUX2Send)
* (Post/Pre)
* (Type)
* (Mod)



SW/Slider等のparameterとの対応(matrix modulation)

MIDI  CCの 0から127までを割り当てられるようです。
この中でPC3/FORTE/PC4等の Slider SWに対してはMIDI CC Noがあらかじめ設定されておりそれら名前で指定します。

SliderA(1) .. MIDI CC12 Knob1...MIDI CC71 ZONE SW1...MIDI CC80
SliderB(2) ...MIDI CC13 Knob2...MIDI CC73 ZONE SW2...MIDI CC81
SliderC(3) ...MIDI CC22 Knob3...MIDI CC72 ZONE SW3...MIDI CC82
SliderD(4) .. MIDI CC23 Knob4...MIDI CC79 ZONE SW4...MIDI CC83
SliderE(5) ...MIDI CC24 Knob5...MIDI CC14 SW1(5)........MIDI CC85
SliderF(6) ...MIDI CC25 Knob6...MIDI CC18 SW2(6)........MIDI CC86
SliderG(7) .. MIDI CC26 Knob7...MIDI CC19 SW3(7)........MIDI CC87
SliderH(8) ...MIDI CC27 Knob8...MIDI CC03 SW4(8)........MIDI CC89
SliderI(9) ...MIDI CC28 Knob9...MIDI CC09 SW5(9)........MIDI CC90
Variation....MIDI CC29Ribbon ....MIDI CC21
CC Pedal1....MIDI CC11CC Pedal2....MIDI CC4
SW PEDAL1....MIDI CC64SW PEDAL2....MIDI CC66SW PEDAL3....MIDI CC67


COMMON/LAYER


common
OutPutGain/OutPutPan/OutPanMode/Demosong画追加
BendRangeは+/-で独立指定


layer
Enable/Enable Low/Enable High/Triggeが追加


KEYMAP(PCM)

AltMethodが追加
Alt Controlはサンプルの開始を調整するコントロールソースの指定、



Key Mapのelement(PCM multi sample)
Sample rateが表示されています。
Loop sampleとend sampleが同じ場合は No Loop
AltAlt Start Sampleでsampleの開始点をずらしたポイントの指定。

PC3ではK2XXXと同様にPCM波形の表示EDITができるがFORTER/PC4ではできないようです?。


VAST DSP function


DSP Function(可変部分) は4unit構成に変更


4blockそれぞれの固定parameter +
右側はcurrsor位置のfunctionごとの固定parameter


Matrix modulation
右側はcurrsor位置のfunctionごとのmatrix modulation parameter


AMP blockとは独立した最終段(pan/crossfade等)
DrumRemap/ExclusiveZoneMapが追加された

VASTのLevel指定
・1programの最終levelはCommonのOutPutGainで指定
・各DSP Block(1/2/3/4)にはPadがある。
・AMP BlockにはLayerの最終Gainを決めるLeve parameterがある。
・AMP には AMP EGが固定でついている。
・AMP blockにはLevelに対してmatrixmodulationがある。
・DSP functionのGAINも信号レベルをコントロールする。

Levelの設定箇所がとても多くありクリップしないようにかつあまり小音量にならないようにしなければならないでしょうか。最終出力には compressorもついていますがPC4では256VoiceもあるためかDACは32bit仕様となっています。(PC3/FORTEは24bit)


MODULATOR


Envelope ControllはAMP ENVのみ。


ENV3もENV2と同様のparameter


LFO2/ASR2/FUN2/4は global(1programで共通)とLocal(各Layer単独)を選択できる。
Common Pageで Globalの指定をすると各Layerで共通化されるので
どのLayerでparameterをいじっても同じ結果で表示(実際は共通と言うよりは連動しているだけか)。


* PC4 SOUND(program) Parameter


Matrix Modulation sourceのK2000との比較


OFF
ON
-ON
SLIDERS
  Slider A..I(PC3/FORTE/PC4)
SWITCHS
  SW1..9/(PC3/FORTE/PC4)
  variation(FORTE/PC4)
KNOBS
  KNOB1..9(PC4)?
WHEEL
  Mod Wheel
  Pitch Wheel
  Mprs + MW
  PB rate
  Bi-MW1
  Abs PW1
PEDAL
  Frez Pedal
  Sos Pedal
  Soft Pedal
  Soft Pedal + MW?
GEN. Purps Controls
  ControllA..H
KEY/NOTE
  Key ST
  Key Num
  B Key Num
  G Key Num
  G Low Key
  G High Key
  Note ST
Controllers
  Breath
  Foot
  Port Time
  Data
  Volume
  Balance
  Pan
  EXpression
  Sustain
  Port SW
  Legato SW
  FX depth
  Channel St
  Volume Ctl
  Balance Ctl
  Pan Ctl
  Channel Cnt
  Data + Mpr
Velocity
  G Attack velocity
  Attack velocity
  Inv Attack Velocity
  Release Velocity
  B-A velocity
Pressure
  M pressure
  BM Pressure
  P Pressure
  BP Pressure
RANDOM
  G rand1
  G rand 2
  Rand V
  Rand V2
ENVELOPE
  ASR 1
  ASR 2
  AMP ENV
  ENV 2
  ENV 3
  Loop St
  Release St
FUNCTIONS
  FUN 1
  FUN 2
  FUN 3
  FUN 4
CLOCK
  Tempo
  A Clk4.....?
  ~AClk4.....?
  BClk4.....?
  ~BClk4.....?
  A Clk2.....?
  ~AClk2.....?
  B Clk2.....?
  ~B Clk2.....?
  A Clock
  ~ A Clk
  B Clock
  ~ B Clk
MIDI
  CC33..CC95

Etc.
  G Phase1
  G Phase2
  Vtrig1
  Vtrg2
  ATK State
  Roll OFF.....?

上記の Modulation sourceがPC3以降の仕様ですがk2000と比べるといくつかが削除されClock関係がいくらか追加されています。

K2000から削除:
55 Sync State (SyncSt)
117 LFO2 Phase (LFO2ph)

manualを見ても上記の modulation sourceについて何なのかほとんど明記されていません、 ではどうするかと言うと1991年発行のK2000のmanualに各sourceの解説がありますのでそれを参照しなければなりません。 上記の?で表示したsourceはPC3以降の追加部分のようですがどこにも説明がなくこまったものです。

他の所でも書きましたがmanualにはすべての機能、用語等の説明が完全に網羅されているわけではない。汎用な機能であればまだしもKurzweil独自の機能に対しての説明が無いのにはこまってしまいます。

controll sourceのまとめ



Key MAP / Sampleは PC3とFORTE/PC4でどれほど違うのか?

PC3 Key MAP
1..999...... ほぼ共通(歯抜けあり)... PC3/PC3A/FORTE/PC4/SP6
3200..3651.....PC3A追加分(KORE64? sample)...... FORTE/PC4/SP6も共通
3700..3716.....PC3A追加分(GermanD...6段Vel sample).... PC3A only
total 256Mbyte??

1000..1005 ... FORTE artis StnPF(6段 velsample)......PC4/SP6も共通(Noは1006..1011)
1409..1416.... FORTE GermanPF(8段 vel sample)
1417..1424.....FORTE JapnesePF(8段 vel sample)
1425..1432.....FORTE 73Rhods(8段 vel sample)
1433..1440.....FORTE 77RHods(8段 vel sample)
1441..1446.....FORTE 77RHods2(8段 velsample)
2000..2007.....FORTE Wurlt(8段 vel sample)
2030..2037.....FORTE Clav CA(8段 vel sample)
2038..2045.....FORTE Clav CB(8段vel sample)
2069..2074.....FORTE (EPF release..)

1006..1011.....PC4 artis StnPF EQT(6段)
1012..1061.....PC4 JapansePF(4段)/73EP(8段)/Clavi(6段)...)
1793..1796.....PC4/SP6(Pedal...)
4500..4536.....SP6(73EP(8段)/JapanesePF(4段)/Clavi(6段)......)

Steinway PFに関してはarts Stn PFという6段velocityのKeymap(*1)とFORTEのGermanPFという8段velovityのKeymapがあるようです。(Forteは両方とも搭載)。 YAMAHA PFはPC4/SP6の4段velocityのKeyMapとFORTEの8段velocityのKeymapがあるようです。

PC4とSP6はKeyMap(おそらくSampleも)はほぼ同じような構成のようですが(*2)....
PC4とSP6、音源部分の構成としては両者ともLENA chipを使っていることからほぼ同じで異なるのはVoice数の違いとA/D入力の有り無しの違い。 PCMほほぼ同じ。 DACはPC4が32bit、SP6が24Bit、 SP6は本体でのFullEditが不可。(PC Editorでは可能)

*1: おそらくオリジナルはArtisシリーズのPCM Dataか?
  PC3AのGermanD(6段Vel)とははたして同じSampleなのか?。

*2: 1006..1011はartis StnPFのバリエーション?


PC4 KeyMap

1..42 ........42
50..53.........4
57..75........19
80..102......23
110..117.....8
120..127......8
129..141.....13
150..190.....41
197..210.....14
212..220.....9
230..249......20
260..280......21
300..329.....30
333...........1
337...........1
341..344.....4
346..347.....2
350..352.....3
354..387.....34
394..397.....4
400..402.....3
404..406.....3
408..420.....13
423..425.....3
428..435......8
450..466.....17
469..483....15
485..486.....2
488..........1
490..........1
494..........1
496..597...102
592..599...8
700..701....2
705..706....2
710..711....2
715..716....2
725..726....2
735..736....2
740..741....2
744..759....16
764..777....14
800..802.....3
810.......1
815.......1
820.......1
826.......1
830.......1
833..838....6
840..841....2
845..849....5
850..852....3
898..899.....2
909..........1
999..1081.....83
1793..1796.....4
2072..2073.....2
3200..3314......115
3456..3651......196
-----------------------
TOTAL 950KeyMap?


PC3 Samples
2..999....共通(歯抜けあり)
3200..3709... PC3A追加分

PC3/A manual ....Key mapとSampleが表記
FORTE manual ....KeymapとSample供に表記なし
FORTE editor.....Keymap表記あり。
PC4 editor.....Keymap表記あり。


manualとPC3/FORTE sound editorからKey mapの違いはわかりましたがSampleまではわかりませんが少なくともFORTEにおいてはGreman PFとJapnese PFは全鍵sampling? 、No Loop?、8段samplingだと思われます。 8段sampleのPCM Dataに多くのMemoryを費やしているのでしょう。 あとArtist seriesの6段velocityのPF内蔵しています。

Key Mapを見るとFORTEはPC3Aの全ての波形(256Mbyte?)に加えて上記のSampleが追加された形でしょうか。すなわちPF関係以外はPC3AとあまりかわらないPCM dataを持っているのではないでしょうか。 またPC4に関してはKurzweilのsiteによるとGermanPF/JapanesePFに関して” These pianos are an optimized version of the ForteR Grand pianos, derived from the same quality content but using less samples.”とありますので少なくとも8段velocity sampleではなく6段velocity sampleかと思われます。EPFに関しても同様かと。 ここらへんが2Gと16Gの差を生んでいるのか?。

PC3......Triple Strike PFのみ
PC3A......Triple Strike PF + German D PF(optimized)
FORTE....Triple Strike PF + German PF(Artis (optimized)) + German D PF+Japanese C7
PC4/SP6..Triple Strike PF + German D PF(Artis (optimized)) +Japanese C7(optimized)

LAYER

基本K2000以降の機種では1programは32Layerまで重ねることが可能ですがK2000シリーズにおいてはDrum program以外は基本の3layerの構成までのものが多いように思いますしvelocityによるLayerの選択が積極的に行われるようになるのはTriple Strik PF以降でしょうか。またPC3シリーズ以降の機種ではVoice数も増えていることもあり、1programのlayerの数が多くなっておりPFのprogramを例にとるとFORTEのRich7ftGrandでは20段Layerでうちあけは

1: 8段階のvelocityの異なるsampleのLayer(ppp/pp/p/mp/mf/f/ff/fff)
2: Sustain Pedal関係 sample 5Layer
3: Sostenuto Pedal用 mp sample 2Layer
4: Sostenuto Pedal用 mf sample 2Layer
5: その他(別のlayer音色) *4

となりPF関連のLayerは16個で基本部分は8段構成になっています。

各LayerはLayerをEnable/UnEnbableにするparameterが豊富ですので本格的にLayer使う場合はそれらのparameterを十分理解する必要があります。



Layer parameter

選択条件
Low/High Key:
Low/High Vrlocity:
Enable: ....matrix modulation
Enable Sense: Normal/Revers
Enable Low/High:
Trigger: Normal/Reversed,PedalDW/UP
Opaque: ON/OFF

Low/High Keyはsplit /LayerのKey範囲の指定。

通常の velocityによる Velocity SWとしてのLayer 選択がLow/High Velocityでありpppからfffの8段階がMIDI velocityの1..127に割り当てられている。  またvelocity以外でもLayerの選択ができるようにEnableというparameterがありこれはMatrix modulationになっていてEnable Low/Highでmodulatorの範囲を指定する。

単純に8段階のvelocity SWを使用する場合はEnableのparameterはONとしてpppからfffの必要範囲を指定すればよい。 また選択条件を指定せず常にそのLayerを有効にしたい場合はLow/High Vrlocityを ppp/fffとしてEnableにONを指定する。

すなわちLayer選択はvelocityの大きさの範囲を基準とするが AND 条件で Enableに指定した matrix modulation parameterとの両方の条件を満たす場合だけLayerが選択される。

であるから8段階の velocityではなくより細かくvelocity範囲を指定する場合はこの機能を応用しLow/High Vrlocityは ppp..fff全範囲として、Enableのparameterを G-Attack VelocityとしてEnable Low/Highに必要なvelocityを指定する。

trigger指定は normalでKEY ONでnoteがtriggerされるが reverseにするとNote OFFでtriggerされvelocityは release velocityが有効になる。

Enable:
Enable Low/high

KurzweilのLayer parameterは独自でわかりにくいがこの両parameterは特にわかりにくい。
通常EnableはONにしておく。ONというのは127の固定値を持つModulator. Enable SenseはONする境界値を2っの値で指定する。Enable modulatorがONの時2番目のparmeterを127にすればアクテイブである。この場合1番目のparameterはなんでもよい。

Modulatorが連続量をあつかうMod Wheelのような場合、1番目のParameterはONが開始される閾値を指定、2番目のparameterはONである区間を指定する。上記のようにmodulatorにG-Attack Velocityを指定すれば細かいvelocityの設定ができる。 このEnable Low/high parameterはK2000の初期のversionにはなくVer3で追加されたparameter。

第2のparameterがあるのでOFFからONへの境界が1っでなくさらにONからOFFに設定することもできる。 たとえばMod WheelをModulation sourceにして1、2のparameyterを64..100とすればその区間だけONでそれをはずれればOFFとなる。

Opaque:
これをONにすると指定された範囲だけ全Layerにおいてその範囲だけこのlayerが有効になる。すなわちlayer parameterで単純に指定できるのはsplitかlayerだけで歯抜け部分が存在するLayer/Splitが生成できないことを補う機能。


PC3/Forte/PC4 の違いは?

Kurzweilのsiteに書かれているのは以下のとおりです。

PC3系列KBDの仕様の違い -->*

これを見るとFORTEとPC4の違いはPCM Dataの差と筐体等の違いだけのようにも思えますが実際の価格は$5000と$2000なので大きな差があります。 国内の販売価格でも約50万対27万と約倍、USAにおいてはFORTEの40%でPC4が買えます。 PCM容量の差は主にPIANO sampleに対する比重の違いなのでしょうか?。 よくわかりませんがPIANOにこだわらなければ差は小さいのでしょうか?。

PC4は少なくともUSAではお買い得のように思えます。 YAMAHAでもMONTAGEとMODXの価格差はかなりあって上のUSAの価格差ぐらいは確かにあるのですが。 USAではROLAND FA08が$1899、YAMAHA MODX8が$1999、PC4が$1999でPC4は08/8の対抗機種的要素が強い。 国内ではFA08が約17万ですが$1899は海外では19万程度の感覚。 MODX8は国内では約18.5万、

単純為替レートであればPC4は約22万となりこれなら間違いなく国内もお買い得ですが現実的な適正価格は消費税込みで本来であれば25万といったところでしょうか。 実際は27万5千円なので1割高というかFA08とは10万円の差ができてしまいちょっと同一価格帯の製品という感は国内ではなくなってしまいますので国内ではKurzweil FAN以外には注目度は低いのでしょうか。61Key versionがもし出れば22万程度かと想像されますが果たして61Keyは出るのか現状では期待薄。

FORTEの鍵盤はFatar TP/40Lと明記されていますがPC4は明記されていません。おそらくSP6と同じ鍵盤だと思われるのでMedeli のK6 actionだと思われます。

PCM data以外では Kurzweil String ResonanceがFORTEとは違うようです?(未確認)。 であれば鍵盤のグレード、筐体の強度、安っぽさ、安易なゴム接点のSWなどの違いだけでこんなに価格差が出るものなのか何か大きな違いがあるのか?。 ただPC4は筐体/SWの耐久性に疑問が残るような気もします。個人的には61KEY typeがあればより低価格になるベストの気がしますが海外では61Keyは人気がないのだそうで2008年発売のPC3以降(PC3LEを含む)は Kurzweilのラインナップには無いのも事実です。 まあPIANOの音色を味わうにはhammer action KBDの方がよいのは事実ですが他音色ではPIANO鍵盤がベストとは限らないような気もしますが。

FORTEとPC4のHard的な違いは上でも書きましたが音源chipがFORTEはMARA、PC4はLENAという大きな違いがあり(*1)さらにLENAを2個使いしています。 実際基板の規模の違いがどうであるかはNETを見てもFORTE、PC4の画像が発見できないのでわかりません。

*1: LENA 1個で256voiceのようです。

K2600の時代と違って基板はおそらく大変コンパクトなので作ろうと思えば音源Moduleは安価で作れそうな気もします。 NetにLENA chipを使ったSP6の内部写真を公開しているsiteがありその音源基板はとてもシンプルでした。現在では音源 moduleを作るという発想が各KBDメーカーから無くなってしまいました。


FORTE/PC4とPC3の違いは何?

単純には使用Chipが違うのだと思います。 PC4はおそらくLENA、PC3はMARAです。 PC3ではBase ROMが64MbyteでさらにDIMM slotが2個あります。 ここには128MbyteのFlash MemoryやPCM ROMを取り付けられます。

PC3/FORTE.....MARA
PC4................LENA
だそうでSP6以降はLENAのようですが機能というかSYSTEM(OS)はPC3以前とFORTE以降では違うみたいです。

Base ROM 64Mbyte
Slot *2
 German D Grand Exp 128
 KOR64
 Flash Memory 128Mbyte

という仕様らしいのでPCM ROM DataはMAX320Mbyte(ROMはMax256Mbyte)なのでしょう。となるとPC4の方が12倍強PCM ROMが大きいし、Flash 2Gを含めれば25倍程度、FORTEにいたっては60倍PCM ROMが大きいことになります。

PC3Kが128MbyteのFlashが取り付けられたversion、PC3Aが上記のGrandとKORE64がSlotに取り付けられたVersionのようでオリジナルのPC3はデフォルトでは64MbyteのPCM ROMのみということでしょうか。

PC3のFORTE/PC4に対する優位性はDigital out、breath controller inputがついていることGM対応などになるのでしょう。 Sample EditingはPC3はK2XXXシリーズと同様にFull EditができますがFORTE/PC4ではすべてのEDITはできないようです。

あとはKey velocity関連の設定ですが(*0)K2000/K2500/K2600/PC3/FORTE/PC4では異なっているようです。

*0:
Velocityの指定方法

そもそも velocityは
1: MIDI controllerとしてMIDIoutに対しての設定
2: MIDI音源としてのMIDI INに対しての設定
3: 鍵盤の内蔵音源に対しての設定

がKeyboard音源としては設定できるようになっています。
音源部は program modeと setup modeがあります。
基本的にKurzweilの音源は上記のprogram / setup modeにかかわらずMulti modeで動いています。

setupは 内部音源に対しては他社でいうところの combination presetに相当するが外部音源に対するperformance controller機能も有しているので各MIDI Messageに作用する要素も内包する。 すなわちsetup mode時、本体のKBDからは複数のMIDI CHに対して鍵盤情報や他のMIDI情報を同時に出力する。

setup mode時 presetを構成する各layerとしてのprogram がMultiのMIDI CHに割り振られる形になり各 Layerはprogram単体と異なりZone parameterが設定されている形。 なので Setup mode時外部のKBDで単一のMIDI CHの信号を送ってもSetupの中の該当するMIDI Chの音源しか鳴らない(*1)。

Setupは内蔵音源も複数のCHのProgramがでLayerが作られていることになる。よくあるcombination presetは同一 MIDI CHで構成されているので外部鍵盤で鳴らしてもちゃんと鳴るが KurzweilのSet upは違う構造をしている。 KBD付きの音源(Rackではない)の場合は本体のみで使っている場合は普通のconbination presetと変わらないが外部音源として見た場合、単にMultiの構成をpresetしZone parameterを付加したものでしかない。

*1
これではcombinationとしての(setup)音色を外部MIDI KBDなどから演奏できないのでLocal Keyboard Channelと言う指定ができる。(setup mode/ FORTE/PC4ではGlobal modeで)
以下manualより....
" ローカルキーボードチャンネルにより、外部MIDIキーボードをForteのキーボードおよび物理コントローラーのように機能させることができます。これにより、マルチのすべてのチャンネル/ゾーンを、単一のMIDIチャンネル(またはシーケンサーの単一のMIDIチャンネル)で送信する外部MIDIキーボードから同時に再生できます。"


K2000/2500
・1/2はMIDI pageで Velocity Mapを設定。
・3はMaster pageで Velocity Mapを設定。
* Velocity mapはEDIT可能

K2600/PC3
・1/2はMIDI pageで Velocity Mapを設定。
・3はMaster pageで Velocity Mapを設定。
* Velocity mapはEDIT可能

さらにK2600/PC3ではSetup mode 内のZone parameterにおいて各MIDI channelに対してKBDのvelocity感度を個々に調整できる。

A: Note Map
B: Velocity Scale
C: Velocity Offset
D: Velocity Curve

以上が設定できる。 Velocity CurveはVelocity Mapとは別の Velocity Scaleに対するカーブ。これらB/C/Dは performance controller PC88から採用されたSetupを構成する各Zoneに対するparameterでありLayerを意識したvelocityのparameterである。

Setup は K2000では最大3 programのlayer(3MIDI Ch)に対してK2600では 8 program Layer(8MIDI Ch)、PC88では4 program Layer (4MIDI ch)、PC3にいたっては16 program layer(16 MID ch)となっている。

FORTE/PC4には Setup Modeが無くそれに該当するのがMulti modeになってて(Zoneは4MIDI chから16MIDI CHまで)上記のA/B/C/Dの項目はある。 またMaster modeも無くなっておりその代わりがGlobal modeとなっており混乱する。 またMIDI modeもなくなっておりGlobal modeの中にMIDIがあるがvelocityに関する項目はない。

結局、Rackのような音源としてみた場合setup modeは Multiの1 presetでしかないのでFORTE/PC4では setupというのがなくなってMulti Modeという名称になったのでしょう。

FORTE/PC4
・1はGlobal pageでの velocity Mapを設定。
・2は設定項目が無いようだ。
・3はGlobal pageで Velocity Mapを設定。
* Velocity mapはEDIT不可能

Global PageのVelocity Mapに加えてMultimodeでは上記のA/B/C/Dの項目が付加される。 これは内蔵音源とMIDI OUTに反映される。上記のSetupmodeでも同様だと思われる。

setupの代わりのMulti Modeがある。
基本的にvelocity関連はPC88の仕様に戻っているようだが。



FORTEとPC4のProgram modeとMultimode

Multi Mode(FORTE/PC4)

1: 外部音源に対してのperforamance controller機能(program Layer/split etc)
2: 内部音源に対してのprogram Layer/split機能

1/2を同時に行うことができるが1/2それぞれを無効にして単独で機能させることも可能。
Destinationとしては MIDI/USB/LOCAL(内蔵音源)に対してそれぞれの選択ができる。
Multi modeは program modeと同様にpresetを持っているが、

1:のMIDI outに対して各Layer(ZONE)はMIDI CHを持ち、MIDIのProgram NOを指定し、Layer/splitの範囲のnote Messageを出力する。

2:に対してはMIDI CHの関連付けはなく単に対応するLayer(Zone)に対してProgram(No)が割り当てられていてそれに対してLayer /Splitを設定する。 すなわちこのLayer /Splitは内蔵音源とMIDI出力で共通。

1/2に対して上記のvelocity parameterは共通で作用する。
またMulti mode時に外部からMIDI 信号が INPUTされた場合は内蔵音源に対してZone parameterは意味をなさないのでLayer/Splitは無効である(*2)。 すなわちMIDI INに対してはprogram modeとmulti modeの違いは基本的に無く、ただmultimodeの場合はMIDI INからprogram changeがなくともMultiのpresetで設定されたprogram Noに該当 CHが初期設定されているということ。

program modeでは multiの各 CHに対してpresetのprogram Noを持っているわけではないので MIDI INに対してあらかじめprogram changeを送るか、Manualで各 CHに対して音源側でProgram NOを指定しておけばよいだけのこと。

ただMulti modeにおいてはmultiのpreset内にMulti全体のFXを管理(共有)するPageがあるのでこの部分はProgram modeとの違いである。

*2: Local Keyboard Channel指定をすれば外部の単一MIDI CH dataでLayer/Splitは可能。


Multi modeには音源にかかわるPageとして
・Over VIEW
・MAIN
・CONTROL
・ FX
・COMMON

というpageがある。また multiは最小4ZONEに設定されているが必要に応じ16ZONEまで増やすことができる。



MULTI MAIN (外部MIDI音源に対する設定) Performance controller機能



MULTI OVERVIEW (内蔵音源に対する設定 Split/Layerの範囲はMIDI OUTと共通)


Program Mode(FORTE/PC4)

MIDI outと内部音源に関してglobal modeで指定した velocity mapが有効となる。 MIDI INに対しては以前のKurzweil synthのようにVelocity mapの指定項目が無いのでリニアなのだろう。Program modeにおいても基本 MIDIのMulti Modeなので全 CHのMIDI Messageをうける。

KurzweilのsynthはProgram(mode)であっても最大32のLayerを内包でき各Layerに対してKBD ZONE、Velocity SW等を指定できるので従来のsynthでいうところのCombination presetとなりうるしまた32Layerを内包できるのでprogramにおいてDrum Modeの区別が無いのがK2000からの特徴である。


逆にFORTE/PC4の優位性としてはPCM以外ではColor液晶(*1)、外部AUDIO INにKDFXがかけられる、KDFXのPAUが32ある、VASTの強化としての6OP FMや追加要素、さらにはFlash memoryが2G以上あるわけですので有用なSampleがメーカーサイドやサードパーティで供給できるか等が気になります。

すなわちいくつかの付加機能の追加、また発展性を残しているのでなにか新しい機能が追加される余地があるといった点でしょうか。PC3のversion upはまあ終了でしょうから。

PC4については本来であれば従来のPC3筐体/鍵盤を使ってそれ以外は液晶のカラー化を含めて今回のPC4の追加仕様を実現し価格はPC3と同じくらいであってもよいのではと個人的には思えますがそうなるとPC3A8が44万なので国内では17万の差というかなりの価格差が出てしまいお買い得感は無くなりますし海外ではYAMAHA MODX8クラスの価格帯からはずれてしまいまい競合できなくなってしまいますね。

FORTE SEはPC3に比べて低価格なので液晶がFORTEと同じカラー液晶になってFORTE SEの価格据え置きであれば一番満足できるような気もしますが。 FORTE SEとPC4の価格差が5.5万なので筐体と鍵盤、SWの差がこの位の価格差になるということでしょうか。 61鍵盤のsynthであれば筐体が多少ちゃちでもがまんできますが88鍵で筐体がちゃちなのはいかがなもんかと思ってしまうので61鍵typeがあれば価格もさらに下がるだろうし買いやすくなるのに残念です。

*1:
見易さだけでなく1画面の情報量があがっているので操作性がかいぜんされている。 ただし液晶自体は小さいので文字fontも小さいのが難点か。


VAST音源という部分でPC3とFORTE/PC4を比べて見ると両者の間には10年前後の月日の差がありますが本質的なところはあまり変わっていないので中古で安価なPC3が見つかるのであればFORTE/PC4を買わなくとも10数年前のPC3でKurzweil synthの本質は味わえるのではないかとも思います。 PC3の88KEY versionは中古で14万くらいで出ることがありますがPC3の61KEYは中古でもなかなかおめにかかれません。

改めて国内でのPC3A8とFORTEの新品での価格を見ると50万と44万の違いです。どちらもかなり高いですが追加機能を考えれば両者の差はほぼ妥当。61鍵盤でも32万します。K2000は発売当時48万の定価で実売価格43万程度でしたが.....。

いまや vintageとなってしまったK2XXXシリーズとPC3は同じKurzweilでもKシリーズの方がPC3に比べればHiFiではありませんがFATというか芯がある?印象を受け今でも存在意義があるように思えます。K2500/K2600はRACKはともかくKBDは筐体がでかくて重すぎますので61KEYのK2661が中古で安価に購入できるのであればKDFX、Triple modeも使えるのでぜひほしい機材のひとつだと思います。 K2000もPC4のKDFXを通せば印象が違ってくるかも知れません。


といいつつPC4を購入しました。 以下に内部の基板写真を示しておきます。

* PC4 内部


2021/09/09 rev0.25 FX間違い修正(Program FX)
2020/05/09 rev0.24
2020/01/01 rev0.0