K2000 ふたたび


*K2000 Ver3.18

K2000がUSAで発売されてから2021年で30年になります。もはや90年代synthもVintageの世界です。 この時期の国産synthといえばKORG 01/W、 ROLAND JV、 YAMAHA SY77等があげられます。

当方所有のK2000も92年購入なので29年、KBDはすでに黄色く変色、Pressure Sensorも機能しなくなりMaster VRはがりったので無接続(VCA電圧固定)、SWも一度10数年前に全交換したものの再度へたってきています。 エンコーダーは今のところ正常。 内部のパーツは今のところだいじょうぶですがケミコンはいかがなものか。

と言うこともあって安価な個体をスペアパーツ用に入手したいと思っていたところ、今回たまたま状態のよさそうに見えるK2000をいまさらながらに入手しました。 この個体はK2000のVersion3なので 1995年以降のOS version 3.18以降のもので古くても1995年以降の製品でオリジナルK2000の1991年よりは後の製品です。

届いた個体はたいへんきれいな外観、プラスチック筐体もぴかぴかで新品といってもはばからないような状態、中身を開けて基板をみてもとてもきれい。 SW、エンコーダー、 VR等もきびきび動きます。 鍵盤も良好、After touchも十分効きます。FDも正常に動きます。 Wheelも良好、液晶も普通ですがELのバックライトは若干暗い?。 元々K2000のELは暗いのでこんなものか。 25年近く前の機材としては奇跡的に良好な状態か。

内部を見ると吸気用(排気用ではない!)のPanasonic製のFANの羽の裏が少しごみがついていてさらにFANのごみよけカバーを見るとほこりがごっそりたまっていてこれがやはり古い synrthだと唯一実感する要素でした。 しかしその他の部分はまあ新品に近いといった印象。 さらに500MbyteのSCSII HDDも付いていましたがこの時代のHDDは音がうるさくいまや使えません。 当時はこれくらいの騒音は普通であったのでまあ我慢できましたが今日ではこの騒音は耐えがたいです。 ただこの状況からするとスペアパーツ以上の用途が期待できるということです。

さらにこの個体は高価なSAMPLING OPTIONも搭載されていました。 しかしP-RAM、OPTION ROMは非搭載なので残念。 SAMPLING OPTIONよりもこちらの方がついていればよかったとはと思います。 P-RAM optionが無いとPatch等のobject用のmemoryは120Kbyte程度、Option追加で720KbyteにUPされるので無いときついかもです。 25年前のK2000 V3 + Sampling option付きだと当時 V3が30万くらいで sampling optionが10万程度だと思いますしさらに16MbyteのRAMが搭載されていますので当時は安くみつもっても40万くらいはしたのでしょう。 

古い機種といえども状態がよいこのクラスの個体が安価に手に入るというのもラッキーかと思います。P-RAMは手に入れたいものですが(無くてもいいですが)海外で売っているコンパチ品でも$70程度はするようです。 オークションにでも出ないかと期待したいところですが最近ではここら辺の年代のKurzweil/ENSONIQ/E-MU等のsynth自体の玉は少なくなっているような感じなのでさらにOption Partsとなると手に入るかどうか。 本体が安価なだけに無理をしてそろえる必要もないような、29年前に購入したK2000から移植する手も最後にはありますが。

しかしK2000発売から早30年もたってしまうとは......。KurzweilのPageをこのサイトに書いてからも23年たっています。  最新のPC4と較べるとこの時代のsynthは基板の部品が圧倒的に多くさらにOption扱いのPartsも多いのをあらためて実感します。 K2000のプラ筐体はPC4のちゃちなプラ筐体に較べるとはるかにまともな感じで好感を受けるのをあらためて感じます。 K2000の24voce Polyphonyに対して Pc4, K2700は256Voiceなので10倍以上の発音数の差も時代を感じる要素です。



*筐体(リア)もとてもきれい