=========================================== 私的Analog synthの歴史 (KIT,DIY編+) ===========================================
ここ10年ほどで(2009年現在) ネット上で入手できるメーカー製の昔の analog synthのhard情報 (service manual, schematicsなど海外発)は出きった感があります。 よほど特殊な機種ではない限りは メーカ製のanalog synth回路図をだれでもが容易におがめる時代になりました。 私などは1980年代前半から回路図を集め始め、INTERネットが利用できるようになった1994年から1997年ごろまではservice manualを販売している業者からほしい機種のmanualを入手したりしていましたが、それ以降はネットでかなり収集できるようになりました。 どのような手段にしろあこがれのsynthの回路に遭遇するとうれしくなります。 一方、もうひとつのanalog synth文化であった雑誌の製作記事とか、synth KITの情報についてですが、 海外物のKITや製作記事に関しては自分が過去に収集していた情報( PAIA, Keyboard誌, Digisound関連、ETI4600 )以上の物をネット上で収集することはでき、メーカの回路図以上にうれしくなることもあります。 国内物に関しては山下シンセやWave KITの情報ぐらいしかなくちょっとさびしい気がします。 ネットで得た情報と自前の資料を元に国内外の連載記事の一部(Modular主体)を表にしてみました。 * 連載記事一覧
上の表を見るとすでに1973年には本格的なSynth DIY記事が海外の雑誌では連載されていたということです。 WAVEKITが ネットで得た情報と自前の資料を元に70/80年代のSYNTH工作の雑誌掲載記事の一部も表にまとめてみました。 * 雑誌記事一覧 パーツを販売している会社が雑誌も出版していると言うケースもある為、KITを前提とした記事というか、KITを雑誌で紹介すると言うような構造となっているようで国内と比べるとだいぶ状況が異なるような気がします。 それにしても毎号、毎号、基板付きの製作記事があったというのはうらやましい状況だったのだと思います。 DIY synthにおいても国によってパネルデザインのセンスが違うのが面白い所です。 あとはModularの場合、modulation入力等のpotをMOOGのように極力避けるか、ARPのようにmodule側にいくつも設けるか、EMSのようにmoduleの出力側にattenuator用のpotを設けて、入力側は極力設けないとか、製作記事によって色々なパターンがやはりあることが設計思想の違いがあって面白いところでしょう。
* Wireless World Modular (UK 1973) DIY Modular synthの製作記事はヨーロッパ系の雑誌に多く掲載されています。 USAは意外と少なく 調べてた限りではPAIAのみそれも一部のModuleを紹介しているだけです。(PAIA 2700の記事) もしかすると国内のDIY Modularの記事が一番多いのかも知れません。
ここ数年で特にUK(EURO)の電子工作雑誌の内容を知る機会が増えるにつれてSynth DIY関係の記事がとても充実しているとあらためて感じます。 上記の一覧表は実際に見ることができた記事についてのみ表記しているので実際はさらに多くの見たことが無い記事が多く存在していたわけです。
国内のsynth KIT 1970年代の国内のKIT関連というとWave KIT, 伸光, PAX electronicaなどがあるのですが、ネットで得られる情報はおおよそ WAVE KITの micro wave synthsizerのみです。 Wave KITはそこそこ売れたということでしょう。 なかなかメーカ製のsynthのように中古市場が存在するわけでもなく、またそれらを現在も所有している人はわずかでしょう。 それらの情報を発信する人はさらにわずかです。 ただわずかでもこれらの情報をネットで発見すると妙にうれしくなってしまいます。 海外では昔の珍しいKITなどもよく紹介されていますが国内では皆無に近い状態なのが残念。 今からこれらのハードを手にいれることはほぼ不可能でしょう。 それならせめてこれらの広告記事だけでも手にいれられないかと70年代後半のトランジスタ技術誌を以前から探していました。 目的は記事ではなく上記のように雑誌広告です。 最近(09年)やっと念願の78年のトラ技を数冊入手しました。 予想通り、wave KIT、 pax electronica、伸光といったところの広告に遭遇、 なつかしさを覚えます。 これらが存在したこと自体知っている人も今では少ないのでしょう。 一方、1978年というとメーカー製ではROLAND SYSTEM 100MやKORG MSシリーズが発売された年でこれらの機種は現在でもよく知 られています。 ネットでは現在進行形のsynth DIYの情報は多々得られますのでここ では、当時のsynth文化の一端でもあった国内の70年代のsynth工作、KITなどの歴史を 今回得た広告記事やあまりネットで出回っていないような画像等を交えていくつか書いてみようと思います。 ( 実際の所はKIT/DIYだけでなく当時のメーカー製のsynthについても多く取り上げた内容になってしまいましたが。) -->
・0:連載記事一覧(Modular)=
・1:WAVE KIT
* ENSONIQのsynthについて=
70/80年代synthのレプリカ
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* 1: WAVE KIT * |
それは1975年の夏ごろでしょうか( 正確には覚えていないので確かではありませんが
* もっとも初期のwave kit広告SuperSoundSynthesizer PAIAのGNOMEによく似た仕様。
上記のKITは一般に知られているWaveKitの Micro Wave synthesizerではありません。 35年後(09年現在)の今見ればどうってことのない物ですが当時はえらく興奮したことを覚えていますし、そうであるからこそこのような広告を大事に保管しているわけです。 なぜか当時これは買いませんでした。(ネットでこの基板の写真を掲載しているサイトを発見しました。) Micro Wave synthesizer (SA13)の方はそれから数ヶ月して広告が出たように思います。 こちらの方は購入しました。 最も初期に購入したため有名なパネルやVR,つまみは付いておらずおまけのladder VCFも付いていないシンプルなBPFのバージョンでした。 さらには当時ハンダこてもほとんど使ったこともなく、電子回路もほとんど理解していない状態で、AC電源トランスを使った電子工作は初めての経験だったので作るのにはかなり苦労しました。 ただ回路が動いて始めてVCOのボツボツという発振音を聞いた時やNOISEの音を聞いた時は感激がありました。
このKITを作り始めた時はテスター(*1)しか持っていませんでしたが、トラブルが起きるとこれだけでは対応できなくなりオシロを買うことを決意。 といっても本格的なものを買うお金もないので最低価格のトリオの強制同期型のオシロCO1303Dを買ったのでした。 安いオシロといえど値段はこのWAVE KITと同程度。 ただ電気波形の状態を目で見られることの有用さを身にしみて感じました。ちなみにOP AMPなるものを見るのもこのKITが初めてでtransistorもそれほどなじみがなくこわくてソケットを利用するしまつ。当然OPAMPもICソケット使用。ソケットにOPAMPを挿すにも力をかなり入れないと入らず曲ったらまずいと思ったのか足が長すぎると思い足を短くしてしまい接触不良で動かない回路もありました。 安い方のSA12で練習してからSA13を製作すべきでした。 それだけSynthが欲しいという切迫感があったのでしょう。 *1: SANWAのU70Dと言うテスター。 今でも捨てずに保有しています。 上の表などを見ると海外では1973年ごろから雑誌に本格的なDIY modular synthが登場していますので海外情報を参考にしてその流れの中からWAVE KITのようなものが登場してきたのでしょう。 実際上記のWAVE KITの広告の中にも英文の技術資料の記事があります。
上のカタログに載っている、専用パネル出現以前の自作ケースのMicroWavesynthesizerは秋葉のショールームに当時おいてありました。 上のカタログにもあるように当時はレーザリアムがちょっとしたブームだったように思います。 modular synthesizerを使った演奏会にはよくレーザー光線を使った映像演出が併用されていました。
・ WAVE KITのトラ技広告掲載時期
その後の調査の結果SA12とSA13の広告がトラ技に初掲載された日付がわかりました。
* SA12....(1976/03) SA12は電子展望の1976/03の製作記事が載った同じ月に登場したことになります。 SA13は1976年の8月号に掲載されていたので実際のトラ技の発売日は7月10日だと思います。 上に書いたようにSA13を作っていた時は夏で暑かった記憶があると書いていますがその通りで記憶は間違っていなかったようです。 おそらくこの号が出た後、速攻でこのKITを注文したのでしょう。 1976の3月号からwave kitの広告が1pageまるまる使った広告になりました。 その中にSA12の紹介があります。 初登場の広告では上のような地味な広告でその後に、Super Sound Synthesizer をフィーチャーした広告が登場しています。 おそらく当時この3月号の広告は見ていなかったように思われます。 SA13は1976/08の登場です。 この記念すべき広告の記憶はかすかにあるような気がしますが、この記事はなぜか保管していませんでした。 SA13 Micro wave Synthesizer の初広告、今見ても結構インパクトのある広告だと思います。 と言うことで有名な WaveKItの Micro Wave Synthsizerは 1976年の7月に登場したというのが真実です。 よって上や下に書いている WaveKitが 1975年に登場したと書いてあるのは間違いでした。 wave kitのSA12が登場してから40年後になって正確な登場時期がわかりました。 このSA13は個人的にはanalog synthに接したルーツなので発売年がわかってすっきりしました。 銀メッキした鍵盤パターンが懐かしい。
・ SA13の回路概要 このサイトを見て下さったある方からマニュアルのコピーおよび基板画像をいただくことができました。 これまでは具体的な回路の内容も記憶の中にしかなく詳細はわからずでした。 このマニュアルを見ると40年前の記憶が蘇ってきます。 大雑把ではありますが以下にSA13の回路概要を示します。 ・ SA13回路概要
最後に、私の場合は WAVE KITというと上記の手作りパネルのSA13が思い出されますが一般的には下記のブラックアルミパネルの SA13の方が有名なのでしょう。
* 雑誌で特集されたWAVEKIT(SA13)
1: I/O誌 1977/01月 下の方の1976年の雑誌の項目中に書いた通りの内容です。 この記事の本は internetのアーカイブに存在します。 1976年8月の SA13発売から数ヶ月後の記事ですのでリアルタイムに近いです。 上記のようにまだ ブラックパネルは存在しないので著者独自のパネルデザインが掲載されています。 下にも書きましたが著者は電通大の synth研究会の方です。
なぜマイコンの雑誌にこの時期にanalog synthがと思ってしまいますが当時のマイコン誌ではanalog synthの自動演奏というテーマがこの時期よくありましたのでそれがらみだと思われます。 wave kit自体もマイコン関係の商品を作っていましたしsynthの自動演奏に関しても積極的だったようです。 始めマイコン誌とラジオの製作誌は両方とも電波新聞社なので著者はラジオの製作で module synthを製作していた方かと思ったのですが(*1)雑誌の文面を見ると"10年ぶりに半田こてを持った"とありますので関係はなく別の方のようですですね。( *1: ラジオの製作のDIY synthの著者は五十嵐明氏でした。) ほぼ38年ぶりのマイコン誌のwaveKIT特集との遭遇でした。 とてもなつかしです。 当時、秋月で売っていた半端なサイズの切り落とし生基板(ホワイト)を使ってプリント基板を作りました。 当時のようにまた挑戦するのもいいかと思いました。 振り返ってみると当時から保管している雑誌資料もそこそこあるのですが、このマイコンの記事もそうですが何かのタイミングで処分したか無くしてしまった資料も多々あります。 海外の雑誌等はアーカイブが充実しているせいで現在の方が容易にアクセスできることが多いのですがこと国内資料に関してはそうもいきません。 なくしたものはこつこつと古本等をさがさなければならないです。
月刊マイコン1980年8月号の記事。 この号にはまたWAVEKITの特集があり今回下の方でとりあげたWave Kit 4Ch Music Box Systemの回路図が掲載されています。 ・ マイコン8月号 WAVE 4CH Music Box 掲載記事概要 この記事は6月号から2ヶ月後なので当時見ていても不思議はないですが記憶には残っていません。 今回が初見なのでとても新鮮です。 通常 29800円がこのマイコン誌のクーポンを使うと23800円になったようです。 この 4ch Music BOX発売以前にWave 4CH MICON MUSIC SYSTEM " Bit on Bach" 59800円という広告があります。 おそらくこの MISIC BOXはそれの簡略版なのではないでしょうか。
4CH MICON MUSIC SYSTEM Bit on Bachは 上記のようにこの時代ではもうWaveKitはanalog synth関係の広告は掲載していなかったようでこの号にWAVEKITの広告はありましたが下のようなマイコン関連商品の広告になっていました。 compuladyこの広告は覚えがあります。 マンガのコブラを想像するネーミングだと当時思いました。 それが印象的でおぼえているのでしょう。 CP/M互換のOSを備えているようで12ch wave memoryのsynthがoptionで付くと書いてありますね。 当時 CP/Mという響きにはあこがれがあったというかこの1980年の2、3年後にCP/M86搭載機としては最も安価であったSANYOの16bit機MBC55というとてもマイナーな機種を購入したことを思いだしました。 FDDが1機搭載されたPCとしてはとても安価(13万くらい)でしたがFDDはたしか片面倍密度(1DD)の容量が160Kbyteの物だったと思います。 NECのPC9801はすでに出ていましたが98はFDDやdisplay等をそろえるとまだ高価(50万程度はした)で購入対象にはなりませんでした。
伸光KITのおそらく初めのKITと思われるSK-307ですがなんとWaveKiTのSA13と同じ回路が使われています。 WAVE KIT SA14 Wave KITにはSA12/SA13の他いくつかのsynrth KITがありました。 その中にはVCO/VCF/VCA/EGの単独 Module基板がありましたがSA13のMicro Wave Synthesizerほどは有名ではなく当方も当時意識したことはありませんでしたが、トラ技の広告を改めてみると興味がいまさらながらにわいてきました。 といってもNetを探してもそのような情報は皆無。 いまさらながらですが海外のDIYerとかに較べて、このような国内情報が皆無なのに驚かされます。 しかしながらたまたま70年代に製作したDIY synthの写真を公開している方のPageにWave KitのVCO Moduleの回路図の大変小さな写真を発見し、その写真を拡大して手書きで回路図を作成してみました。 このVCOの名称は SA14です。抵抗等の数値は読み間違いがあるかも知れませんがほぼ間違っていないと思います。 SA13のVCOと基本同じですがそれに較べて単独 Moduleということでかなり部品が追加されているのが見てとれます。 また Sync in と Sync Outが追加されています。 VCO/VCF/VCA/EGの各基板があったようで22Pinのスタンダードなコネクタ用の端子にI/Oが集約されています。2VCO/VCF/VCA/2EGをあわせて初期のSA!3より少し安い価格、電源部をつければ同じくらいの価格になります。上の広告にあるように電大のシンセにつかわれているのがこの基板かと思われますが、1976年のSA13よりはかなり後の商品のようです。 上記回路図を見るとantilogのMIXRのRin抵抗が100KであるとCVの感度がSA13のVCOの2倍の感度になっているよう(0.5V/OCT)ですが?。 VCOのtiming cap.とコンパレータの閾値もSA13VCOとは異なりまず。
1978年にタイムリープしてSA14などのWAVEKIT、PAX ElectronicaのSynthなどを手にいれたくなります。 それはかなわずとも回路図ぐらいは手にはいらないものかと思ってしまいますが。
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* 2: 電波科学 * |
雑誌の電子工作記事としては1974年に電波科学にアマチュアの作った自作 synth (栗原信義氏)が掲載されました。
上記のように通常の VCO, VCF, VCAという構成ではなくいわゆるkeyboard楽器としての synthesizerではなかったです。 どちらかというとsound effect主体の機器というか。 当時はアマチュアにはあまりsynthesizerの資料は入手できなかったのかそれとも雑誌に記事を書くくらいの方なのである程度の資料は得ていたのかわかりませんが。 それにつけてもパネル、基板製作の見事な工作技術がすばらしいです。 この製作記事の1page目を見ると当時のSynthsizerの置かれていた状況がよくわかり、興味深いです。 私も当時 BA205のデーターシートを東洋電具に請求し、その後青焼きのデーターシートが送られてきました。 BA205はfunction generator用のVCOで、振幅変調も可能なICで、トーンバーストとかも出来ます。 この製作記事では BA205の後に差動増幅器タイプのVCAを配置したユニットを2台用いてVCA出力で相手のVCOにFM変調をかけたり、相手のVCAに対してAM変調をかけたりできるよううな構成になっています。 またVCAに対しては簡易EGがついています。 VCOに対しては簡易的な音階発生装置がついているという構成でMOOG typeのsynthというよりはBUCHLA typeを意識していたようにも改めて見ると思えます。 ICのBA205については1975年のトラ技でもこれを使ったFunction Genelatorの製作記事が掲載されています。
この記事は1974年3月号でWAVE KITが出る2年前のできごとです。 このころ電波科学をよく読んでいたかどうかは忘れましたが、当時AUDIO ファンだったので 表紙に写っている L&G(Lux & Groupe)のレシーバーに興味がいったか、長岡鉄男氏の記事でもあったのかしてこの本を手にとったのかもしれません。 その中に偶然 Synthの自作記事があったのでしょう。
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* 3: 1975年ごろ * |
当時はパネルのツマミの意味を理解していなかったのですが、同時にもらったROLANDの季刊誌ワウワウが analog synthのよきテキストになりました。 さすがに現物は今は所有していませんが、解説記事を切り抜いてファイルした物は残っています。(黄ばんだ右の写真) system100のパネル図は当時毎日眺めていました。 1976年になって念願のsystem100の101は購入しました。 当時の印象としてはパネルデザインがB級オーディオメーカみたいだなあという印象が強かったです。 101は10万円くらいしまいたが当時の感覚では10万円もすればオーディオなら結構高級な部類のアンプが買える値段なのに高いと思ったということなのでしょう。 オーディオといえば、当時ROTELと言うaudioブランドがあって正式名称をローランド電子(株)といいました。 日本ではマイナーでしたが海外では有名なメーカーでした。 当時はてっきり楽器メーカーのROLANDと同じ系列のメーカーなのかと思っていましたがそうではないようです。 初synthであるところの101は現在はもう所有してはいませんが未使用の101のpatchシートが残っていました。
国産初のmodular synthにもかかわらず、700は外観デザインの完成度が非常に高いです。 当時ROLANDは system700の大型ポスターを確か送料を払うとプレゼントしてくれるということをやっていて私もそのポスターをもらったことを思いだしました。 パネルデザイン等のアイデアは海外の方のアドバイスがあったと言うようなことを、楽器フェアのROLANDのブースで当時聞いたような記憶がかすかにあり、その本人が同ブースにいたような記憶もあるのですが、40年も前のことなので確かではありません。 *: NETに1975年の楽器フェアでROLANDの700が置かれているブースで上記の外人の方が700を操作している写真が掲載されていましたのでこれは確かな事実であったようです。 (安西史孝さんのtwitterの2022/1/31のところ)
結局の所 1975年に楽器フェアーで見た SYSTEM700の強烈なイメージが尾を引いてsynth好きになったように思います。
* 1977 ROLAND総合カタログ ちなみに1975年のROLAND KBDカタログにはSystem700/100は掲載されていませんがSH5は掲載されています。ということで調べてみるとSH5は1975/12発売、System700/100は1976/04に発売とのことです。なぜかカタログ表紙にはNew modelのSH5だけ写っていません。
この1975年にはaudio誌のSTEREOでも22ページにおよぶ synthsizerの大特集が組まれました。 特集のなかでオディセによるpatchの説明があったのですが当時は全parameterを理解できませんでした。
左ページ
AUDIO誌のSTEREOで22ページの特集が組まれるくらいsynthesizerが注目され始めた時代なんだと思います。 さすがにSTEREO誌なので回路に関する情報とかは無いのですが、synthのparameterを紹介して音色のpatchを組む過程を説明するという内容がありました。 あとは冨田勲氏の
初歩のラジオでも十数ページにわたるシンセ特集があったようです。(話題の電子楽器…シンセサイザーのすべてを追う! / 福田修) この特集は当時の記憶にありませんがこの本は古本屋で見たことがあります。800DVの中身の表紙は覚えていますが本の中身は忘れました。
福田修さんは後に” サウンド・エフェクト シンセサイザー オーサム SEM-1”を初歩のラジオ *:1973年の間違いでしたので後にでなく以前に.....。 ミニモーグ SEM-1という意味深な名のこの製作記事は当時は全く知りませんでした。 後になって90年代に古本屋でこの記事を見つけて購入しました。(05月号のみ) 内容はtransistor 1石とCRによる位相発振器にtransistor 1石の簡易GATE回路が鍵盤数ついた全鍵盤Polyphonic音源で各gateにはトレモロ等の振幅変調がかると言うもの。 全鍵独立oscillatorのKORG PE1000(1976年)のある意味先を行っていた製作記事?。 電圧制御ではないのが残念。 名前も oberheime SEM(1974)と同じと言う偶然?。 Polyphonicとは言え、電波科学の記事と同様、発振器+GATE回路と言う域は出ていずsynthesizerとはちょっと違う存在になっています。 始め、1976年の記事と間違えここの項目に入れたのですが実際は1973年だったわけでこのころではまだ、製作記事を書かれる方にとってもsynthの回路情報はまだ皆無に近い状態だったのでしょうか。 国産analog synthの1号機 KORG 700の発売が1973年3月でほぼこれと同時期の製作記事なので無理もないとは思います。 この時点で入手可能なsynth情報があるとすれば、MOOGのsynthを購入するとservice manualが添付されていたはずなので例えばMINI MOOG(*1)を手に入れるとか、ちょうどこの時期に海外で掲載されたsynth DIYの記事を手に入れるぐらいでしょうか。 もしかしたら国内メーカの人から情報を得るとか。 1973年当時この記事を見ていたらインパクトはかなりあったことでしょう。
おとなの工作読本(2004 No5)を見て思ったのですが、当時synthの回路は情報が無くともそれ以前のオルガン等の回路情報等は存在していたはずなので、たとえば1966年発行の電子楽器と電気楽器のすべて(誠文堂新光社)といった文献などを参考にしていたのかも知れないとふと思いました。 海外の文献などでは、voltage controlled ELECTRONIC MUSIC MODULES (1964/10/ Robert MOOG / AES ) * ELECTRONIC MUSIC its Composition and Perforance (1967/02/ Robert MOOG / Electronics World) * などと言うMOOG synthsizerに関する情報が上記の電子楽器と電気楽器のすべてと同じ時代に出ています。
電子展望 1976年になると、電通大/東工大の方々( 樫田素一/鈴木昭司 氏)による電子展望の連載記事が始まり、またI/O誌では原真氏、無線と実験誌では泉たかし氏(ROLANDの則安氏のペンネーム)の連載がはじまりました。 当時は analog synth普及の黎明期と共に上記のように I/O誌が創刊され、さらにその後 ASCII誌が創刊されるというようにmicro computer普及の黎明期でもあったのです。
当時はそう思いませんでしたが意外とかっこいい概観だと今は思えます。 この当時はメーカー製の synthに興味がいっていたせいもありますが。 電源内蔵のケースとしてはこのタイプの形はベストな選択であると思えます。 この1976年の電子展望の連載は実質国内で初めての本格的なSynth DIY記事だと思います。(上記の74年の電波科学、73年の初歩のラジオの記事は通常のSYNTHとはちょっと異なるタイプだったので) 当時電子展望は目にとめて毎月見るような対象の雑誌ではなかったのですがなにかの偶然で手に取った中にsynthの連載記事があったのでしょうか。 察するにこの1976年4月号の表紙が目に止まったのでしょう。 と言うことは当時1月号/3月号は手にしていなかったのかも。 この写真は当時かなり衝撃的だったのかも知れません。 なにせ本格的 synthesizer回路との初遭遇だったわけですがこの特集を見ても回路のことはほとんどわかりませんでしたしこれを元に基板を作るだけの力はありませんでした。 この記事は WAVE KITのSA12の広告が出てから1ヶ月後のことになります。 なのでこれから5ヶ月後に出たA13の広はまさに救世主で即、SA13を注文したのでしょう。
1: VCO block
この4月号のメインの特集は半導体回路製作のポイント集-1と言うもので synthに使えそうな回路も結構掲載されています。 VCOも何個かあり、KORG MS20で採用されたLFO回路とほぼ同じ三角波の形が可変できる発振器回路も載っていました。
電子展望ではこの後もシンセ関連の連載記事が1982年ごろまで続きました。 毎号とは言わないまでもsynth関連の記事は多く、国内で最もsynthの回路が掲載された雑誌でした。 他の雑誌と比べると研究要素が強かったように思いますし、当時の自分にとっては難しかった分、印象が弱いです。 電子展望と言えば、宣伝広告が殆ど無く良い紙を使っている雑誌。 この為他紙と異なる印象があるのしょう。 私もsynth関連記事の約7割りくらいは購入して必要ページを切り取って保管していたのですが、紛失してしまい現在持っているのは1976年の記事と今関さんの記事のみです。 本来は他の記事以上に電子展望関連が70年代のsynth DIYに占める割合は大きいと思いますが上記の理由により、ここでは 連載記事一覧に示すのみに留めます。
無線と実験 / I/O 誌 下の写真はAUDIO誌である無線と実験にsynthesizerの連載記事があるという当時ならではの状況。 広告ページにROLANDの社員募集の広告がありました。 後にsystem100の101を購入したのもこの写真が決めてになったのだと思います。
上記、無線と実験の記事(*1)やI/Oの記事(*2)は製作記事ではないのですが、synthの回路がちょこと掲載されたりしていました。 当時はI/O誌に掲載された回路は何が元ネタかわからなかったのですが、そのひとつに後年ネット時代になって一躍有名になったスタイナーのVCFがありました。 あとはMOOG modularとか ROLAND 100の回路、USAやUKの雑誌に載った回路などであったことが後日わかりました。
Populer Electronics誌に掲載されたEG & Sequencer For Electro Music (1976/01)の回路なども載っていました。 これなどは40年近くなった現在になってネットのおかげで元ネタに接することができ感激しています。
1976年でなく翌年ですが、1977年7月号にトラ技でミュージックシンセサイザーの製作記事がありました。(トラ技 1977/07 鵜ノ口武彦氏 ) 当時はすでに上記の電子展望の連連載に加えて初歩のラジオで77年初頭から自作記事の連載が始まっていました。 またラジオの製作でもシンセの自作記事の連載が始まったのも77年くらいだったと思います。 このトラ技の製作記事はパネル、基板のマウントの方法が好みだったのが記憶に残っていました。 長らくこの記事を見てになかったのですが古いトラ技を集めた際にたまたまこの記事にめぐり合えました。
1977年と言うことでは DIY本ではありませんが synth本として”だれにでもわかるシンセサイザ入門 (1977 鈴木寛 / 音楽の友社)”がありました。 この本は synthesizer情報が少なかった当時、貴重な本でした。 ご存知の方も多いかと思います。
ブックラのSynthの画像はこの本で初めて見たような気がします。 鈴木氏は明石中学校の教員の方だったと思います。積極的にanalog synthを学校の授業で取り入れていた方。 |
・秋葉の三神ビル
一般に知られているWave KITの micro wave synthsizerは 基板と部品に追加基板としてVCF, LFOが添付されさらに有名なパネルがセットになって 売られていたやつだと思います。 このバージョンは確か 1977年以降になって登場したように思います。 さらに後にはvolume,knob, transも込みで売られていたように思います。 このパネルはけっこうかっこよく、映画さよならジュピター(1984)の宇宙船のコクピットとして1枚のパネルを複数コピーしたものがたくさん使われていたように記憶しています。ビデオは持っているのですが再確認はしていませんが。 あとKORGのPS3300もコクピットパネルとして使われていました。
*1: 三神ビルは別名、神尾ビルとも呼ばれ昔ここに秋葉の神尾病院があったらしい。
東京地区ではこの秋葉のショールームと神田商会のショールームでsystem700 を見ることができました。( 当時の価格240万は夢のsynthでした ) これだけ巨大なシステムでも主要部分は9VCO, 4VCF,5VCA,8EG,3LFOでしかありません。 後のPolyphonic synthesizer 1台分にも満たないのですがいかにも機械然としているところがModularの魅力なのでしょう。 そういう意味では昨今のユーロラックのmodularは合理的ではありますが魅力は半減してしまいます。 巨大と言うことではもう一方のModular synthの勇、MOOG system55も700と同規模のmodularですが55の構成は7VCO,2VCF,5VCA,5EGと700より小規模なシステムと言うことになります。 とはいえ両者とも70年代を代表する強烈なanalog synthのイメージを漂わせています。
このころから数年間はこの三神ビルに wave kitのお店はありました。 77年ごろ?になるとトラ技のwave kitの広告で SSMのICを売り出すということが書いてありました。 確か1個 2500円?くらいしたように思います。 私は意を決して買いにいきましたが売り切れで、SSMのデーターシートのみをもらって帰ったのを思いだしました。 それ以来 SSMのICもこれまた憧れになりました。
楽器とはあまり関係ないと思われる オーディオフェアーにもこの当時はanalog synthがよく展示されていました。 特にROLANDが積極的で、1975年に新製品である SYSTEM100を中心とした展示がありそれ以降毎年ROLANDのブースが存在していました。 1978年は確かSystem100MとRS-09等の09シリーズがROLANDのブースに置かれていました。 この09シリーズは従来より安価なアマチュア向きを狙ったシリーズでRS-09はpolyphonicなstrings synthesizerが10万以下で買えるというのは画期的なできごとでした。 今でもオークションに数多く出品されていますが結構な価格が付いているのがちょっと不思議です。 ROLAND独自の4相コーラスが魅力なのでしょうか?。 私としては翌年に登場したKORG DELTAというstrings synthesizerの方が5万円ほど高いですができがよかったように思います。 このころのROLAND製品は他社に先行してはいるのですがつめがいまいちといった印象がありました。 逆にKORGの方は後発にまわっているのですがその分よくできているという印象がありました。 1976年か1977年か忘れましたがメーカー製でない自作のみごとなmodular synthがオーディオフェアーに展示されていたのが印象に残っています。 写真を撮っておかなかったのがくやまれます。 このころはオーディオメーカもsynthsizerを発表していた時期で製品としてはテクニクスのSY1010、日立Lo-DiからもsynthがまたVictorからはKORG M-500のOEMが出ていました。 確かSONYもSIN波合成のフーリエシンセなるものの試作機を発表していたように思います。 もう少し前だとTRIOのRhythm Box付きレシーバーなどというのもありました。 SONYのRhythm Box付きラジカセもあった。
上の画像は1978年当時のVICTORのシスコンの雑誌広告です。 pre AMP部にmixing 機能他が付いているようでそこにsynthや他の楽器をつないで録音したりしてAUDIO機器を積極的に使おうと言った提案の広告になっていてKORGのOEMのVICTOR版M-500やKORGのrhythmマシン(mini pops120)が写っています。 さらに上の方にはMOOG55やMOOG IIIを使ってパッチングしている冨田勲先生が写っているという貴重な広告写真。 肝心のコンポMM-11はハンドルもついてそれっぽいのですがラジカセライクなデザインにも見え、MOOGのかっこよさとは相容れないようにも思いますが銀色パネルのM-500とは合いそうです。 この時代VICTORに限らずAUDIOメーカのこのようなアプローチはいくつもあったように思います。 記憶にあるのはSANSUIのCONSOLETTEシリーズというのがあってAX-7はAudio Consoletteと言い(上記右写真) MIXER機能にプラスしてRec select, reverbなどが搭載されたpre amp的な存在、また MA-7は VU meter unitと monitor SP/AMPの セットで構成されていました。 AX-7の方は今でもオークションでよく出ていますが、MA-7の方はまず見かけません。 MA-7はルックスもかなり良いできの機材です。 MA-7は昔所有していましたが今はありません。 今思うととっておけばよかったと思います。 さらに80年代初頭(と思ったら1983年)のオーディオフェアーでAKAIのブースにAKAI初の電子楽器としてanalog polyphonic synthesizer AX-80が展示されていたのを思いだしました。(AX80はhillwood消滅後Hillwoodの元メンバーの技術供与で製作されたようです。) なぜか同時期にデビューしたDX-7を意識したデザインの外観はanalog synth色は薄かったです。
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* 4: PAX Electronica * |
確か1977年? PAX ELECTRONICA(パックス エレクトロニカ)というメーカのMICRO PAX というsynthesizerが楽器店(石橋楽器)におかれました。 おそらくこのsynthがおかれたのは神田の石橋楽器だけだったのではないかと思われます。 めずらしい機種だったので ROLANDの方々(上記の則安氏とか..)がこのsynthを見にきているのをたまたま目撃しました。
Micro PAX synthsizer (82000円 1977/08発売)
雑誌広告としてトラ技に1978年ころ数回掲載されました。 PAX ELECTRONICAでは当時海外の synth専門誌だったSYNAPSEを扱っていたのも印象に残っています。 (ネットにSYNAPSE Magazine 13冊の内容を紹介しているサイトがありました。)
1: synapse誌は石橋楽器のBOOKサイドに売っていたように記憶しています。 もしかしたら書泉の洋書コーナーか...... 上記のものは当時入手した物。 この雑誌の入手性はよかったので私も7冊ほど持っているのですが、回路等のハード情報は意外と少ないです。
ちなみにこのPAX ELECTRONICAという会社は 当時 I/O誌でsynthのハードの連載をされていた原真氏の率いる集団で、analog synthのほかに当時同時期的に発展していった micro computer関連のハードを販売していたメーカです。 現在でもパソコン関連のサプライ品を扱っている同名のメーカは存在します。
( octave Fine Wave )*2 切り替えSW周りを集約しています。 電子部品はわずか。 端子は22pinのコネクタ。 LOG cardシリーズは確かに存在したという証拠です。 当時このcardが売られていたのは私の知る限りは亜土電子、東急ハンズだけでした。 はたしてどれだけの人がこの基板を手にしたのでしょう。 こういうのの回路図(できれば実物も)は本当にほしいです。
*: PAXのLog Cardは秋葉の九十九電機でも販売していたようです。 当時は気づかなかったですがラジオの製作の広告に載っていたようです。 その広告にはLog Cardがラックマウントされた勇姿が載っています。
SYGNUS 1 main unit ネットでSYGNUS8の中身の画像を公開されている方がおられます。その写真を見ると中身はまさに上記のLOG cardが入っているのがわかります。 PAX ELECTRONICAはanalog synthだけを製造していたメーカーでなくむしろ同時期に発展していったMicro Computer関連の製品がメインのメーカーでした。 以下の項のトラ技広告にも多数のMicro Computer関連の製品が掲載されています。有名なところではApple2のコーピーのケガニなどがありましたす。またこの時期創刊されたI/O誌との関連も深いようです。ASCIIの西氏もPAX立ち上げのメンバーだそうです。 |
* 5: トラ技広告 1978 (1977,1979) * |
![]() さてここで本題です。 最近78年のトランジスタ技術誌を雑誌広告目的で数冊入手 することができたのですが、78年にもなると synthesizer KITが花盛りというか Wave KIT, PAX electronica 、伸光などからいくつもの KITが発売されていたことが わかりました。 当時の記憶にないKITもいくつかあり新発見でした。
LOG cardの現物は上記のように亜土電子と東急ハンズにおいてあったのですが記憶としてはハンズのショーケースに陳列されていたことは今でも鮮明に覚えています。 PAX ELECTRONICAのlog cardは30年たった今でもほしいアイテムです。 どこかで発掘できないものか..... ネット時代になって楽器メーカのanalog synthの回路図はかなりの機種のものが入手できるようになり、海外にいたってはmaplinとかETIの雑誌記事に載ったsynthの回路図すら手にはいるというのに日本のこのようなメーカのsynthの回路はおがむことができないのは大変残念であります。
かなり豪華な内容ですが、当時伸光には興味がなかったです。 というも ROLANDの SH-5/3などをまねたパネルに二番煎じ的な、かっこ悪さを感じていたからです。 また78年にもなると国産メーカのsynthが 10万以下で買える時代になっていたのでもっぱら興味はそちらの方にいっていましたし、初歩のラジオで synthの自作記事や電子展望の新しい記事が連載になっていてそれらは以前の連載記事に比べて格段とっきやすかったのでそちらの方にも興味がいっていたころでした。
< 追加 1977,1979のトラ技 > さらに1977年,1979年のトラ技を入手しましたので広告の追加を以下に示します。 1979年の広告は記憶にないものが多いのですがこれは1979年くらいになるとメーカのローコストsynth等が台頭してくるのでKIT物よりそちらの方が魅力的で興味がそっちに向いていたということなのでしょう。 伸光の初期の広告のようですね。 ケースを含めた完全KITがあったようです。
WAVEKITの広告(左側)。TK-80につながるという広告。 1979年ではまだPC8001すら存在していない時代。温度補償用オプションが興味深いです。 WAVEKITの広告(左側)。 4Voice POLYPHONIC synth + TK-80による自動演奏装置。 記憶にはありません。 ちょっと新鮮です。 その他 A/D . D/A とワンボードマイコンを使用した Audio処理装置。 SSMのシンセICの販売が始まりました。 上の方で1977年?ごろ販売が始まったと書きましたが 79年の間違いでした。 よく考えれば SCIのProphet5が1978年ですからそれ以前には販売されていないかったのでしょう。
トラ技にKORGの宣伝があったのには驚きというか。 ROLANDの100Mなどを意識したのでしょう。 考えて見ればPS3000シリーズは GATE信号のコントロールだけでPOLY PHONIC演奏が可能だったわけですし。 興味深いのはこの当時KORGもPS3000シリーズの中に幻のポリフォニックシーケンサがあったのですが... 販売までにはいたらなかったようですがカタログには予告があったのです。 確かに当時トラ技にKORGのこの広告はあったと言うことを思いだしました。 こちらはROLANDの広告ですが、社員募集の広告です。 System700/100が近日発売予定と書いてあります。 無線と実験にも同様の広告がありました。この写真のsystem700は量産型の700とは微妙に異なる部分があります。 試作機でしょうか?。 よく見るとARP 2600のようなスピーカーが付いています。 LOGカードを利用したラックマウントPOLY PHONIC SYNTHがすばらしい。 SE研究所のKIT
* keyboard unitの入手 このシンクアクトという会社はドラムメーカのパール楽器の本社の近くにありおそらくそのKBD unitはパール製のkeyboardに使われているものだったのではないかと思います。 パールとKBDというと関係ないようにも思いますが当時パールは polyphonic音源のkeyboard(PK-701)を発売していた時期でした。 その後パールは ポリセンサーという独自の音源方式のシンセを1982年に発表しています。 またパールは Drum synthもいくつか出していたりEffectorも出していたりしていて結構synthよりの商品があったメーカでした。
* シンクアクト 1977/7月号広告
海外(USA)ではやはりKBD unitというとPratt Read が定番というか DIYの世界でもPAIAがPratt Readの KBD unitを DIYer向けに販売していました。 山下シンセのKBD unitもこのPratt Readを使用していたようです。
* PAIAで販売していたのは上の写真にあるlowcost タイプ、 USAの主だったsynthに使われていたのは下の写真の根元が鉄製のタイプ。(下の写真は以前に所有していたmulti moog用のスペアーパーツ?で1接点タイプ。)
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* 6: 1978以降 * |
・ MS20 1978年になるとメーカーのsynthesizerの低価格化が始まります。 modular synthで はKORG MSシリーズ、ROLAND system100Mが登場します。 KIT, DIYではないですが 他の製品に比べればかなりこちらよりの存在だと思います。 その証拠に1979年のトラ技にKORGの広告が掲載されたりした時代です。
超低価格のpatchingができる semi modular synthでした。(full modularにしたらこのコストではできません) PSシリーズで得たコストダウン技術を利用した、まさしくKORGの第二世代 analog synth。 このカタログは当時、私にとってはかなり衝撃的でした。 MS以前のKORGのsynthというのは独自のパラメータが多いせいかとっきにくかった のですが、MSシリーズで突如、正統派かつ安価な patch synthが登場してきてびっ くりしました。(要は新世代のスタッフが設計に関与といった所でしょう。) analog synthというと 1V/oct仕様がスタンダードですが、KORGはKeyboard CVに関してはExpo出力でVCOの音階入力はHz/V仕様です。 これはこれで正しい合理的な選択だと私は思います。 Hz/VなのでYAMAHAのCS monophoicとは接続できました。 KORGのKey CV電圧変化の半分がYAMAHAのKey CV電圧変化です。 MS20のVCOは実際はHz/V、Oct/V両刀使いで、antilogも簡略化された物ではありません。 またantilogのscale温度補償はユニークで同軸ケーブルの先端保護用のビニールキャップを使用していました。これでもそこそこの温度補償はできるようです。 温度補償を完全にするには該当箇所の金皮抵抗をtempco抵抗に変えればよく、現在ならtempco抵抗は比較的容易に入手できると思います。 実際、後に発売された完全独立moduleタイプのMS50のVCOはtempco抵抗による温度補償がなされていました。
特殊な部品を使っていない(KORG35(*2)以外は)のにもかかわらず部品点数の少ない基板。 部品の実装方法が第一世代より合理的になっています。 それにしても回路の簡略化技術がすごい。 MS20は長期間、製造された機種で途中でKORG35の供給が途絶えることになった為か、OTAの13600を使った同様の正帰還S&KのVCFに仕様変更されました(*0)。 82年の初めにはすでにOTAバージョンのVCF基板に変更されいましたがいつから変更されたかは?です。 これは前期/後期バージョンということでよく知られていますが(*1)、それと同時にVCAも改定されています。 MSのVCAはtransistorの飽和領域での抵抗動作を利用した VCRですが 初期versionはtransistor 1個で非線形歪の改善は負帰還のみ、新versionはtranistorを2個使いにして非対称歪を解消しています。 動作的には差動増幅回路の動作と酷似しており、差動増幅の+出力と-出力を加算(一方は反転加算)した結果と同様な効果が得られるような巧妙な構造になっています。 以下の回路をよく見ると構造が差動回路と似ているのがわかります。 この2Tr VCAはTRIDENT以降に採用されたKORGのoriginal VCAで色々な機種に使われました。
*: 2Tr. VCAの構造
*0:
*1:
DIYerと相性のよかったsynthがROLAND system100Mだと思います。 100MもMS20と同じ年の秋に発表されています。 1978年秋のオーディオフェアーでこの100Mは発表されました。 この100Mは各moduleがばら売り可能であったことも魅力的でした。 moduleの中にはNECのTK-80用のI/F unitもあったのですがこれは数台作られただけで一般的でないということか?実際は発売されませんでした。 System100M自体は多くの方々が当時所有していたでしょう。 庶民のModular synth 100Mですが5 unit格納ケースと5 moduleを購入すると23万程度はしましたしさらにKBDを付けると25万以上してしまいます。 まだまだsynthは高価であったことは確かです。 module類はsystem700のmoduleをほぼ網羅していましたのでsystem700を買えない者としてはかなり魅力的であったことは確かです。 私の場合は84年ごろになって中古のModuleを14個、ケースを3個買いました。 そのころには中古で5module+ケースで3.5万程度で購入できました。 1983年のDX7ショックの後ということもあってanalog synthは叩き売りの時代だったのだと思います。店の人に4voicePolyの184 KBDがじゃまなので1万でどうかといわれましたが買いませんでした。 今考えると買っておけばよかったとも思います。 * 100M 100Mはパネルがアルミダイキャストという点もユニークでこの為、家にある100Mも40年近く経っているわりにはmodule外観はけっこうきれいです。 願わくばつまみ類、ケース自体がもっと高級感があれば存在価値がさらにあがったのにと思います。 最大の難点は個人的にはDIN jackを使った電源供給方法とスライドボリウムの質です。 100Mの筐体の全体のデザインが何かに似ていると思っていたらsynlabのmodular synthにとてもよく似ています。 synlab modularは1975年登場なので100Mよりも3年早いです。 参考にしたのか、偶然似ているのか?。
100Mは同じ機能の物が2っまとまって1っのmoduleになっているのが基本なのですが、moduleの中に111(VCO-VCF), 120(VCF-VCA)という変わったmoduleがあります。 これはカタログによっては写真が出ている物がありますし、実際楽器フェアーなどでも実物を見たことがあったように記憶しているので短期間は販売していたと言うことなのでしょうか。 100MもMS20と同様、販売期間が長かったせいか初期の物では基板のパターン面がはんだメッキの物、後の物はレジスト処理された物や基板の材質の違い、内部コネクタの有無、ケース蓋にPOT調整用の穴の有無等いくつかのバリエーションがありました。 特にVCOはケースをはずさなくても1V/Octのスパン調整が出来るように後の物では改善されています。 また100MにはおそらくROLAND 初のカスタムOTA chip BA662(*1)が使われました。 かつてのROLAND synthでは CA3080が多く使われていましたが、いずれも選別して使っていたようでその手間を省く為にBA662が開発されたのでしょうか。 この時代 synthに カスタムchipを使用していたのは半導体製造部門を持っているYAMAHA(*)だけでしたがこれ以降各社がカスタムchipを使用するようになっていきます。 時同じくして海外では SSM, CEMのsynthsizer専用chipが開発され使われ始めるのでした。
海外のanalog synthメーカーとしてはそれ以前MOOGがpoly MOOG(1975)開発時にpolycom IC(DM8670)という chipをNSに発注しています。 全鍵polyであるpolyMOOGの各鍵盤個々に対してsynth機能を持たせる為にcustom chipが必要だったのです。
MS20, System100Mは同じ年に発売された庶民のModular synthですが設計思想が全く異なります。 MS20はとにかく各機能に対して部品点数を極力減らした回路が使われていてこれは元々全鍵PolyphonicのPSシリーズの1voice分をグレードアップして Monophonic synthにしたてあげたようなものなので、各moduleの独立性は重要視されておらずpatch接続も可能なsemi modular synthと言う位置づけです。 一方のsystem100Mは正にsystem700のローコスト版なのでFullModularな構成となっており正統派な回路構成のmoduleといった感じです。 MSシリーズは Hz/VなのでKeyboard CV出力は当然 EXPOとなり MSシリーズ単独ではなく他のOCT/V synthと混ぜて使う場合には大変都合が悪かったため MS02と言う antilog AMP, log AMPとGate極性変換を内蔵した変換UNITが存在しました。 これなどは考えようによってはとてもDIYerサイドの商品であったように思います。 MS20同様、antilogの dual trにはビニールキャップが付いていました。 MS02もtempco抵抗無しです。
この二誌の連載(初ラ.山下春生氏/電子展望.今関洋一氏)はとっつき易い内容でした。 上の写真のように初ラの製作記事は40年近くもたっているので黄ばんでしまっています。 製作記事は当時毎号買っていたように思っていましたが、初回と直接製作に関係の無いと思われる2回分の計3冊分は買わなかったようで不足していたので数年前に国会図書館のサービスを利用して揃えました。 山下氏の記事は78年だと思っていたのですが、再確認すると77年1月から78年3月まででした。 以前からModuleのまとめ方、panelのレイアウト等がROLANDの100Mと共通するセンスを持っていると思っていたのですが、100Mよりこちらの方がデビューは早いわけです。 勝手に察するに、両者はsystem700をお手本にしているのではないかと想像します。 今関氏の方は80年4月からでProphet5が78年に採用した SSM2030なども使っています。 こちらのパネルデザインはおそらくPolyfusion(*1)を意識したのだと思われます。 国内の雑誌でSSMのICを使った製作記事はおそらくこれが初。 但しこれは参考と言うことで部品の数値等は明記されていませんでした。 VCOはあともう一種類リセット型のVCOでこれにはuA726を使用して温度補償しています、 製作記事の中で確か CA3080を使用したVCFは当時作ったと思います。 *1: よく記事を見たらpolyfusion ライクなのはVCOのみでそれ以外はMOOGのパネルデザインを参考にしているようです。 初ラの製作記事は最もわかりやすい記事でしたので、VCO,VCF,VCA, EG, PhaseShifterなどを確か作ったと思います。 特にモリリカのMCD521を使用したPhaseShifterは効果的で作ってよかったと思わせるmoduleでした。 synth製作の雑誌記事で基板の配線パターン図が掲載されたのはこれが始めてだったと思います。 それだけでも従来の記事に比べてsynth DIYの敷居が低くなり追試をした方が多かったのではと思われます。 現在でも国内の DIY synthにおいて知名度がNo1 なのもわかります。 初ラのシンセと言うと下図の基板(ICB-95)が多用されていたので私もこれを買って製作しました。 個人的にもこの万能基板は好みなので現在でも数枚確保していますが、秋月の基板などと比べるとベークのくせにかなり高価です。
* 訂正 *
2015/2月に上記の山下さんが”アナログシンセ資料室”と題したサイトを立ち上げており往年の初歩のラジオ モジュラーシンセの全回路図を公開しておられます。 70年代synth DIYについては海外物の情報に比べて国内情報が皆無な状況にあってこれは画期的なできごとだと思います。 *: 書籍化に伴って回路図の掲載は無くなりました。
analog synthのhardに関する情報は電子回路の雑誌の連載記事で得られたのですが、同時に1976年に創刊した音楽誌ロッキンfでも得ることができました。 ロッキンfは創刊号から楽器用の電子工作記事が掲載されそれが1回でなく毎号連載されるという画期的な雑誌だったのです。 創刊号はFETを使った MIXER だったと記憶しています。 当然analog synthのhardに関する記事もありました。 とにかく音楽誌にDIY記事というのが画期的だったと思います。 少なくとも電気雑誌のような堅苦しさが無いかっこよさがありました。 当時はわかりませんでしたが今になって見ると海外電気雑誌の楽器よりのDIYに触発されこのような連載が発生したのではないかとも思われます。
* 第二世代のsynthesizerはこれだ!(1977/06 11P) by 峰雅彦&フェイズ・ロック・グループ
* オルガンの新しいかたち、それがポリフォニックシンセサイザー(1977/10 10P) by 峰雅彦
* Synth wars by Phase Rock Group(1978?/?? 11P) 菊池公一 峰雅彦
Polyphonic Synthsizer 1973年に国産 monophonic synthが登場してから5年後の1978年には各社がpolyphonic synthesizerを発表しており、また SH-1, CS-15, MS20などの第二世代 Low cost monophonic synthesizerが登場しています。 この当時のsynthの新製品はとにかくインパクトがありました。 偶然と言うか現在 CS-15,SH-1,MS-20(基板のみ)の3機種は所有しています。 (全てもらい物)
1978年時点ではDIY,KITともにkey assigner方式のpolyphonic synthはまだ登場していません。 メーカーでさえ擬似poly synthを作っていたりしたので当然ですがORGANやStringsSynthの類の製作記事/KITはありました。 PAIAのORGAN KITが1978年、String synthsizer KITが1979年。 ( 国内でも1978年に電子展望にPOLY SYNTHの記事がありましたが手元に資料が無いのでkey assigner方式かどうかは不明。) polyphonic synthの前段階としてROLANDのRS09/SA09というpolyphonicのORGANの類(全鍵盤発振)にVCFを1個かましてpoly synthもどきにするという使い方がありました。 当時はこれはうそPolyphonic(*2)などと呼ばれており 上記のARP OMNI,ROLAND RS505やKORG PE1000などがその元祖だったと思います。
これとは別にPOLY音源ということではKey assigner方式をいち早く取り入れた ROLANDのEP-09というanalog PIANOがありました。 これはTimer ICを音源として使うという画期的な試みでもあり、直後に ROLAND Juno6というDCO poly synthが生まれてくるのです。 DIYerの間でも貴重な安価なPOLY音源としてこのEP-09(*1)やRS-09は人気がありました。
完全なるPOLY synthが登場する以前のこれらの準POLY synthと呼べるような機種は各社各様の簡略化技術とも言うような工夫をこらして回路が出来ているものが多く Poly synthとしてはかなり不完全なのですが、 回路的には楽しめる存在です。 これらの準POLY synthの多くは全鍵発振の音源にVCFが一つという構成なのですがVCF用のEGに対するトリガリングがsingle triggerのものが殆どです。 これはmono synthと違ってmulti trigger検出は回路を工夫しないとできないからでそれを可能にした機種にKORG の DELTAがありました。 この機種はさらにVCFのKey followも付いているという優れた機種でした。 1980年代になるとkey assigner方式のpolyphonic synrthの製作記事が国内外でいくつか掲載されています。 これはCEM/SSMのICの入手が容易になったことを受けてのように思いますが記事の数はごくわずかです。 やはりanalog poly synthはDIY/KIT化するのはたいへんということなのでしょう。
1979年以降 書籍/MOOK この翌年の1979年には一冊まるごとanalog synthの製作記事を掲載した、シンセサイザーの実験と工作という書籍が発売になっています。 BUCHLAぽいsynthが写っている書籍カバー。
この書籍の画期的なところは掲載されている回路が基本的にMOOG modular(15,35,55
一冊まるごとsynthの製作記事という本はこの本のほかにも当時2冊ほどありました、一冊は上記の電子展望の今関氏の記事をまとめたもの(+ ROLAND技術陣が書かれた回路解説記事.. シンセサイザーと電子楽器のすべて 1980/1981 誠文堂新光社)と他方は電波新聞社から出ていたもの(シンセサのすべて1978 ラジオの製作の連載をまとめたもの)です。(*1) (2冊とも30年前は所有していましたが現在は所有していません。) シンセサイザーと電子楽器のすべては近所の図書館にありました。 synthの回路も載っていますが、analog電子PIANOの回路にかなりのページをさいています。 1978年というmono synthは一段落してpoly phonicのKeyboardの開発が次のテーマになっていたのをうかがわせます。 事実1979年には新しい設計思想を持ったEP09という電子PIANOが登場しています。 当時この本を購入した時、System100のVCOの回路が載っていたことに喜んだことを思いだしました。 確か部品の定数は書いてなかったと思いますがそれでもメーカーの回路図が見られるというのは貴重でした。 ラジオの製作に掲載されていた synth DIYについての記憶は各moduleに対してとても高いケースを使用していたという印象しか残っていなく回路自体は記憶にほとんど残っていません。 と言うのも同時期に初ラに掲載された山下氏のsynthの方が自分の望みに近かったからだと思います。
自作&操作術の方は毎回メーカー製機種の回路図が1っくらい載っていたのがうれしかったです。 上記の号にはBOSSのCE-2, YAMAHA(実はKORG)のOC-01の回路図が載っていました。 別の年の号には CMU-800の回路図が掲載されたように記憶しています。 自分の場合は初めに発売された本と上記のversionの2冊を買ったと思います。 国内DIY effectorのバイブル的存在のMOOKの最初期バージョン。当時この本に影響を受けた人は多数いると思います、 雑誌掲載の製作記事としては上記、国内外の連載記事のように電子展望、トランジスタ 技術、初歩のラジオ、ラジオの製作、各紙に記事がありました。
この時期 KBD/Synth関係のMOOK本もたくさん発刊されていました。 1977年版にはとても貴重なPAXのmicro synthの記事が掲載されています。
雑誌とかsynth製作本ではありませんが、リニアIC実用回路マニュアル( 横井与次郎 / ラジオ技術社)は analog 電子楽器の回路に使えそうな例も多く、参考書として有用な定番中の定番本でした。 実際メーカー製品の回路の中にもこの本からアイデアを得ているような回路もあります。
マイコン雑誌 / Sequencer 1978年以降、synthesizerの制御にマイコンが使われるのが当たり前になっていきます。そのさきがけとなったのがROLAND MC-8,JUPITER4, CR78,SCIのprophet5でした。 この傾向は当然ながら多少遅れてDIY,KITの世界でも浸透していきました。 ASCII誌 1980年12月号では Digital Sequencer CM6の製作記事が掲載されました。 これはAPPLE-IIにつないで使うMC-4ライクな 6CHのCV,GATE信号発生ハードウェアとソフトウェアの記事です。 ちなみにROLANDのMC-4はこの年のオーディオフェアーでデビューしました。 1980年にもなると内外各社からいわゆるパソコンが続々登場した時期でもありましたし、マイクロコンピューターを利用したsynthsizerの自動演奏と言うのは格好のネタでした。 上記のWaveKITでも79年にTK-80を利用した自動演奏UNITが発売になっていますし、当時のマイコン誌である月刊RAM,月刊マイコン誌でもこのようなsynthネタがありました。 また同様に上記のエフェクタ自作&操作術81にもMZ-80を利用したsynthの自動演奏記事が出ています。
元祖レコンポーザー(CP-you) マイコン(パソコン)+synth を利用した自動演奏がより一般的になっていくのは少なくとも国内では1982年にROLANDから発売されたCMU800からではないでしょうか。 あとは上記のPAX ELECTRONICAが PC8001用に作ったルンルンシンセというシーケンスソフトもこの時期にありましたがこれは外部ANALOG SYNTHをコントロールするものではなくPSGを音源とするものでした。
さらに83年以降のMIDI時代になるとCV,Gate interfaceがいらなくなるためCMU-800のSOFTとしてのシーケンサー部分が独立して知る人ぞ知る CP-YOU社のRC/98などというMIDIシーケンサーソフトが登場していくのでした。(* 有名なレコンポーザの前身SOFT)
ちなみにanalog synth用の CV/Gate タイプの DIGITAL Sequencerとしてはプロ用ではROLANDのMC-8が1977年、MC-4が1980年です。 アマチュア用としては同様にROLANDのCSQ-100が1979年で69000円、CSQ-600が1980年登場で10万9000円です。 また上記PAX Electronicaの章でも紹介したSYGNUS-4 (198000円)があります。
これに対してCMU800はメインの処理をパソコンで処理させる為、本体としては1982年で65000円です。 8chのCV outとEP-09相当なpolyphonic音源、さらにTR606相当なDrum音源が内蔵されていたお買い得な機材であり DIYerよりな機材でした。 当時のメジャーなパソコンそれぞれに対応した形になっていましたがたとえば PC-8001を使ったとしてPC-8001が約17万でしたのでCRTモニターを4万程度としてもあわせれば27万前後の出費が必要でした。 それ以前ではEMS, SCI, oberheim , E-mu等がDigital Sequencerを出していましたが機能の割には高価なものでしたし、リアルタイム入力が基本です。
CMU800は正確にはROLAND本体ではなくAMDEK(後にROLAND DG)と言う関連会社から出た製品でAMDEKでは半完成タイプのEffector KITや A/D、D/Aコンバーターなどが同時に発売されていました。 Effector関連のKITは主にBOSSやROLANDのすでにある製品をKIT用に少しアレンジしたような物が多かったように思います。 Effector Kitといえばこのころ石橋楽器がBIASブランドでいくつかKITを発売していたことを思いだしました。 確かPhaser KITは買った記憶があります。 KITではありませんが Drum Synth BS-1, BS-2なども発売していましたね。 これは海外では CORON DS7として売っていたようです。 DIYのsequencerは国内でもASCIIの物以外に1980年前後にいくつかあったと思いますが、記憶に残っているのは上述のエフェクター自作&操作術81のTK-80を利用した1CH sequencerや、同じくTK-80を利用した8CH sequencer(新村氏),ともうひとつDR55タイプのDigital sequencer DM-55(沖田氏)がありました。 CSQ100が出る少し前か後くらいにナショナルから200音くらいの単音演奏を記憶できる音源付き(矩形波発振)のメロディ演奏器が発売されており、ロッキンfでも紹介されていました。 15000円程度だったので購入した記憶があります。 使ってみるとGATE OFF区間がなく全部音がつながってしまう仕様でかつ単調な音色なのでそのままでは使い物になりませんでしたが、MS20のESPに入れてPitch抽出をして Pitch -> CV変換を使ってそれをVCOに入れるとシーケンサーもどきになりました。 そのままではEGをトリガーすることができず、gate 検出をするためには analog synthのKey CV -> gate 検出回路のような回路を作る必要がありましたが安価ではありました。
1980年に続き 1981年にはASCII誌で2回目の synthesizer特集があり、今回は SN76489を使った SE音源、 PSGを使った 音源の制作に加えて フェアライト CMIの解説等がありました。 パソコンが普及してくると音を出す為のDigital音源chipが色々登場しこのころの代表的な chipがPSGでした。 上記 SN76489はPSG系の音源ですが、同メーカーの SN76477/SN76488はSE用の音源として内外の電子工作系雑誌で多く取り上げられた音源chipでした。 調べてみるとトラ技の1978/10月号にも製作記事が出ています。 SN76477は基本的にはVCO, NOISE GATE+EGで構成された音源 chipですので製作記事では効果音発生器としての使い方がほとんどでしたが、唯一polyphony誌でDrum synthの音源、synth用の音源/modulatorとして有用に使われていました。 digital音源chipと言うと1983年のMSXの登場後YAMAHAのMSXにFM音源が使われていましたがいくつかのFM音源chipが外販されたりして秋葉の部品屋でも購入できるようになった1986年ごろには雑誌でもこれらを使った音源の製作記事がありました。 FM音源登場以前の楽器系音源chipとしてはCommodore 64(1982)に採用されたSID(6581)がありました。 これは 3 oscillator, 3 amp, 1filter(LP/HP/BP), 3EGの構成でとてもanalog synth ライクな構成のchipでinternet時代になって再評価されたchipで一部で今だに人気があります。 DIYer注目のchipらしくかつて、1984年ごろのpolyphony誌に4回ほどSIDに関する特集記事がありました。 SIDは Sound Interface Deviceの略ですが、私などはかつてのSF TVシリーズ謎の円盤 UFOのSID (Space Intruder Detector) を思い出してしまいます。 SID(6581)の開発メンバーは後にENSONIQ社を立ち上げlow cost Samplerの Miargeを発表します。 Mirageの心臓部は通称"Q-chip"と呼ばれる DOC 5503が使われていました。 このchipは後にENSONIQ初のanalog Hybrid synth ESQ1(*1)やApple II-GSにも使われました。 ESQ1のvoice構成は上記の SID chipに酷似していました。
* VOCODER
analog synth関連機器として Vocoderの存在があげられます。 国産機としてはKORGのVC10が一番早く、EMS等海外のVocoderが話題になってそれほど期間をおかずに発売になった印象があります。 1978年の発売なのでMSシリーズが登場して間もなくの発表。 確か発表会でのVC10のレポートが当時のロッキンfに掲載されていたことを思い出します。 一方ROALNDはKORGに遅れ1979年にVP330およびrack mount typeのVocoderを発売しており、後発ならではの付加機能としてstring s synthesizerとhuman voice機能を搭載、VP330は40年近くたった現在でも知名度のある機種となりました。 海外ではVocoderはいくつものメーカから発売になりましたが国産では90年代になってシーカーズとういうメーカからRack Typeの Vovoderが登場するまでanalog typeのVocoderはこの2メーカー3機種のみです(*1)。 ROLANDのVocoderの音源部分は分周音源ですがKORGの方はPUTによる全鍵発振かつフリーマン方式?のビブラート回路と同社のPE1000を彷彿とします。 VCAはROLANDがOTA、KORGがおなじみのTr.1石VCA。 *1: 国産の VOCODERとしては石橋BIASのVICというのもあるという御指摘がありました。
* 海外
* 国内 ロッキンf(沖田氏)とPAIAのVocoder(craig anderton氏)は供にNE570/571を使用した物で長らく PAIAのVocoderのNE570使用をヒントにロッキンfのVocoderが出来たのかと思っていましたがNE570使用はロッキンfの方が先に使用していたようです。
ちなみに1980年当時の MOOG VOCODERの国内価格は上記カタログによるとなんと220万円!とありますが何かの間違いのような MOOG system35とたいしてかわらない価格は本当か?。 SYSTEM700の fullsetが買えてしまう価格です。 それに対してPAIA VocoderのKIT価格は約$100!。 KORG VC10が約16万。 上記表のようにETI誌でVocoderの特集が1977/08にあり、このころには海外製の Vocoderが登場し始めたのでしょう。
* 左: ETI 1977/08の Vocoder特集記事
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* 7: USA雑誌 / SSM/CEM IC * |
この時代、海外の雑誌としては USAの keyboard誌が入手が容易なのでよく買っていました。 この雑誌でも analog synth関係のDIYがCraig Anderton氏のコーナーなどでこの時期ちょくちょく出ていました。 またKITメーカのPAIAが発行してた polyphonyというsythesizer DIY関係の雑誌がありました。 上記のCraig Anderton氏が編集長の時期もありました。 この雑誌はメジャーな物ではないので通常は入手困難でしたが当時ほしい雑誌のひとつであり、私の場合80年代になってからなんとか入手することができました。 Keyboard誌の広告と言えばこの写真の広告が掲載された時はかなり興奮しました。(1980年3月号の Oberheim OBXの内部写真広告) OBXはOberheim 4/6/8Voiceのような強引な構成のPolySynthでなくOberheim初の完全Programable Polysynthで世界で初の CEM3310というVCEGを使用したPoly synthでありました。
* KBD Craig Andarton Electronic Project 一覧 上記の表を見ると1979/12月にはすでに多機能のmultimode Identity Filterの製作記事が発表されています。(上の写真がそのパネル) これはかなり画期的で当時この記事を読みながらあこがれたものでした。 だた使用しているICがCEM3320だったので当時はまず入手不可能でした。
ちなみにこのmultifilterは、 というmodeを持っています。 ネットを探せば回路図はみつかるはずです。Oberheim Xpanderよりかなり早い時期に登場した記事でこれを見てXpanderのmultimode VCFが出来たのではないかと思ったりしますが。
* Craig Anderton氏と言えばこの本も有名でしょう。 ロッキンfの元ネタ的 製作記事もあります。 また、Guitar Magazineや Modern Recording誌でも製作記事をいくつも発表していました(PAIAのKIT)。 当時は知りませんでしたが DEVICEと言うnewsletterも発行していたようです。 USAの雑誌ではあとRadio ElectronicsとかPopular Electronicsなどに Synth関連の製作記事が時々掲載されていました。(多くはPAIAのKIT関連) 上でも書きましたがヨーロッパの電子工作雑誌はUSAよりはるかに豊富なSynth関連の記事が掲載されていたようでその当時それらの存在を知らなかったことが残念に思えます。
上のParametric EQの製作記事は実はKITの紹介記事でもあってPHOENIX SYSTEMSというメーカのKITでありました。 このEQを含めたこのメーカーのいくつかのKIT記事にNETで出会うことができたいへん感激しました。 ロッキンfでSVFのparametric EQの製作記事が出る以前にこのようなStereo 2Band Parametriq EQの製作記事がありました。 これはたいへん印象に残っていた記事で当時自作しました。 雑誌のプリントパターンを伊東屋で第二原紙にコピーしてもらって感光基板を作りました。 Radio Electronicsの掲載記事では Drum synth (PAIA The DRUM)の記事は大変興味深い記事で1980年当時、この記事を洋書屋(確か東京堂書店の洋書売り場)で見つけた時はときめきました。 このDrum synthはUTOPIAのJohn Willie Wilcoxが使っていたことでも有名かと思います。 あとはanalog synthの回路関連の情報としては 雑誌ではないですがElectroNotesの存在でしょう。 これも当時は存在を知りませんでした。 ElectroNotesから出ていた Musical Engineer's Handbook (USA 1975 bernie hutchins)はよい本だと思います。 よりDIYよりでは Electro Music Circuit(barry Klein)という本がありこれも良著です。
* Musical Engineer's Handbook 目次 (1) (2) John Simonton氏のPAIA Electronicsが発行していた1975年から1985年まで続いた synth DIY誌でUSAのsynth DIY文化を知る代表的な雑誌といえるでしょう。基本PAIAのKITの紹介というかPAIA KIT関連の記事も多いですがKITの内容自体は上記Radio Electronics他誌で掲載されていたので本誌ではその他の要素や独立した記事も多くあります。当時この雑誌にめぐりあえた時は感動もありました。 internetが使えるようになってからはさまざまなsynth情報が氾濫する現在ではありますが2024年現在netでPolyphony誌や後のElectro Musician誌がdownloadできるsiteがあり当方の所有していな号に出会った時はまた当時の感動がよみがえりました。すばらしいことです。(海外siteは改めてすごいと思います。) Polyphonyは雑誌やPDFでほぼ全号近く所有していましたが今回(2024)downloadした中に数冊ほど所有していない号がありうれしくなりました。 polyphony誌は同人誌的なのりの雑誌で初期のI/O誌と同じようなテイストがあるところがよいです。後続のElectronic Musician誌はそれがないしDIY記事も1990年代中期以降の方針転換後なるとなくなるのでDownloadしてもメリットがほぼないです。
polyphony誌は当時のライターの方がNET上で紙面の内容を一部公開しています。
* 当時のparts shopの広告 SSM2033が $10と書いてあります。 当時(1979年ごろ) 1$が220円くらい。 waveKITが短期間取り扱っていた時の価格が3800円(SSM2030)しました。 Polyphony誌に掲載された CEM chipの宣伝記事。 CESのICはoberheimに初めて採用されたこともあってか。この広告でもoberheimの2voiceのkeyboardが写っています。
PAIAの Hyper Flangerの広告にはあこがれました、 CEM3340をLFOとして使い、三角波の出力で自分自身にself modulation(LFM)をかけ analogでHyperTriangularity波(双曲線三角波)を生成させる PAIAの Hyper Flanger。 要はROLAND typeのBBD clock変調回路をシンプルな方法で構成した物。 これも Craig Anderton氏の設計で1983年のModern Recording誌に製作記事が掲載されていたと言うことをネットで知りました。 CEM3340をLFOに使うなんてなんてもったいないと当時は思いましたが、考えて見るとPAIAでこのICを扱っていたのでその消化の手段としても3340を使った設計と言うのは当然のなりゆきだったのでしょう。
PAIA
*: 印象的だったPAIA KITをいくつか
後に(80年代になって)このカタログを手に入れた時はうれしかったです。 このカタログはPAIAのラインナップが充実していた時代のものです。 USAの雑誌にはARIESの modular synth KITの広告がよく出ていました。 また当時は知りませんでしたが synthメーカのEMLが DIYer向けにmodular synthのKITを発売していたようです。 上記のPAIAも 2700,4700シリーズというKITを出していました。(上記PAIAカタログ参照)
ARIES
上で当時は存在を知らなかったと書きましたが所有していた雑誌の中にこの広告がありました。(上の左の画像。 その他の画像は90年代になって後日入手した、EML modular KITのData sheet,回路図等の情報をまとめた本から) またネット(matrix synth site)にはEMLのmodularの実物の画像がありました。
* EML Modular synth KIT Module 一覧
上の画像は Emu社の当時の総合カタログの表紙です。 内容はmodular2000シリーズの各moduleの説明、 E-mu Audity(*1)の説明、Hobby productとしてのSSM ICのData sheetでまだ Emulatorはこのカタログには掲載されていません。
SSMのICは 1978年に SCIのprophet5に採用され、1970年代の終わりには自社のpolyphonic synthesizer E-mu Audityに使われました。 一方のCEMは oberheimの programable EG (CEM3310)に初めて採用されました。 以後 analog synthが polyphonic化するにつれて各社のsynthでSSM/CEMは使われるようになっていくのです。 一方 SSM/CEM chipはhobbist用に少なくとも海外では一般にも売られていましたしごくまれに国内でも短期間売られることがありました(*2)。
上の画像は Emu product catalogに載っていた E-muのsub moduleです。 このカタログにはSSMのICも載っているのでこのmodularにはてっきりSSMのICが使われていると長年思っていたのですが、最近NETで見つけたE-muのmoduleの回路を見るとディスクリートの回路構成です。modular自体は1972年ごろから存在するようなので確かにそうかも知れないですね。(SSM chip自体は1977年から登場しているようです。) E-muのModular(*2)と言えば1977年ごろでしょうか何の雑誌かわすれましたがpolyphonic演奏ができるmodular synthがあると話題になったことがあります。 なんでもその時の記事(*1)にE-muのmodularは専用のsynth ICを使っていると書いてあったように記憶していたので上記のようにてっきりSSMのICを使用しているのかと思っていたのでした。
SSM/CEM ICにはそれぞれ評価ボードが存在しました。 SSMはE-mu IC Evaluation Board 1600というhobby用のKITを、 CEMはメーカ向けの評価ボードとしてCEV3301というボードを出していました。 SSMのもの(というかE-muの)は1970年代のpolyphony誌に広告が出ていました。 一方CEV3301の方は現物及び資料を1982年に確か見たことがあったとように思いますがさだかではありません。 * SSM * ![]() このカードとE-muのpolyphonic scan KBDを利用してpolyphonic synthを作った例が ネットにありました。 またタンジェリンドリムがこのカードを使って機材を作ったと かいう情報をどこかで読んだような記憶がありますが(*)....
comming soon lowcost VCF and super VCRTGとあるのは SSM2044とSSM2056のことで しょう。 さらにSSM 5010というevaboradがSSMから出てい たようです。 chip構成は SSM2033, SSM2044, SSM2022, SSM2056 * E-muのこのボードは1983年当時のロッキンfでも数ヶ月に渡って特集され、読者が購入できる企画もあったようですがこの当時は残念ながら知りませんでした。
![]() * CEV3301 CES発行のsynthesource(1981)より
CESが発行していたsynthesouceというNewsletterにCEV3301の記事がありました。 記事を見るとOEM以外の一般ユーザでもUSAでは当時CEM ICを扱っていたPAIAで入手で きたようです。 またヨーロッパでは当時CEM ICを使ったsynth KIT(DIGISOUND80)を 出していたDIGISOUNDがこのボードを扱っていたようです。 board上にあるPOTは半固定のvolumeでとりあえずはこのborad以外に何も足さないでも音が出せるということです。 さらに本格的に動かしたければ外部にvolumeを用意したり、DAC+multiplexerで複数のCVを用意してコントロールできるわけです。 どちらも所有はしていませんが、SSM/CEM両ボードともネットで資料(manual)を公開さ れているかたがいます。 たいへん貴重なものです。 このBoard(CEM)は80年代の初めころ現物を見た記憶がかすかにあり、その時にこの資料を見た記憶があったので、ネットでこれに出会えた時は本当にうれしくなりました。 SSMのものは手持ちのChipでは対応chipが足りないので作ることはできませんが、CEMの方は手持ちの部品で対応できますので作ってみたいものです。
CEMのeva boardということでは PAIAが出していた EKxシリーズがあります。 これはCEM3340, 3320,3310,3330の各ICの評価Board的内容のもので当時$30程度で売られており90年代中盤になっても在庫が残っていて$39程度で売られていました。 私の場合は94年ごろに購入しましたがさすがに現在では在庫は無いようです。
VCOのEKx40が一番小規模な部品構成。 逆にVCAは2系統と言うこともあってか部品点数が多いです。 EGも外部CV対応(MIX)なので部品点数が多め。 この為メーカーのsynthではこのVCAを使う例が極端に少ないのかも知れません。 VCFもmulti対応なのでこれも若干多め。EK40はCraig Anderton氏のKeyboard誌の連載記事の中の1っをKIT化したものです。 * EkX boardを使ったSystemの例 EkX Voice VCFのEG modにVRが入っていないのが不思議(というか新鮮)。 上のEkx関連と言うことではMIDI時代になってから
* MCVI (MIDI-control voltage interface/cpu) と言う 8chの MIDI-CV I/F KITを80年代にPAIAは出していました。 PAIAのサイトにmanualが上がっていますが、実物の写真はnetを探しても出てきませんのでこれの存在を知っている方はわずかなのでしょう。 このKITは CV/GATE INと CV/GASTE OUT両方を持ったちょっと変わった I/Fでした。 その他のSSM/CEM ICを使ったModular Synth 海外では CEMのICを全面的に使用したDIGISOUND80というmodular synth KITがありました。 DIGISOUND 80の前のversionはSSMのICを使用したものでした。 その他 Elektor New synth, Poly formant, E&MM Spectrum Synthesizer, PAIAproteus1などのKIT,製作記事で CEMのICが使われています。
ネットで探してみるとこれを追試した方のブログが発見できました。 また海外のサイトにおそらくこの連載記事で作者が製作したsynthそのものと思われるハードの画像がありました。 いかにも作者である大塚氏の作品といったパネルデザインです。 あとは国内ではSSM2040を使ったVCFの記事(上記のVCFと同様の回路のようです)がロッキンfに載っていたようです。 さらにトラ技でもVCF chipの紹介記事が1985年にあったようです。 このころは私自身は国内の雑誌記事をおっかけていなかったので上記のキーボードマガジンの記事も実際はだいぶあとになってから知りました。 このsynthの特徴はmixerのphantom電源のようにトランス+整流Block部分が分かれており、synth module側にregulator部分を装備していましたので全てが1っのケースにおさまることはできませんがすっきりした構成にはなります。 あとは基板のとめ方が少し変わっていたりととても参考になる部分も多いです。 またこの製作記事の電源は少し特殊で+/-15Vと+15V仕様になっており、2っ目の+15VはSSM2033のヒーターとMonitor AMPのLM380用だそうです。 なお連載記事の本文中で山下シンセにふれられており”私もこれで勉強させてもらった"と書かれていました。 あとはかなり本格的なケース、パネルを使用しておりパネル厚は3mmだそうで加工が大変そうです。 デメリットとしては3.5mmのジャックのナットが厚みでとめられないそうでどうも接着で対応しているようです。 やはりmoduler synth DIYの最大の難関がケースの選択、製作、加工だと言うことをあらためて思います。 このDIYではケース/パネル(X8)代で1.5万かかると書いてあります。 ちなみにSSM2033が 4700円、SSM2040が3500円で入手できたようですがちょっと高い気もしないでもないです。 と言うのはこの当時だとSYSTM100Mの5unit(5X2module)+電源の中古が3.5万で買えた時代です。 しかしSSMのchipの購入サポートがあったと言うのは国内のDIYでは初めてのできごとかと思います。 さらにはリットーミュージックでなく立東社のロッキンfの1981/1982年の連載でもSSMのICに関する記事が掲載されおりE-MUのSSMICを使ったEvabordの入手方法も示唆されています。この時期 KORGがSSMのICを使い出したり、E-muの代理店経由とかで国内でもSSM ICの流通があったのでしょう。
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* 8: 80年代から90年台末期の analog synth / DIYなど * |
SSM/CEMのICを使うと従来より安易にsynthが組めるためそれらを使ったmono synthや modular synthの製作は内外問わず存在しましたが(*2)、Digital Synthの台頭などもあってか analog synthの製作記事は1983-4年(*3)ころを境に内外ともに無くなっていきます。 80年代中盤になるとanalog synth は Digital Oscillator + analog VCF/VCAという構造を持ったhybridなanalog synthなるものが登場し、制御系はdigital化(*5)され、ある種analog synthは到達点を向かえます。 この時期にすでにmodular synthや mono synthというのはメーカーでも作らなくなり、メーカー製のanalog synthも1985年以降衰退していき、80年代終盤になるとKORG M1を始めとする便利ないわゆる ROMベースのplayback samplerとしてのPCM Digital Synthが台頭してくるのでメーカー製のanalog synthもほぼ無くなります。 PAIAが発行していたsynth DIY関係の雑誌POLYPHONYも1985年を持って廃刊になりElectronic Musician誌となりますがDIY記事は激減しました。 各雑誌の製作記事としてはMIDI規格ができたこともあってMIDI関係の製作記事や、Effectorの製作記事(*4:)はまだあったように思います。
E&MMは名前の示す通り楽器関連により特化した雑誌なので関連製作記事も多かったようですが86年ころには雑誌そのものが無くなっていることを考えてもsynth工作が下火という事実を示しているように思います。 これに対してETIの方は80年代後半から1990年代になってもコンスタントに楽器関連記事は続いていたようですがやはり当然のようにMIDI関連や、Effector関連の記事が中心になっていったようです。 私の場合は 94年ころから2000年になる少し前まで、EPEとMaplinを購読していましたが、楽器関連記事ではEffectorとMIDI関連が時々載る程度だったと思います。 当時 それらの雑誌の90年頭くらいまでのback numberは購入できたのでいくつかの楽器関連記事を収集しました。 黄金期である80年代前後のback numberが揃えられないのが残念でした。
このころUSAの雑誌 Electronic Musician, Nutes & Bolts 、Populer Electronics 、Electronics NOW なども購読していましたがやはり楽器関連の記事は少なく購読を止めようかとも思いましたが時々楽器関連記事が載ることや、何年分かまとめて購読するとかなり割安になるのでとりあえず続けていました。 * ヨーロッパの雑誌の表紙を飾ったDIY synth(KIT) 集
PCM synthがありふれてくる90年代、1994年になるとanalog synthの復活を示唆するようなできごとがいくつも起きてきます。 まずはUSAのKeyboard誌の別冊としてVintage Synthesizers(*1)という本がでます。 この本は日本語版もしばらくしてから発売されました。 また Doepferから MS404, PAIAからは FATman、NOVATIONからBASSstation, MARIONからはMSR2, OberheimからはOB-MXがあいついで発売されます。 さらに94年というと偶然というか、thereminの映画、”THEREMIN:An Electronic Odyssey” が国内でも公開された年でもありました。 95年にはanalog modeling synthの Norad Leadの初代が発売されます。
* 調べたところ掲載雑誌は Keyboard Magazineの1995年5月号であることが判明。
1996/07の DIGITAL BOY誌最終号にラブ・マシーン・ジャンキーズというタイトルでanalog synthの特集がありました。 このように1995年以降国内雑誌でanalog synthの特集記事が随所で見られるようになります。
*1:85年創刊のPolyphonyの後継雑誌で過去にいくつかのDIY記事があった。
GIFとかJPGはあったかと思いますが上記フォーラムで話題になった回路をみんなで見ることすら容易でないNET環境だったのでTEXTにキャラクター文字で抵抗、Tr.などの素子を表現したりしていた状況でした(*1)。 それ以前にそもそもanalog synth回路などの情報は過去の電子雑誌に掲載されてた製作記事の情報とか何かの手段で運よくメーカーのSERVICE MANUALNを入手するしかなかったわけです(*2)。 自分としては1994年にはInterNetをなんとか体験することができるようになりました。 早速analog synth情報をさがしに行くわけですが1994年はなぜかThereminに興味が行っておりそれを中心に探していてRCA Thereminの回路とかいくつかの回路を入手することができました(下記)。 当時も今も回路図等の情報が海外がほとんどで国内では有用な情報を得ることはわずかしかできませんでした。いつanalog Heaven、hyper realとかSynthFoolのsiteを発見したか忘れましたが海外のsiteには当時としはかなりの回路図が掲載されており宝物を発見した感覚で刺激的でしたがそれをDownloadするわけですがたいへん時間がかかりました。あとはWebPageのLINKをたどり新しいsiteを発見することで新たな情報に出会うといったところ。当時おなじみのEFMのsiteもありました。 80年代後期から90年代中期ごろまでどうやって情報を得ていたか過去のBBSの記事とか昔のHDDに残っていると思うのでこれを機会に見てみようと思いました。
さらにはいつのころからかSynDIYのメーリングリストを知りそれを購読することで情報を得る毎日。synDIYのリストでいくつかの海外DIYerのPageを知ると。SynDIYのリストで一番印象に残っているのは1997年ごろ、AlesisのAndromedaが開発される過程で設計者の人たちが進行状況や仕様に関しsynDIYのてメンバーに意見を聞くできごとが結構長い間続いていた過程がとても興味深かったです。確かandoromedaはanalog ASIC chipの採用で16Voiceでありながらとても部品点数が少なくまるでDigital synthのよう。VCOは921ベースVCFはMOOG Tr.Ladder + OberheimのSVFという仕様だったと。その中でVCFに対するPre/Post Mixerを設けることが有用だと稟議されていた記憶がこの機能はAlesisIONにも継承されました。 国内ではそのようなSiteはなく1997年ごろ自作の山下Synthの画像を掲載しているsiteがありそれがAbe氏のsiteでBBSもやっていましたが回路の話題が出るにはいたらず。後にアナログ震世界と銘打って回路の話が掲示板に出てくるのは21世紀になってからの話。最近はSynDIYのメールはほとんど見ていませんがSynDIYのリストはいまだに続いていますのでもう30年近いということです。 1994年当時としてはInterNetの存在も大きかったですがH.Suzuki氏が販売していたService ManualやElectroNotesの存在、以下の各種海外雑誌/書籍の存在さらにはPAIAとかWine Country、MOTMの存在もおおきかったです。
netでメーカーsynthの回路図等の情報が得られるようになるとともに過去に海外雑誌に掲載された記事なども入手できるようになってきます。 またPAIAがFATmanの発表後、活動が活発になり次々にKITを発売するようになりました。 上記のvintage synthesizersの影響もあってか海外ではanalog synth関連の本がいくつも発売されるようになり,1995年にはSUSURREALからThe A-Z of Analogue Synthesizers(*1)という全世界のanalog synthを網羅した本を購入、聞いたことのないようなsynthがいっぱいあるのに驚いたものです。 その中にあったイギリス製の synth KIT DigiSound80に興味を抱き、ちょうどこのSUSRREALで記事のコピーが入手できることを知ってその記事を取り寄せたりもしました。
この当時はまだnetで入手できるsynthの回路図は多くはなかったのですが、service manualを販売する業者をいくつも見つけることができたのでこのころはmanualをよく購入したものです。 それと同時に国内では入手がむずかしかった synth ICなどのパーツも入手できたのでこのころよく買っていました。 国内ではHiro Suzukiさんがメーカーのサービスマニュアルや、Electro Notesなどの海外文献などを販売していました。 inter netのおかげでと言うか昔のanalog synthの回路図が出回るようになるとsynth DIYも盛んになっていくようになり、特に海外のDIYerが作品や自作の回路を発表するようになってきます。 このころ SDIYのメーリングリストを知りました。 とにかく94年を境にしてanalog synthの回路や機種情報はそれ以前と比べると比較にならないほど豊富になりました。 自分の場合はそれなりに回路図をちまちまと集めてはいたのですが、全世界的な情報が得られるネット時代になってから得られた情報はメーカー製、雑誌記事とも貴重な物でした。
他のパネルとしては70年代のmodularの規格から MOOG modularのパネルの規格を採用する物がいくつか出てきました。 95年になるとPAIAが FRAC RACKというパネルの規格を出して話題になり,PAIAが新しいmodular synthを発表します。 私もこの当時IDEALのEURO RACKと、MOOG規格のパネルとFRAC RACKを購入しました。 あとはSSM/CEMのIC供給でも有名な Synthesis tech. が独自のパネル規格のmoduleを販売していました。 Synthesis tech.のMOTM moduleは 1997/98年ごろに登場したように思います。 このころはmodule kitを販売していた業者は今のようには多くありません。 その中でMOTMは高品位なmoduleであったようで値段もかなりしました。 その当時は回路図は公開されていなかったように思いますが、今ではこのシリーズも製造していないようで回路図等が公開されていることを最近知り感激しました。 MOTMのmoduleが販売されてからもう15年以上もたっていると言うのもちょっと驚きです。 MOTMシリーズの電源unitにはpower oneのHAA15-0.8AGが使われていました。 私もこの電源にあこがれて2008年ごろにHAA15-0.8Aを購入しました。
国内雑誌のanalog synth特集 / 電子音楽 in Japan
一方、電子工作関連では上記のFatman関連の記事が音楽雑誌に載りましたがそれ以外は目立った物はなかったように思います。 トラ技の特集記事で analog synthによく使われるようなICの関連記事が載ったことはいくつかありました。 * トラ技特集記事
*1; |
* 9: 70年代から90年代の海外のsynth KIT / DIY記事 etc * |
![]() Radiorama(france) 1974/01月号表紙 海外の電子工作系の雑誌では基板のパターン図が掲載されているのが普通のようです。 国内の電子工作雑誌の初歩のラジオ、ラジオの製作といった雑誌も基板のパターン図が掲載されるのは普通のことでした。 トランジスタ技術においても70年代、80年代には基板のパターン図が掲載されていました。 ヨーロッパの雑誌ではさらにプリント基板のサービス(*1)も行っている物も多いようです。 これは現在になっても行われているようですが、現在では表面実装の小さな部品がこれらの製作記事にも使われるようになってきているので実装は大変なようにも思います。 海外のsynth関連の工作記事では、KITメーカのKITを製作記事として掲載しているケースも多くあり、KITの中には大規模な製作記事もあり 過去には modular synth, polyphonic synth, programmable synth, sampler , digital delay, vocoder などのKITもありました。 当時の海外のsynth関連KITメーカーですがそれほど多くは無いようです。 USAではやはりPAIAが老舗という感じで種類が断然多い。 他に雑誌掲載があったメーカーとしては上にも上げたPHOENIX SYSTEMS、雑誌掲載以外では同様に上にあげたARIESやEML。 よりマイナーなところではBLACETと言ったところでしょうか。 BLACETはネット時代になって復活しています。 ヨーロッパ勢としてはPOWERTRANがDIYとしては大規模なKITを展開しています。 その他の雑誌掲載のKITとしては DIGSOUNDやTANTEKがあります。 SYNTH KITの元祖的存在として ETIの3600/4600がありますがこれは特定のKITメーカーではないようで、ETI誌の企画なのでしょうか。 後にはMAPLINからもKITとして発売されていたようです。 MAPLINは楽器関係でもいくつもKITがあったようです。 またUKの雑誌にはCLEFと言うメーカーもいくつもの楽器関連KITを発表していたようです。 あとはITALYのONDA QUADRA誌とSELEZIONE RADIO誌に掲載時期をずらしてmodular synthと analog PIANOの製作記事が出ていましたが両誌とも同じ内容の物ですのでこれを扱っていたKITメーカが存在していたのでしょうか。 紙面の広告記事にそれらのKITが掲載されていました。
日本国内のDIYと較べるとちょっと傾向が違うようです。日本国内の場合は学生さんの自由研究的な要素が強く、大学や大学関連の方が出筆している場合が多く一部を除いては電気知識の教育を受けていないと難しい内容 が多かった記憶があります。海外の場合は上記のように基板や基板パターンが必ずセットされておりとっつきやすい内容でかつPoly synthとかSamplerという大掛かりなものまでカバーするといった違い。改めて両方とも必要だと感じるしだいです。
・Digital delay Line /Analog Delay and Flangerの基板
特徴としては programmable synthなのにCPUを使わずhard logicだけでprogrammerを組んでいたのにちょっと驚きましたが今と違い80年代初期ではCPUを搭載するとKITの価格が高くなってしまうのでそれを避けたのかと思われます。 Proteus1の残念な所はA/D - D/A のresolutionが4bitしかなくparameterは最大で16段階しかないという割り切った設計だったことです。 この規模の回路に対して片面基板でかつコネクタエッジに信号線をひとまとめにしているので、基板表面はプリント基板なのに線材だらけという特徴ある基板もユニーク。
ちなみにE-MUのProteusシリーズはPAIAのproteusよりあとのネーミング。名前のいきさつについては書籍 "Vintage Synthesizers"のPAIAインタビューの中に書かれてwいます。
* jumper線も多いが、それ以外の丸で囲んである端子からエッジコネクタなどの同じ名前の端子まで配線が必要な構造。
一方UKのPOWERTRANのKITはさらに規模が大きいというか4voice polyphonic synthのKITがあるかと思えばそのvoice数を拡張するExpander KITもあると言う国内ではまず考えられないようなKITを出していたようです。 さらにはsamplerのKITがあったり、本格的なDigital DelayのKITがあったりと....。 このメーカーのvocoder KITの基板などを見てみるとロッキンfのvocoderがおそらく参考にしただろうと思わせるような内容になっていたりします。 modular synthのKITとしてはDIGISOUNDの DIGISOUND80が質、量ともに他の追従を許さない規模のKITでしょう。
・ 内外のKITメーカによる KIT 一覧
1: FORMANT Modular
当時は現在ほど情報が豊富ではありませんでしたのでこれらの記事を入手できた時はたいへん感激したもでした。 最初に入手したのはおそらくDIGISOUND。これはまだnetに情報が無かったのでUKのSUSURREA Pub.からコピーを入手しました。FormantとETI4600もコピーを入手したような記憶がありますがこれらも1990年代末期にはnetで収集できたように思います。これらは70年代末期から80年代初頭にヨーロッパの雑誌に掲載されたものですがFORMANTは元祖ユーロラック使用modularといえる機種でAudio 信号系は6Uサイズ、Modulatpr関連は3Uサイズのユーロラックを使用していました。またETI4600はMaplinのKITを雑誌連載したもので設計は後にフェアライトCMIを開発する面々の方々だったと思います。
この中でDIGISOUNDはCEM Chipを大々的に使ったmodular synthで個人的には該当chipを持っていたのでいつかはつくろうと思いつついまだに実現していませんが、昨今はCEM chipが秋葉の秋月で容易に安価に購入できるという信じられない時代になったのでModular synth製作にはうってつけの存在ではないかと再認識していますし、netを探すとDIGISOUNDの基板を売っているサイトも発見できます。
ここでは気になった製作記事を紹介してみようと思います。昨今ではCEM/SSMのコンパチICも容易に入手可能ということでCEM/SSM chipを使った物などを紹介します。
まずは 製作記事で使われたSSM/CEM ICにSSM/CEM関係の記事を示しておきます。この中でもおもしろそうなものをセレクト。
01: DIGI SOUND80 Modular()
02:CES Applcaton Note APCEM-001()
03:MUSIC Synthesizer IC's (RadioElectronics(MAY1983))
04:3大定番ICに学ぶアナロウ・シンセ回路入門(富沢端夫)(トラ技 2024/12)
自分もリハビリにというか補完ICを使うためにも製作してみようという気になる記事でした。考えてみればEGの3310は秋月では売っていないのですね。
05:アナログ・シンセサイザ用電圧制御フィルタVCFを験す(安田仁/トラ技2024
06:Multimode Identity Filter(Craig Andarton /Keyboard 1979/11/12 1980/01)
07:
08:
09:
10:
Builder's Guid and Preferred Circuits Collection *
Electro Notesに掲載された回路をセレクトしてまとめたもの。90年代に入手しましたが現在ゆくえ不明。
Music project*
UKの雑誌でMIDI/Effector関係のDIY記事を多く書かれているRobert Penfold氏のproject本。90年代にMaplneで買いました。基板はUKらしくストリップボード(ベロボード(上図)で製作されています。CPUを使わないMIDI 小物の製作記事がユニーク。
Craig Anderton氏の超有名な元祖DIY Effctor project本。ソノシート付きでした。90年代にPAIAで購入しました。
Projects for Guitarists*
80年代、90年代のSYNTH DIYerには定番ともいえるSynth DIYのスタンダードな内容が書かれている本で90年代中盤のINTER NETが一般化された時期にreprintされました。 sdiyのメーリングリストが開始されたころのできごとです。 reprint版を昔購入ましたが今や
Netで内容が読めるsiteあり。
polyphony誌で活躍していたThomas Henry氏のpolyphony誌/Populer Electronics誌に掲載された記事を中心に集められた本。Netで内容が読めるsiteあり。
* Deluxe VCO (CEM3340)
Polyphony誌に掲載されていた記事が多いです。ケースは氏の得意な1U/2Uパネルに基板を取り付けるPAIA KIT likeな物。 SN76477のSupercontrollerは当時もおもしろそうだと思っていました。 いまさらながら作るのもいいでしょう。
* 古いsynthの修理など |
<2024/05/04 rev1.43> |