SSM / CEM synth IC




SSM

CEM1

CEM2(& OTA)

CEM3(PRO5)



CEM3374 ( DUAL VCO)
80年代中期の computer 制御、soft modulationを前提としたDual VCOです。 3340 2台分的な内容ですが Pulse Out等は省略されています。

また softによる modulation(CV)を前提としている為、CV summing ampは内蔵されておらず、この為 CEM3340のように内部回路に対して tempco sensorを作用させられない為、sensor出力が外部 pinに出ています。

アプリ例ではこの出力を DACの reference電圧に使用する例が載っています。 OBERHEIM  Matrix 12、RHODES chroma polaris、 AKAI VX600等に使用されています。



SSM2040 ( VCF )
SSMの最も初期の VCFで trans conductor cell+buffer 4っと antilog ampを内蔵しています。 prophet5 rev1/2や Emu modular他多くの synthで使われている chipです。

trans conductor cellは独立しているので、 LPFの他、HP、BP、AP等に使用できます。  内蔵のOTAは差動回路にカレントミラー負荷を1個介したシンプルなもののようでこのOTA cellは SSM2024と同タイプの物が使われているのでしょうか?。



SSM2044 ( VCF )
SSM2040よりも low costの LPF専用 VCFです。 VCFの内部構造は SSM2040と異なるようでTr. ladder VCFがベースのようでIC化しやすいようにモディファイされた形でしょうか。

またこの chipは resonanceもtrans conductorにより電圧制御できます。 KORGの poly six / mono polyやヨーロッパの synthに多く使われていました。



CEM3320 ( VCF )
SSM2040の CEM版的な内容の CES初の VCF chipです。 2040と異なり resonanceも電圧制御できます。 propet5 rev3での使用が有名でしょうか。

内部は独立したOTA CELLが4個搭載されている形なので単にsynth のVCFだけでなく phaserなどにも使用でき変わったところでは、レスリーシミュレータのVOCEのSPINに6個ほど使われています。

OTA cellはCES社独自のantilog ampをベースにしたもののようです。



CEM3350 ( VCF )
Dual voltage Controlled State Variable Filterという名の通り、2っの antilog amp付き multimode filterが 1chipに内蔵された形になっており、VCF 2台分で使ってもよし、2 filterを組み合わせて複雑な filterとするもよしという内容になっています。

Rhodes Chroma、Synton Synrix、Crumar Spilit 等凝った作りの filterを持った機種に採用されています。

CEM3350動作原理



CEM3310 ( VC EG )
CEMの代表的 voltage controlled EG。 CESにおいては EGはこの機種とCEM3312のみにようです。 CESの IC chipはこの CEM3310から始まりました。

CEM3310動作原理



SSM2056 ( VC EG )
SSMの SSM2050、2055に続く3番目の voltage controlled EG。



SSM2024 ( VCA*4)
Quad current Controlled Amplifierという名称の 16pin DIP chipです。 等価回路を見ると、カレントミラー+ 差動 TRによる OTA cellが (sig in/sig out/ cv in)4っ入っています。  最もシンプルな構成のOTA。 SSM2045/2047といったVCFのMIX VCA部分とかがおそらくこのような構造ではないかと予想します。 データーシートには SSM2044と組み合わせた2045タイプの VCF/VCA構成やVCLFOの応用が載っています。



CEM3372 ( VCF+VCA )
CEM3372は 2 Chの Voltage controlled mixer、 4pole VCF, VCAが一つの chipに内蔵された ICで VCO typeの programmble polyphonic synthを想定した 作りになっています。

computer controlledを想定しています。 prophet 600 /T8, Chroma polarisなどに使われています。

このCEM3372に内蔵されているVCFは prophet5などに使用されているCEM3320VCFと は設計思想がことなるようで、Mini MOOG VCFの歪み等を研究して作られているそうです。  また resonanceを上げていった時のNFBによる通過帯域のgainが下がる現象がCEM3320などと比べて押さえられているそうです。



CEM3379 ( VCF+VCA )
CEM3372と同様 computer controlled programmble polyphonic synth用の chipですが、 3372と異なるのはVCFの audio信号入力が wave table等のDigital Oscillatorを想定しているので VCFの前に MIX VCAはなく VCAのあとに pan用に 2Ch VCAを内蔵しています。

prophet VS 、 ESQ-1、micro wave等に使われています。 VOCEのSPINにも2個ほど使われています。



CEM3387 ( VCF+VCA )
1987年という analog synth末期に登場した chipで  general purpose VC audio signal processorという名称からもわかるように特に analog synthを対象としていない chip のようです。

構成は( 1pole LPF+2pole LPF)+(2pole LPF+2poleLPF)の計7pole、 VCA , 2ch panVCAで構成されています。

2グループのVCFは別々に cut off freq.を制御できます。 VCFは antilog ampはついていません。 Prophet3000/ Emulator III等で使用。

また micro waveの後期version(IIでない)もこの石を使っているそうです。



SSM2100 ( LOG/ANTILOG )
Dual TR+2OP AMP+温度補償用ヒータを内蔵した、 LOG/ANTILOG chipです。 単体のLOG/ANTILOGですので synth以外でも使えます。 10ppm/℃ reference Drift 、 30ppm /℃ Scale Factor Drift。



CEM3394 ( 1chip synth )
SCIの six trakで始めて使用された computer controllを前提とした 1 chip synth IC で、 VCO、VC resonance 4pole VCF、VCAを内蔵しています。 CV in は全部で 8個、DAC+4051等の8Ch  multiplexerとの接続を想定しています。

SCIの一連の multi timbre Synth、 AKAI AX60、 SIMMONS SDS800等に使用されています。



CEM3328 ( VCF)
CEM3320に次ぐ CEMの4pole VCF chipですが、CEM3320より後の CEM VCFはCEM3372等のVCF+VCA複合chipが有名なためこのCEM3328はあまり知られたchipではないようです。  audio信号入力bufferと、resonance用のVCAが差動入力になっているのが特徴で入力信号の増減に応じてresonanceの levelを変化させるということも可能になって います。

Ensoniq Mirage等で使用されています。



CEM3391 ( VCF/VCA/EG/EG VCA)
これも computer controlledを前提とした複合chipです。 1 chipに 5VCA+VCF+VCEGが入っています。 内訳は、

  ・4pole VCF
  ・VC resonance VCA
  ・VCA
  ・2 final VCA
  ・VCEG(ADSR)
  ・EG用 VCA

を装備した大掛かりな 24pinのICです。 CESの analog synth chipとしては最大規模のものでしょう。 これらを controll する CVは9個あり、各CV inputは high impedance buffer内蔵です。

これとCEM3374を組み合わせれば、2chipで 2VCO typeの synthがとりあえずできてしまいます。



CEM3371 ( uP Controlled Waveform Generator )
CPU制御を前提とした CEM3310などよりシンプルな操作で Key ? velocity scaling等が可能な EG。 Waveform Generatorとあるように柔軟なEnvelopeを作りだせるEGです。

MOOG sourceの VCEGをワンチップ化して強力にしたような内容のICで2本の制御信号と asymptote, peak, timeの3っのparameterを電圧で指定することによって EG波形を作りだします。  面白いのはこの3parameterだけで通常のADSR等のパラメータやEGの全体の振幅等もコントロール できるので通常の方法のVCEGより パラメータとしてのCVが少なくてすみます。

要はEGの segment監視をCPUで行い目的のsegmentに到達したら目標値と到達時間のCVを与えると いう原理の波形発生器なので EG以外のLFO波形やより複雑なDIGITAL synthのようなEG波形も生成可能です。

soft演算の soft EGを用いることに比べて CEM3371の場合は演算操作なしに必要最小限のsoftの対応で 実現できるという analog - digital hybrid systemなわけで、基本的に capacitorの充放電動作の 制御なので soft EGのような時間軸、振幅軸の解像度、speedが問題になることがありません。  原理的には audio周波数帯域の発振器としても使えるはずですが。

たいへんユニークなEGですがこのころは soft EGが主流になってくる時代だったのでおそらく製品につかわれたことは無いような。


<2018/10/19 rev1>