* SA13 マイコン誌掲載記事 *


SA13発売から約4年たった時期での掲載ということもあってか、太っ腹にSA13の全回路(追加VCF基板含む)、さらには実寸大プリント基板のパターンも掲載されていました。 紙面にはWAVE corp.の協力の元、回路図、基板パターンの公開が出来たとあります。 基板はほぼB5サイズなのでマイコン誌の1pageに収まっています。 wavekitは知っていてもマイコン誌にwavekitの特集があったことを知る人は少ないでしょう。


* 基板シルク面(こちらの雑誌画像はB5サイズよりかなり小さい)

海外の雑誌では市販KITの回路図、プリント基板等を掲載したこのような記事は多いのですが国内雑誌としては珍しいケースです。 プリント基板の自作がめんどうで無い人はこの記事を元に完全自作、それが面倒な人はKITを買って下さいと言うことでしょうか。

この時期と言うのはだいぶWAVEKITのSA13は旬を過ぎ雑誌の広告記事もなくなっていたころでwavekitもマイコン関連の商品が主になっていた時期で唯一、秋葉の東京ラジオデパートのB1Fの秋葉原エレクトリックパーツでSA13は売られていた時期だったと思います。 紙面を見ると基板のみ8000円でブラックパネル付きのものが8800円、部品等全て一式のもが通常19800円だが読者サービスで17000円で購入できるということでした。 基板が8000円というのはちょっと高い、パネル分が800円と言うのは安いですが基板込みだからなのでしょう。


* 記事の中でのSA13パネルの写真

回路の動作原理等の説明はいっさいなくまたマイコンがらみのI/F等の話題もなく、回路図掲載とVR類に対する結線図などがあります。 基本 WAVE KITの手書きmanualを清書した図面がならんでいます。 WAVE KITのオリジナルよりきれいでgoodですがオリジナルマニュアル以上の情報は基本無し。 VCOのTr.の飽和を使ったTRI変換回路の誤植(NPN=X PNP=0)は直っています。 ですが仮にwavekitのマニュアルを持っていたとしてもやはりオリジナルパターンが添付されているという部分はこの記事の魅力でしょう。

紙面には半田付け工作の注意点等が書かれていますがACトランスを使ったKITゆえまたSOFTが主体でもある本での掲載なので AC電源まわりの工作の注意点ぐらいはあってもよさそうな気がしますがありません。 全13pageにおよぶ特集でpage数としては wavekit manualの1/2以下ですが密度の方は本誌の方が高いです。

別の所でも書いていますが自分もこのプリントパターン図を使って再度 SA13の基板をこの当時作りました。 マイコン誌1980/06に掲載という事実がわかってからここ何年か古本を再度入手しようと思いましたが中々なく、あってもなぜか人気があるらしく? 高値であったりして入手が実現しなかったのですが最近やっと適正価格と思われる値段で入手でき、なつかしさとともに当時の感覚もよみがえってくる気がします。

なにせ大昔のことなので基板を作ったと言うのが記憶間違えかとも一瞬思いましたが今ここにある雑誌の内容を見て確かに基板を製作したことは事実であることが確定。 さらに雑誌をめくっていくとPC8001の広告を発見、これを見て自分もこの年のこの時期に自分としては初めてのパソコンNECのPC8001を購入したことを思いだしました。

この号くらいは wave kitの広告があるかと紙面を見ても無し、一方LOG card/ SygnusのPAX ELECTRONICAの広告はありましたがこの時期にはすでに analog synth関係からは撤退したのか広告は Apple II 関連の周辺機器等でした。 PAXがsynthを作っていた期間はごく短期間だったということでしょう。


SA13の実機を所有していない身としては原寸大パターンが唯一 SA13を実感できる存在です。

<2018/07/13 rev1>