「放射線の影響は考えにくい」に疑問 福島の甲状腺検査 評価部会長が辞表
北海道新聞 2016年10月21日(金)13時30分配信
「部会長の立場では自分の意見が言えない」
東京電力福島第1原発事故後に福島県が設置した県民健康調査検討委員会の委員で、子供の甲状腺検査を評価する部会の清水一雄部会長(日本甲状腺外科学会前理事長)が、検討委に辞表を提出していたことが分かった。清水氏は検討委が3月にまとめた「(福島の子供の甲状腺がんは)放射線の影響とは考えにくい」との中間報告に疑問を感じ、「部会長の立場では自分の意見が言えない」と辞任を決めたという。
清水氏は医師で、甲状腺の内視鏡手術の第一人者。原発事故当時に18歳以下だった福島県の子供たち約38万人を対象にした検討委の甲状腺検査では、これまでに174人が甲状腺がんまたはその疑いと診断されている。
「多発は事実。臨床経験から考えると不自然な点も」
清水氏は「多発は事実であり、これまでの臨床経験から考えると不自然な点もある。『放射線の影響とは考えにくい』とは言い切れない」と説明している。
次回、開かれる部会で清水氏の辞任が決まる見通し。今後は部会員、委員として議論に関わる考えという。
福島県の甲状腺検査とは 2011年3月の東京電力福島第1原発事故当時、18歳以下だった約37万人を対象に同年秋から福島県が行う検査。14年春からの2巡目は事故後1年間に生まれた子供を加えた約38万人が対象。超音波で甲状腺のしこりの大きさや形を調べ、異常があれば細胞などを詳しく調べる。今年9月に報告された6月末時点の結果によると、1、2巡目を合わせて甲状腺がんと確定したのが135人、がんの疑いが39人。1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故では放射性物質ヨウ素131の影響で周辺の子供たちに甲状腺がんが多発した。
ここで、上念の甲状腺がんについてのコメントと比較しよう。ようするに、上念は、甲状腺がんは死ぬまで安心であると述べている。
「科学者の意見では、甲状腺がんは、調べれば出てくる」 「強制的に調べると、あれぐらいの確率(100万人あたり458人)で甲状腺がんが見つかる」 「東京都でも強制的に調べると同じ数字が出る」 「死んだときに実は甲状腺がんだった、生前本人が気付かなかった話は、葬儀屋さんの間では有名だ」 「甲状腺がんは進行がとても遅い」 「甲状腺がんで死ぬ人は少ない」 「甲状腺がんについて、医学関係者の99%は、ありえないとしている」
ネトウヨの教祖である上念司のコメントは、「小児甲状腺癌は良性疾患であり、手術の必要などない。過剰健診である」と主張する御用学者の意見と全く同じである。
しかし、福島の甲状腺がんは、131人が手術しており、その後、再発も起きていて、リンパ節への転移、肺への遠隔転移も起きている。
これは、上念の「甲状腺がんは、進行の遅いがんだから死ぬまで安心」という主張と真っ向から反対する事実である。甲状腺がんは、手術を要し、術後も再発し、遠隔転移しうるがんなのである。
上念司も、有本香とおなじ政権におもねるだけの「御用」なのである。
ネトウヨ諸君は、早く目を覚ましてほしい。
追記: 子供の甲状腺がんは、100万人あたり1〜10人発生するとされる。よって、福島の甲状腺がんの発生率は、通説の45.8倍〜458倍で発生していることになる。
追記: 福島県では原発事故後、172人(現在は174人)の子供が甲状腺がん、またはその疑いがあると診断され、131人が手術を受けた。福島県外でも子供の甲状腺がんが報告されているという。
2016/9/13 11:29 日本経済新聞
追記: 子供の甲状腺がん 手術、再発、遠隔転移 福島県で 原発事故の後、福島県が行っている、子どもの甲状腺の状態を調べる検査で、がんと診断された子どもの手術を行っている医師が、手術後に再発したケースが数%あることを初めて明らかにしました。これは、福島市で26日から開かれている甲状腺がんに関する国際シンポジウムで、福島県立医科大学の鈴木眞一教授が明らかにしました。
福島県では原発事故当時、18歳以下だったおよそ38万人を対象に甲状腺の状態を調べる検査を行っていますが、シンポジウムで鈴木教授は、県の検査でがんと診断され、平成24年(2012年)8月からことし3月までに県立医大で(甲状腺がんの)手術を受けた125人の詳しい状態や手術の方法などを発表しました。 それによりますと、状態としては、全体の22.4%にあたる28人に首の周りのリンパ節への転移が見られ、2.4%にあたる3人には肺など遠隔部への転移が見られたとしています。さらに鈴木教授は詳しい人数は言えないとした上で、手術を行った患者のうち数%の人ががんを再発したことを初めて明らかにしました。
2016年09月27日 13時05分 NHK
|