東京・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏が2017年2月6日、ニッポン放送「ザ・ボイス
そこまで言うか!」に生出演した。長谷川氏は事前に自身のツイッターで「『ニュース女子と東京新聞問題』について初めて語ります」と宣言し、注目を集めたが、長谷川氏は「論点ずらし」に終始し、「言論の自由に対する侵害」と見苦しい屁理屈をのべて自身の責任をごまかした。
ニッポン放送アナウンサー・飯田浩司氏「『ザ・フォーカス』のコーナーです。さぁ、今日のテーマですけども、2月2日の東京新聞朝刊一面に掲載された『ニュース女子問題
深く反省』という記事について、この記事、まずざっと内容をご紹介しますと、1月2日にMXテレビで放送された、長谷川さんが司会を務めていらっしゃる『ニュース女子』という番組の内容が、『一方的で事実に反する』と批判されたことを受けて掲載されたとなっております。
で、長谷川さんが論説副主幹を務める東京新聞が、2月2日、論説主幹の深田実さんによる…まぁこれ社告になるんですかね?」
長谷川氏「社告でもないけど、まぁお知らせみたいなもの」
飯田氏「お知らせ。ええ、で、この中身が、MXの内容が、『本紙(東京新聞)のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なることはまず明言しておかなければなりません。加えて、事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものでもありません』。
で、少し飛ばしまして、『他メディアで起きたことではあっても、責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します』などの内容が書かれているというものです」
長谷川氏「まずですね、この『対処します』とこう書いてあるわけですけども、まずこのMXの番組(1月2日放送のニュース女子)の中身については、私は今日は、あえて論評いたしません。
というのはですね、これは製作・著作は『DHCシアター』っていう会社が責任を持っているわけですよ。CS放送のね。それでMXってのはそれを流したス
テーション、テレビ局なわけです。で、ここが、このふたつが責任があって、そこが、それなりの態度はもうすでに示しております。まぁインターネットなど検
索していただければわかると思うし。
で、私は出演者・司会という立場で出ているので、そういう立場ではね、この番組についてコメントするということは今日のところは差し控えたいと。
それを申し上げたうえで、問題は、この東京新聞なんですね。それははっきり言って、私これをみた時はびっくりして、『ニュース女子』と東京新聞は、はっきり言ってまったく何も関係ないのに、なんで深く反省するのかと、まず直感的に私そう思ったんですね。
それで、これ読んでみると、一体なんでこんな文言の記事が出たのかというと、私が副主幹で出ていること、それが問題だと。で、それについて重く受け止めて『対処します』と。
『対処します』というのは一体、何なのか。まぁよくわからないけど、普通に考えれば、ようするに不始末を起こしたので処分します、というようなニュアンスの言葉ですよね。
で、すでにネット上では、もう私のその『対処』の中身について、いろいろ憶測が飛び交っていて、まぁ例えば、ネット検索すればすぐわかるから喋ってしまい
ますけど、私が『論説副主幹から退任して平の論説委員になるらしい』とか、まぁ真偽取り混ぜいろいろ飛び交(か)っているわけです。
で、私が問題だと思うのは、確かにその『ニュース女子』の報道したというか、番組で取り上げた議論と、それから東京新聞の報道姿勢・論評は、これは違いますよ。私自身も違います、東京新聞の主張とは。さっきの敵基地攻撃能力の問題含めたって、まったく違うと思いますよ。
でもね、(私と東京新聞の論評が)違うということで、それが理由に私に対して処分するということは、これははっきり申し上げて、『言論の自由』に対する侵害だと、私は思いますね。
つまり、新聞が社説で訴えるのは、何を訴えたってそれはご自由だし、まぁ私の意見と違っていたことが載っているわけですけど、それはそれでいいんですね。でも、例えば社説だってそれに出る途中の過程では、さまざまな議論があるし、異論ももちろんある。
で、それがまとめて出てくるわけですけど、そういう結果として出てくる東京新聞の報道・あるいは論説姿勢なるものと、私が社内、あるいは社外で発言するこ
とが違っていたって何の問題ないし、そういうことを保障すること自体が、私は言論の自由を守るということなんですよね。
今回は、私が副主幹で、司会をしていたことを重く受け止めて、ということなんだけど、これはね、はっきり言ってもうとんでもない問題だと私は思っていますね」
飯
田氏「まぁよく誤解されがちなんですが、ラジオもそうですけど、ラジオ、テレビっていう電波メディアは、電波という公共物を預かっているという関係で、中
身についても公平・中立という原則があると。ただ新聞に関しては、特に中身についての縛りっていうのは一切ないんですよね」
長谷川氏「ない。もちろんそうです」
飯田氏「基本的にその、新聞綱領みたいなかたちで、自主規制はあるけれども、まぁある意味、言論の自由が最大限保障されている場であると。それが新聞紙上なんだと」
長
谷川氏「はい。それで、新聞の社内でもそうですし、それがましてや外のメディア。ここでも、この深田さんの文章の中でも書いてありますけども、外のメディ
アで言ったことについても、『それは一体、何ていうことを言うんだ』ということで私を処分するなんていうことを、もし許してしまったらですよ、これから東
京新聞の記者たちは、外で自由な発言できなくなっちゃう。東京新聞の報道姿勢に沿ったことしか言えなくなっちゃう。はっきり言って北朝鮮状態になっちゃう
と。どこを割っても同じということになりかねない。
私、日本のマスコミについてね、常々思ってきたのはそのことなんです。つまり、日本のマスコミっていうのは、自分の会社の姿勢があると、みんな記者が『ヒラメ』状態になっちゃって、それにみんな調子合わせて、そうやって発言していく。
まぁ私くらいですよ。はっきり言って。会社の路線と全然違うことを言ってきたのは。だから僕はこういうことが許せなくて、こういうことを許してしまうと
ね、ますます新聞記者のサラリーマン化、ヒラメ状態で会社におもねって、会社に調子を合わせていこうと。こういう議論になりかねない。そこが一番心配で
す」
この日のラジオ放送で長谷川氏は、「東京新聞は辞めるのですか?」というリスナーの質問に対し、「こんなことになってしまったら、私の方から(東京新聞を)辞めるなんてことは500%ありません。断言します」「(私の)言論の自由を侵害する文章を論説主幹(深田実)が書いておいて、はい、わかりましたとわたしの方から口が裂けても言えない」と回答し、次のように続けている。
「まぁ正直言うと、実は内示のようなものは受けていますよ。でもそんなことは会社の中の話で、公表されるのはまだこれからでしょうから、その公表がどうな
るかわかりませんし、まぁそれを見て考えますけど、私の口から辞めるなんてことは絶対にありません。はっきり断言します」(長谷川氏)