透析など個室治療に追加料金 厚労省方針、差額ベッド代と同様
厚生労働省は透析治療などで病院の個室を使った場合、治療費とは別に追加料金を患者に請求できるようにする。保険の適用外で、全額自己負担になる(保険外診療)。個室など特別な診察室での治療は一部の病院が実施しているが、追加料金は取れなかった。有料化で病院が個性のあるサービスを提供できるようにする。
4月13日に開いた中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で了承した。厚労省は制度の詳細を詰めて、近く通知を出す。「差額診察室」という名前にする。
追加料金の請求は個室を使う医学的な必要性は生じていないなど一定の条件を満たす場合に認める。医療費が高額になったときに負担が軽減される高額療養費制度の対象にもしない。入院時に個室などを希望したときに発生する差額ベッド代と同じ扱いだ。
中医協では、高額な検査を当日にキャンセルした場合、薬剤料など実費を請求できることを明確にすることも了承した。
2016/4/13 20:43日本経済新聞 電子版
保険外診療(自由診療)とは、保険が適用されない診療のこと。つまり、診療費用(診療報酬)は患者がすべて(10割)自己負担する。現在、診療報酬は、その3割が自己負担となっている。残りの7割は、保険が適用されて、税金&保険料でまかなう(保険診療)。
つまり、保険外診療というのは、富裕層しか受けられない治療であり、貧困層はお金がないから、受けられない治療。
ようするに、高額な保険外診療、低額な保険診療。
そして、「何に保険が適用され、何に保険が適用されないのかの法的な基準は存在しない」(厚労省)。つまり、保険診療と保険外診療の線引きを規定する法的根拠はない。
この日経の記事の「医学的な必要性」というのは法的基準ではない。
インプラント(人工歯根)にせよ、金やセラミックの被せ物
(かぶせもの)にせよ、美容整形にせよ、個室の利用にせよ、富裕層しか享受(きょうじゅ)できない保険外診療(自由診療)は間違いだ。
富裕層=インプラント、貧困層=入れ歯というのはおかしい。だれしも、年を取れば歯が抜け落ちる。すべてがカネ次第(しだい)というのはおかしい。
富裕層も、貧困層も、同質の医療サービスを受けるべき。医療の質に格差があってはならない。
こういう「医療の質」の格差を埋(う)めるのが、国の役割。
新自由主義のもとでは、富裕層と貧困層の格差を埋(う)めることはできない。そこで、国が強制的に格差を是正しなければならない。
国が、格差を放置して、「差額診察室」とか名前をつけてどうする。
日本死ね!!!

2016年2月4日 日本経済新聞朝刊
保険診療では、患者の負担は3000円だが、保険外診療(自由診療)では、患者の負担は1万円となる。株主利益(富裕層の利益)を最大化する新自由主義のもとでは、保険外診療が拡大し、貧困層は医療サービスを受けられなくなる。

診療報酬(診療費用)の内訳は、保険料+税金+窓口負担(3割)。新自由主義では、株主利益の最大化の要請から、税金&保険料はゼロに向かっていく。つまり、保険外診療(窓口負担10割)が拡大していく。
こういう背景で、現在、安倍政権では「混合診療(保険診療と保険外診療の併用)の大幅な拡大」を推進(たとえば、国家戦略特区)。これは、税金&保険料でまかなう保険診療を廃止するのがねらい。その結果、1%の富裕層にお金が集まってくる。つまり、柳井会長の資産(2兆円弱)がまた増える。
|