家賃滞納者「追い出し」、家賃保証会社に賠償命令
東京地裁
家賃滞納(やちんたいのう)を理由に無断でアパートに新たな鍵(かぎ)を取り付けて追い出されたとして、東京都の40代男性が山口県岩国市の家賃保証会社「ラインファクトリー」に330万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(戸室壮太郎裁判官)は13日、ラインファクトリー社に対して55万円の支払いを命じた。
ラインファクトリー社は男性の家財も処分しており、戸室裁判官は「窃盗(せっとう)罪や器物損壊罪にあたる不法行為で、男性の精神的苦痛は重大だ」と指摘した。損害賠償は処分された家財の損害を30万円と算定し、ホームレス状態を強(し)いられた慰謝料を20万円などとした。
判決によると、男性は神奈川県海老名市のアパートに入居。2015年3〜4月の家賃計8万円を滞納すると、連帯保証人だったラインファクトリー社が玄関ドアに鍵(かぎ)を取り付け、男性は9日間公園などで過(す)ごした。
男性は「追い出し行為で泣き寝入りしている被害者が多くいることを知ってほしい」と話した。
2016/4/13 21:09日本経済新聞 電子版
管理会社に、家賃滞納でアパートを追い出され、家財道具を売却され、あるいは焼却され、ホームレスになった男性。
これは、じつは、現在の日本人のすがたなのだ。
投資家(株主)に、低賃金で長時間労働させられ、その果実である売上高の大半を収奪されて、貧困化した国民。
このホームレスを強(し)いられた男性とは、現在の日本人そのものなのだ。
「追い出し行為で泣き寝入りしている被害者が多くいる」とは、「投資家による搾取(さくしゅ)で泣き寝入りしている日本人が多くいる」ということなのだ。
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