「もうイヤになっちゃって」。東京都内に住む高橋有人さん(仮名、31)は3年前、4年間勤めたIT関連会社を辞(や)めた。理由はいくつかある。その一つが上司のこんなセリフ(ことば)だ。「お前は、同期の誰がライバルなんだ?」
連日深夜まで続く残業、土日出勤の無言のプレッシャー、そして同期を業績で競(きそ)わせる社風。そのどれもが合わないと感じた。

高 橋さんの理想は仕事3割、私生活7割、のバランスだという。仕事は真面目にこなす。定時に退社し、アフター5で映画を見る。そんな生活を目指して転職し た。給与(給料)は多少減ったが、「重い責任やノルマを背負わされ、部下の世話でストレスをためるくらいなら、出世なんてしたくない」と言い切る。 

「(店長昇格を)3人連続で断られました。どうすればいいでしょうか」。昨年(2015年)末、社会保険労務士の福田秀樹さん(43)の元を訪れた関西の小売企業の人事部長の顔は青ざめていた。

店長昇格を打診したところ、立て続けに拒否された。給与は上がるが転勤を伴う。「未知の土地に移り住み、部下を抱(かか)えて働きたくはない」のが昇進を敬遠する理由だという。

人材研修会社「シェイク」の吉田実社長は「真面目だが仕事に注ぐ力は70%。仕事にやりがいを見いだせず、責任を取りたがらない『ぶら下がり社員』が増えれば日本は危(あや)うい」と警告する。

2016/4/12付日本経済新聞 朝刊


新自由主義のもと、企業(=投資家=株主)の利益のために働く労働者(従業員)の、投資家への反逆だな、これ。


新自由主義が、働いても、働いても豊かになれないしくみである以上、当然、仕事に生き甲斐(がい)を見いだせない無気力な社員(従業員)が増加してくるのは、当然の流れ

こういう日経の記事をユニクロの社長・柳井正はどう見るのだろうか。おい、柳井、おまえのところの従業員が全員イスラム国へ参加したらどうするつもりか

投資家の利益のためにこき使われるのは、もうまっぴらごめんって田舎で自給自足やられたらどうするつもりか

柳井正はよく考えて欲すい




2016年4月22日 テレビ東京 WBS

テレビに出てるね。新自由主義の担(にな)い手たる「株主(投資家)」さまが。
彼のような「物言う株主」は、外部から企業に入り込んで、厳しくガバナンス(企業統治)をチェックできる。こうして「株主の方向を向いた」経営がなされることになる。




2016年4月22日 テレビ東京 WBS

「株主や顧客を向いた経営」という文言には、「従業員」が含まれていない
このファンドマネージャーは、従業員の利益を無視

株主を向いた経営とは、株主の利益を最大化ということ。
顧客を向いた経営とは、価格競争を通じて安い製品を売ること。

そこには、従業員の利益が欠けている。つまり、株主は「従業員を向いた経営」を求めていない。「安い製品を大量生産・大量販売して、収益を上げ、その分け前は株主によこせ」と言っているのだ。

まさに、「株主や顧客を向いた経営」とは、新自由主義そのものであり、従業員を貧困化させる元凶なのだ。

新自由主義のもとで、仕事に生き甲斐を見いだせる労働者(従業員)など生まれるはずがない。