日銀総裁「賃上げペースなぜ遅い?」 分析会合で米教授に質問


賃上げのペースが遅いのはなぜか――。政府が3月16日開いた国際金融経済分析会合で、日銀の黒田東彦総裁がジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授にこんな問いを投げかけた。進まぬ賃上げに焦(あせ)りも感じつつあるようだ。

不可思議なことがある」。黒田総裁は質問をこう切り出した。アベノミクスのもとで企業収益は改善し労働市場も引き締まっている。「急速な賃上げが起きるのが普通だと思われるが、実際の賃上げのペースは緩(ゆる)い」と疑問を呈した。

スティグリッツ教授は米国では職探しを諦めた人が失業者に分類されないなど「失業率が労働市場を正確に表していない」と指摘。「失業率とインフレ率の関係が瓦解(がかい)してきている」と語った。

2016/3/17 0:48日本経済新聞 電子版



企業収益(企業の純利益)は過去最高を更新(2015年度)
失業率=3.3%(2016年2月)
有効求人倍率=1.28(2016年2月)

黒田総裁が言うように「企業収益は改善し労働市場も引き締まってる」な

ただ、進まぬ賃上げを「不可思議」として、スティグリッツに質問するあたり、おバカ総裁丸出し日本の恥

企業の利益がどんなに上がろうとも賃金は上がらない

これは、構造的な問題であり、日銀が解決できる問題ではない。


新自由主義というものが、世界経済の構造として、ビルトイン(内蔵)されている以上、どんなに労働市場が引き締まろうと、賃上げは起こらない

株主の利益を最大化する新自由主主義では、労働者の賃金はゼロに向かうようになっている。「不可思議」なことではない。

アナリストやエコノミストならみんな知っている(たぶんw)

知らないのは、裸の王様・黒田総裁、あなただけですよ。


ただし、スティグリッツもトンチンカンな回答をしているw

二人で"羞恥心"としてデビューしたらいかがか。





企業の利益(純利益)は過去最高を更新(2015年度)

2016年4月4日 日本経済新聞



企業の内部留保(純利益−配当金)は過去最高(2014年度)

2015年12月6日 NHK 日曜討論




失業率と有効求人倍率の推移と進まぬ賃上げ
*は速報値

2016年4月12日 日本経済新聞朝刊




追記2:

新自由主義とは、売上高に対する株主利益のシェア(分け前)を最大化すること。



追記1:
グローバルな価格競争のため賃上げはできない

「メーカーは、世界標準価格との価格競争を強(し)いられている
「グローバルな価格競争に負けてしまうため、どんなに儲(もう)けようとコスト(人件費など)は上げられない
グローバルな価格競争で生き残るためには、どうしてもコストをカットせざるをえない
「だから、政府がいくら賃上げを要請したところで、企業の現場では賃上げをしたくてもできない
「企業は、賃上げに動かないのではなく、賃上げに動けないのだ」

須田慎一郎 『偽装中流』(KKベストセラーズ) 2016年2月5日