「社長は株主に対してはお金を預(あず)かり運営しているという責任はあるが、従業員に対して責任はない。やれと言って、(社長が従業員に)命令する。経営とはそういうものだ。」
富士通 元代表取締役会長 秋草直之(あきくさ・なおゆき)
現代のグローバル企業の本質をあらわすコメントだ。
つまり、企業が、株主(=投資家=富裕層)を見て経営しており、従業員を削減すべきコスト(経費)と考えている証拠だ。
企業の目的は、株主の利益(純利益)を最大化することであり、従業員の人権や幸福を目的としているのではない。
青山が泣こうがわめこうが、ワタミの森美奈(当時26歳)さんが、入社二ヶ月後に過労自殺したのは、渡辺美樹(ワタミグループ元会長)という特異なパーソナリティにあるのではなく、新自由主義の構造的な問題なのだ。
安倍総理や日銀の黒田総裁が、いくら賃上げを経団連や労組に働きかけてもなかなか賃上げが実現しないのも、原因はここにある。
そして、最近話題のタックスヘイブン(租税回避地)も株主(富裕層)の利益を最大化するために、税金を払わないようにするしくみだ。
「売上高=純利益(株主の利益)+税金+コスト(人件費)」である以上、従業員は、あくまでコスト削減の対象。企業にとって従業員は、殺してもいいのだ。
株主(投資家)の利益を最大化しようとする株主資本主義(新自由主義)においては、構造的に賃上げは不可能だし、過労自殺も起きる。格差拡大と国民の貧困化は止まらないのだ。
追記1:
賃金の伸びは低迷

2016年4月10日 日曜討論 NHK
追記2:
地方の声は、アベノミクスに厳しい

2016年3月20日 日曜討論 NHK
追記3:
今年(2016年)のベアは半減

2016年3月20日 日曜討論 NHK
追記4:
株主(富裕層)の利益を最大化する新自由主義のもとで国民は貧困化する運命

2016年4月12日 日本経済新聞朝刊

2016年2月21日 しんぶん赤旗
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