其の2


ドグラ戦記
〜徳間書店キャプテン7月号増刊コミックカ−ニバルvol.1掲載
『スカルキラー邪鬼王』2巻収録 24P〜

ごっつい男と、賢ちゃんらしいおっぱいがある以外は 男と変わらない女、二人一組のハンターモノのパイロット版...という趣。

病気なのか、宇宙からの未知の生命体なのか、異次元よりの侵略者かは分からない。 だが、生きた穴が人間の体を侵し、有象無象の化け物を吐き出していく...その名は「ドグラ」。 おじょうちゃんのアソコの中まで入り込んでる...てのは賢ちゃんらしいくすぐり(苦笑)。

普通の人間は全くの無力だが、徐々にドグラと戦える人間達が生まれ、人知れず闘っている...。 その中の1エピソード。いずれ起こる虚無戦争の予感をにおわせつつも、あくまで現代の闇と闘って いるという雰囲気の作品。一時期の夢枕獏を彷彿とする。


次元生物奇ドグラ
〜講談社コミックボンボン夏休み増刊掲載 『時空間風雲録』大都社版収録 40p〜

こちらは掲載誌からも判る通り、小学生辺りを メインターゲットにした怪奇ホラー調のドグラモノ。

古墳の封印を解いてしまった先生の体がドグラに侵され、不気味な穴を体中に 散りばめながら生徒たちに迫ってくる。夏休みの林間学校として泊まった寺が悪夢 に染まる...。まあ、プロット自体は定石に則っているのが映画マニアの賢ちゃん らしいが、何より絵。恐らくコレが初めて読む漫画だったら、間違いなくトラウマ になってしまうだろう(笑)。


新羅生門
〜エニックス ガンガン増刊ファンタスティックコミック収録
リイド社『新羅生門』収録 50P〜
 

これが地球に於ける虚無戦記の皮切り?魔界が迫り来る都。 それらを封じるために桓武天皇が作ったのが794ウグイス平安京!

平安京の入口、羅生門。そこで辛うじて都には魔物が入らない。...がそれ故にココには 魔が差した人間たちの醜い模様が映し出される。鬼となった人の心を通して魔物(=ドグラ) が現世空間に現れる。その境界にて都を守るのが陰陽師(おんみょうじ)。 この設定と芥川龍之介の『羅生門』をミックス、羅波党という一派?の若者達を中心に人間の 「業」を描いている。かつて雑誌「リュウ」に連載された伝説シリーズを思わせる、かなり ヘビーなテーマだ。

このマンガの最後に解説がある。仏教とともにドグラは日本に上陸。平安京の守りを 完成した時点から人類と異空間の闘い「魔空羅王戦」が始まったのだという。未だ詳かでは ないが、『5000光年の虎』角川版巻末にある「儒生暦」16800・神の軍団に宣戦布告、 21564・戦死する「羅王」と関連があると思われる。


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