コミカライズ・ヒーロー
今でこそ洗練され、ダイナミックな画風とアクションが両立している石川節だが、
比較的初期の荒削りな血しぶきグロ路線も捨てがたいモノがある!
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〜大都社 スターコミックス(新装・完全)版〜
「変身忍者嵐・外伝」と改題(石ノ森版2種が先行発行されたため)
1、2巻・1999.12/8初版
豪ちゃんが石森(石ノ森)アシスタント出身だからこそ実現したのだろう。 当時石森自身も「週刊少年マガジン」「希望の友」誌上にそれぞれ『嵐』 を連載していたが、この賢ちゃんver.は秋田書店「冒険王」に連載された。掲載誌は、「冒険王」72.5月号〜73.3月号に加えて、72.夏休み大増刊号・73.お正月大増刊号「別冊冒険王」72.夏・秋・73.冬・春号…とコレクター泣かせな数。 前書きにもあるが、元々石川賢は白土三平の忍者 マンガに最も影響を受けている。ギャグデビュー後、初めて描いた ストーリー作品がコレで、ノッた挙げ句ごっつく 暴走、石森組の歴史に残る残虐描写作品 へと仕上がった!インナーに走りがちな石森版に対し、敵の攻め方 も忍法の一つ一つから倒すときの景気イイ血飛沫、川に毒をながすオウムの ごとき作戦まで到底放送できないような描写のオンパレード! 上の秋田ver.と大都旧版は最終回未収録。大都新版で、魔神斎を破り、親玉 ・大魔王サタンとの戦いまで初収録。サンデーコミックス版の方が収録数が 少ないワケだが、その分、嵐が西洋妖怪をアタマのてっぺんのツノでグッッ ッッサリと突き殺して単行本終了、という味気なさ! 「ノミドクロの巻」に、コウモリ型の羽根を作っている男の話が出てくると いう具合に、後の作品に明らかにつながるエピソードがかいまみえる、とい う点でコレが本格的なデビュー作とも言えまいか?
こういう豪華別冊付録が 各誌に付いていて燃えた燃えた。 6月号は、本誌から続いて「死人ふくろう」後半32ページ。表紙裏に主題歌 『嵐よ叫べ』掲載。 10月号は48ページ!「オオカミ男とフランケン」の巻。血車忍者名鑑とカラー グラフ付き。おまけにトビラ未収録カラー。たまりませんわ。 最終回は「何と嵐が死んでしまう!」と一部で有名だが、溶岩で融ける月の輪の 容赦ない死にっぷりに比べると偉くハッピーエンドではある。 …完全版単行本が出ているので、ココでは敢えて内容には触れぬぜよ。 ちなみに最終回掲載号は、蛭田充版『デビルマン』の「妖獣オーロラ」の回。 更に本誌にてすがやみつる版『仮面ライダー』最終回、別冊付録で『仮面ライダ ーV3』初回というマストな一品! |
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記念すべき第一回掲載は、週刊少年サンデー1973.4/15(17)号。 表紙の真理ちゃんはシンシアと一緒に返還間もない沖縄訪問!連載マンガは キカイダー、レッツラゴン、漂流教室、男どアホウ甲子園、ダメおやじ... ザ・ムーンは、いよいよみんなでチョコレートかじってカビの霧の中へ! ...泣かせる...。 そんな中、篠田三郎の写真グラフや今道英治の撮影所レポートマンガと共に 幕を開けた第一回!いきなり野良犬の血塗れの決闘!...続いて中学生が体の 小さい小学生を殴る蹴る!健太郎ソレを救うが変身はナシ。小屋で怪しくうな る犬のダイナミックな姿で「つづく」!(笑) ...ドコが円谷印やねん! |
〜単行本・全1巻(5種)〜
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若木書房 |
若木書房 |
大都社 |
大都社 |
1978.9/25第3版 |
1980.7/25第3版 |
1978.9/20初版 |
1986.6/30初版 |
若木版と大都社版は長く平行して書店に並んでいたが、一体なぜなんだろう? 「版権」の観念が違ってたのかな?「少年サンデー」に連載されたストーリーは、 大きく分けて「タロウ誕生」「失われた町」「小さな独裁者」「鬼がくる」の 順で全4話。 若木版には、4話「鬼がくる」が収録されていない。また、大都社版・双葉社版 では第3話「小さな独裁者」が4話になっている。 それにしてもどう見ても『ウルトラマンタロウ』というよりも、 神と悪魔のファンタジーである。 多分連載時期から察して、『魔王ダンテ』『デビルマン』を描く豪ちゃんを 横目で見ていた時期なはずで、ウルトラの母などTVよりよっぽど神々しい。 ある者の意志で作り出され、 本人も気付いてはいないが人間とは異なる種族である という設定。しかも敵の超獣ならぬ「奇形獣」も 実は同じ種族という...。だが戦い続けなければいけない運命!...コレって 『5000光年の虎』じゃん!
そんなキッつい設定を見せつつ、脳が無闇に肥大化した赤ん坊が全国の子供達を
率いて革命を起こそうとしたり(「小さな独裁者」)、異星人が地球人にはどー
ってコトない細菌に侵されたり(「鬼がくる」>ゲッターG!)という何とも救い
のないハナシが続いた後、結局石川版の連載は放送半ば
にて終了。賢ちゃんの絵ではない絵物語に変わってしまったのだった...。
あのまま描いてたらタロウの手で地球滅ぼしてたかも...。
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こちらは今まで全く単行本には収録されていない、小学館の『小学一年生』 に1973年5月号〜74年3月まで掲載されたバージョン。神と魔の闘いのような サンデー版とはうって変わって、<THAT'S ヒーロー>といった感覚で描か れている。いるが、やっぱりそこはダイナミック!徐々に血しぶき飛ばす バイオレンス振りが顔を表し、スプラッシュ全開だ! また、ウルトラマンやセブン、Aらウルトラ兄弟(現在ではウルトラ戦士と呼称) も登場、セブンなど「俺ごと怪獣を撃てえっ!」と叫んで自ら死んで行くなど、 賢アニィの魂は確かに息づいている。(そして数カ月後、そんなことはなかった かのようにセブンが再び現れるところまで...苦笑) なお4月号のみ、前年『ウルトラマンA』を同誌に連載していた森義一 が描いているが、読みきり形式のため、整合性には問題がない。が、 もちろんカラーは違和感バリバリ(笑)。 |
突撃!ヒューマン
「小学五年生」1972年11月号(小学館)
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