ゴラク(ニチブン)版・バイオレンスジャック
<その1>

日本文芸社ゴラク(ニチブン)コミックス版・全31巻

講談社「月刊少年マガジン」1978年12月号での連載終了後から5年。 日本文芸社「週刊漫画ゴラク」1983年8月5日号から、新たに連載スタート。 編集側の「バイオレンスジャックみたいな作品を」との提案に、「どうせなら 続編を」と豪ちゃんが言ったという。

スラムキング編
第一部・ドラゴンの砦
第二部・黒の森
スラムキング編
第二部・黒の森(続き)
第三部・関東地獄街編 第三部・関東地獄街編
(続き)
第四部・死神警察編
第四部・死神警察編(続き)

それは「新たな黄金都市編」からのスタートではなく、講談社での 連載後、他作品『凄ノ王』をも受けた形で、かなり精神世界的描写の 多いスタートだった。連載最初のエピソード「ドラゴンの砦編」から、 超能力でスラムキングと張り合う「凄ノ王」が存在し、その娘・真弓が 念動を奮うという展開。ジャック自身も時間軸に影響を与えている。

豪ちゃんも連載再開が希望される『凄ノ王』をジャックの世界観の中で 完結させようとしていたフシもあり、それに対抗してかジャックが パワーアップしたようだ。

結局その構想は「ドラゴンの砦編」「黒の森編」「地獄街編」という 基本フォーマット編を経て、門土・竜馬紹介を兼ねた?「死神警察編」 を通過後、連載半ばの「ハイパーグラップル編」で完結。この後 からジャックフォーマットが異なる様相を見せ始める。

また、スラムキング側の後、凄ノ王サイドを描いて、完結に向かわせる 予定だったのか、最初の二編については「スラムキング編」の中の エピソード扱いだったようだが、「改めてジャック世界のフォーマットを」 との要請にこたえる形で描かれた「関東地獄街編」にてその縛りはなくなったようだ。

※ちなみにこの時期、講談社KCSP版で「黄金都市編」収録

第五部・
ハイパーグラップル編
第五部・
ハイパーグラップル編(続き)
第六部・学園番外地編 第六部・学園番外地編
(続き)
第七部・野獣王編

一種の集団を率いるヒーロー・ヒロインが主役だったジャック世界だが、 「死神警察編」の終わる頃から、ちょっとした変節が感じられる気がする。 各編の主役が豪ちゃんの他作品からの客演キャラである、というスタイルは 続くものの、いわゆる「リーダー」としてその主役が立つというよりも、 ジャック世界の中で、客演キャラクターがどう動くのか、という実験に 入ったかのように見える(「学園番外地編」「野獣王編」「鉄の城編」 「奴隷農場編」)。

そして、読者サービスとも言える「ジャック世界でのファンタジー」を経て、 「奴隷農場編」終盤で「ゴラク」連載としては初めて逞馬竜が登場 (名前だけは「ハイパーグラップル編」で出ている)。群雄割拠モノ としての「ジャック」の流れが復活する。

第八部・鉄の城編 第九部・奴隷農場編 第九部・奴隷農場編(続き) 第九部・奴隷農場編(続き)

ゴラク(ニチブン)版・バイオレンスジャック<その2>へ


永井豪の部屋へ

[TOP]