他作家によるマジンガー(その2)
アクションの王道がちょっと血まみれになり過ぎる我らが賢アニィのマジンガー


石川賢版・マジンガーシリーズ

スーパーロボットコミック・マジンガーZ編 「ミケーネ恐怖の遺産」
双葉社(B6判)1997.12.26初版発行

『ゲッターロボ』始め、スーパーロボット大戦シリーズのマンガでは総本山とも言える 双葉社の出版。これはいつもと外れて『マジンガーZ』だけで1冊作ったもの。執筆陣は 石川賢御大を筆頭に、一本木蛮&八雲ひろし、小林源文、富士原昌幸、小林真文、藤井昌浩。

賢ちゃんの描いた兜甲児は、豪ちゃんファンとしては違和感があったようだが、アクション のダイナミズムは文句なし!ストーリー的には原作の設定をうまく拡げつつ、本編の一挿話と してもロボットアクションとしても、流石企画グループの一員!という出来上がりだ。ミケー ネ帝国が機械獣をどう動かしていたのか、というメカニズムの謎。それは特殊育成下で作られた 殺人しか考えない人間の頭脳・ケドラだった!というお話。


他に石川賢・作のマジンガーは、『グレートマジンガー』時に「グレートマジンガー対ゲッタ ーロボG 空中大激突」、『グレンダイザー』時の「UFOロボグレンダイザー対ダブルマジンガー (双魔人の恐怖)」「グレンダイザー対グレートマジンガー(魔神の挑戦)」がある。

     

テレビマガジン8月増刊 人気まんが7大ヒーロー大行進ジャンボ号
講談社(B5判)1975.8.15発行

ご覧のとおり、『グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突』 の掲載号。今現在の単行本では載っていないが、この時のクレジットは 「原作/永井豪・石川賢とダイナミックプロ まんが・石川賢」であった。 ちょうど「週刊少年サンデー」から「冒険王」に移る直前の執筆。 豪ちゃんに比べるとサバサバ系のジュン、粘着質に「ボタボタ」と落ちる血、 やっぱり賢ちゃんだぜ。当時模写してみて、グレートの眉間の処理が違うので 迷った。(>当時からかい)このコミカライズは桜多版もあるので、 比べてみると作家性の違いが分かって面白い。

ちなみに同じ号には、松本めぐむ(尾瀬あきら)の『宇宙円盤大戦争』も 掲載。映画の方はあの濃ゆいタッチがたまらない魅力だが、松本版も 中々どうして、草原・ウエスタン調ファッション・見つめあうキャラたち …と結構なハマリ具合。

     

テレビマガジン1月増刊 人気ヒーロージャンボ号
講談社(B5判)1976.1.15発行

のどかな年末気分を、いやがおうにもサイコーにバイオレンスに血塗られた豪華Xマスプレゼント+お年玉+お歳暮気分へ持ち込んでくれる『グレンダイザー対ダブル=マジンガー(双魔人の恐怖)』掲載号だっ。コレが次の東映まんが祭りなんだ、きっと!と思い続けて幾星霜。いまだにこの、本当にガチンコ「vs」が実現する夢のカードはスクリーンに展開していない。返す返すも残念だ。(現在はノンクレジットにて単行本『UFOロボグレンダイザー』の後半に収録されている)連載時は右のような戦力比較や本編の宇宙獣ザルダン戦もカラーグラフ記事化。迫力の立体編集だった。

ちなみに同じ号には、安田達矢のスペシャル版『鋼鉄ジーグ大空中戦』も掲載(単行本にも収録)。いきなりこわっぱの首を次々と切り落とすヒミカ様という、ジーグならずとも全滅OK気分に持ち込まれるショッキングなコマからスタート、それを鎮めるためにアマソが立てた残虐作戦。目の前で大人たちを殺された子供たちを守るために立ち上がったジーグ!ソコへ邪魔大王国の人間爆弾たちが襲ってきて…とこれまたビッグなお年玉だ!

続いて真樹村正『ジャンジャジャ〜ン ボスボロットだい』の雪山スペシャル。雪だるま型の敵ユキダル御大将が登場、我らが愛する葉子ちゃんをしもやけだらけの「お嫁にいけない身体にする(自称)」作戦を展開。それに続いてよしかわ進・筆によるボロット企画ページまであって裏ダイナミックファン的には絶対外せない逸品。

…いや、この号自体は『仮面ライダーストロンガー』最終回に向けたアオリが張られまくった号でもあって、当時のお子様的には恐るべき冬休み号なのだった。

  

テレビマガジン4月増刊 8大ヒーロージャンボ号
講談社(B5判)1976.4.15発行

「まんが巨編 グレンダイザー対グレートマジンガー」(魔神の挑戦) の掲載号。グレートがロボット博物館で暴れ、Zから女性ロボ、果ては ゲッターロボまで(同じ博物館に収まってたのね!)破壊しようとする 横長口絵に始まる、3枚・7ページのカラーグラフで映画版の内容紹介した上で、 賢ちゃんのマンガにたどり着くというあおりっぷり。

この時のクレジットは「原作・永井豪 まんが・石川賢」。 まあアチコチで触れられているが、コレ見てから映画館行くと、バレンドスが いい人に見えてくるから不思議。しかし、柴田秀勝さんが声やってるだけに、 兜剣造博士がグレート乗ってるカンジが…しないしない。


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