琵琶湖岸の雄琴温泉の近くにかつて有名な幽霊ビルがありました。たしか35年くらい前にホテルを作る予定で工事を始めて、鉄筋コンクリート8階建てのガタイまで完成したところでストップ。そのままずっと放置されていました。湖西の幹線国道に面していたのでよく目立っていました。

 このビルは数年前に日本で初めて爆破解体するということで、もう一度有名になったのは記憶に新しい。しかし爆破はあまりうまくいかず、上半分くらいが残って倒れたんではなかったかと記憶しています。

 ところで、右の写真は私の自宅からほど近い山の中腹にある幽霊ビルです。このビルは平成初期くらいに工事されていたといわれていますが、私はあまりよく知りません。足場やそれを覆うシートなどもそのままで、知らずに見ますと工事中のように見えるのがミソ。写真で少し青っぽいグレーの板のように見えるのが足場の張られたシートです。

 この場所は高槻有馬構造線の真上、つまり活断層に建つ幽霊ビルというわけです。

 このビルは、阪神高速池田線の、豊中南あたりから見えることも確認しました。

 なお、このビルのすぐ下には、できあがりかけて放置された2階建の家があり、少し山を登ると営業しているのかどうかよく分からない動物霊園があったりして、ちょっとした「不気味ゾーン」の態です(住んでおられるかた――大きなお屋敷が少なくない――ごめんなさい)。

 これもバブルの落とし子のひとつなのかもしれません。



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