幼年のころからの鉄道好きは、高校生のときに4人の仲間を得、本格的に写真も撮影するようになって最も活動的な時代を迎えました。しかし、残念ながらわが母校は名うての進学校、そのうえ、金もないし、おおっぴらに鉄道撮影旅行など許してもらえる雰囲気ではありませんでした。

 ですから、しょせん近郊の私鉄巡りをするくらいがせきのやま。やがて、仲間のすべてがそれぞれの大学に入学し(全員現役合格だったのが嬉しい)、入学翌年にレンタカーを借りて大々的に撮影旅行を敢行しました。そのときの一枚。

 まもなく電化される呉線、ここには超重量級蒸機が集まっていて、とくにC59はまもなく廃車が決まっていたのです。架線柱のないうちに勇姿を撮影しておこうということで決まったスポットでした。

 この写真は、三原と須波の間にある沼田川の鉄橋を渡る626列車を牽くC6216。一本の三脚に3台のカメラを自作の架台で装着し、望遠と標準のモノクロ、それにリバーサルと、いちどに何種も撮影しました。1968年3月24日と記録にあります。じつに30年前。


「写真とともに閑話休題」の目次へ戻る
湾処屋のホームページへ
1999/07/29